槍ケ岳 念願の飛騨沢BCski
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- GPS
- 35:43
- 距離
- 31.6km
- 登り
- 2,381m
- 下り
- 2,380m
コースタイム
5:00新穂高駐車場-9:45槍平10:00-15:00飛騨乗越15:15-15:30槍ケ岳山荘
5月4日
7:30山荘前-7:55穂先8:20-8:45山荘前10:00-10:08飛騨乗越-10:35滑降点10:50-11:15槍平-11:40滑走終了-13:00白出沢出合-14:00穂高牧場14:30-15:25新穂高駐車場
天候 | まあまあ晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
滝谷出合からは雪がつながった。飛騨沢の登りはカチカチになるとしんどい。穂先の登り下りは気の抜けるところなし。ピッケルは邪魔かも。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
一度やってみたかった飛騨沢BCに行ってきた。
5月3日(金)
5月2日夜に新穂高の登山者用駐車場に着き、車中泊。3日朝4時前に起床し、準備して4時50分に出発。他のパーティーもボチボチ出動している。運動靴を履き、靴もスキーに着けてザックで担ぐ。穂高平への近道は昨秋クマに遭ったので気分的にパス。素晴らしい天気で槍から奥穂まで看板通りに見える。柳谷を過ぎ、しばらく歩き、除雪の終点から林道はずっと雪道。奥穂への分岐で3人の山スキーヤーが白出沢方面へ、すごい。白出沢からは山道。入ってすぐのところで変な赤テープに付き合って道迷いして時間をロスした。帰りに検証したがトレースをよく見ていなかったせいか。正規ルートに戻り、沢沿いに出る。兼用靴に履き替えるが、雪は途切れており、シールは使えない。ブドウ谷もチビ谷もたいしたデブリはない。滝谷出合からは完全に雪がつながった。雪は締まっており、アップダウンもけっこうあるのでそのままツボ足で歩く。ようやく槍平に着くが、無雪期より長く感じた。出発から5時間弱。かかり過ぎ。槍平からはシールとクトーで歩く。途中でカモシカの死体と遭遇。シールもクトーもよく効くがけっこうキツイ。2500m辺りで一休み。すぐそばで中国人の4人組も休んでいる。飛騨沢の全景が広がり、槍ケ岳山荘も見えている。はるか遠くという感じ。シールとクトーを利かせてあがるが、途中の急傾斜になっているところで、けっこう難儀した。ポールで支えながら何とかクリア。疲れた。もうここから滑って下りたいような気持になる。この先傾斜は緩んでいるように見えるが、雪面はテラテラ、カチカチ。天気のいい12時でこのコンディション。5人くらいのスキーヤーが下りてくるが、皆、横滑りか、緩い斜滑降しかできないようだ。ここからはシートラで上がることにした。ステップ跡を使えそうなのでアイゼンはつけなかった。歩き出してすぐに正解だったと思った。歩いてみると傾斜もけっこうあり、雪面も固い。シールとクトーだとどこかで失敗したら大変そうだ、履き替えするところもないし。しかしキツイ。昼飯を食いそびれたせいもあるか。10歩登っては息を整える感じ。下から見ていて緩やかなトラバースに見えたところまできた。ヤバい。スッテプ跡も薄くコケたら、ツルツルの斜面を落ちていきそう。アイゼンをつけるようなスペースもない。緊張して何とか通過。助かった。下からは見えなかったが、飛騨乗越はもう少し上がったところ。普段なら何ともなさそうな距離だが、今日は堪える。何も考えないようにして、淡々と上がる。何とか、飛騨乗越に到着。天気がいいのが救い。ここから山荘まではもう少し上がらねばならないが、道は完全な氷状態。少しの距離だが、流石にアイゼンを着けた。強い寒風のなかの作業で体力を奪われる感じ。歩き出して10時間半かかって山荘に到着。疲れた。受付して部屋に荷物を置いて、ストーブに当たりながら、ビールを飲むが体の冷えが収まらない。できれば今日中に穂先に行こうと思っていたが、今日はパス。表に出ると、天気はまあまあで、常念から蝶の連なりに目が行く。槍沢はまだかなり下の方から人が上ってくる。5時からの夕食は、去年の秋にテン泊した時に、夕食だけ山荘で食べたのと同じメニューだった。味噌汁の暖かさに癒された。連休初日でまだ一日で上がってくる人は少ないのか、山荘は空いていた。夕食後は談話室で本を読んだり、人と話をしたりして時間をつぶす。19時半に布団に入る。
5月4日(土)
4時半頃目が覚める。起きている時間もあったがけっこう眠れた。もう明るい。5時半の朝飯を食べて、外に出ると、ガスが出て、小雪が舞っている。夜の間に少し積もったようだ。昨日の状況だと、昼前にならないとスキーにならないと思っていたが、何とかなりそう。7時頃には晴れてきた。よし穂先に行こう。兼用靴にアイゼンとピッケル。兼用靴で若干歩きにくいのがイヤだが。一か所、前後の人も苦労していた顕著に嫌な箇所があったが、穂先までの全行程で気の抜けるところはない。
最後の梯子は向かって右側のほうがよさそうだ。左は足のかかりの薄いところがあり、アイゼンのフロント部をかけるのはこわい気がした。頂上は風もなく気持ちがよかった。穂高方面はガスで見えなかったが、その他は、ガスの合間からまあまあの眺望を楽しめた。下りも慎重に行く。山荘前に戻って一息つく。そのうちまたガスが出て風も強くなってきた。9時半くらいには槍沢からも、飛騨沢からもどんどん登山者が到着しだした。槍沢を覗くと、アリの縦隊のように人が上ってくるのを見て仰天。槍沢からのピストンも多いだろうけど、宿泊の手続きをしている人もいて、今日は山荘も混みそうだ。飛騨沢からの人の話も聞き、何とかなりそうと10時くらいに下山を開始。滑れるところまで下りて滑ることにする。飛騨乗越までの道も雪が積もっていて、昨日のような氷ではない。飛騨乗越から、岩が出ていないところまで下りる。風が強くて雪も飛ばされるのか、まだしばらく斜面はカチカチだった。もう少し下りると風も弱まり、何とかなりそうな雪面。よしここから行こう。GPSで見ると2850m地点。アイゼンで雪面をつぶして平らにして準備する。最初は斜滑降で雪面を確かめる。堅いが何となかなりそうだ。最初のターンをする。よしOKだ。後は天国だった。登山者はけっして足を踏み入れることの広大な斜面に大きなターンを描く。もったいないので大回りするがそれでもあっという間に高度を下げていく。飛騨乗越も既にはるか頭上だ。時々、登山道に戻り、登っている途中の山スキーヤーと会話するのも楽しい。屈曲点からは傾斜も緩み、さらに大回りしてあちこちを楽しみながら滑る。昨日の苦しかった登山道を横目に見ながら縦横にシュプールを刻む。なるべく大回りして、写真撮ったり、話をして滑ったが、滑降ポイントから槍平まで30分くらいで下りた。上部はアイスバーン気味、屈曲点から下は粗いザラメだった。槍平から滝谷出合までも狭いが楽しいツリーランだ。さらにチビ谷の辺りまで滑ることができた。最高に楽しいスキーだった。ここからはスキーを担いで歩く。白出沢からは林道に雪が残っているので、スキーをつける。除雪の最終点まで楽をすることができた。穂高小屋まで歩いて、運動靴に履きかえる。穂高小屋ももう管理人さんが入っていて、少し話をする。ここから兼用靴も背負うが、ザックへの取り付け位置が悪く、重く感じたがそのまま歩く。歩いていると、6台ほどスキーやボードを担いだ自転車に抜かされた。羨ましい。駐車場に戻って、大きな解放感を感じる。帰りの温泉は、この前に来た時も入った、奥飛騨ガーデンホテル焼岳を楽しみにしていたが、行ってみるとGWは時間制限があり入れず。ひらゆの森も、すごく混んでるようだったので、前から気になっていた、新島々の竜島温泉に行ってみた。素朴ないいお風呂だった。梓川SAで夕食。さいたまの家に着いたのは23時だった。
スキーは最高に楽しかったが、その前段がその分だけ苦しい、飛騨沢BCだった。
http://www.youtube.com/watch?v=AwhkGPPgoqE
奥穂への分岐で写っている3人の内の一人です。
奥穂へ行った訳ではなく、槍平へ向かう途中で西穂沢を一本滑るために荷物をデポしに行きました。
4日のひらゆの森は結構混んでいて食事も1時間待ちでした。
コメントありがとうございます。そうでしたか。楽しい山行されてますね。お互いに事故に遭わないように楽しみましょう。写真が小さくて失礼しました。
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