剱岳【別山尾根】


- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 1,782m
- 下り
- 1,783m
コースタイム
8:40室堂→11:22剱御前小舎12:02→13:15剣山荘
15日:
4:35剣山荘→5:03一服剱5:05→6:10前剱6:20→7:22平蔵のコル7:33→8:09剱岳8:32→9:30平蔵の頭→10:20前剱10:30→11:20一服剱11:25→11:45剣山荘
13:05剣山荘→(剱沢小屋経由)→14:20剱御前小舎14:25→16:15室堂
天候 | 14日:晴れのち曇り 15日:暴風雨のち曇り、一時晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
名神高速+北陸道立山IC→(下道約30分)→立山駅無料駐車場 【アルペンルート】 立山駅7:00発→(ケーブルカー・バス)→室堂着8:20 *都合によりバスを1本遅らせています。 室堂16:45発→(バス+ケーブルカー)→立山駅17:57着 *室堂→美女平の最終は17時。 **天候により止まることがあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【室堂〜剣山荘】 *危険箇所は特にありません。 *アップダウンが多いコースでCTの割に疲れました。特に雷鳥坂は急勾配です。 剱御前小舎から剣山荘は、剱沢小屋経由の方が若干CTが短いです。 【剣山荘〜剱岳 別山尾根】 **岩場と13の鎖場(往復で2度通過するものを含めると17か所)、ガレ場の連続です。特に武蔵のコル以降は要注意区間が続きます。転倒転落、滑落のリスクは高く、落石にも注意してください。有名なカニのたてばい・よこばい以外にもリスク区間はあります。緊張を保てるよう休憩を挟んだ方がいいかもしれません。 **下山は、前剱の門〜武蔵のコル手前の区間で転倒転落が多いようです。何気なさそうな区間でも気を抜かないようにしてください。滑落すると大事故につながりかねません。 **雨中、雨後は岩・鎖ともにとても滑りやすく、さらにリスクが高まります。悪天時は突風も恐ろしいです。稜線やコルでは強烈な吹き抜け、吹き上げに見舞われますので慎重に通行してください。個人的にはカニのよこばいで、足が滑りヒヤッとしました。 *上り下りでルートが分かれています。前剱の門〜前剱では、登りルートのちょっと下に下りルートがあります。登りでは落石を起こさないように。下りでは、上からの落石に注意。 【剣山荘】 *1泊2食:9000円 *貸しヘルメット(500円)。温水シャワーあります。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
このクマモンしゃべります。おうむ返しですが。「剱岳」と話しかけたら「ちゅるぎだけ」と返してきました。発音が悪かったのでしょうか。。
感想
「岩と雪の殿堂」「試練と憧れ」―。修辞に欠かない剱岳に、山の先達に誘われて行ってきました。もちろん台風は気にしていましたが、予報と異なり西寄りの進路を取ったためか、山はこれまでで最悪の悪天でした。悪化の前にと未明に小屋を発つも奏功せず、雨で滑りやすい岩と鎖、さらに暴風にも苦しめられ、生きた心地のしない場面もありました。無事に帰ってこれてよかったです。今回は恐かった体験を中心に書こうと思います。
山頂を目指す未明、3時に起きて準備をしていました。が、外は雨。出発を遅らせました。雨の岩は滑ります。鎖も頼りない感じがします。風の威力はものすごく、いくつかのコルと稜線、前剱の先の鉄ブリッジ通過時はひやひやしました。緊張を切らさないようにすると気が疲れます。
多々あった難場面の最たるものは、山頂下の「カニのたてばい」と「カニのよこばい」。たてばいは、下部はさほど苦労しなかったのですが、ラスト付近で適当な足場が見当たらず、ステミングみたいに岩に足を突っ張らせたところ滑りヒヤッとしました。足場用の鉄杭をつかんで体勢を立て直し、一呼吸置いてクリア。そうしてようやく頂に立ち、しばし緊張から解放された時間を過ごします。雲が切れた短い時間、モノトーンの風景に立山の緑が鮮やかだったのを覚えています。
下山はよこばいが最大の難所で、よく言われている「見えない足場」探しに恐怖を味わいました。まず、マークされた足がかりに右足を乗せ、次のポイントを左足で探します。ところがじりじりスメアしても足が感知しません。「まだか」「これ以上伸して良いのか」。不安を振り払おうと全神経を左足に集中させます。
今思えば足場を視認しておくべきでした。「ミスったら落ちる」とよぎったそのとき、右の足が滑り落ちていることに気付きました。靴底半分の足場が爪先立ちに後退し、立っている感覚はわずか。ほとんど反射的に身を鎖に引きつけていました。そのときは、たとえば死を意識するというように明確な認識はできませんでいたが、通過後まるで内臓を絞られるような得も言われぬ感覚に襲われ、身震いしました。恐怖感が体に刻み込まれたのだと思います。
下りは前剱の門から先も要注意。やはり緊張が続きます。上りもそうでしたが、頻回に休憩を取って心も休めます。CTを遥かに超過して剣山荘に着いたときは心底ほっとしました。ところが一難去ってまた一難。今宵の剱御前小舎は間近なので大休憩と決め込み、とりあえず小舎に予約確認をしたら悪天で明日はアルペンルートが止まるかもと言われました。そうなってはいつ帰れるか知れません。仕方なく一気に下山。火事場の馬鹿力なのか雷鳥坂の下りもなんのその、CTを切って室堂に到着しました。やれやれです。
これで無事に帰れる。舟橋村の「湯めごごち」に入って高速に乗ると、まあ予想通り風雨が激しくなります。このへんは想定内。速度規制を受けて西進していると、なんだかもう台風直撃?と思うくらいの暴風雨に。こわいこわい。でもまだ想定内。ところが、名神が京都東で通行止め。想定外の難が最後にやってきました。結局茨木まで下道を走らせ、家に着いたのは午前3時。24時間ぶっ通しで行動していました。多くの事が起こりすぎて消化できていません。でも、こんな状況下で剱岳に登ることができ、とても大きな山の思い出を手にすることができました。同じく山頂を目指したみなさんの顔は緊張で強張り、頂上では解放感と達成感の笑顔が輝いていました。きっと自分たちもそうだったのだと思います。
最後にこれから行かれる方、「剱岳別山尾根ルート 安全登山マップ(最後の写真)」は役立つと思います。剣山荘にて配布していますので立ち寄ってみてください(他の小屋・施設にもあるかもしれませんが確認していません)。
劔行かれましたか。
天気の悪いなか大変だったようですね。
我が家は先週の三連休に立山に出かけてきましたが、劔方面に向かう
人々がすごかったです。来年くらいは子供もつれてチャレンジを
してみたいですが、感想拝見すると、結構ヒヤヒヤします。
う〜んでもチャレンジしてみたい
立山お疲れさまです
恐い体験ばかり書いちゃいましたが、天候のため割増になっていると思います
お子さまだと身長にもよりますが、岩場ではもしかしたら手足が届きにくい場面があるかもしれません。使ったことが無いのになんですが、ハーネスがある方がいいのかもしれません(今回スリングたすき掛けで確保されている方がちらほらいらっしゃいましたが、もし落ちたらどんな体勢になるのか?です)。
1006702さんのご一家は「晴れ家族?」な感じがしますので、もしチャレンジされたらすごい景色が待っているかもしれませんね
やはりタテバイよりヨコバイが怖いようですね。スリングハーネスは、やはり危険ですか。
妻は最近クライミング講習に参加してハーネス、ロープワークを学び始めているので、子供用にもハーネス買って来年に向けて岩場練習にトライしてみます。
今年は天候に恵まれた
奥様、すごいですね
これから紅葉の季節、色鮮やかな山の錦を青空のもと楽しみたいですね。週末の好天を願ってやみません
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