鳳凰三山
nabekuni
その他2人 - GPS
- 32:00
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 1,972m
- 下り
- 1,969m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2017年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
薬師岳から青木鉱泉への下りは残雪の急斜面でチェーンスパイクを着けて下りました。 |
| その他周辺情報 | 韮崎・白山温泉 |
写真
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
飲料
地図（地形図）
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
テントマット
シェラフ
|
|---|---|
| 共同装備 |
調理用食材
調味料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
ポール
テント
|
感想
6月3日 晴れ
今回は純子さん、昌子さんとテント泊で鳳凰三山へ。鳳凰三山は4回目だが、青木鉱泉から登るドンドコ沢コースは今回が初めてだ。
荷物は水2�箸肇�メラを含めて約23kg。そこそこ重いが、25kg以下なのでそれほどキツくは無いはずだ。
天候判断で金・土の予定を土日に変更したので混雑は覚悟の上だが、東名、圏央道、中央道の渋滞は無し。談合坂SAで休憩し、韮崎ICで降りてコンビニで朝食を購入。韮崎市内を抜けて青木鉱泉への道に入ると車1台がやっとの細い道でガードレールの無い所も多く、慎重に走る。
0:00青木鉱泉の駐車場に到着。駐車場は何ヶ所かあり、入ったのは20台位のスペースで先着は1台でテントが3つ張られていた。もっと小屋寄りの車道脇にも駐車出来るが、傾斜がある。
キャンプ場を抜けて青木鉱泉に行ってみたが、キャンプ場は森の中に小さなサイトが点在している。キャンプ場のトイレは故障中とかで青木鉱泉の外トイレまで行った。
駐車場から青木鉱泉まで約100mあり、鉱泉直近にも駐車場があるが宿泊者用になっていた。車道を通って車に戻り、シートを倒して車中泊。ピーカンで満天の星が輝いているが、気温は6℃と低くシュラフに潜る。
4:30起床。寝ている間にも続々と車が到着し、15台ほどになっていたが、隣にも30台位置ける駐車場があった。駐車場は全体で公称100台収容になっている。
朝食と身支度をして6:10頃青木鉱泉へ。まだ寝静まっている感じなので、駐車料金は帰りに支払う事にする。青木鉱泉は明治3年建築の建物を昭和25年に復元新築したもので、なかなか渋い建物だ。
宿の前には広場があり、トイレ、水場などがある。小屋の左手にドンドコ沢コースの入口がある。
6:20青木鉱泉を出発。はじめは車が通れるような広くて緩い道だ。10分ほどで法面工事現場が出現。広い道はこの工事用の道路かも知れない。
登山道の真上が工事現場なので、迂回路が作られている。工事中の法面上部はほぼ垂直で、上から多数のロープが垂れ下がっている。安全確保の親綱だろうが、まるでクライミングだ。工事現場では迂回を促す放送が自動で繰り返されているが、最後は「ご安全に！」だった。
工事現場を通り過ぎると大きな砂防ダムの下でドンドコ沢を渡り返して登山道に戻る。
登山道に戻るとそこそこの急登が始まる。樹林帯だが新緑の明るいルートで気持ちが良い。ドンドコ沢コースは今回が初めてだが、もっと暗い谷沿いのイメージを持っていたが、意外に明るいコースだ。
ドンドコ沢には南精進ヶ滝、鳳凰滝、白糸滝、五色滝と4つの滝があるが、青木鉱泉から約2時間で最初の滝・南精進ヶ滝の分岐点に到着。分岐点にはベンチと道標があるが、道標には「東洋大学ワンダーフォーゲル部」の表示があり、傍らに1987年11月に遭難死した服部光治君の遭難碑があった。
分岐点にザックをデポして滝の展望台を往復する。分岐から5分ほどで滝の展望台に到着。標高約1600mの南精進ヶ滝は落差70mのなかなか立派な滝だ。展望台は行き止まりだが、少し手前から鳳凰小屋への道が続いており、分岐点にデポしなくても良かったかも知れない。
分岐に戻ってザックを取り、次の鳳凰滝を目指す。30分ほどで鳳凰滝への分岐に到着。ここでもザックをデポして滝を見に行く。分岐から鳳凰滝まではやや遠くて片道約15分。谷の両側から滝が流れ落ちる珍しい滝でなかなか面白い。滝を翼を広げた鳳凰に見立てて名付けられたとのこと。
鳳凰滝もそのまま鳳凰小屋への登山道に戻れる道が続いており、往復しなくても良いかもしれない。
分岐点に戻るとデポされたザックが10個以上あった。ザックはみな大型でテント泊装備のようだ。登りの途中で抜かれた人達もテント泊装備のパーティーが多い。御座石鉱泉から登る人もいるので、鳳凰小屋のテント場が満席にならないか心配だ。
鳳凰滝を過ぎても急登は続き、途中に登山道が崩壊しているところがあり、高巻きの迂回路が付けられていた。鳳凰滝から1時間ほどで白糸滝の分岐に到着。ここは滝がすぐそばにある。白糸というと細い滝が多数あるイメージだが、ここは普通の滝だった。滝の下流に細い流れが複数あるので、それがやや白糸っぽい。
さらに急登を登り、狭くて落ちそうな登山道を慎重に登って30分程で最後の滝・五色滝の分岐に到着。分岐から滝までは約5分。五色滝は標高2,200m。青木鉱泉からの標高差1,150mで落差50mの滝だ。
五色滝を過ぎると登山道の傾斜が緩くなる。雪が現れるが傾斜が緩いので滑り止めが要るほどではない。
突然樹林帯が切れて広い場所に飛び出す。白砂青松に清流の流れる、まるで日本庭園のような所だ。見上げると地蔵岳のオベリスクとその直下のザレの急斜面が見える。
再度樹林帯に入り5分ほど登ると鳳凰小屋に到着。小屋の前にいたスタッフに受付をしてもらい、幕営料1,000円/人(トイレ代込)を払う。今日は混雑するので張り綱は張らないようにとのこと。テント場は平坦で公称50張だが、ヘリで揚げた小屋の大きな荷物がたくさん置いてあり、10張分くらいのスペースを取っている。
先着のテントは16張。入口付近の広めの場所に設営する。エスパースのスーパーライト4-5人用は今回がデビュー戦。試し張は1回したが山で張るのは初めてだ。前室がとても広いので使いやすいが、稜線など風の強いテント場では少々不安がある。
設営完了後、小屋の前のベンチで遅めのランチタイム。まずは小屋でビールを買い、乾杯。35缶が600円とやや高いが、雪解け水でキンキンに冷えていて旨い。
ランチは融けたクーリッシュで代用した「なんちゃってフレンチトースト」。油はバターの代わりにオリーブオイル。本物には及ばないがなかなか旨い。5枚切りの食パンを1人1枚焼いたが、クーリッシュ3つは多過ぎで2つで良かった。余ったクーリッシュは飲み干した。
小屋の前に水場があるが、水源は小屋の前の沢の大岩の下にあり、水場の水は砂が混じる事もあるので、水源から汲むようにとの事だった。しかし、水場の水も砂などは混ざっていなかった。
テント場に戻るとテントは倍増していた。早めに着いて良かった。トイレはバイオ式の洋式が4個室でペーパー完備でそこそこ綺麗だ。
テント内で横になってしばらく休憩した後18時少し前から夕食スタート。冷えてきたのでビールは止めにして純子さんが持参した赤ワインで乾杯。
メスティンに生米を入れ、五目釜飯の素を入れて炊飯開始。ご飯が炊けるまでの間にサイドメニュー作り。
まずはじゃがりこをお湯で戻したポテトサラダ。じゃがりこを2つ使い、ソーセージとキュウリを入れたので、かなりのボリュームになった。続いてエリンギとアスパラをオリーブオイルで炒め、塩胡椒で味付け。火を使ってテント内が暑くなった事もあり、ビールが欲しくなり、純子さんが小屋まで買いに行ってくれた。
蒸らしも含めて約1時間で五目釜飯が完成。程良くお焦げが出来てなかなかの出来映えだ。味噌汁を合わせて夕食完成。1人0.5合だが、丁度かやや多い目だった。ランチが遅かったせいもある。
夕食後外に出てみるとテントはさらに増えており、足の踏み場も無いくらいに密集している。テントは40張位だ。携帯電波は意外に良好で、テント内でもdocomo、AU、Softbankいずれもバッチリだ。
エスパース4-5人用は幅210cm、奥行210cm、高さ135cmだが、3人なら広々で4人でも大丈夫そうだ。前室が広いので荷物を前室に置けば5人でもなんとか寝られそうだ。
前室にレジャーシートを敷いてザック1つと調理器具を置いて就寝体勢に入った。地面は平坦で寝心地は良いが、周囲のテントからの鼾が3人位の大合唱になっており、なかなか寝付けなかった。
外気温は5℃程度だが、テント内はそれほど寒くは無く、3季用シュラフで充分暖かだった。
6月4日 晴れ
3:15起床。トイレに行ったが結構寒い。テントの生地はペラペラで中から外が透けて見える程だが、3季用シュラフで寒く無かった。フライシートの内側に薄い氷が張っていたので氷点下になったはずだが、意外に保温性が良いようだ。周りのテントの鼾には悩まされたが、そこそこ眠れた感じだ。山のテント泊初体験の川崎さんもそれなりに快適に眠れたようだ。
コーヒー、棒ラーメン、赤飯の朝食。棒ラーメンは噴きこぼしてしまい、スープが濃くなってしまった。
撤収を終えた頃には周囲のテントは殆ど出発しており、テント組では我々がほぼ最後尾だ。
5:45出発。最初は樹林帯の急登。雪も結構あるが滑り止めは不要だ。約30分で樹林帯を抜けてザレ場の急登になる。砂地で滑りやすくキツい登りだが、青空の下気持ち良い登りだ。登るにつれて角度が変わり形を変えるオベリスクが楽しい。
小屋から1時間でオベリスクの麓に到着。少し下った賽の河原で多数のお地蔵さんと一緒に記念撮影をする。
賽の河原から赤抜沢ノ頭へのルートには雪がベッタリ付いていたが、問題無く登れた。赤抜沢ノ頭で稜線に出ると目の前に白峰三山が飛び込んで来る。残雪の豊富な北岳、間ノ岳、農鳥岳が素晴らしい。
今の時期はこっちに雪が無く、あっちに雪がある、鳳凰三山の登山にはベストな時期なのだ。
ここから薬師岳まではアップダウンの少ない快適な稜線漫歩、天空の散歩道が楽しめる。快晴で風も弱く絶好の縦走日和だ。西に白峰三山・仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳、東に八ヶ岳と富士山を見ながらの贅沢な縦走は雲の上を歩いているようでいつまでも歩いていたいような縦走路だ。
観音岳の手前に雪渓のトラバースと登りがあったが無事に通過した。
9:45鳳凰三山最高峰の観音岳(2,841m)に到着。地蔵岳から80分のところを110分も掛かってしまったが、絶景に見とれて立ち止まったり写真を撮ったりしたので仕方が無い。
観音岳から薬師岳は約30分と近い。薬師岳の山頂でシャッターを押してもらった若者は地蔵岳の登りや観音岳手前で我々を抜いていった4人組だった。彼らは同じ会社の同僚で1人が誕生日との事で、カップケーキ4個に「HAPPY BIRTHDAY」のローソクを立てたケーキで祝っていた。なかなか楽しく気持ちの良い若者達だ。こんな若者に山で出会うと嬉しくなる。
2,780mの薬師岳から1,090mの青木鉱泉まで標高差1,690mを一気に下る中道(なかみち)の下りに備えて休憩する。富士山の吉田ルートの標高差1,450mよりも200mも標高差が大きいのだ。
下り始めてまもなく雪の急斜面が出現。キックステップで安全に降りられそうだが、念のためチェーンスパイクを装着する。雪は腐っているのであまり効きは良く無いが、ツボ足よりはずっと安全に下れる。
チェーンスパイクで15分ほど下ると雪が無くなり、その先にも無さそうなのでチェーンスパイクを外した。チェーンスパイクは初めて使ったが、夏山の雪渓では軽アイゼン同様に使えそうだ。着脱が簡単なのが良い。
薬師岳から1時間15分で「御座石」という大岩に到着した。森の中に突然巨大な岩が出現するので異様な感じだ。
御座石から先も急坂の下りが延々と続き、ひたすら歩くが次第に脚が棒になる。下り始めて3時間30分で林道に出た。この時点で既にヨレヨレで脚は完全に棒になっている。
青木鉱泉まではさらに2.2kmの林道歩き。毎朝4kmのウォーキングをしているので2.2kmは20分位で歩けるが、ヨレヨレの脚では非常に辛く、50分掛かってやっと青木鉱泉に到着した。鳳凰小屋からのコースタイム7時間10分のところ7時間50分掛かったが、キツいルートをテント装備だったので、63歳としては上出来だ。
満車だった駐車場には4台しか残っていない。ワイパーに駐車料金の請求書が挟んであった。着替えをして青木鉱泉に駐車料金の支払いに行き、ついでに名物の「くず切り」を食べようとしたが、宿に人手が無く食べられなかった。残念だ。
この時薬師岳で出会った4人の若者が下山して鉱泉に入りに来ていた。青木鉱泉は沸かし湯の内湯だけなので、我々は韮崎市内の「武田乃郷・白山温泉」で汗を流した。小さいが良い温泉だった。
日曜の夕方なので渋滞は覚悟していたが、案の定大月〜小仏トンネルが25kmの渋滞だ。渋滞にはまる前の双葉SAで夕食を食べ、22:05に純子さん宅、22:30に昌子さん宅、23:40に我が家に着いた。
長い下りには苦しめられたが、滝が楽しめるドンドコ沢の登りと晴天で絶景の稜線漫歩が楽しめて素晴らしい山行だった。
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