R3登山リーダー夏山研修会
富山県
Naosako
その他5人 
体力度について
- GPS
- 28:33
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 2,502m
- 下り
- 2,488m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 3:15
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 3:21
- 山行
- 11:39
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:39
- 山行
- 7:46
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 7:48
- 山行
- 3:04
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 3:21
・二日目は取りつきまでのリミット（8時）を切ることができなかったため、長次郎谷を引き返した。下山中、ハーケン打設とフィックス工作を教わった。
・三日目は3人ずつの二班に分かれて別山北尾根の西面無名ルートを登攀（7ピッチ）
| 天候 | 1日目 晴のち雨 2日目 晴のち雨 3日目 曇り時々雨 4日目 雨のち晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
長次郎谷の�機Ν曲�間ルンゼ出合上部にはシュルンドあり。幅5mほど通行可能箇所が残されている。 シュルンドを越えると雪渓は一旦完全に消える。右岸側の岩場を登高。二回ほどロープを出して通過し、雪渓に復帰した。スリップすると滝壺なのでかなり注意が必要。 別山の登攀ルート（中央稜と右岸稜のあいだらへん）はかなりもろく、残置物はほとんどない |
| その他周辺情報 | 室堂バスターミナル、剣沢野営場管理所に警備隊が常駐 |
| 予約できる山小屋 |
|
装備
| 個人装備 |
カラビナ10枚<br />HMS環4枚<br />スリング（60×５・120×2・240×1）<br />ビレイデバイス<br />ピトン3枚<br />ハンマー<br />プルージックロープ（150?をダブルフィッシャー）<br />ナイフ<br />PAS<br />ビレイグローブ
|
|---|---|
| 共同装備 |
ハーフ60m×２<br />カム 青〜黄色<br />ナッツ （8本ほど
サイズは忘れてしまった）<br />ファーストエイドキット<br />緊急用品（防水マッチ
保温シート
非常食
ろうそく
エスビットメタ）<br />修理用品（裁縫セット
ダクトテープ
リペアパイプなど）<br />無線<br />ラジオ
|
| 備考 | �。廝廝屬任聾朕輿�備である ・個人用医箱 ・個人用緊急用品 はパーティで一つのみだった。 �■廝廝屬離團好肇鸛�備である、替え着・シュラフ・火器は軽量化の観点からもっていかず、各自のツエルトはタープ一枚を共同装備とすることで代用した。 ��WWVでは個人装備である、替え着・替え手袋・ザックカバー・銀マット・スパッツは持って行かなかった。靴下のみ替えを持って行った。 ザックカバーと銀マット（テントマットはあった方が良い） �で┐譴新げ爾魯櫂吋奪箸貌�れるべきと感じた。かなり濡れていたので寝ているときシュラフを濡らす原因になってしまった。 �ゥ轡絅薀侫�バーが機能していないのか、最終日にはかなりシュラフが濡れてしまった。何か工夫したい。 |
感想
令和三年度夏山リーダー研修会では、剣岳周辺で4日間入山し、WWVでは行っていないダブルロープでのマルチピッチクライミングや、雪渓での行動を実践した。
講師の方は日本を代表する山岳ガイド・登山家のお二人で、細かい技術面からリーダー論、山への向き合い方まで多くのことを教えていただいた。
【初日】
研修所から、剣沢キャンプ場付近の国立登山研修所夏山前進基地まで向かう。
立山駅徒歩一分の国立登山研修所でトラックにザックを積み、空身で室堂へ。移動中には薬師岳がドーンと見え、オートルートへの気持ちが高まった。
室堂で一時間半ほど高度順応に時間をとる。パルスオキシメーターで動脈血酸素飽和度（SpO2）を測定。パルスオキシメーターの注意点は以下2点。
�，覆襪戮�安静な状態を作る（日陰、座位、会話をしない等）➡体が活動状態だと 数値が甘く出てしまう
��一分間ほど測定に時間をかける
待機中には、ターミナルの登山情報案内所で警備隊の方に雪渓の状態を聞いたりもした。
前進基地到着後は、管理所で雪渓の情報収集を行ったのち、テント設営を行った。指導されたのは以下3点。
・ガイラインはかなりきつく張る➡強風時に飛ばされない＆ポールを守るため
・ガイラインを止める岩はできるだけ大きなものを使い、複数の岩で補助
・平坦地は落石の危険はないが、段丘状地形の方が水はけが良いため状況に応じて適地を見つける
WWVではガイラインをあまり張ってこなかったので改善すべきである。
本実地研修でのご飯はすべてフリーズドライであった。ほとんどを研修所が用意してくれた。中でも玉三のマッシュポテトは軽いのに腹にたまって優秀だった。
【2日目】
この日は八ツ峰Cフェース剣稜会ルートを目指す。
3時半出発のため1時半に起床した。ゆっくり二度寝するほど暇で、自分一人であれば1時間で出発できることが判明した。
ハーネスの相互チェックを行ったのち、ヘッデン行動で長次郎谷を目指す。2250m付近でアイゼンを装着したがその場所について指導を受けた（狭い夏道で斜面に背を向けてしまっていた）。危機管理意識を持ったうえで、どこで装着し、どこからどの順番で乗り、どこで待機するか最初にリーダーが指示すべきであった。
�記曲�間ルンゼ上部の通過にはかなり時間がかかった。どこから渡るか、どのように確保するかの意思決定と、ルート工作に手間取ったためだ。
結局雪渓にアックスでアンカーをセットし、リード登攀を行った後ロープをフィックス。セカンドがランナーにもロープをフィックスし、サード以降はカラビナの掛け替えで登った。ここでも、「ロープの中間を終了点にフィックスしてルートを日本作る」「フィギュアエイトオンアバイトでハーネスに接続し、フォローの登攀をスムーズにする」「セカンドが別のロープを引っ張って登り、支点を二つ作る」など、時短可能なシステムを提案していただいた。
続いてのスラブ帯は何の気なしに通過してしまったが、悪いうえに落ちたらやばかったので後続にはロープを出してビレイした。リスクマネジメントが甘く反省した。
雪渓に復帰し取りつきへ向かったが、リミットを切ることができず撤退を決めた。実際は撤退の判断をする前に「1ピッチだけでも登れるのでは」「取りつきまで行って様子を見よう」など準則を無視した意見が隊で出てしまっていた。少しでも進むことではなく、なぜリミットを切れなかったのかを考えるべきだったし、出発してからの一つ一つの行動をより早くすべきであった。講師の方にも、リーダーは予定行動時間と現状の差を常に考えながら行動し、準則は遵守することを強く指摘された。
雪渓の下降中に雨が降り出したため、上下雨具を装着した。普段とは違い、ハーネスとアイゼンをつけている状態での着脱はかなり時間がかかった。スパッツもつけようとしていた隊員が特に遅く、少し寒い思いをした。スパッツを毎回履くのではなく、正しいアイゼン歩行技術を身に着けるべきだと感じた。
帰りも同様に二回ロープを出した。一度は普通にリード➡フィックス➡掛け替え➡引きあげ。二回目は、トップをムンターでロワーダウンしながらランナーを設置してフィックスし、フォローはマッシャーで、ラストはビレイされながら下降した。一連の流れで新しく知ったのは以下の二点。
・アンカーでの直接ビレイはムンターヒッチを使うのが速くて確実
・マッシャーは擦り切れる恐れがあるため、カラビナもかけてバックアップを取る
・アックスでのビレイは上向きの力に弱いので、セルフビレイのスリングを長くしてアックスとの距離をとる
ピトンの打ち方やフィックスロープの張り方も教えていただいた。
15時半に帰幕するとすぐに大雨に。テントを張っていた場所が悪く、
かなり浸水した。場所選びの重要性を痛感した。
【三日目】
前日と同様の行程でリベンジする予定だったが、当日の天気と予報に鑑みルートを変更。別山北尾根西面の中央稜を登攀することに。
しかし、かなりガスが濃くGPSも用いなかったため間違った尾根に取り付いてしまう。思い描いたような岩稜の登攀はできなかったが、自ら支点を作り、自力で登る楽しさを知ることができた。7ピッチに5時間もかかってしまったが、支点構築やロープ操作など多くのことを学んだうえ、自らの技術レベルの低さ、ルーファイの未熟さに気づかされた。
・奥開きのクラックにはカムを差し込みすぎない（抜けなくなる）
・登ってきた人のロープを次のリードの人がつけるようにする
・ダブルロープでの登攀時、支点の都合上片方のロープばかり掛けてしまう時は、ランナーのカラビナを眼鏡みたいに連結し、もう片方のロープもかけながら進む➡回収しやすい、ビレイが意味を成すようにするため
・ランナーのスリングを長くすればカムやナッツがロープの干渉を受けにくくなる
・ハイマツに支点をとるときはガースヒッチ＋ハーフヒッチ×3回くらいすると強固
・ハーフヒッチのあいだから末端で締めるとより強固
・そこまで長くないときはクレイムハイスト
その後は別山北尾根を下降し、前進基地へ帰幕。
夜は暴風でテントが壊れるかと思った。
【最終日】
この日は室堂バスターミナルへ向かう。
5時半から危急時搬送の訓練を行った。時と場合に応じて必要な搬送方法が異なることを強調されたうえで、ザックとハーネスを使った搬送システムを習った。そしてハーネスを用いた搬送で別山平まで交代で担いだ。
実践してみると、先の見通しを立ててうまく人員を動かすことが難しく、リーダーシップ・フォロワーシップの重要性を実感した。また、搬送に限らずすべての技術を支えるのは体力であることに気づいた。WWVの活動形態は強さの追求に全振りしているが、将来を考えるとあながち悪くないだろう。
別山平から室堂までは一瞬だった。自分はラストを歩いていたので、講師二人の会話を盗み聞きしていたのだが、ビッグネームが次々に飛び出し、その人となりなどもすこし聞けてわくわくした。
【まとめ】
本当に充実した研修であった。実地研修中だけでなく、所内での二日間も多くのことを学び、山登りの魅力をさらに感じることができた。早急に内容を振り返り、自分の言葉でまとめて共有し、早稲田ワンゲルの安全管理に少しでも貢献したい。
加えて、今後の山との付き合い方についても深く考えさせられた。「どこまで山にウエイトを置くか」「どこまでの覚悟があるのか」「自分は本当に山が好きなのか」。答えは出ないだろうが、自ら動いて模索していきたい。
こっそり拍手
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