冬期阿弥陀南綾からの赤岳縦走〜阿弥陀南綾完結編
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 1,765m
- 下り
- 1,669m
コースタイム
26日>7:10樹林帯-7:45青薙-9:00無名峰(南綾)-9:10P1-9:40P3ルンゼ-10:15P4-10:40阿弥陀岳-11:25中岳-12:45赤岳-13:20地蔵の頭-14:10行者小屋-14:40赤岳鉱泉(大休止)-17:20美濃戸口
天候 | 2日間ピーカン!!(いつもすみません) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:美濃戸登山口からタクシーで茅野へ。茅野からスーパーあずさで新宿へ。 注:この時期、平日バスは特定日運行です。 http://www.alpico.co.jp/access/suwa/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
学林〜舟山十字路:まず、学林で降りて舟山十字路まで徒歩で行かれる方は、稀と思われますが、別荘地の通りは、カッチカッチに凍結していて怖い。(まずここが核心部)それ以外はなんてことのないただの林道です。 舟山十字路〜旭小屋:今回は数名のトレースがあって助かりました。それでも一度、降雪があれば、ラッセルを強いられるでしょう。小さな渡渉あり。 旭小屋〜青薙:旭小屋のトイレ(使用不能?)の先へ進み、奥の斜面(かなり急)を登っていきます。赤いテープやマークが手掛かり(ところどころにあり)。広河原からの取りつきと合流すると、長い(本当に長い)樹林帯の道を登っていきます。ここからのトレースは明瞭。 青薙〜P3まで、今回は前回の雪がかなり残っており、急斜面は膝上まで埋まるところも。トレースは一度の降雪で埋まる可能性あり。 P3〜頂上:P3を裏側へ回り込むとカチカチの岩溝ルンゼ。ここが核心部。写真をとる余裕はありませんでした。狭い凍結した崖のようなところを岩を掴みながら、ピッケルも出したり腰に戻したり4点!確保であがりました。最後まで気を抜けなかった。だって、もし滑って落ちたら・・・。当然、パーティならロープを出すところです。支点あり。ここをクリアすれば絶景の頂上が! 阿弥陀岳〜赤岳:中岳の稜線を降りるまで、本当にここを降りるのと疑いたくなるような急斜面が出てきます。後ろ向きにアイゼンとピッケルを突き刺して下降しました。ときどき進行方向確認しましょう。 以下、割愛します。 |
写真
感想
阿弥陀岳南綾。冬期バリエーションルート。
その響きに憧れて無残にも敗退したのは昨年の12月。
なんと、尾根にも取りつくことができなかった。
敗退編はこちら。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-252384.html
初級といえども、いわば、アルパインの世界。
単独でやることがどういうことか分かっているつもり。
それでもやってみたいと思うのは、
もっと、山を知りたいから。
それでも、前回、トレースが無く、すぐに諦めた経験があり、
実は、このリベンジ、かなり、尻ごみしていた。
また、だめなんじゃないか。まだ、自分にはできないんじゃないか。
山を知れば知るほど、山が怖くなる。臆病になる。
あれから2カ月以上経過。やらなくっちゃ。ちゃんと。重い腰を上げる。
前回と同じ道を歩く。旭小屋から挑戦。学林でバスを降り、
舟山十字路まで歩いた。
阿弥陀聖水で、少し年配の方がポリタンクで水を汲んでいた。
ここの水は有名のようだ。いつも人がいる。
昨日、北岳で遭難があったようだ、気をつけなさい。
前回も御夫婦に同じようなことを言われた。デジャヴュのようだ。
ただ、前回、始めから全く無かったトレースが今回はあった。
撤退地点の旭小屋から尾根へと上がると、その踏み跡はより鮮明となった。
立場岳のピークがいったいどこだったか今でもわからない。
青薙まで行きたかったが、疲労もあり、時間も押し迫ったところで、
樹林帯の中でのヴィバークを決めた。
シャベルで深雪を掘り起こし、さっさと設営。テント内で寝床を尻で整地した。
夕食を作り始めると、手足の指が攣り始めた。(なんでーかなー)
それでも寒いテントの中で温かい食事は本当に美味かった。
夜、見上げると明るい月に夜空が照らされている。星がきれいだった。
翌朝、快晴無風。誰かに見守れているような気がするくらい今年もツキがある。
だからこそ。ちゃんとやらなくっちゃ。
テントを撤収。再び背中に担ぐ。
今回の一番の心配事は、テント装備で無事にこのルートを上がれるのかということだった。
軽量化を図るため、ロープなどの登攀用具は持ってきていない。
しばらく歩くと好展望地に出た。前方に南綾が現れる。ここが青薙か。
2張りほどのテント跡があった。その先に真新しい数人のトレースが続いている。
今日のものだろうか。平日、このルートに人がいるとは思っていなかった。
無名峰からはるか前方に3名のパーティーが等間隔で歩いているのが見えた。
よかった。これで、いけそうだ。
しかし、すごい景色だ。とくに権現、キレットの稜線が素晴らしい。
甲斐駒、千丈。少し遠くに目をやると、北アルプスは滞りなくきちんと整列している。
山は見る位置を少し変えるだけで全く違う表情を見せてくれる。
写真を撮るために何度もザックを降ろした。一枚、一枚。いちいち、感動する。
P3を左側にトラバースし、奥へと入ると、高さ60メートルほどの岩溝のルンゼがある。斜度は50度はあるか。
見ると、雪はほとんど、落ちるか溶けていて、岩場がガチガチに氷化している。
足元は奈落のように大きく口を開けている。
上からは薄氷の破片がカラカラと落ちてくる。
どうやら3名のパーティーに追いついたようだ。当然、ロープを出している。
まじかー。でも、やらなくっちゃ。
ピッケルを腰に引っかけ、氷化した岩に前爪をかけて、岩を攀じる。
途中、手掛かりが無くなるとピッケルを出して雪面に刺す。
何度か深呼吸をしたような気がする。
灌木を掴み上がりきったところには先行していた方々が休憩をしていた。
ほっとした。
リーダー格の男性に独り?と聞かれる。はい。見てのとおり。
そこから頂上まで後ろにつかせて頂く。
そのためか、P4のトラバースはあまり緊張しなかった。
深い雪の中、最後の急斜面を一歩、一歩上がると、そこは頂上だった。
4人で頂上を独占。気持ち良かった。せっかくなので男性に写真も撮っていただいた。
頂上にはそれぞれの苦労や我慢がそれぞれの充実した喜びとなって満たされていた。
冷静に見えた女性の本当に嬉しそうな表情が印象的だった。
ここで3人と別れ、独り、赤岳を目指すことにした。
これは始めから決めていたことだった。
踏み跡の消えた急斜面にピッケルを刺し、アイゼンを蹴り込みながら後ろ向きに降りる。
北綾からガイドさんとザイルを組んだこれまた女性が上がってきた。(女性強し)
中岳の稜線に降りると、気持ちの良い雪綾が一直線に赤岳に伸びている。
文三郎尾根を上がり、無人の頂上に到着。
4回目の4回とも快晴の頂上。この贅沢者め、自分に毒づいた。
横岳連続縦走の妄想を今日は止めとけと打ち消し、無事に(笑)赤岳鉱泉へと降りた。
赤岳鉱泉に降りると、女性スタッフさんが出てきてカモシカがいる!と驚いていた。まさかと思った。
そこにいたのは昨年、リベンジを誓ったあのカモシカにそっくりだった。
あまりにも出来すぎた出来事に可笑しくなった。
カモシカは立ち上がって木の実を少し食べると、樹林の中に消えていった。
makasioさん、ついにやりましたねえ。
前回のチャレンジの時は悪天候、旭小屋で撤退で・・・。
今回は天候にも恵まれ、あの阿弥陀から中岳コルに下りる急傾斜も制覇して。「マンガン成就」いや、「満願成就」ですね。
積雪期の阿弥陀南稜は私には手の届かない世界です。でもまず、雪のない時期には一度登ってみたいルート。
でもやっぱり、雪のある時とない時じゃ別世界なのでしょうね。いや、うらやましい!
とにかくおめでとうございました。
あの日に聞いた阿弥陀南稜。
やったね!
しかも前回までのあらすじ付き。
雪のこのバリルートをこのように表現するカズ。
だからサイコー!
いちいちザックを下ろしてデジイチ出して感じたことと
一緒に撮りとめて、テントまで背負って、なのに追いつ
いちゃって…。
踏破の記録だけに終わらない感動の記憶。
甲武信で感動したのと同じだ。
これができるのはカズしかいない。
良いコンディションを引き寄せるのも実力のうち
おめでとう。そしてありがとう。
PS.避難小屋に前夜泊&緊急用布団一組追加完了。マジ
お天気とトレースに恵まれ、
それと・・・、女神にも微笑まれましたね。
いいコンデションだぁ〜、羨ましい。
冬はね、どうしても水分補給が不足しがち、
何でもないと思っててもちょっとしたところでヘンに力が入ると足が攣ったり、
テント張ってヤレヤレって思うと足が攣ったり、
水分・カリウム・塩分は定期的に補給して下さい。
それでも重い荷物、アイゼン履いて不安定なところを歩いてると疲れるよ。
カムジャタンに胡椒かけたの? 私は唐辛子派ですよ。
こんな素晴らしい天気の下で登れるなら今季もう一度くらい行ってもいいかな・・・
お疲れ様でした。
お疲れ様です
毎度の事、ただただ脱帽でございます
やっぱり、弩変態の称号は熨斗をつけてお譲りしますんで嫌がらずに受け取ってください(笑)
makasioの記録を見ると、遠くからお山を見ているだけではなく登らんとイカンな〜って思います!
例の件は了解です!詳細宜しくお願いいたします!!
makasioさん、お疲れ様です。
リベンジ叶いましたね
ちなみに、僕の知り合いで冬八リベンジはmakasioさんで2人目です。もう一人の方は天女山〜権現〜赤岳〜美濃渡っていうルートでリベンジされてます。
やっぱ、冬は、天気なんかもありますし、トレースの問題もあったりして、難しいんだろうなぁ〜って素人ながら感じながら拝見させていただきました
ホント皆さん、ガンバていらっしゃいますね。
makasioさんのルート景色も最高!!
やっぱ青空に雪山は映えますね。星空もきれい。疲れた身にとても良い目の保養をさせていただきました。ありがとうございます。
また、行動食にナッツはいいですよね。自分も時々持ち歩いているんで、なんか親近感がわきました
今回も、素敵なレポ。じっくり読ませていただきました。ありがとうございます。そしてお疲れ様でした!!(^_^)/~
こんにちは。
やりましたね〜。
おめでとう。
やっぱり挑戦しないとね。
「成せば成る」ということだね。
舟山十字路周辺の積雪はどんな感じですか?
4駆じゃないと入れないかな?
南稜よりも駐車場所が核心だったりして(笑)
P3ルンゼは氷化してますか。
ちょっと嫌だね。
勢いのままに硫黄まで行っちゃえば・・・
やりましたね!
リベンジ成功、おめでとうございます。
2日間の晴天うらやましいです、いいですねぇ〜。
単独の喜びが、文章から伝わってきて楽しそう〜
かなりの急斜面も有ったようですが、気をつけてください。
でも、最近の女の人、どこでもガンガン行っちゃいますね、本当強いです
コメントありがとうございます。
マンガン成就でしたー。やった。
この日、八ヶ岳は穏やかでした。
前日、前々日は荒れたようですね。
遭難もあったとか。
僕は、運があったのだと思います。
先行者もいたし。
阿弥陀から下降するあのルートは本当にすごい斜度ですね。
是非、一度、無雪期に。でも気をつけてくださいね。
タカさん、やりました。
あの日の帰り道。宣言することで、
自分の逃げ道を塞ごうとしたんです。
だって、勇気が必要でした。一度敗退してるし。
八つは優しかったよー。
旭小屋のお地蔵さんに、手を会わせました。
タカさんとサカエさんに教わったことです。
自分の我慢と僅かながらですが努力をすること、
それに対しキチンと答えてくれる山。
山はやっぱり最高。全てに感謝。です。
>PS.避難小屋に前夜泊&緊急用布団一組追加完了。
マジですかー。奥様公認ですよね。
コメントありがとうございます。
やりましたよー。
ittiさんとのコラボ、もちろん見ていました。
簡単そうにやっていましたが、
やっぱ、p3のルンゼは難しかったです。怖かった―。
でも、それを乗越えたあとには、絶景。感動、感動でした。
noboさんの背中、一年追っていました。(ヤマレコで)
改めて凄さがわかりました。本当にすごい。
カムジャタン、あれは何でしょうね、白ゴマを、摺ったものだと思います。
美味しかった―。
弩変態の称号、ありがたく頂戴します。
その名に恥じぬよう、一層精進したいと思います。
って、同じ穴のむじなでしょうが。
天気が良くて、先行者のトレースもあった。
だから、できたことです。
ただ、やりたいことをしているだけ。
でも、今回も最高だった。
例の件、ありがとう。
俺達変態コンビで何ができるか。作戦会議しよう。
ありがとうございます。やりましたよ。
一度、失敗すると、怖気づいちゃいます。
冬山は特に。
いろいろなことに恵まれないとなかなかできません。
天気が荒れたら、もうそこで撤退ですし。
怖いところもありましたが、まあ絶景、絶景でした。
目の保養になれば、私も嬉しいです。
お友達、天女山〜権現〜赤岳〜美濃渡ですか。
まさに本気の八ヶ岳ですね。
無事に成功できました。ありがとうございました。
舟山十字路の積雪はそれほど大したことありません。
siriusさんが車で行かれたあのときほどではありません。
今の八つ、降ればすごいですが、溶けるのも早い。
4駆でなくても行けるかと。ただ、別荘地前の道は、
ツルツルでした。私、こけました。
「挑戦しなければ何も始まらない」。ですね。
しかし、連続横岳縦走は無理でした。
あのとき、ハイになっていたのかな。
バカです、俺。
今回が本当のリベンジでした。
楽しいと怖い、天秤にかけたら。
釣り合うだろうか。
でもやってよかったー。
実は、今回の達成感、今、ひしひしと感じています。
阿弥陀頂上でも赤岳も。あ、できた。
よかった。そんな感じでした。
それより風景やルートに感動していました。
前回の西穂はやっぱり特別だったんです。
登頂おめでとうございます。
素晴らしいお天気にも恵まれてよかったですね
P3、P4辺りが凍ってるとイヤラシイところですかね。
カモシカちゃん今日はお疲れの言葉をかけにきてくれたんじゃないですかね
ありがとうございます。
無事に阿弥陀南綾リトライに成功しましたよ。
昨年の敗退も、それがなかったら、
mamepyonさんに美濃戸山荘で出会えなかったわけですし。
ほんとに上手く出来てます。
カモシカは多分、昨年会ったカモシカだと思います。
そんなこと、あるんですねー。
p3のルンゼが核心だと思います。
p4はmamepyonさんなら問題ないと思います。
怖かったけど、達成感と充実感に今も満たされています。
阿弥陀南陵完結ですね
おめでとうございます。
前回の敗退が嘘のように、トレースにもお天気にも恵まれたみたいですね。
山の神様が頑張るmakasioさんに微笑んでくれたんでしょうね。
阿弥陀南陵か〜、先日も行こうか迷って
無雪期に行ったことないからやめたんですが、
このレコみると(コメントや感想に余計そそられて)行きたくなっちゃいますね〜。
目の毒だなぁ。
ありがとうございます。
やりましたよ。ブイ
俺も無雪期に歩いたたことなんてなかったんです。
前回、敗退したとき、
考えが甘かった。無雪期にやらんとな。
と思ったんですが、noboさんittiさんのレコみて、
我慢がもうできなくなった。(笑)
このまま、一年待つことなんてできませんでした。
もし、行かれるのなら、経験者と行かれることをお勧めします。
いくらtamaoさんでも。心配だ。
nobo師匠、一緒に連れて行ってくれないだろうか。
もう、行ってたりして。独りで。
makasioさん、こんばんは。
南稜やってる!
すげ〜〜〜!!
ロープクライムの技術がないので、敬遠していたところです。
すご〜〜〜!!
いってみたいが、おそろしそ〜〜!!
お疲れ様でした。
すご〜〜、しか言えない。
やりました。
独りでできるもんシリーズも。(笑)
ついにここまで来ました。
全て独学です。
だから、怖い。皆を心配させてしまいます。
でも、やりたいことは、やりたい。
時間はかかりますが、少しづつ、
自分のやりたいことだけを(笑)
これからもやり続けたいと思います。
seizanryoさんも復活おめでとうございます。
今年はまだ始まったばかり、
今年も、良い山をやりましょう。
ソロでバリに挑戦され、見事に達成される素晴らしいmakasioさんですが、
一番心動かされるのは「縦走へのこだわり」ですね。
夏も冬も、変わらずに。
南稜は阿弥陀のバリの中では比較的易しいと耳にしますが、noboさんのレコ見てると恐ろしやです。
ヨシ、tamaoさんが無雪期に南稜を偵察するレコで予習して、私も無雪期から始めてみようかな(笑)
遅くなってもコメント嬉しいよ。
自分の好きなことを「妥協せず」好きなようにやる。
これが一番だと思います。
低山でも、山小屋泊まりでも、いいと思いますよ。
縦走か。yoko岳(笑)縦走。あと1時間出発が早ければ、やっていたでしょう。
下山したとき、これは後悔が残るな、失敗山行だ。
と思って歩きました。
実際はでもへとへとで帰ったら右足小指が腫れていた。
そんな状態でやろうとしたんだから、阿保です。
冬のバリ、達成感、充足感、計り知れないものがあります。ソロだからなおさらです。
是非、tamaoさんと無雪期の調査からはじめては?
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