記録ID: 2789647
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
日程 | 2020年12月05日(土) ~ 2020年12月06日(日) |
---|---|
メンバー | |
天候 | 5日:曇り 6日:晴れ |
アクセス |
利用交通機関
新穂高登山者用駐車場:無料。ガラガラで最上段に余裕で駐められました。
車・バイク、
ケーブルカー等
ロープウェイは乗車券の他に登山者は荷物券が必要です。往復3,000円+600円。 こちらもガラガラでした。
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地図/標高グラフ


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コースタイム [注]
コースタイムの見方:
歩行時間
到着時刻通過点の地名出発時刻
コース状況/ 危険箇所等 | 積雪は少ないですが、ロープウエイを降りてからずっと雪道を歩いて行けます。 独標までは特に難しい場所はありません。独標から西穂本峰までは積雪が少なく難易度は高めです。 【ロープウエイ西穂高口〜西穂山荘】 積雪が岩や木の根を隠して歩きやすくなっています。 登りはつぼ足、下りはチェーンスパイクが最適です。 【西穂山荘〜独標】 スタートから12本爪アイゼンとピッケル装備が良いと思います。 (独標直下まではピッケルを使う場所は有りません) 小屋からひと登りで稜線に出たところが丸山、普通の道で危険は有りません。 丸山から独標直下までは広い稜線を登るだけで、特に風が強く無ければ問題ありません。 独標の登りは岩と氷がミックスしたちょっとした壁ですが、特に難しくはありません。 【独標〜西穂高岳】 独標までの道とは全く違います。落ちれば即アウトの場所が続きます。 雪山初心者の方は必ず経験者と同行してください。 独標の登りで苦労した方は経験者と同行してもこの先に進むのは難しいと思います。 難所は幾つか有りますが最初の独標の下りで怖いと思ったら引き返した方が無難です。 最大の難所は西穂高山頂直下です。積雪が有れば中央のガリーをピッケルのピックとアイゼンの前爪で比較的簡単に登れますが、この日は積雪が繋がっておらず岩と氷のデリケートな壁になっていました。登りは良いのですが下りは相当緊張を強いられました。ザイルが有れば積極的に使用したい所です。 尚、春先などは稜線の右側(上高地側)のハイマツ帯を雪庇に注意して登ることも出来ますが、この時期は積雪が少ないため通行不能です。 |
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その他周辺情報 | 定番の「ひらゆの森」の温泉に入りました。 |
過去天気図(気象庁) |
2020年12月の天気図 [pdf] |
装備
個人装備 | 長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル タイツ ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 予備手袋 防寒着 雨具 ゲイター マフラー ネックウォーマー バラクラバ 毛帽子 着替え 靴 予備靴ひも ザック ザックカバー アイゼン ピッケル 昼ご飯 行動食 非常食 調理用食材 調味料 飲料 水筒(保温性) ライター 地図(地形図) コンパス 笛 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 針金 常備薬 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ナイフ カメラ ヘルメット |
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写真
感想/記録
by yamaya1127
例年11月初めにはアルプスの山に雪が積もり、私の技術・体力では登れなくなるので「アルプス納め」と称して南・北どちらかのアルプスの山に登ることにしています。
今年はコロナの影響で早々に小屋が閉まったり、通年で閉鎖が続いたりでアルプス納めが出来ないまま冬になってしまいました。
それでも、このまま八ヶ岳中心の冬山に移ってしまうのは何となく区切りが付かないので、営業小屋の有る西穂高岳で遅い「アルプス納め」をすることにしました。
若いときなら厳冬域の西穂西尾根を登ったりもしたのですが、もうそんな力は無く雪の西穂はいつも春先ばかりでこの時期は登ったことが有りませんでした。
西穂は積雪が少ないと山頂直下が相当厳しいと聞いていたので、独標までで撤退も視野に入れて向かいました。
西穂山荘はコロナ対策で色々制約はあるものの、今年も通年営業しており本当に助かります。関係者のご尽力に大感謝です。
土曜日の昼前なのに新穂高登山者用駐車場もロープウエイもガラガラでちょっと拍子抜けの感じでスタートしました。
ロープウエイを降りた西穂高口からは積雪があり、今シーズン初めて履いた冬靴を汚さずにすんで助かりました。
初日は西穂山荘まで、午後は丸山の稜線に登って写真を撮るつもりでしたが、天気予報では晴れだったのに雲が取れず、写真はあきらめて小屋でごろごろして過ごしました。
小屋はコロナ対策で収容人数を大幅に減らしている上、この週末は混んでいなかったのか6人部屋に2人だけで広々快適でした。
翌朝、5時前に起きて外を見ると星空、どうやら好天に恵まれたようです。
食事をして6時過ぎにヘッドランプを点けて出発しました。
久しぶりに履くアイゼンの感触を楽しみながら歩くと辺りはすぐに明るくなり、稜線の丸山に到着。日の出前でしたが朝日の出る八ヶ岳方面は鮮やかなオレンジ色でサンピラー(太陽柱)がはっきりと見られました。
山で朝日を見ることは何度も有りましたが、こんなにはっきりとサンピラーが見られたのは今まで数えるほどしか有りませんでした。
その後太陽が出ると一瞬辺りが真っ赤に染まり、自分がモルゲンロートの中に居るのを実感しました。
このとき、今日は西穂の山頂まで登れると確信しました。
風も弱く気温もそれ程低くなく、絶好の日和で独標までは全く難なく到着。
途中10名程の登山者がおりましたが、適度な間隔で渋滞することも無く快適に歩けました。
殆どの方が独標で引き返したため西穂に向かったのは数名だけでした。
独標から先は今までの道とは全く異なりましたが、さほど難しいところは無くピラミッドピークを越え、チャンピオンピークを越え、本峰直下まで比較的容易に進みました。春先は緊張する飛騨側の雪斜面トラバースや雪庇に注意が必要な信州側のトラバースも全く無く、意外に簡単だなと、ここまでは少しなめていました。
ところが山頂への最後の壁が難関でした。
春先なら中央のガリーが雪で埋まっており、ピッケルのピックを刺しアイゼンの前爪で安定して登れるのですが、雪が繋がっておらず岩と氷のデリケートな壁になっていました。アイゼンの爪が滑らないように慎重に足場を決め一歩一歩岩場を登っていきました。当然ですがこういった場所は登りよりも下りの方が遙かに難易度は高くなるため、冷静に自分の今の実力を考えて安全に下れると判断して山頂に立ちました。
山頂からは奥穂が間近に迫り、槍ヶ岳や西鎌尾根から裏銀座の山々、薬師・立山・剱など北アルプスの最深部の山々が見渡せました。
山頂では風も殆ど無く、快適だったので1時間ほどのんびりすることができました。
コロナに振り回され、なかなか思うように山に行けなかった年でしたが、目標だった日本百名山も完登でき、思い出深かった1年を振り返ることが出来ました。
山頂からの下りは予想通り緊張しましたが、特に危険を感じることも無く無事に降りることが出来ました。
山頂直下の壁を下ってしまうと、安心してしまい何でも無いところでミスをする可能性が有るため、気分を引き締めて慎重に下るよう自分に言い聞かせながら独標まで戻りました。
独標から先は危なげないハイキングコース、楽しかった一日を思い返しながら西穂山荘に戻り、お約束の西穂ラーメンで今年のアルプス納め&雪山初めを締めくくりました。
今年はコロナの影響で早々に小屋が閉まったり、通年で閉鎖が続いたりでアルプス納めが出来ないまま冬になってしまいました。
それでも、このまま八ヶ岳中心の冬山に移ってしまうのは何となく区切りが付かないので、営業小屋の有る西穂高岳で遅い「アルプス納め」をすることにしました。
若いときなら厳冬域の西穂西尾根を登ったりもしたのですが、もうそんな力は無く雪の西穂はいつも春先ばかりでこの時期は登ったことが有りませんでした。
西穂は積雪が少ないと山頂直下が相当厳しいと聞いていたので、独標までで撤退も視野に入れて向かいました。
西穂山荘はコロナ対策で色々制約はあるものの、今年も通年営業しており本当に助かります。関係者のご尽力に大感謝です。
土曜日の昼前なのに新穂高登山者用駐車場もロープウエイもガラガラでちょっと拍子抜けの感じでスタートしました。
ロープウエイを降りた西穂高口からは積雪があり、今シーズン初めて履いた冬靴を汚さずにすんで助かりました。
初日は西穂山荘まで、午後は丸山の稜線に登って写真を撮るつもりでしたが、天気予報では晴れだったのに雲が取れず、写真はあきらめて小屋でごろごろして過ごしました。
小屋はコロナ対策で収容人数を大幅に減らしている上、この週末は混んでいなかったのか6人部屋に2人だけで広々快適でした。
翌朝、5時前に起きて外を見ると星空、どうやら好天に恵まれたようです。
食事をして6時過ぎにヘッドランプを点けて出発しました。
久しぶりに履くアイゼンの感触を楽しみながら歩くと辺りはすぐに明るくなり、稜線の丸山に到着。日の出前でしたが朝日の出る八ヶ岳方面は鮮やかなオレンジ色でサンピラー(太陽柱)がはっきりと見られました。
山で朝日を見ることは何度も有りましたが、こんなにはっきりとサンピラーが見られたのは今まで数えるほどしか有りませんでした。
その後太陽が出ると一瞬辺りが真っ赤に染まり、自分がモルゲンロートの中に居るのを実感しました。
このとき、今日は西穂の山頂まで登れると確信しました。
風も弱く気温もそれ程低くなく、絶好の日和で独標までは全く難なく到着。
途中10名程の登山者がおりましたが、適度な間隔で渋滞することも無く快適に歩けました。
殆どの方が独標で引き返したため西穂に向かったのは数名だけでした。
独標から先は今までの道とは全く異なりましたが、さほど難しいところは無くピラミッドピークを越え、チャンピオンピークを越え、本峰直下まで比較的容易に進みました。春先は緊張する飛騨側の雪斜面トラバースや雪庇に注意が必要な信州側のトラバースも全く無く、意外に簡単だなと、ここまでは少しなめていました。
ところが山頂への最後の壁が難関でした。
春先なら中央のガリーが雪で埋まっており、ピッケルのピックを刺しアイゼンの前爪で安定して登れるのですが、雪が繋がっておらず岩と氷のデリケートな壁になっていました。アイゼンの爪が滑らないように慎重に足場を決め一歩一歩岩場を登っていきました。当然ですがこういった場所は登りよりも下りの方が遙かに難易度は高くなるため、冷静に自分の今の実力を考えて安全に下れると判断して山頂に立ちました。
山頂からは奥穂が間近に迫り、槍ヶ岳や西鎌尾根から裏銀座の山々、薬師・立山・剱など北アルプスの最深部の山々が見渡せました。
山頂では風も殆ど無く、快適だったので1時間ほどのんびりすることができました。
コロナに振り回され、なかなか思うように山に行けなかった年でしたが、目標だった日本百名山も完登でき、思い出深かった1年を振り返ることが出来ました。
山頂からの下りは予想通り緊張しましたが、特に危険を感じることも無く無事に降りることが出来ました。
山頂直下の壁を下ってしまうと、安心してしまい何でも無いところでミスをする可能性が有るため、気分を引き締めて慎重に下るよう自分に言い聞かせながら独標まで戻りました。
独標から先は危なげないハイキングコース、楽しかった一日を思い返しながら西穂山荘に戻り、お約束の西穂ラーメンで今年のアルプス納め&雪山初めを締めくくりました。
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この記録へのコメント
投稿数: 342
レコは昨夕に見させていただきましたがコメントは遅めになってしまいました
そろそろ赤岳に向かっている頃かなと思っていたら、アルプス納めの西穂高お疲れ様でした。
まだ雪の少ない西穂はなかなか厳しそうですね、残雪と夏の時期にしか歩いたことが無いので独標から先は自分には足が竦んでしまいそうです
2日目の天気は素晴らしく、神々しいご来光に気持ち良い青空(雲もあったようですが)で風も無く気温も低くなく、今シーズン最後のアルプス納めが出来て大満足の山歩きが出来てなによりです
これでアルプス納めも終わったから、次は赤岳ですね
自分もそろそろと思っていますが、なかなか行けず仕舞いです
投稿数: 469
前回の北八ヶ岳で軸足を完全に八ヶ岳に移しかけたのですが、そういえば「アルプス納め」まだだったなぁ
私もこの時期の西穂に登ったことは無くて他の人の記録を見ると頂上直下が相当悪い、となっていましたので登れるかどうかは五分五分くらいかなぁと思いながら出かけました。
幸い好天に恵まれ風も殆ど無かったため何とか登れました。
これで心置きなく八ヶ岳に浸かる事が出来ます
大雪
山でもスキーでもレコ楽しみに待ってます
私は年内あと1回くらいかなぁ
今回もコメント有り難うございました。