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Yamareco

記録ID: 3443723
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

鋸岳(日向八丁尾根からの日帰り予定だったのだが)

2021年08月11日(水) 〜 2021年08月12日(木)
 - 拍手
GPS
--:--
距離
22.7km
登り
3,133m
下り
3,133m

コースタイム

1日目
山行
20:29
休憩
2:30
合計
22:59
1:00
75
2:15
2:15
119
4:14
4:15
98
鞍掛山分岐(駒岩)
5:53
6:17
163
9:00
9:12
14
9:26
10:02
60
11:02
11:10
36
11:46
12:05
45
12:50
12:50
26
大ギャップルンゼ
13:16
13:18
21
13:39
13:50
18
14:08
14:08
50
14:58
14:58
27
15:25
15:30
80
16:50
17:06
13
17:19
17:19
188
20:27
20:35
97
22:12
22:20
99
鞍掛山分岐(駒岩)
23:59
日向山手前でルートロスト(ビバーク)
2日目
山行
1:49
休憩
0:00
合計
1:49
6:20
17
ビバーク地 5:30起床
6:37
6:37
92
※1日目、ビバークは25:00頃(24:00以上の入力不可のため)
天候 晴のち雨
過去天気図(気象庁) 2021年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
まずは日向山を目指して出発
2021年08月11日 01:00撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 1:00
まずは日向山を目指して出発
日向山頂上付近。山頂標識は過ぎて雁ケ原方向へ進んだあたり
2021年08月11日 02:15撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 2:15
日向山頂上付近。山頂標識は過ぎて雁ケ原方向へ進んだあたり
鞍掛山分岐
2021年08月11日 04:14撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 4:14
鞍掛山分岐
甲斐駒に陽が射す
2021年08月11日 05:03撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 5:03
甲斐駒に陽が射す
大岩山にて朝食。雨具らしき忘れ物がありました
2021年08月11日 05:53撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 5:53
大岩山にて朝食。雨具らしき忘れ物がありました
長い急傾斜が始まり、クサリとロープでガンガン下降して行く
2021年08月11日 06:31撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 6:31
長い急傾斜が始まり、クサリとロープでガンガン下降して行く
かなり下った後、垂直に近い鉄バシゴを降りると急下降からはほぼ解放される
2021年08月11日 06:36撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 6:36
かなり下った後、垂直に近い鉄バシゴを降りると急下降からはほぼ解放される
八丁尾根後半にある鉄ハシゴ
2021年08月11日 08:17撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 8:17
八丁尾根後半にある鉄ハシゴ
ハイマツ帯に出れば烏帽子岳は近い
2021年08月11日 08:48撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 8:48
ハイマツ帯に出れば烏帽子岳は近い
烏帽子岳に到着。眼前には甲斐駒が聳え、北岳も見える
2021年08月11日 09:00撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
1
8/11 9:00
烏帽子岳に到着。眼前には甲斐駒が聳え、北岳も見える
八丁尾根を振り返る。中央左の三角形が大岩山。その右へ続くのが日向山への稜線。八ヶ岳もよく見える
2021年08月11日 09:09撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 9:09
八丁尾根を振り返る。中央左の三角形が大岩山。その右へ続くのが日向山への稜線。八ヶ岳もよく見える
第一高点(右奥)と第二高点。その手前が熊穴沢の頭
2021年08月11日 09:10撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
1
8/11 9:10
第一高点(右奥)と第二高点。その手前が熊穴沢の頭
烏帽子岳より。三ツ頭分岐はすぐそこだ。(ピークは踏まない)
2021年08月11日 09:11撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 9:11
烏帽子岳より。三ツ頭分岐はすぐそこだ。(ピークは踏まない)
三ツ頭分岐。標識の「鋸岳1.4h」は意味不明。普通でも3時間は要することから遭難原因にもなる危険な表示だ
2021年08月11日 09:26撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 9:26
三ツ頭分岐。標識の「鋸岳1.4h」は意味不明。普通でも3時間は要することから遭難原因にもなる危険な表示だ
中の川乗越までは稜線付近にルートがある。オレンジテープをたどるのが正解。ピンクテープもあるが一部変な所にあるので要注意だ
2021年08月11日 10:45撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 10:45
中の川乗越までは稜線付近にルートがある。オレンジテープをたどるのが正解。ピンクテープもあるが一部変な所にあるので要注意だ
ナイロンロープに導かれて中の川乗越へ降りて行く
2021年08月11日 10:50撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 10:50
ナイロンロープに導かれて中の川乗越へ降りて行く
中の川乗越に到着。岩を平にならしたビバーク跡が2か所ほどある。
ここから第二高点へは正面の草付きを登る
2021年08月11日 11:02撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 11:02
中の川乗越に到着。岩を平にならしたビバーク跡が2か所ほどある。
ここから第二高点へは正面の草付きを登る
登高中に振り返る。左に見えるピークの烏帽子岳から見て感じたほど急ではない。(個人の感想です!)
2021年08月11日 11:26撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 11:26
登高中に振り返る。左に見えるピークの烏帽子岳から見て感じたほど急ではない。(個人の感想です!)
第二高点へ着いた。第一高点は指呼の距離で、先ほど頂上に人影が見えたぞ
2021年08月11日 11:46撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
2
8/11 11:46
第二高点へ着いた。第一高点は指呼の距離で、先ほど頂上に人影が見えたぞ
仙丈ケ岳と山腹を横切る南アルプス林道
2021年08月11日 11:46撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
1
8/11 11:46
仙丈ケ岳と山腹を横切る南アルプス林道
甲斐駒ヶ岳と白根二山!
2021年08月11日 11:47撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
1
8/11 11:47
甲斐駒ヶ岳と白根二山!
大ギャップを望む。第二高点から少し戻る感じで戸台側の灌木帯へ入り、トラバース気味に下って来た。
(コルに穴があるように見えるけど鹿窓ではないからね)
2021年08月11日 12:28撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
1
8/11 12:28
大ギャップを望む。第二高点から少し戻る感じで戸台側の灌木帯へ入り、トラバース気味に下って来た。
(コルに穴があるように見えるけど鹿窓ではないからね)
鹿窓ルンゼへは大ギャップルンゼを10mほど下降し対岸のバンドへ入って行く
2021年08月11日 12:47撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
1
8/11 12:47
鹿窓ルンゼへは大ギャップルンゼを10mほど下降し対岸のバンドへ入って行く
バンドを進むと最近崩落したという地点へ出る。鹿窓ルンゼ下部の岩が樋状に残っている。この樋の中を3mほど上がり左上するバンドへ踏み変え5mほどで草付きへ入る
2021年08月11日 12:48撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
1
8/11 12:48
バンドを進むと最近崩落したという地点へ出る。鹿窓ルンゼ下部の岩が樋状に残っている。この樋の中を3mほど上がり左上するバンドへ踏み変え5mほどで草付きへ入る
鹿窓が見えた。鹿窓下のクサリまではガレを登るより草付きを登るルートが安全だ
2021年08月11日 12:58撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
1
8/11 12:58
鹿窓が見えた。鹿窓下のクサリまではガレを登るより草付きを登るルートが安全だ
鹿窓直下はほぼ垂直だが、ホールドは多くクサリもあるので心配ない
2021年08月11日 13:11撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
2
8/11 13:11
鹿窓直下はほぼ垂直だが、ホールドは多くクサリもあるので心配ない
鹿窓より振り返る。岩の上の小石をクサリではらい落とす恐れもあるので後続者があるときは要注意だ
2021年08月11日 13:16撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 13:16
鹿窓より振り返る。岩の上の小石をクサリではらい落とす恐れもあるので後続者があるときは要注意だ
オォーッ!よく見る構図だぜ
2021年08月11日 13:16撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
3
8/11 13:16
オォーッ!よく見る構図だぜ
山頂はすぐそこだ
2021年08月11日 13:21撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
1
8/11 13:21
山頂はすぐそこだ
だがその前に小ギャップがある。下り始めはクサリ沿いに右側の草付きを降りるのが楽だ
2021年08月11日 13:21撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 13:21
だがその前に小ギャップがある。下り始めはクサリ沿いに右側の草付きを降りるのが楽だ
登り返しは10mの垂壁。クサリは使わずクライムしてみました。(^^)v
2021年08月11日 13:25撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 13:25
登り返しは10mの垂壁。クサリは使わずクライムしてみました。(^^)v
念願だった鹿窓通過と鋸岳登頂を果たすことができた。しかし、まだ折り返し点にすぎない。予定より2時間遅れだが日付が変わる前に下山できるかな
2021年08月11日 13:41撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
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8/11 13:41
念願だった鹿窓通過と鋸岳登頂を果たすことができた。しかし、まだ折り返し点にすぎない。予定より2時間遅れだが日付が変わる前に下山できるかな
北側は角兵衛沢の頭
2021年08月11日 13:47撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
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8/11 13:47
北側は角兵衛沢の頭
鹿窓ルンゼの右岸を戻る。中段に見える草付きルートを登下降する記録もある。田中陽希氏もここを登ったようだが、左へ回り込んだ見えない先がヤバそうだ
2021年08月11日 14:14撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
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8/11 14:14
鹿窓ルンゼの右岸を戻る。中段に見える草付きルートを登下降する記録もある。田中陽希氏もここを登ったようだが、左へ回り込んだ見えない先がヤバそうだ
左上バンドからの踏み変え地点(崩落箇所)。水が流れる右下の樋状の岩は濡れているが滑らない。その先の砂利部分を往路時に降りるのがイヤらしかった。赤丸は靴底で掘ったステップ
2021年08月11日 14:25撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
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8/11 14:25
左上バンドからの踏み変え地点(崩落箇所)。水が流れる右下の樋状の岩は濡れているが滑らない。その先の砂利部分を往路時に降りるのがイヤらしかった。赤丸は靴底で掘ったステップ
大ギャップルンゼに入った。ここを少し登り右手前の草付きへ上がれば第一高点からの危険地帯が終わる
2021年08月11日 14:30撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 14:30
大ギャップルンゼに入った。ここを少し登り右手前の草付きへ上がれば第一高点からの危険地帯が終わる
ふたたび第二高点。山頂は踏まず中の川乗越を目指して下る
2021年08月11日 14:58撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 14:58
ふたたび第二高点。山頂は踏まず中の川乗越を目指して下る
甲斐駒が雲に隠れ始める。第二高点直下より
2021年08月11日 15:00撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 15:00
甲斐駒が雲に隠れ始める。第二高点直下より
三ツ頭分岐まで戻ってきた
2021年08月11日 16:50撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 16:50
三ツ頭分岐まで戻ってきた
ここにも0.3hという変な表示があるが、誰もが誤解しない0:30と書いてほしい
2021年08月11日 17:19撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 17:19
ここにも0.3hという変な表示があるが、誰もが誤解しない0:30と書いてほしい
烏帽子岳より八丁尾根越しの大岩山
2021年08月11日 17:19撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 17:19
烏帽子岳より八丁尾根越しの大岩山
持病の膝痛が出はじめ、三ツ頭から3時間半ほどかかった
2021年08月11日 20:27撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 20:27
持病の膝痛が出はじめ、三ツ頭から3時間半ほどかかった
鞍掛山分岐。あと少しだぜ
2021年08月11日 22:12撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/11 22:12
鞍掛山分岐。あと少しだぜ
24時を回り、日向山手前で降雨もありルートを外して迷う。写真は、居場所がわからずツェルトにてビバークし朝を迎えた場所。雨はやみ木立ち越しに日向山頂上が見えて安心
2021年08月12日 05:31撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
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8/12 5:31
24時を回り、日向山手前で降雨もありルートを外して迷う。写真は、居場所がわからずツェルトにてビバークし朝を迎えた場所。雨はやみ木立ち越しに日向山頂上が見えて安心
朝食を済ませ日向山へ登った後に下山を開始する
2021年08月12日 06:37撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/12 6:37
朝食を済ませ日向山へ登った後に下山を開始する
矢立石駐車場へ無事に戻ってきたが、日帰りオーバーでした。反省
2021年08月12日 08:09撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
8/12 8:09
矢立石駐車場へ無事に戻ってきたが、日帰りオーバーでした。反省
撮影機器:

感想

 南アルプス最恐と言われる鹿窓からの鋸岳登頂を果たすことができて大満足です。
 今回の第二高点から第一高点を目指すルートは、今年6月のyoisaさんをはじめとする皆さんのレコで、鹿窓ルンゼ下部のバンドが一部崩落しているとの情報を目にしていました。そのため最近の記録は北側の釜無川ゲートからの往復がほとんどで当然のことだと思います。しかし、自分的には『穂高と言えばジャンダルム!ノコギリと言えば鹿窓!日光を見ずして結構というな?』です。若いころから鹿窓を見てみたかったことと怖いもの見たさもあり、南側からの鹿窓経由のルートを選択しました。

 今から8年前、尾白川渓谷〜日向八丁尾根〜甲斐駒ケ岳〜黒戸尾根を日帰り周回したことがあり、三ツ頭までは問題ないので今回も日帰りにチャレンジしました。8年前は尾白川駐車場から三ツ頭まで5時間半を要したので、今回は8年の加齢と荷物を考慮し、三ツ頭に午前8時までに到着するよう矢立石駐車場を午前1時出発としました。仮に三ツ頭の到着が9時になっても、鋸岳を往復して23時までには下山できるとの計算です。なお、ルート上には水場がないため水は多めの4.5Lを持参しました(下山後に1L残ってました)。そのほかの装備については防寒具と食料以外は極力軽量化を図りました。

 八丁尾根は長大なルートだが、甲斐駒ヶ岳七丈小屋の先代のご主人が整備され安全に通過できるようになったと聞いている。それ以降何年も経過しているが、鋸岳までの登山道を含めても倒木などコースを塞ぐ箇所はほとんどない。こんな不便な場所であるのに、新たに引き継いで整備されている方々のご努力にも頭が下がります。ただ1点だけ、三ツ頭の標識にある「鋸岳1.4h」はいただけません。1.4hとは1:40の意味?と思いますが、ガレ場・クサリ場が多い超危険なコースをこの時間で鋸岳まで行くには、命知らずのカミカゼトレランナーでも無理です。10キロのザックでルートミスせずに行っても3時間は要します。この表示は、時間切れや疲労遭難の原因ともなり得る危険な表示だと思います。北杜市か関連団体でしょうか、修正すべきと思います。

 さて、このルートは第二高点〜第一高点が危険地帯で、核心部は大ギャップルンゼから鹿窓ルンゼへの移る部分だ。先ほども書いた通り、鹿窓ルンゼに入るバンドが一部崩落し通過が難しくなってしまったとのことだが、ダメもとで行ってみた。
 なるほど、バンドが左へ折れ曲がる地点、つまり左上バンドへの踏み変え地点が崩落してえぐられたようだ。残った岩盤が樋状になっていて、その岩の上をチョロチョロと水が流れ数メートル先の崖下へ消えている。樋状の岩は傾斜はあるもののスラブ状ではなく凹凸があり、今は水ゴケもないので滑らなそうだ。いま立っているバンドより50cmほど下にあるこの岩樋へ降りて、樋の底を2〜3m右上すれば左上バンドへ取付くことができそうだ。
(掲載写真の中に、鹿窓からの復路でこの地点を反対側から見下ろしたショットがあります。→写真は、左上バンドの下部に立ち、右下の水の流れる岩樋へ下りようとしているところです。写真だと分かりづらいが2〜3mの落差があります)

 しかし、岩樋へ降りる場所が岩ではなく、砂利混じりの土なのでザレて滑るのが心配だ。お尻を下げて片足を伸ばし、靴裏で何度も土を蹴ってステップを1つ作りそろりと樋へ降りた。数メートル下流は崖となっているので緊張を強いられる。傾斜のある樋の底を四つん這いの三点支持でゆっくり確実に進み、左上バンドに上がることができた。
 もしも、ここの通過が無理だったら大ギャップルンゼに戻り、コルの手前まで上がった付近に狭いバンドがあるようなので、そこを登るつもりでいた。そう、グレートトラバース3で田中陽希氏が今回のバンドを見つけられずに通過した上部のバンドだ。

 さて、左上バンドから草付きに入り踏み跡をたどって登って行くと、鹿窓から垂れ下がっている長い鎖の末端に到着した。そこから鎖に沿って鹿窓ルンゼの急傾斜を登って行くが、前後に人がいる場合は人為的な落石の危険もあるので間隔をあける必要があります。(特に鎖場の終了地点には落ちそうな小石がたっぷりある。→写真参照)

 鹿窓をくぐり抜けて左へ水平に回り込んだのちに、数メートルの簡単な岩場を登って稜線上に出ると前方が開け第一高点がすぐ近くに見えた。しかし足元は切れ落ちており、最後の難所の小ギャップでここにも鎖が設置してある。
 小ギャップの下り始めは傾斜がゆるいのと、最初の部分は鎖が太くて握りづらそうなので鎖の右側につけられた踏み跡を数メートル降りた。そして傾斜が強くなり始めたあたりで踏み跡は鎖へ誘導されており、このあたりで鎖の太さも手頃なものに変わっている。それを伝って小ギャップの底まで降下した。
 小ギャップの登り返しも鎖場だが、こちらの方が傾斜は強く垂直に近い。しかし、ホールドも多数あるので心配はなく、この小ギャップを登り切り稜線を少し登って行くと第一高点に達することができた。
 第二高点から見たときは人影があったが誰もおらず、結局のところ今回の山行では誰にも会うことはなく単独行を堪能することができた。

 南アルプス最恐と言われる鋸岳だが、足場の悪さと落石の危険度が高いという意味で、一般ルートでは西上州山域を含め中部山岳最恐と言えるのではないかと思う。
 岩場(鎖場)の難易度を他で例えると、小ギャップから第一高点への登り返しは奥穂〜西穂縦走の天狗のコルから頭への登り(鎖場)ほどのレベルで、鹿窓の登りはそれを少し上回るレベルで高低差もある。
 しかし、それよりも鹿窓ルンゼ下部の崩落したバンドの通過が非常に危険だ。技術的に難しいというよりも鎖などはなく緊張を強いられるため、岩登り経験のない人は絶対にやめた方がよい。一般ルートとは呼べずヤバすぎます。

 最後に反省点だが、登山口の日向山付近まで戻って来たところでルートロストしてしまい、更に降雨となり日帰りできずビバークとなったことだ。夜が明けて分かったことだが、雁ヶ原のかなり手前から錦滝方面へ降りるルートなど幾つかの踏み跡やテープがある。注意していたのだがやってしまった(ヤマレコにルート外れ警告があるが、この時はガラケーでした)。夜間登山は何十回も実施してきたことから慢心が原因であったと思う。今後は充分気をつけ慎重に行動すべきと反省した山旅でした。

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