今早出沢ガンガラシバナ〜割岩沢下降
- GPS
- 56:46
- 距離
- 25.0km
- 登り
- 2,026m
- 下り
- 2,030m
コースタイム
- 山行
- 7:37
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:37
- 山行
- 12:06
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 12:06
- 山行
- 7:12
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:12
天候 | 1日目:晴れ 2日目:晴れ→小雨→ゲリラ豪雨→晴れ 3日目晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
一ノ俣橋まで問題なく車で入れた |
その他周辺情報 | 大谷PA |
写真
感想
友人と沢登りへ。
ガンガラシバナというルートを知ったのは、4年前。会に入って1年目の時だった。その時の記録を見て、こんなすごいルートがあるんだ、いつか行ってみたいなぁと漠然と思っていた。
その時の記録は↓参照
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1199864.html
その後、先輩たちは何度か下田川内に行っていたが、下田川内山塊の山行を語るとき、虫は酷いし、アプローチは遠いしで嫌なところはたくさんあるけど、それらを差し引いても素晴らしいところだよと話していて、そんな話を聞く度にぜひ自分も行きたいと思うようになっていった。
去年も計画したが、なかなかパートナーや天候に恵まれず、今年やっと行くことになった。
今早出川ガンガラシバナ〜割岩沢下降(遡行グレード4級)
ルートの概要は下記。
・一ノ俣沢を遡行して峠越えした後、今早出川へ入渓
・今早出川を遡行してガンガラシバナへ
・ガンガラシバナを登攀し、矢筈岳北東尾根からドゾウ平沢を下降
・割岩沢へ合流し、ジッピを見学
・そのまま割岩沢を下降し、今早出川へ合流し、遡行して下降点に戻り、峠越えして一ノ俣沢を下降し戻る
見事にずっと沢ばっかりの周回ルート。登山道歩きはないにも関わらず、3日間で25kmを歩く体力勝負のルート。
先輩たちは天候不順で周回ルートが叶わなかったので、後出しのこちらは今度こそ周回ルートでの完遂を狙う。
とはいえ、先輩方が遡行した4年前に比べて、最近は詳細な記録がいくつも上がっており、攻略法もかなりわかりやすくなっている感がある。それ自体は良い事なのか悪いことなのか微妙だが、記録の少なさからくる秘境感が薄まっても素晴らしいルートであることには間違いない
特に参考にした記録は下記
https://climb.juqcho.jp/2019/20190914.html
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2626364.html
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-482060.html
矢筈岳のピークを踏んで、ジッピを下降に使うことも考えたが、正直今の時期だとしんどいだろうなと思い、オーソドックスな方のルートを選んだ。
虫や暑さ、雪渓、薮漕ぎの大変さなどを踏まえると、ルートの適期としては9月中旬・下旬だが、その時期にしか行けない沢がたくさんあるため、ガンガラシバナは7月4連休で狙うことに決めた。
天候としては、4連休晴れ予報だが、午後にかけて夕立に降られそう。降られる時間帯や降水量は予報サイトによってバラバラで予報確度はあんまり高くなさそう。とにかく増水の早い早出川なので降られるのは避けたい。入るかどうか自体から含めてかなり悩んだが、予報的に比較的後半の方が良かったので、4連休の後半3日で入ることとする。
かなり長くなったが、やっと本編スタート。
・1日目
行程:駐車場〜一ノ俣沢遡行〜今早出川〜ガンガラシバナ下590mBP
この日が降られそうだったので早めスタート。5時過ぎ発。
まずはひたすら一ノ俣沢を遡行する。1級くらいの沢って感じ。明るくて魚もいて、水も綺麗でいい沢。途中の直爆を踏み跡に沿って左側から巻くと、すぐに右手に見えるスラブ場の岩を右から巻く感じで沢に戻らないといけなかったが、気づかないでひとつ左の沢に入ってしまいそこからコルまで薮漕ぎになってしまう。無駄に時間ロスった。乗越まで着いてそこからは赤テープに沿って、明瞭な踏み跡沿いに下降。ついに今早出川に入渓する。
とても綺麗!
ここまですごく暑かったので水浴びしつつ、今早出川遡行スタート。
ここからはひたすら河原歩き。本当に何もない。でも、綺麗なので癒される。とはいえ、アブが出てきた。まだサイズも小さく数もそこまで多くなかったので出始めたばかりなんだろうが、なかなか不快だった。防虫ネット持ってきていて良かった。
横滝は左から取り付いて登る。簡単な登攀。
その先にはすごく綺麗な釜があって相方が飛び込んで遊んだりしてた。
この頃にはアブもいなくなり快適に。
雪渓がひとつ出てきて、右側を抜けた。
そのままグダグダ行動を進めていると、ついにガンガラシバナへ到着。
これはすごい!どーんと立派なスラブの大岩壁が現れた。
けっこう立っているように見えたので登れるのか不安になったが、まぁここまで来たらやってみるしかない。
ここで釣り師2人組と会う。前日には2パーティ入っていたらしい。さすが連休、人気だなー。
この日はガンガラシバナ手前の二俣手前590mくらいに泊まりやすそうな場所がいくつかあったのでそこで泊まり。
雪渓の近くということもあってか虫も少なく快適に泊まれた。意外と行程的に余裕だったし、雨にも降られなかったのでもっと宴会装備を持ってくれば良かった。
・2日目
行程:ガンガラシバナ〜矢筈岳北東尾根〜ドゾウ平下降〜割岩沢〜(途中幕営)
3:30起床。5:00出発。
朝焼けに染まるガンガラシバナを見ながら、ついにガンガラシバナを目指す。
手前に大きな雪渓残りがあったが、ガンガラシバナ取り付きバンドに繋がる箇所に向かって、綺麗に繋がるバンド上が右岸側からあるようだったので上がりすぎないように注意しつつ、右岸巻きで雪渓を避ける。
草付きトラバースなのでチェーンスパイクあると安心だが、なくてもいけるかなといった感じ。自分は持って行ったので使用した。
そして、取り付きに到着し、ついに登攀開始。
1P目 yutaリード
水流左側の濡れている面との境目あたりを登る、最初だけ傾斜が経っているのでランナーまともにとれてないのもあって怖い。難しくはないので問題なく登る。
1段乗っ越して、傾斜強めのあたりを超えると傾斜が緩んで、快適な登りになる。50m一杯くらい伸ばす
2P目 yutaリード
左にトラバース入れてから直上し、その後カンテ上を登ろうかと思ったが、水流右側が意外と快適そうだったので水流右側にトラバースして切る。45mくらい。
3P目 yutaリード
水流右側をそのまま直上。40m一杯くらい。
4P目 yutaリード
さらに右側の凹角に入り、その後1段登ってからさらに右流側にトラバース。そこから直上。最後の傾斜緩むまでロープ微妙に足りず、お助けロープも繋げて50mチョイ超えくらい伸ばしたかな。
これにて登攀終了。わざわざクライミングシューズ持って行ったがそこまで必要なかったかな。なんなら2P目以降はロープいらなかったかなという感じでした。
ロープを畳んで、そのまま沢を遡行していく。沢は狭くなり、ゴルジュ状になる。小滝が連続するがヌメリがあり、意外といやらしい。ひとつ登れず左岸を小さく巻いて、お助けロープ懸垂で下りた。そのまま遡行していき矢筈岳から伸びる尾根を目指す。途中雪渓があり、下を潜った。尾根までひたすら遡行し高度をあげていくがとにかく長い。。。かなり暑いのもあってバテバテになりながらなんとか尾根まで詰めあげる。尾根上は薮がかなり濃い。苦労して藪漕ぎしながらドゾウ平沢下降のコルへ。
コルからは薮を掴みながら、急傾斜を無理やり下降して、パッとしない沢形へ。しばらくは大した滝もなく、グダグダ標高を下げていく。しばらくすると沢が明るくなり、側壁も立ってきて、懸垂が必要な滝がバンバン出てくる。合計で6回くらいは懸垂したか。嫌だったのが1箇所あって、CS滝の懸垂が滝上すぐに懸垂支点がなく、そのすこし上の滝の細い枝を使って、懸垂することになるのだけど、空中懸垂になるわりには支店がプアでかつラインが屈曲するのでロープが引けなくなりそうな感じ。相方のマイクロトラクションを駆使してなんとか引くことができた。
それが終わったあとくらいに雨が降ってきて、まもなくゲリラ豪雨になった。まだゴルジュ内だったのでヤバイヤバイとなってさっさと下降していこうとするが、その先で突然それまで滝でなかったスラブ状岩壁から鉄砲水が発生する。すごい勢いで自分たちの少し下流で注ぎ込んでいき、水が透明から泥水に変わる。あまりに突然のことだったので、呆然とするが、幸い自分たちがいた場所は沢から無理やり逃げる(上がる)ことも可能そうだったので、しばらくその場所で雨足が弱まり、沢の色が平常に戻るのを待つ。15分ほど待つと、雨は弱まり晴れてきて、水もある程度元の色に戻ったので下降再開。下降している時に突然上流から鉄砲水が来たらパニックでやばかったろう。巻き込まれなくて良かった。その後は鉄砲水で汚れた釜を避けつつ、下降していき、割岩沢と合流する。
そして、ついにジッピとご対面。これはすごい!不気味でなんとも言えない雰囲気。そして、鉄砲水の影響か水が汚い。。。笑
入るのはやめにして、入口で見学して先を急ぐ。すでに16時頃だったが、次の日の行程も短くなるので、できるだけ進めておこうとのことで、割岩沢を下降する。何のことはない沢下降だが、浸かったり泳いだりなのでけっこう濡れる。このあたりはシャリバテ気味で体が重かった。ひょうたん淵あたりはクライムダウンで下りたあと泳いだ。ジッピから1時間ほど下降したところで行動終了とする。核心の中日、ちゃんと終えられて良かった。
・3日目
行程:割岩沢〜ユウ沢出会〜今早出川〜一ノ俣乗越〜駐車場
下山日。5:30起床7:00出発
今日は沢下降からの遡行してスタート地点に戻る行程となる。
沢は綺麗さを取り戻していた。
綺麗な淵や釜が連続し、浸かったり泳いだりで進んでいく。途中からまたアブがひどくたかり始めた。やがて今早出川に合流し、今早出川を遡行開始する。
このあたりの区間が個人的には1番美しい渓相だった。美しい。来てよかった。
赤っパ沢下降点に戻ってきて、ついに今早出川とはお別れ。また一ノ俣乗越まで踏み跡をたどって登り、一ノ俣沢を下降して、駐車場に戻った。
一ノ俣沢は綺麗な沢だったが、さすがに後半はもう早く終わってくれーと思った笑。いやー、本当に長かった。お疲れ様でした。
・まとめ
本当に素晴らしいルートでした。ガンガラシバナの大滝は圧巻でこの目で見れて良かった。そして、登攀も楽しいぐらいの難易度、高度感でいい感じ。また、今早出川や割岩沢も美しく、人臭くなく、綺麗でとても良い。ジッピは不気味な雰囲気が凄かった。そして、ずっとずっと沢なので、沢好きならご褒美すぎるルートといえるだろう。
虫は酷いし、アプローチも遠いし、悪いところを挙げればきりがないんだろうけど、終わった後には良かったなぁと思う、そんな場所だと先輩は言っていたが、その気持ちが本当に理解出来た。
ルート全体としてはドゾウ平下降が1番嫌らしかったかな。後はとにかく行程が長いので体力勝負という感じ。すごく難しい箇所はないけど、ずっとある程度のストレスがかけられる感じか。今回の時期に行くなら、虫と雪渓、暑さが核心となるのでそのあたりの対策を怠らないようにするべきかな。
その他メモ
・ロープは50m1本が良さそう
→ガンガラ登攀時は支点少なく、登攀は簡単なのでできるだけロープ伸ばしたいので長い方が良い
→ドゾウ平沢下降時は懸垂が何回も発生するがどれも50mロープでかなり余りあるくらいだった。なので懸垂距離は25m見ておけばまず間違いない。20mでも足りるかも。
・10m程度のお助けロープあると便利
→ガンガラ登攀時にすこしロープ足りないときの延長や懸垂距離短いときや巻き下りの補助として
・ドゾウ平沢下降時のコルへのアクセスは忠実に沢を詰めていくのが良い
・この時期は虫対策は必須、1日変わるだけでアブの発生度合いは変わる
最後にこのルートを自分に教えてくれた先輩方、そして今回一緒に歩いてくれた相方に感謝したいと思う。
おしまい。
追記)一ノ俣沢の巻道にライフジャケットを目印代わりに置かれた方、もし投稿を見られましたらご連絡くださいませ。
コメント
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恥ずかしいながちょっと自分の事の様に嬉しいね。
引き継ぎ、オバタキタン、ガンガラシバナと呪文系ルート攻略する記録楽しみにしてまっせ。
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