カムイエクウチカウシ山〜ピラミッド峰〜1823峰〜コイカク夏尾根頭
- GPS
- 35:28
- 距離
- 32.7km
- 登り
- 2,634m
- 下り
- 2,633m
コースタイム
- 山行
- 11:38
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 12:32
- 山行
- 8:06
- 休憩
- 1:37
- 合計
- 9:43
天候 | 1日目:晴れ / 2日目:曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
カムエクからコイカク夏尾根頭までの間に道はありません |
写真
感想
カムイエクウチカウシ山から1839峰まで縦走する予定だった。しかし1573mコル付近でカメラを紛失してしまい完全に戦意喪失。全くモチベーションが上がらずタイトルの通りコイカク夏尾根頭から下山してしまった。ヤマレコに書くかどうか微妙な気分だったけど備忘録のために残しておくことにした。
【1日目】
前日夕方に登山口へ到着し車中泊。ちょうど七ノ沢出合辺りで明るくなるよう3時半頃に出発する。暗闇の林道を進む。少し肌寒い感じで汗もかかなくて快適だった。予定通り七ノ沢出合辺りで明るくなってくる。七ノ沢出合からは沢歩き。水が超冷たくて気持ちが良かった。
八ノ沢に入ってしばらくすると稜線方向が見えてくる。快晴の空で素晴らしい風景だった。三俣のテン場にはゴアライトが一張り。ここでテント泊するのも良さそう。前日にもう少し早く登山口に到着できていれば僕もここでテン泊出来たよな〜。と前日にダラダラと出発準備をしていた自分に後悔…。
八ノ沢カールに入ると沢音も無くなり静寂な雰囲気となる。カムエクの山頂もよく見える。稜線上でゴアライトの家主の男女二人組に追いつく。先に行かせてもらう。そこから少し登るとカムエクの山頂に到着した。快晴の空で山頂からも素晴らしい景色が広がっていた。360度日高の山々がくっきり。これから向かうコイカク方向の稜線も良く見えた。しばらくすると男女二人組の方々も山頂に到着。3人で喜びの握手を交わした。
分岐まで戻ってピラミッド峰へ向けて稜線を登っていく。さあここからが本日のメインイベントだ。気合いを入れる。ピラミッド峰までは明確な踏み跡がありヤブは大したことがなかった。ピラミッド峰を過ぎるといきなりヤブが濃くなる。ハイマツを蹴散らしながら進む。
1602mコルを過ぎるとさらにヤブが濃くなってくる。背の高い極太なハイマツが増えてきて超ウザい。1573mコル辺りのヤブは尋常じゃなく面倒だった。ここでサコッシュに入れておいたカメラを紛失していることに気づく。落としてはいけない物には全て紐を付けているがそれが切れたようだった。マジかー。さっき強引にハイマツを通過したときに落としたに違いない。このヤブ中で見つかる訳はないと思いながらも「もしかしたら奇跡が起こるかも」と淡い期待を込めて一応思い当たる場所まで戻って付近を捜してみる。当然奇跡なんて起きない。見つかる訳ないよね…。
今日の写真が無くなったこともショックだが、まだパソコンに保存していない写真もいくつかあって気分が沈む…。カメラはまた買えば済むけど無くなった写真はもう戻らない。完全にモチベーションが無くなってしまった。帰りてー。でもこのヤブを越えなければ帰れない。気が乗らないけどとりあえず前に進む。
1737峰のハイマツの切れ目に2m四方ぐらいの平坦地があった。風も当たらずテント泊には良さそうな場所。ちょうどガスも出てきて一気に寒くなってきたので今日はここで泊まることにしよう。4リッター持ってきた水は途中暑くて消費が進んでしまい残り1リッターしかなかった。明日の行程を考えるとこれを晩飯で使うわけにはいかない。仕方がないので夜飯はドライフルーツのみとした。さっさと寝よう。
【2日目】
昨晩は風の影響もなく静かな夜だった。いつも装備を削り過ぎて夜に寒い思いをするので今日は服を多めに持ってきた。おかげで朝まで暖かく過ごせた。朝まで10時間ぐらいは寝たと思う。昨日の残りのドライフルーツを食べて夜明けとともに出発。水は残り700mlぐらい。
テント場から稜線に上がると冷たい風が吹いていた。少し肌寒い感じ。1737峰からは背の低いハイマツが中心で前日に比べると格段に歩きやすかった。1823峰から1643峰もそこそこ歩きやすい。1444mコルが近づくとまた極太のハイマツが増えてくる。でも前日の1573m付近のハイマツに比べると大したことはなかった。
1444mコルを過ぎるとコイカク稜線への最後の登り。かなりの急斜面。ヤブも薄いし岩場の通過もあって高度感たっぷりだった。コイカク稜線まで上がったら夏道まではもうすぐそこ。背の低い密度の濃いハイマツを踏みつけながら進むと夏尾根頭に到着。ようやくヤブ漕ぎから解放される。涼しかったおかげでここまで水もほぼ消費しなかった。
ここでモチベーションが回復していたら1839峰まで行こうかと思っていた。しかしあまりやる気が出ない。こういう日は帰るのが最適な選択肢だろう。雲は多いが涼しいし登山には最適な日だったのにね…。夏尾根を下る。時間も余ったので沢まで下りたところで昨日食べられなかった火と水を使う食料でまったりと昼食とした。沢は靴を履き替えないでトレランシューズのまま歩く。後半3回ぐらい水に入っただけでほぼ飛び石でOKだった。
【まとめ】
ヤブ漕ぎはきついがそこからしか見えない日高の山々や稜線の風景は素晴らしかった。この時期は虫も居ないし涼しいしでヤブ漕ぎもそんなに苦痛ではなかった。カムエクは写真がないのでまた登ろうと思う。
コメント
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このようなコースを歩くのはいいですね。
道なき道を黙々と歩む。
最後の秘境ではないでしょうか。
カムエク〜コイカク
ペテガリ岳東尾根コース
ペテガリ岳〜コイカク
エサオマン〜カムエク
は道がほとんど消えていますのでハイマツとの戦いですね。
カメラの紛失ですが、戻れるところまで戻れば探し出せたかもしれませんね。想い出を失うことは悲しいことです。
大平山で、助平根性を出してわざと藪を漕ぎデジカメを道なき藪の中で落としてしまいました。GPSの軌跡を辿ったら奇跡的に発見できました。
http://yamatabi-hanatabi.com/obirayama2010.html
霧ヶ峰〜奥多摩駅もすご過ぎます。
若者ゆえのチャレンジ精神ですね。
このような旅がいいですね。
コメントに書かれているペテガリ東尾根からコイカクまでを約3年前に縦走しました。そのときは悪天で稜線からの風景もあまり楽しめず苦行のような山行でしたが今回は天気にも恵まれて日高の稜線歩きを満喫出来ました。道のない日高の稜線歩きはまさに秘境という感じでとてもワクワクします。
カメラについては水の残りが少なかったのと日没までにテントが張れそうな場所が見つからなかった場合の不安からあまり時間をかけて探せませんでした。一応GPSの軌跡からも追ってはみたんですが一番ヤブが濃い場所だったこともあってあまり動き回りたくなかったという気持ちが大きかったです。ro-shonenさんが大平山のヤブの中でカメラを発見できたのは奇跡だと思います。
ちなみに僕は若者ではありませんよ…。もう50です…。
ro-shonen(ro=老、shonen=少年)=老少年です。
71歳になりますが、気持ちだけは若く・・・。
霧ヶ峰〜奥多摩の記録を拝見し、aofukurohさんは20代後半の方かと・・・。山の中では自由に山を歩いている若者に会うことがあります。
いつもエールを送っています。
エサオマン〜カムエクを4回か5回歩きました。カムエクを下山中、エサオマンから数日かけて歩いてきたという東京の方がいました。生米さえあればあとは行者にんにくを採り、沢に下りイワナ(?)を釣って食べれば何日でも山の中にいられるとおっしゃっていました。数年連続で同じところを歩いているとのことで、札内川ヒュッテのノートにも軌跡を残していたのでした。
山っていいですね。
50歳って若いのか、そうでないのかというと、エサオマン〜ペテガリのような微妙な山を歩いているうちは若者の範疇ですね。
給料生活を終え69歳で就農したので貧乏暇なしになってしまい、加えて9月21〜24日予定の北戸蔦別岳〜幌尻岳はコロナ禍で帯広往復の始発・最終便が欠航になり、登山中止・・・。モチベーション自体も減衰傾向にあるようです。48歳から山登りをした身にすればaofukurohさんの登山人生はこれからも「華」ですね。
大平山で藪に(意図的に)迷い込んだのは、大平山では絶滅した花に呼ばれているような錯覚を覚えたからでした。
では!
年をとっても常に少年のような気持ちでいられることが大事ですよね。69歳で新しいことを始めたというのは凄いです。本州から北戸蔦別岳・幌尻岳に登りに行こうというモチベーションも凄いです。僕も71歳になっても山に登れるような体や前向きな気持ちでいたいと思います。登山者の人口構成からすると50歳の僕は若い方かもしれませんね…。
生米持ってイワナを釣りながら山を歩くなんて服部文祥さんのような方もいるんですね。時間があればそういう山行を僕もしてみたいです。
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