平ヶ岳、非力な私でも登れました


- GPS
- 11:43
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 1,759m
- 下り
- 1,741m
コースタイム
天候 | 曇り、暑い一日 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■ 不明瞭なところはない。 ■ 雨上がりなので木道が滑りやすい。 ■ 簡易アイゼンを持参したが不要 ■ 水場は途中数カ所あるが、あてになるのは姫ヶ池下の雪渓の水場くらい? ■ 登山口の鷹ノ巣登山口までのアクセスは、車(或いはレンタカー)がベスト。 栃木の西那須塩原インターか、 新潟の小出インターからのどちらからでも最低2時間はかかると見ておいたほうがいいでしょう。(渋滞がない場合でも) ■ 山バッジコレクターの方へ: 登山口近くの清四郎小屋に売っています。 ■ 下山後に立ち寄る温泉としては、銀山平の白銀の湯。(昨年越後駒ヶ岳下山後に入浴) 或いは桧枝岐の駒の湯かアルゼの湯。 今回はアルゼの湯に浴しました。 |
写真
感想
百名山のなかでも日帰り最難関と云われる平ヶ岳、非力な私でも登れました。
百名山中、日帰り登山としては最も過酷なロングコース。
今年10番目の百名山は、奥利根源流の秘境の山
単に山歩きという気軽さとは縁遠い 平ヶ岳だ。
ウルトラCコースもあるが・・・
ここは堂々と鷹ノ巣から正攻法でチャレンジ!
もちろん登山口から山頂まで10時間以上かかる黒部五郎岳、水晶岳、鷲羽岳や、日本一の標高差と長さを誇る甲斐駒の黒尾根があるが、 いずれも途中に小屋がある。
ところがこの平ヶ岳は、避難小屋もなく原則キャンプ禁止なのである。
トイレすらなく、携帯トイレ持参が必要。
とにかく登ったら、登り切って下山するか、途中で折り返して麓に戻るしかない。
日帰りしか選択肢がない。
一部では最悪の百名山ともささやかれている平ヶ岳なのである。
行き当たりばったりで簡単に登れる山ではない。
初心に戻ってこの山に臨もう。
平ヶ岳は2,190Mで、夏は暑い。 上越の山は夏場は暑いと聞いていたので、大半が残雪の残る5月〜6月に登った。 7月に登った高妻山は暑さとムシで苦労した。
一般的には休憩を含め12時間はかかると見ておかなければならない山。
気温も下がる秋シーズンは日照時間が短くなりリスクがある。
早く登れるパワー登山者、具体的には確実に往復10時間を切って登れる方(標準コースタイムの7〜8割の時間で山歩きできる)以外には難関の山。
こう考えてみると、登山時期は極めて限られる。 日照時間が長い時期、暑くない時期。
遅くとも気温が上がる7月中旬前、できれば樹海ラインが開通する6月中旬直後がベストかも。
とにかく早出することである。 この時期は4時にはすでに薄明るくなっている。
標準コースタイムは登り6:30、下り4:50 合計11:20
地図と高度グラフを眺めてみた。
下台倉山までのヤセ尾根は急登。
白沢清水まではアップダウン。
池ノ岳への尾根も急。
最後に緩やかに下って登りえすと平ヶ岳山頂。
水場は台倉清水、白沢清水も水量が?
あてになるのは姫ノ池下の水場、今頃はまだ雪渓の下?(大朝日岳の悪夢が甦る)
以上を勘案し、非力山ノボラーの攻略の基本は:
1) 前日に鷹ノ巣駐車場に入る(20台程度しか停められない)
2) 携行品は絞り込む。 22Lザックにレインウエア上下+ザックカバー、軽量フリース、4本簡易アイゼン、ヘッドライト、ヒートシート、必要な小物とファーストAID、ストック2本、GPS、カメラはコンデジのみ。
3) 食料はサンドイッチ、取り混ぜたお菓子と行動食。
4) 水はペットボトル。 スポーツドリンク3本、お茶1本、水1本+アミノバイタルゼリー。 ペットボトルで合計2.5L。 不足する場合は姫ノ池下雪渓で取水。 念のためフィルター持参。
もっと軽量化したいが、小物もあり。 これが限度か?
5) 基本日程は4時出発、 頂上着11時。 11時半下山開始、16時20分登山口到着と時間設定。
6) 下山のデッドラインを12時とする。
7) 最初の急登である下台倉山までのヤセ尾根はゆっくりと登る。
急登で時間をかけ、それ以外で時間をかせぐ。
8) 場合によっては、姫ノ池にザックをデポする。
9) 見どころのひとつである玉子石はカットする。 欲はかかない。
10) 下りは急がない。 とくに痩せ尾根は注意。
さて、その皮算用は如何になったか?
平ヶ岳周辺(東西南北)の天気予報を調べてみた。
当日の魚沼方面天気は概ね晴れ、午後遅くは小雨。
尾瀬方面は曇り。 猛暑日で山麓の気温も30℃を超すとの予報。
今年は梅雨が早く明けるので、先延ばししても同じだろう。
予定通り、決行することとした。
関越道・小出ICでおり奥只見シルバーラインで銀山平へ。 この道は昨夏越後駒ヶ岳で通った。
ほとんどトンネルで、まさに日本の秘境へむかうという気にさせてくれる。
遅くとも23時には着きたかったが、銀山平から鷹ノ巣まで1時間近くもかかってしまった。
結局着いたのは24 時前。 駐車場には5〜6台あった。
とにかくすぐ寝る。(念のため前日の午後は少し仮眠しておいた。)
携帯の目覚ましで3:40に起きたが、支度と荷物の再チェックで登山口を4:25に出発。
出発予定時刻より25分遅れです。いつになく気がひきしまる思いである。
駐車場には10台ほどに増えてました。
沢を渡る木橋を横切るとすぐヤセ尾根へ。 GPSのスイッチを入れ忘れていたので、ここでONする。(ルートログは、マニュアルで追加修正しました。)
早朝ですが、登りだすと 蒸し暑い。
私よりやや年配の方、 ゆっく〜りとしたスローペースで登っていきます。 ペースが合わないので、お先に行かせてもらいました。(ところが、、、)
下台倉山までの尾根が延々と続いて見えます。
ヤセ尾根に登ると南に双耳峰の燧ケ岳も見えます。
途中で下りてくる方がいました。 テント泊でもないようですが・・・?(テン泊は原則として禁止)
下台倉山までも果てしなく長く、 万里の長城のようです。
平が岳山頂まではこの3倍の行程もあると思うと。。。。。
ヤセ尾根で強い横風が結構吹いています。
歩くにはチョット嫌な感じもしますが、 急登でヒートアップした体がこの風でクールダウンします。
ヤセ尾根は細く見えますが、切れている場所は数か所で 気をつけて登れば大丈夫。
但し、山麓の午後の天気は下り坂なので、雨になったらかなり厄介な下りになる。
遅くならないうちに下ることだと言い聞かせる。
下台倉山には6:30到着。 ここまでは順調。
ここから南へ進路を変え台倉山に向かって樹間のなかを幾度かアップダウン。疲れがでる帰路は堪えそう。
樹間からは雪斑をまとった越後の山、 中岳と越後駒ヶ岳か?
さらに台倉山の手前の稜線からは池ノ岳と平ヶ岳がみえる。 はるかかなただ。
台倉山へは7:30。 ここは標識もなく、測量点のみ。
ここから西に登山道は方向を変え下っていくと、 台倉清水。
水場は北にあるがそのまま進む、地図には渇水期注意と書いてある。
ここから長い樹林帯の中、残雪もあるが風もなく暑い。
前日の雨でぬかるんでいる、木道も滑りやすい。
8:15 白沢清水に着く。 水場はほとんど流れがなく淀んでいる。 前日の雨にも関わらずこの淀みでは、水場としては失格。 誰かが手を洗ったら、1時間は淀んだままでしょう。 ここは使えないと思った方が賢明です。
樹林帯を抜けると池ノ岳が見えます。 まだまだ遠い、平ヶ岳はあの奥にあるのかと思うと・・・・
意外にもこの尾根には風もなく、どんよりとした薄日で暑さが籠っている。
ここはキツイ。 ペースダウンします。
ヤセ尾根で先に行かせて戴いた方が後に付いたので、先に行ってもらいます。
「飛ばしてると思った。 また先で一緒になるけど・・とりあえずお先に」 と。
小刻みに休みを入れながら、ロープ・クサリ場もある岩稜部を登っていきます。
小さな偽ピークも2カ所あり、 長〜く感ずる池ノ岳への尾根。
背後をふり返ると奥只見湖、 そして会津、尾瀬、上州の山並み。
左手奥に平ヶ岳らしき山が見えてきますがまだ先だ。
先行者も視界から消えて、尾根には私ひとり。
なんでこんなキツい山登りをしなければならないのか?
そんな思いが脳裏をよぎるのは、久し振り。
ようやく、視界が開けると天上の台地、池ノ岳。 9:50
姫ノ池や地塘、南には平ヶ岳。 まさに天上の楽園です。
木製の休憩場でザックをおろし休憩。 へばったのか食欲もない。
ここにザックをデポすることにした。
万が一の雨に備え、レインカバーをつけて棒に固定しておく。
レインウエア(上)とペットボトル1本、ウエストポーチにカメラ・GPSと行動食+お菓子を入れて行きます。
湿原の中の木道を進み、平ヶ岳へ。
コースタイムは40分ですが・・・
20分ほどで平ヶ岳山頂へ。 10:25、 設定した予定到着時間は10:50。 予定より25分早い。
三角点は木道の右手の樹林の中。 三角点と2,139Mの標識。
南東に面した木製の憩場からは尾瀬・上州の山々のパノラマ。
更に木道を進むと行き止まりとなり、小さなアンテナがあります。
地図ではここが最高点2,141Mのようです。
百名山にはこんなところがいくつかあります。 (笑)
この山頂はドコモなら通じます。 やはり百名山はドコモが圧勝です。
帰路は圏外となるので、天候によっては遅くなることもあると家人に伝え、
友人には嬉しくて頂上の写真をメール。
時間もあるので、花に目を配る余裕も出てきました。
頂上での名残は尽きないが、予定通り11時過ぎに下山開始。
途中水場の雪渓から戻ってくる方と出会ったが、「雪渓の水は流れているので飲めた。」
「玉子石へは雪渓で道がよく分からないので止めた。」 とのこと。
(水の補給は不要でしたが、不安があればここで必ず水の補填をお奨めします。)
天気の悪化も予想されるので、予定通り玉子石にはいかない。
姫ノ池へ戻り、身支度を整えて池ノ岳尾根を下る。 11:35
とにかく無事に下山するまでは登頂とは云えない。
白沢清水 12:20通過。
台倉山13:05。 ここまで頂上から2時間と順調。
池ノ岳の登りで抜かれた方に再会。 ここで休憩しながら話を交わす。
「今回が3度目です、やっと登れました。 79座目?の百名山です。」
「最初は雪のある時期で、途中撤退。 2度目は暑い時期で痩せ尾根の登りで引き返した。」
山登りのベテランが なぜ、あのヤセ尾根をスローペースで登っておられるのか この時察しました。
いきなり急登が続く下台倉山までは健脚登山者でなければ、コースタイムより早く登ってはいけないのだ。
スローと思って登ったがオーバーペースだったことに気づきました。
ここから、その方と一緒に下山、 楽しいお話を聞かせていただきました。
途中で休憩を何度もとり、最後は下台倉沢の清流でスッキリ。
鷹ノ巣登山口には16時過ぎ。 予定より少し早く到着。
それでも約5時間はかかっています。
へばった時はもうこの山は2度と来ないだろうと思いましたが、 下山して数日後しか経ってませんが また登ってもいい山と思えます。 (笑)
平ヶ岳、 私の山歩きのなかでも印象深い通過点になるでしょう。
よろしければ、ここもご覧ください。
http://jetstream777.blog.so-net.ne.jp/2013-07-06-1
http://jetstream777.blog.so-net.ne.jp/
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