唐松岳(の手前まで) 丸山付近でテント泊



- GPS
- 32:00
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 816m
- 下り
- 816m
コースタイム
【2日目】0645テント場…0750唐松山荘付近(ここで撤退)…0830テント場(撤収作業)0920…1026八方池山荘
※ところどころうろ覚えです…。
天候 | 【1日目】快晴 【2日目】未明から雪、午前中はそれに強風が伴う |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
料金を払おうと宿を訪ねたのですが、経営者が変わるからとか何とかで、駐車料金を取られませんでした…。 ゴンドラとリフト2回を乗り継ぎ、往復で1人2500円でした。但し回数券を使っていくらか安くあげています。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険箇所はありません。 稜線が近くなってくると小さな雪庇が見受けられました。 最初は左側、途中から右側に育っていました。 尾根が広いので、悪天の際は下山は違う尾根に迷い込まないよう要注意です。 |
写真
感想
年末に焼岳へ行った先輩方に混じって、今回は唐松岳を訪ねました。
1日目は、麓は薄曇でリフトでの移動中もずっと視界が悪くてがっかり。
ところが、八方池山荘まで行くと、雲の上にひょこっと出られて快晴!!
山はやっぱり行ってみないと分からないですね。
ちなみに、東京は雨だったようです。
「花見をするならこの週末が最後」とニュースで言っていましたが、
山の上はまだまだ雪がたっぷり付いていました。
結構雪が締まっていたので、
練習も兼ねて、1日目はアイゼンをつけずに歩きました。
荷物が重いのもあって歩きにくかったですが、いい練習になりました。
途中の急登ではゼーハー喘ぎながら登りましたが、
先頭を行く先輩は全く息が切れる様子がなく、
振り返って「ちゃんとついてきたねぇ」と呑気に言ってしまうくらい元気。
毎度思いますが、本当にこの方には敵いません…。
こっちはもう肺がちぎれて血ィ吐くんじゃないかと思うくらい苦しいのに(笑)。
途中何度かテント適地を見つけたのですが、時間があまりに早いので、
行けるところまで行こうという事で結局辿り着いたのが丸山ケルン。
地図で見ても顕著なテント適地でした。
スコップでブロックを切り出して積む作業はなかなかヘビーです。
この日は行動時間が少なかったからまだいいですが、1日歩き通してコレをやるのはかなりツラそう。
スコップが1本しかなかったこともあってか、結局幕営の作業に1時間を要しました。
天気がよく風もわずかで気温も高いので、外でみんなで乾杯する事にしました。
絶景を眺めながら飲むビール…こんな贅沢なことはありません。
夕方冷えてきたところで、テントに入って晩ご飯。
今回は先輩が食当をやってくれました。
私が前回やったときは何の工夫もしなかったので、ただひたすら重たく(苦笑)、
食事のクオリティーを材料に頼ったというなんとも情けないものでしたが、
先輩の用意した食事は、軽量化を図りつつもきちんと美味しいものになっていて、
自分はまだまだアイデアが乏しいなぁと思いました。
最後はパンで器や鍋の淵を拭いてパクリ。ゴミも出ず、実に効率的です。
その後も宴は20時ごろまで続いたのでした。
夜中にふと目が覚めると、テントにポツポツと何かがあたる音がしています。
「まさか雨!?」と思って飛び起きました。
フライは持ってきていましたが張らなかったので、雨に降られると中まで濡れてしまいます。
ベンチレーションを解いて片手を外に出すと、それは雪でした。
ほっと一安心。
が、一度目が覚めたらなかなか寝付けず、そのまま1時間ほどシュラフ内でウダウダ。
1時過ぎにようやく眠りに付き、その後5時の起床までぐっすり眠りました。
朝食はみんなそれぞれ用意することにしてあったので、
起きたらすぐにお湯を沸かし始めます。
紅茶とパンの人、カップ麺の人、アルファー米の人とさまざま。
私は尾西の山菜おこわとお味噌汁で。
ずっと同じ味だと飽きるので、途中でおこわに鮭ふりかけをかけて食べました。
テントの外は雪がちらつき、風も出ています。視界はかなり不良。
とりあえず稜線まで出てみようということになり、アイゼンをつけて出発。
途中で3人組のパーティーをすれ違いました。とても若いパーティーです。
聞くと、唐松山荘のそばにテントを張ったそうで、昨夜は風がかなり強かったとか。
稜線の強風をここで聞き、先輩の判断で「今日は小屋まで行ったら引き返そう」ということになりました。
ここで、先頭を歩いていた先輩に突然、先頭を歩くように言われます。
山頂に行かないなら、雪山を歩く練習をしよう、というのです。
風雪が舞い視界が悪い中、先頭を歩くのはとても怖いです。
とりあえず、高いところを目指して歩き出しました。
すると先輩に、「左にさっきのパーティーのトレースがあるよ?」と言われて、
道を間違えてしまった!と思った私は、慌ててそのトレースに戻ろうと尾根を少し外しました。
すると今度は、「そのトレースは本当に信じていいの?」と…。
えっ…んじゃどうしたらええねん……。
「ちゃんと周りをよく観察して、どっちに向かって進むのか決めないまま、歩き始めちゃダメだよ」
つまりは、どこを歩くにしろちゃんとよく見て、さまざまな判断基準の中からルートを決めなさい、ということのようでした。
闇雲に歩いてはいけないんですね(当たり前ですが)。
小さなピークを越えたその先で、今まで左側に伸びていた雪庇が、今度は右に変わっていました。
それに気付かず直進する自分。
「よく見て!雪庇の向きが変わった!もっと左に寄らないと危ないよ」
先輩の言葉にはっとして、ルートを左に取ります。
しばらく行ったところで、先輩に先頭を代わってもらいました。
「先頭を歩くって、緊張するでしょう?仲間の命を預かっているんだからね」
この言葉は、自分にとても重く響きました。
おそらくほんの5分程度のものだったと思うのですが、私には20分くらい歩いたように感じました。
稜線が近づくにつれていよいよ風は強くなり、時折足を止めて風が息をつくのを待つ事が増えてきます。
稜線まで上がると、北風が強烈に吹きまくっていて目出帽をしていても頬が痛く感じます。
小屋から山頂は北の方向になるので、真正面に強風を受けながら進む形になりますが、
ここで先輩が「今日はここまでにしましょう」と言って、撤退することになりました。
この後先輩から言われたのですが、あの程度の風は北アではままあることのようです。
経験がある人であれば山頂まで行けるようなのですが、
今回は初心者の自分が混じっていたので、撤退することになってしまいました。
下山はサクサク、あっという間にテント場に戻り、片づけをして下山を開始しました。
稜線から外れると風はさほど気になりません。
が、雪なのかガスなのか、視界がかなり悪くて進行方向を定めるのに慎重を要しました。
とはいっても私は地図読みはまったく素人ですので、先輩方が地図を眺めながら正しい尾根を探してくれます。
よーく目を凝らすと、赤布がはためいているのを見つけられます。
でもそれも、風が吹くとあっという間に見えなくなってしまう…。
運良く好天に恵まれた山行ばかりだったので、これだけ天気が悪いのは初めて。
これが冬山なのか!!と驚くと共に、山って怖い…と本気で思いました。
あっという間に八方池山荘まで帰ってきました。
ここまで戻ると風もほとんどないし、視界も良好で、リフトもばっちり動いていました。
帰りに「おびなたの湯」に寄りました。
内湯がない、露天のみの温泉で、しかも洗い場がないという…。
小雨のぱらつく中、ブルブル震えながら髪を洗いました(笑)。
道の駅で美味しい信州そばを食べて帰京。
美しい景色、先輩方との楽しい旅路、そして初めて浴びる「稜線の風」。
ルートファインディングの難しさや、アイゼンワークなど、
いろいろな事を学んだ2日間でした。
前回の焼岳もそうですが、天候のために山頂を踏めずに終わっているので、
次回こそこのパーティーで山頂を踏みしめたいと思います。
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