王子周辺の崖線を歩く〜小春日和のフィールドワーク〜

2013年12月07日(土) [日帰り]

• GPS: --:--
• 距離: 11.9km
• 登り: 29m
• 下り: 3m

コースタイム

10:30東十条駅集合
16:30駒込駅解散　

天候

快晴

アクセス

利用交通機関：

電車

[往路]東伏見++高田馬場++田端++東十条
[復路]駒込++新富町（忘年会＠とんかつ割烹「笠」）++飯田橋++高田馬場++東伏見

コース状況／危険箇所等

問題なし。

写真

12/7 10:34

東十条駅を出発です！　もう目の前にがけの崖線がそびえています。

12/7 10:35

東十条駅前には庚申塔がありました。　

12/7 10:41

崖線上からいったん下ります。見上げるほどの崖の高さですね。

12/7 10:42

ここです。

12/7 10:48

名主の滝公園のすぐ脇には坂があって、この公園がちょうど崖線にあることを示しています。

12/7 10:48

三平坂といいます。土地の名、あるいは名前から由来しているようです。崖線下への田んぼへの道だったんでしょうか。

12/7 10:50

名主の滝公園につきました。静かな公園でした。

12/7 10:51

ちょうど紅葉が！

12/7 10:54

茶室もありました。

12/7 10:56

男滝と書いておだきと読みます。他の滝は水が枯れていました。いまは地下水をポンプアップして流しているそうです。

12/7 10:57

キレイな流れです！　

12/7 11:01

女滝は水が流れていませんでした。

12/7 11:04

池には空が映えて…。

12/7 11:08

黄葉・紅葉シリーズ1

12/7 11:09

シリーズ2

12/7 11:09

シリーズ3

12/7 11:13

落ち葉が水面に。

12/7 11:15

関東でシイの木のことをスダジイというそうです。知らなかったー。スダジイというと須田という爺さんを思ってしまうのは私だけ？←面白くねー。

12/7 11:16

そのスダジイの葉。

12/7 11:17

名主の滝公園です。嘉永年間に王子村の名主、畑野孫八が自邸に開いた庭園だったとあります。

12/7 11:23

明治の中ごろに貿易商垣内氏の手にわたってさらに庭園としての趣に深みを増しました。

12/7 11:26

王子稲荷神社につきました。やはり神社は、台地の上に建立されていますね。

12/7 11:32

石を持ち上げて思ったより軽く感じられれば願いは叶う…。意外に持ち上げられたけれど…叶うかナ？

12/7 11:34

お参りするカミさん。

12/7 11:34

京都の伏見稲荷のような鳥居…。

12/7 11:36

境内にあった井戸。

12/7 11:40

境内の南にある王子稲荷の坂。

12/7 11:44

台地上には元総理大臣の小渕さんの家もありました。豪壮なイエでした。

12/7 12:02

台地から石神井川の流れまで下りてきました。

12/7 12:03

区立音無こぶし園地にあった木。黄葉です。

12/7 12:09

区立音無こぶし園地。石神井川が蛇行していた場所を公園としている。スリバチ状になっていますね。音無とは石神井川のこのあたりでの名で吉宗が紀州の音無川にちなんで命名しました。

12/7 12:12

谷津子育観音の入口にあった大仏様

12/7 12:13

谷津子育観音の入口で休憩

12/7 12:14

ここにも坂がありました。観音が石神井川畔にあり、ここから台地上に坂を上っていくことになります。

12/7 12:14

新撰組の近藤勇の胴体が埋められているとありました。

12/7 12:15

谷津子育観音の言われ。

12/7 12:19

石神井川沿いを下流に向かって歩きました。

12/7 12:23

ここにも昔の蛇行の跡がありました。ちょっとした三日月湖ですね。鳥たちが遊んでいました。

12/7 12:30

こちらはオナガガモだそうです。きれい

12/7 12:30

これはマガモのメスだそうです。教えてもらいました。

12/7 12:33

マガモ。全長59cmってずいぶん細かいな。いろいろな体型があると思うけど。

12/7 12:33

オナガガモ

12/7 12:35

蛇行跡が音無さくら緑地として保存されています。すばらしぃー！

12/7 12:37

蛇行の屈曲点（地形学でいう攻撃斜面）は急崖になっていて水がしたたりおちていました。この地層は東京層という層で関東ローム層（おもに富士山の火山灰）よりは下位になります。下末吉海進により海がそこにあり堆積したとあります。

12/7 12:39

昔はこの看板の右上の図のように蛇行してたんです。

12/7 12:42

12/7 12:46

サザンカの花です。同行の方が♪さざんかさざんか咲いた道〜なんて唄をうたっていました。

12/7 12:47

赤だけでなく白い花も咲く。知りませんでした。

12/7 12:51

旧河道の上を行きます。ここは王子駅前の橋の下になりますね。

12/7 12:53

王子神社につきました。大晦日に、ここを起点に准勅祭神社十社巡りをやったことを思い出しました。熊野詣の道すじにたくさん祀られている王子からきたようで、熊野権現の分身の子どもの神様だとのことです。

12/7 13:00

王子駅が近づいてきました。腹減ったー。王子駅周辺でパスタを食べました。750円！　うまかったぁ！

12/7 13:59

右が都電荒川線の線路。その左に石神井川の旧河道が見えますね。古道歩きの講師、荻窪さんがいつもならもう少し水があるんだけどなぁーって言っていました。

12/7 14:06

飛鳥山の頂上の公共基準点。1/25000地形図をみるとここに三角点はない。公共基準点とは地方公共団体が設置する測量のための基準点だそうです。
　

12/7 14:06

飛鳥山の”頂上”の標柱。江戸時代中期は人口も増え桜の名所だった上野の山も飽和状態。そこで吉宗はここに桜を植樹し庶民に開放したのだそうです。飛鳥山の名は紀州出身の吉宗が紀伊新宮の飛鳥明神の分霊を祀ったことから。

12/7 14:17

都電、荒川線のそばの河道跡を行きます。おお昔、石神井川がここ逆川を流れていたころがあるはずです。

12/7 14:19

路地をはいっていきます。

12/7 14:22

こんな感じでぞろぞろと歩きます。「なんだ、ぞろぞろと！」なんて腹巻をしたおっちゃんに怒られました（(笑)）

12/7 14:25

です。

12/7 14:26

滝野川一丁目で崖線にぶつかりました。

12/7 14:28

西谷戸新道とあります。

12/7 14:34

熊野坂を上ります。

12/7 14:38

珍しい一つ目の信号。

12/7 14:39

ゲーテ記念館前です。

12/7 14:41

12/7 14:43

西ヶ原の一里塚。江戸幕府は慶長9年（1604）から街道の整備を始め一里塚を築きはじめました。一里塚は日本橋を起点に一里（約4Km）ごとに道の両側に塚をおき、塚の上には主に榎が植えられました。一里塚を別名「二本榎」と呼ぶのは道の両側に榎木が植えられているためだそうです。一般的に榎を植えた一里塚が多いですが松も一里塚の4/1ほど、杉が1割弱はあったようです。なぜ榎か？「ええ木を植えよ」と将軍が言ったのを「榎を植えよ」と聞き間違えたという俗説があります。ま、ウソだと思うけど。

12/7 14:45

七社神社。以前は旧古河庭園のわきにある仏宝山無量寺の境内に祀られていましたが明治元年(1868)に神仏分離が行われてこの場所に移ってきました。西ヶ原・栄町の総鎮守です。「新編武蔵風土記稿」によると、「西ヶ原村七所明神社、村の鎮守とす紀伊国高野山四社明神をおうつし祀り、伊勢・春日・八幡の三座を合祀す故に七所明神と号す」とあるそうです。ちゃんと7ッの神社が集まっているんですね。

12/7 14:47

日露戦役の記念碑が神社の境内にありました。

12/7 14:48

七社神社につきました。

12/7 14:49

孔子。・孟子の石像がありました。神社の信仰となにか関係があるんでしょうか。

12/7 14:55

12/7 14:55

国立印刷局の滝野川工場。7つある印刷局の工場のひとつ。お札とか国債などの証券を刷っているとのこと。昭和6年にできた本館は上から見ると印刷（Print)の頭文字であるPのカタチをしてる。いつか見学したいな。

12/7 14:59

御殿前遺跡だそうです。

12/7 15:10

滝野川公園の奥は埋蔵文化財の発掘現場となっていました。昔の地形図で調べるとナンとここは獣疫研究所でした！　

12/7 15:12

平塚神社の参道です。

12/7 15:15

これが神社から見えた獣疫研究所？

12/7 15:20

神社の入口。その名も平塚亭で、おいしい豆大福をひとつ。一個140円でうま。

12/7 15:32

旧古河庭園に着きました。この庭園も台地の斜面に作られています。

12/7 15:33

英国人建築家コンドルの手による洋館。鹿鳴館や御茶ノ水のニコライ堂なども建てた人です。外壁は真鶴の新小松石。小松石といえば、丹沢のシダンゴ山の三角点も小松石でできているのでしたっけ？

12/7 15:35

西洋庭園。秋篠宮家の長女・眞子様のしるし「モッコウバラ（木香茨）」が石垣を覆っています。

12/7 15:40

庭園の黄葉

12/7 15:41

庭園の紅葉。

12/7 15:42

大灯篭とて庭園風景。この池を心字池という。草書で描いた「心」の字のカタチをしている。

12/7 15:49

台地のへりにかかる「大滝」。高さは10数mあり、園内の一番急なところをさらに削って作ったそうです。

12/7 16:01

旧古河庭園の入口。団体だと120円/人

12/7 16:02

古河庭園の前の坂は大炊介坂（おおいのすけさか）という名前が付いています。

12/7 16:08

しもふり銀座を通ります。霜降銀座商店街の道幅は3〜4m程でこの商店街は元々「谷田川」という川でした。昭和6年から谷田川の暗渠化工事が始まり昭和15年に暗渠工事が完成、この道路ができました。その後通り沿いに商店が集まり始め、昭和31年に「霜降銀座商店街」が設立されたとこういうわけです。霜降とは当時谷田川にかけられていた橋の名前だそうです。

12/7 16:15

妙義神社につきました。勝負の神・縁結びの神とか。日本武尊が東征したとき、陣営を構えた処と伝えられる豊島区最古の神社です。太田道灌も何度も戦勝祈願をしました。

12/7 16:21

スリバチの底を谷頭に向けて歩きます。

12/7 16:26

駒込駅が見えてきた。疲れたなー。

12/7 17:53

で、新富町での忘年会。刺し盛り。うま！

12/7 18:19

フライの盛り。これウマ！！

12/7 19:42

似顔絵を描いてもらいました！

撮影機器：

FinePix F770EXR FUJIFILM

感想

Junjapa

　ことし最後の東京スリバチ学会のフィールドワーク。
　今回も50人近くが集まりました。
　いつも70〜80名が集まるのでこれでもちょい少な目。

　東十条駅を出て目の前の崖線沿いに歩きます。
　この崖線、王子〜東十条〜赤羽までJR線と並ぶようにしてそびえています。
　言い換えればJRは、この崖線があるためにそれに並行してでしか作れなかったんだと思います。
　崖のことをハケとかホキとかいうことがありますが、赤羽は関東ロームの赤土のハケということでアカハケが転じて赤羽という地名になったらしい。
　まさにそのような名前がつくような地形です。

　歩いていると工事現場があって、赤土が出ていました。
　一緒に歩いていた人が、関東ロームは、多摩ローム層、下末吉ローム層、武蔵野ローム層、立川ローム層の4つに分類されるということを教えてくれました。
　ローム層の土は多くが、富士山の降灰によってもたらされたものです。

　昔の名主が所有していたことから来る名主の滝公園は武蔵野台地からの水を崖線で落として滝になっています。むかしは7つほどあったそうです。
（http://www.city.kita.tokyo.jp/docs/facility/055/005519.htm）

　武蔵野台地にあがり今度は石神井川ぞいに下ります。
　石神井川は、このあたり流れがゆるやかだっせいか蛇行していたとのことで、3カ所ほど河川跡をたどることができました。
　自宅そばのコンクリートに両岸を挟まれた石神井川にもこんな貌（かお）があったなんて驚きでした。
　王子駅の脇の都電荒川線と並行する場所にも河川跡が残っていました。

　昼食後は飛鳥山で公共基準点を確認したあと、飛鳥山の西の谷の旧河道跡逆川を訪ねます。
　都電荒川線と交わるようにして旧河道はは舗装道路になっていますが、その屈曲から昔の川だったことがわかります。
　西ヶ原の一里塚を通過し（一里塚には必ずエノキが植えられているんだそうです。なぜでしょうね？）、七社神社、平塚神社そして、武蔵野台地の突端にある妙義神社をたずね、旧古河庭園で紅葉をめでてフィールドワークを終えました。
　夜は新富町で大宴会！　充実した一日でした。