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Yamareco

記録ID: 3387269
全員に公開
沢登り
東北

今早出沢ガンガラシバナ〜割岩沢下降

2021年07月23日(金) 〜 2021年07月25日(日)
 - 拍手
yuta19921024 その他1人
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
56:46
距離
25.0km
登り
2,026m
下り
2,030m
歩くペース
ゆっくり
1.61.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
7:37
休憩
0:00
合計
7:37
5:40
457
スタート地点
13:17
宿泊地
2日目
山行
12:06
休憩
0:00
合計
12:06
5:10
726
宿泊地
17:16
宿泊地
3日目
山行
7:12
休憩
0:00
合計
7:12
7:14
432
宿泊地
14:26
ゴール地点
天候 1日目:晴れ 2日目:晴れ→小雨→ゲリラ豪雨→晴れ 3日目晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
一ノ俣橋まで問題なく車で入れた
その他周辺情報 大谷PA
一ノ俣橋からスタート。他3台
2021年07月23日 05:24撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 5:24
一ノ俣橋からスタート。他3台
一ノ俣橋
2021年07月23日 05:24撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 5:24
一ノ俣橋
すぐ沢に降りる。
2021年07月23日 05:41撮影 by  DSC-RX0, SONY
1
7/23 5:41
すぐ沢に降りる。
2021年07月23日 05:54撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 5:54
普通にきれいな沢
2021年07月23日 06:38撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 6:38
普通にきれいな沢
15m滝で懸垂用の支点あり。帰りに使った
2021年07月23日 07:00撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 7:00
15m滝で懸垂用の支点あり。帰りに使った
2021年07月23日 07:00撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 7:00
一ノ俣乗越
2021年07月23日 08:30撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 8:30
一ノ俣乗越
ついに今早出川に!綺麗
2021年07月23日 09:06撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 9:06
ついに今早出川に!綺麗
2021年07月23日 09:07撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 9:07
2021年07月23日 09:09撮影 by  DSC-RX0, SONY
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7/23 9:09
2021年07月23日 09:39撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 9:39
2021年07月23日 09:43撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 9:43
癒し、魚もうようよ
2021年07月23日 10:00撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 10:00
癒し、魚もうようよ
2021年07月23日 10:07撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 10:07
2021年07月23日 10:07撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 10:07
2021年07月23日 10:10撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 10:10
2021年07月23日 10:22撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 10:22
2021年07月23日 10:42撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 10:42
2021年07月23日 10:45撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 10:45
グリーンタフが綺麗
2021年07月23日 10:46撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 10:46
グリーンタフが綺麗
横滝。左から取り付いて登る
2021年07月23日 11:06撮影 by  DSC-RX0, SONY
1
7/23 11:06
横滝。左から取り付いて登る
2021年07月23日 11:10撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 11:10
2021年07月23日 11:10撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 11:10
2021年07月23日 11:19撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 11:19
2021年07月23日 11:21撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 11:21
雪渓。右端から抜ける
2021年07月23日 11:47撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 11:47
雪渓。右端から抜ける
2021年07月23日 12:22撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 12:22
2021年07月23日 12:23撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 12:23
そして。。。
2021年07月23日 12:34撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 12:34
そして。。。
2021年07月23日 12:36撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 12:36
ついにガンガラシバナ!!すごい圧巻
2021年07月23日 12:36撮影 by  DSC-RX0, SONY
2
7/23 12:36
ついにガンガラシバナ!!すごい圧巻
ガンガラシバナの夕焼け
2021年07月23日 18:48撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/23 18:48
ガンガラシバナの夕焼け
ガンガラシバナの朝焼け
2021年07月24日 05:14撮影 by  DSC-RX0, SONY
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7/24 5:14
ガンガラシバナの朝焼け
基部には雪渓残り
2021年07月24日 05:19撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 5:19
基部には雪渓残り
右岸側からバンド伝ってトラバースして取りつきへ
2021年07月24日 05:39撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 5:39
右岸側からバンド伝ってトラバースして取りつきへ
2021年07月24日 05:40撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 5:40
2021年07月24日 06:19撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 6:19
2021年07月24日 08:05撮影 by  DSC-RX0, SONY
1
7/24 8:05
2021年07月24日 08:47撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 8:47
4P目フォロー。圧巻の景色
2021年07月24日 08:49撮影 by  DSC-RX0, SONY
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7/24 8:49
4P目フォロー。圧巻の景色
そのままゴルジュ状に突入し、矢筈岳北東尾根を目指していく
2021年07月24日 09:13撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 9:13
そのままゴルジュ状に突入し、矢筈岳北東尾根を目指していく
長い。。。
2021年07月24日 09:25撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 9:25
長い。。。
意外とこのあたりの小滝が悪い。。。
2021年07月24日 09:25撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 9:25
意外とこのあたりの小滝が悪い。。。
また雪渓。下くぐったが意外と長くて嫌だった
2021年07月24日 10:02撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 10:02
また雪渓。下くぐったが意外と長くて嫌だった
長い。。。
2021年07月24日 10:32撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 10:32
長い。。。
やっと尾根に出た。密藪。。。
2021年07月24日 11:47撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 11:47
やっと尾根に出た。密藪。。。
コルまで来たのでドゾウ沢下降開始
2021年07月24日 11:50撮影 by  DSC-RX0, SONY
1
7/24 11:50
コルまで来たのでドゾウ沢下降開始
最初はなんてことのない沢だったが、後半になると懸垂箇所がバンバン出てくる
2021年07月24日 13:44撮影 by  DSC-RX0, SONY
1
7/24 13:44
最初はなんてことのない沢だったが、後半になると懸垂箇所がバンバン出てくる
また懸垂
2021年07月24日 14:18撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 14:18
また懸垂
2021年07月24日 14:25撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 14:25
ココはクライムダウン。相方は飛び込み
2021年07月24日 14:25撮影 by  DSC-RX0, SONY
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7/24 14:25
ココはクライムダウン。相方は飛び込み
これも懸垂して下りた。懸垂支点がプアなうえに空中懸垂、しかもロープラインが屈曲しまくりでロープ引けなくなったかと思った 
2021年07月24日 14:56撮影 by  DSC-RX0, SONY
1
7/24 14:56
これも懸垂して下りた。懸垂支点がプアなうえに空中懸垂、しかもロープラインが屈曲しまくりでロープ引けなくなったかと思った 
自分たちの少し先でゲリラ豪雨で鉄砲水発生!そこより先が泥水になる
2021年07月24日 15:18撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 15:18
自分たちの少し先でゲリラ豪雨で鉄砲水発生!そこより先が泥水になる
収まってから行動開始したけど、釜がくそ汚くなってる。。。
2021年07月24日 15:47撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 15:47
収まってから行動開始したけど、釜がくそ汚くなってる。。。
寄生虫とかいそうなんだけど。。。
2021年07月24日 15:51撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 15:51
寄生虫とかいそうなんだけど。。。
やっと割岩沢と合流。
2021年07月24日 16:03撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 16:03
やっと割岩沢と合流。
2021年07月24日 16:03撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/24 16:03
ジッピ。雰囲気すごい。さっきのゲリラ豪雨で水汚すぎるので泳ぎませんでした。。。
2021年07月24日 16:06撮影 by  DSC-RX0, SONY
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7/24 16:06
ジッピ。雰囲気すごい。さっきのゲリラ豪雨で水汚すぎるので泳ぎませんでした。。。
ジッピ2
2021年07月24日 16:10撮影 by  DSC-RX0, SONY
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7/24 16:10
ジッピ2
行けるところまで行ってみる。この先1時間くらい下降してから幕営。
2021年07月24日 16:13撮影 by  DSC-RX0, SONY
1
7/24 16:13
行けるところまで行ってみる。この先1時間くらい下降してから幕営。
今日は下降から
2021年07月25日 07:11撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/25 7:11
今日は下降から
綺麗やなぁ
2021年07月25日 07:22撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/25 7:22
綺麗やなぁ
ユウ沢出合あたり
2021年07月25日 08:18撮影 by  DSC-RX0, SONY
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7/25 8:18
ユウ沢出合あたり
2021年07月25日 08:22撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/25 8:22
2021年07月25日 08:28撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/25 8:28
泳いだり浸かったりしながら進んでいく。地味に疲れる
2021年07月25日 09:22撮影 by  DSC-RX0, SONY
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7/25 9:22
泳いだり浸かったりしながら進んでいく。地味に疲れる
2021年07月25日 09:27撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/25 9:27
2021年07月25日 09:27撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/25 9:27
今早出に入るとさらに綺麗。このあたりが一番好きだったなぁ
2021年07月25日 09:29撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/25 9:29
今早出に入るとさらに綺麗。このあたりが一番好きだったなぁ
赤っぱ沢出合に戻ってきた
2021年07月25日 10:20撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/25 10:20
赤っぱ沢出合に戻ってきた
一ノ俣沢、やっぱりきれいでいい沢
2021年07月25日 12:44撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/25 12:44
一ノ俣沢、やっぱりきれいでいい沢
やっと帰ってきました
2021年07月25日 14:19撮影 by  DSC-RX0, SONY
7/25 14:19
やっと帰ってきました

感想

友人と沢登りへ。

ガンガラシバナというルートを知ったのは、4年前。会に入って1年目の時だった。その時の記録を見て、こんなすごいルートがあるんだ、いつか行ってみたいなぁと漠然と思っていた。
その時の記録は↓参照
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1199864.html

その後、先輩たちは何度か下田川内に行っていたが、下田川内山塊の山行を語るとき、虫は酷いし、アプローチは遠いしで嫌なところはたくさんあるけど、それらを差し引いても素晴らしいところだよと話していて、そんな話を聞く度にぜひ自分も行きたいと思うようになっていった。
去年も計画したが、なかなかパートナーや天候に恵まれず、今年やっと行くことになった。

今早出川ガンガラシバナ〜割岩沢下降(遡行グレード4級)
ルートの概要は下記。
・一ノ俣沢を遡行して峠越えした後、今早出川へ入渓
・今早出川を遡行してガンガラシバナへ
・ガンガラシバナを登攀し、矢筈岳北東尾根からドゾウ平沢を下降
・割岩沢へ合流し、ジッピを見学
・そのまま割岩沢を下降し、今早出川へ合流し、遡行して下降点に戻り、峠越えして一ノ俣沢を下降し戻る
見事にずっと沢ばっかりの周回ルート。登山道歩きはないにも関わらず、3日間で25kmを歩く体力勝負のルート。
先輩たちは天候不順で周回ルートが叶わなかったので、後出しのこちらは今度こそ周回ルートでの完遂を狙う。

とはいえ、先輩方が遡行した4年前に比べて、最近は詳細な記録がいくつも上がっており、攻略法もかなりわかりやすくなっている感がある。それ自体は良い事なのか悪いことなのか微妙だが、記録の少なさからくる秘境感が薄まっても素晴らしいルートであることには間違いない
特に参考にした記録は下記
https://climb.juqcho.jp/2019/20190914.html
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2626364.html
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-482060.html

矢筈岳のピークを踏んで、ジッピを下降に使うことも考えたが、正直今の時期だとしんどいだろうなと思い、オーソドックスな方のルートを選んだ。
虫や暑さ、雪渓、薮漕ぎの大変さなどを踏まえると、ルートの適期としては9月中旬・下旬だが、その時期にしか行けない沢がたくさんあるため、ガンガラシバナは7月4連休で狙うことに決めた。

天候としては、4連休晴れ予報だが、午後にかけて夕立に降られそう。降られる時間帯や降水量は予報サイトによってバラバラで予報確度はあんまり高くなさそう。とにかく増水の早い早出川なので降られるのは避けたい。入るかどうか自体から含めてかなり悩んだが、予報的に比較的後半の方が良かったので、4連休の後半3日で入ることとする。

かなり長くなったが、やっと本編スタート。

・1日目
行程:駐車場〜一ノ俣沢遡行〜今早出川〜ガンガラシバナ下590mBP
この日が降られそうだったので早めスタート。5時過ぎ発。
まずはひたすら一ノ俣沢を遡行する。1級くらいの沢って感じ。明るくて魚もいて、水も綺麗でいい沢。途中の直爆を踏み跡に沿って左側から巻くと、すぐに右手に見えるスラブ場の岩を右から巻く感じで沢に戻らないといけなかったが、気づかないでひとつ左の沢に入ってしまいそこからコルまで薮漕ぎになってしまう。無駄に時間ロスった。乗越まで着いてそこからは赤テープに沿って、明瞭な踏み跡沿いに下降。ついに今早出川に入渓する。
とても綺麗!
ここまですごく暑かったので水浴びしつつ、今早出川遡行スタート。
ここからはひたすら河原歩き。本当に何もない。でも、綺麗なので癒される。とはいえ、アブが出てきた。まだサイズも小さく数もそこまで多くなかったので出始めたばかりなんだろうが、なかなか不快だった。防虫ネット持ってきていて良かった。
横滝は左から取り付いて登る。簡単な登攀。
その先にはすごく綺麗な釜があって相方が飛び込んで遊んだりしてた。
この頃にはアブもいなくなり快適に。
雪渓がひとつ出てきて、右側を抜けた。

そのままグダグダ行動を進めていると、ついにガンガラシバナへ到着。
これはすごい!どーんと立派なスラブの大岩壁が現れた。
けっこう立っているように見えたので登れるのか不安になったが、まぁここまで来たらやってみるしかない。
ここで釣り師2人組と会う。前日には2パーティ入っていたらしい。さすが連休、人気だなー。
この日はガンガラシバナ手前の二俣手前590mくらいに泊まりやすそうな場所がいくつかあったのでそこで泊まり。
雪渓の近くということもあってか虫も少なく快適に泊まれた。意外と行程的に余裕だったし、雨にも降られなかったのでもっと宴会装備を持ってくれば良かった。

・2日目
行程:ガンガラシバナ〜矢筈岳北東尾根〜ドゾウ平下降〜割岩沢〜(途中幕営)
3:30起床。5:00出発。
朝焼けに染まるガンガラシバナを見ながら、ついにガンガラシバナを目指す。
手前に大きな雪渓残りがあったが、ガンガラシバナ取り付きバンドに繋がる箇所に向かって、綺麗に繋がるバンド上が右岸側からあるようだったので上がりすぎないように注意しつつ、右岸巻きで雪渓を避ける。
草付きトラバースなのでチェーンスパイクあると安心だが、なくてもいけるかなといった感じ。自分は持って行ったので使用した。
そして、取り付きに到着し、ついに登攀開始。

1P目 yutaリード
水流左側の濡れている面との境目あたりを登る、最初だけ傾斜が経っているのでランナーまともにとれてないのもあって怖い。難しくはないので問題なく登る。
1段乗っ越して、傾斜強めのあたりを超えると傾斜が緩んで、快適な登りになる。50m一杯くらい伸ばす

2P目 yutaリード
左にトラバース入れてから直上し、その後カンテ上を登ろうかと思ったが、水流右側が意外と快適そうだったので水流右側にトラバースして切る。45mくらい。

3P目 yutaリード
水流右側をそのまま直上。40m一杯くらい。

4P目 yutaリード
さらに右側の凹角に入り、その後1段登ってからさらに右流側にトラバース。そこから直上。最後の傾斜緩むまでロープ微妙に足りず、お助けロープも繋げて50mチョイ超えくらい伸ばしたかな。

これにて登攀終了。わざわざクライミングシューズ持って行ったがそこまで必要なかったかな。なんなら2P目以降はロープいらなかったかなという感じでした。

ロープを畳んで、そのまま沢を遡行していく。沢は狭くなり、ゴルジュ状になる。小滝が連続するがヌメリがあり、意外といやらしい。ひとつ登れず左岸を小さく巻いて、お助けロープ懸垂で下りた。そのまま遡行していき矢筈岳から伸びる尾根を目指す。途中雪渓があり、下を潜った。尾根までひたすら遡行し高度をあげていくがとにかく長い。。。かなり暑いのもあってバテバテになりながらなんとか尾根まで詰めあげる。尾根上は薮がかなり濃い。苦労して藪漕ぎしながらドゾウ平沢下降のコルへ。

コルからは薮を掴みながら、急傾斜を無理やり下降して、パッとしない沢形へ。しばらくは大した滝もなく、グダグダ標高を下げていく。しばらくすると沢が明るくなり、側壁も立ってきて、懸垂が必要な滝がバンバン出てくる。合計で6回くらいは懸垂したか。嫌だったのが1箇所あって、CS滝の懸垂が滝上すぐに懸垂支点がなく、そのすこし上の滝の細い枝を使って、懸垂することになるのだけど、空中懸垂になるわりには支店がプアでかつラインが屈曲するのでロープが引けなくなりそうな感じ。相方のマイクロトラクションを駆使してなんとか引くことができた。
それが終わったあとくらいに雨が降ってきて、まもなくゲリラ豪雨になった。まだゴルジュ内だったのでヤバイヤバイとなってさっさと下降していこうとするが、その先で突然それまで滝でなかったスラブ状岩壁から鉄砲水が発生する。すごい勢いで自分たちの少し下流で注ぎ込んでいき、水が透明から泥水に変わる。あまりに突然のことだったので、呆然とするが、幸い自分たちがいた場所は沢から無理やり逃げる(上がる)ことも可能そうだったので、しばらくその場所で雨足が弱まり、沢の色が平常に戻るのを待つ。15分ほど待つと、雨は弱まり晴れてきて、水もある程度元の色に戻ったので下降再開。下降している時に突然上流から鉄砲水が来たらパニックでやばかったろう。巻き込まれなくて良かった。その後は鉄砲水で汚れた釜を避けつつ、下降していき、割岩沢と合流する。

そして、ついにジッピとご対面。これはすごい!不気味でなんとも言えない雰囲気。そして、鉄砲水の影響か水が汚い。。。笑
入るのはやめにして、入口で見学して先を急ぐ。すでに16時頃だったが、次の日の行程も短くなるので、できるだけ進めておこうとのことで、割岩沢を下降する。何のことはない沢下降だが、浸かったり泳いだりなのでけっこう濡れる。このあたりはシャリバテ気味で体が重かった。ひょうたん淵あたりはクライムダウンで下りたあと泳いだ。ジッピから1時間ほど下降したところで行動終了とする。核心の中日、ちゃんと終えられて良かった。

・3日目
行程:割岩沢〜ユウ沢出会〜今早出川〜一ノ俣乗越〜駐車場
下山日。5:30起床7:00出発
今日は沢下降からの遡行してスタート地点に戻る行程となる。
沢は綺麗さを取り戻していた。
綺麗な淵や釜が連続し、浸かったり泳いだりで進んでいく。途中からまたアブがひどくたかり始めた。やがて今早出川に合流し、今早出川を遡行開始する。
このあたりの区間が個人的には1番美しい渓相だった。美しい。来てよかった。

赤っパ沢下降点に戻ってきて、ついに今早出川とはお別れ。また一ノ俣乗越まで踏み跡をたどって登り、一ノ俣沢を下降して、駐車場に戻った。
一ノ俣沢は綺麗な沢だったが、さすがに後半はもう早く終わってくれーと思った笑。いやー、本当に長かった。お疲れ様でした。

・まとめ
本当に素晴らしいルートでした。ガンガラシバナの大滝は圧巻でこの目で見れて良かった。そして、登攀も楽しいぐらいの難易度、高度感でいい感じ。また、今早出川や割岩沢も美しく、人臭くなく、綺麗でとても良い。ジッピは不気味な雰囲気が凄かった。そして、ずっとずっと沢なので、沢好きならご褒美すぎるルートといえるだろう。
虫は酷いし、アプローチも遠いし、悪いところを挙げればきりがないんだろうけど、終わった後には良かったなぁと思う、そんな場所だと先輩は言っていたが、その気持ちが本当に理解出来た。

ルート全体としてはドゾウ平下降が1番嫌らしかったかな。後はとにかく行程が長いので体力勝負という感じ。すごく難しい箇所はないけど、ずっとある程度のストレスがかけられる感じか。今回の時期に行くなら、虫と雪渓、暑さが核心となるのでそのあたりの対策を怠らないようにするべきかな。
その他メモ
・ロープは50m1本が良さそう
→ガンガラ登攀時は支点少なく、登攀は簡単なのでできるだけロープ伸ばしたいので長い方が良い
→ドゾウ平沢下降時は懸垂が何回も発生するがどれも50mロープでかなり余りあるくらいだった。なので懸垂距離は25m見ておけばまず間違いない。20mでも足りるかも。
・10m程度のお助けロープあると便利
→ガンガラ登攀時にすこしロープ足りないときの延長や懸垂距離短いときや巻き下りの補助として
・ドゾウ平沢下降時のコルへのアクセスは忠実に沢を詰めていくのが良い
・この時期は虫対策は必須、1日変わるだけでアブの発生度合いは変わる

最後にこのルートを自分に教えてくれた先輩方、そして今回一緒に歩いてくれた相方に感謝したいと思う。
おしまい。

追記)一ノ俣沢の巻道にライフジャケットを目印代わりに置かれた方、もし投稿を見られましたらご連絡くださいませ。

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コメント

過去、会に入ったばかりの自分にとって憧れの地であったルートをこうして後輩が完投した記録を見れる日が来るとは…
恥ずかしいながちょっと自分の事の様に嬉しいね。
引き継ぎ、オバタキタン、ガンガラシバナと呪文系ルート攻略する記録楽しみにしてまっせ。
2021/7/28 9:23
そう言って貰えると自分も嬉しい限りです。ワルさんの言ってたとおり下田川内は素晴らしい秘境でした。呪文系ルート、残りは手強い系ばかりですが、攻略頑張ります!!
2021/7/29 10:25
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