厳冬期の北岳はきつかった
- GPS
- 36:17
- 距離
- 33.7km
- 登り
- 3,855m
- 下り
- 3,856m
コースタイム
- 山行
- 8:06
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 8:25
- 山行
- 9:38
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 10:30
天候 | 1日晴れ・2日晴れ後くもり・3日晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 甲府昭和IC近くの桜湯。とても良い日帰り温泉で\500と安い。 |
写真
感想
正月の南アルプスの集大成(言い過ぎか)として今回は北岳に照準を合わせました。と言っても予備山行も何もなし。ぶっつけ本番での北岳となりました。25kgの荷物を背負って開始。最初は南アルプス林道を進みます。すぐに夜叉神トンネル、1.2kmのトンネルが長かった!大小合わせて12個のトンネルを越えると野呂川下降点。わずかに登りその先400mの急下降にて野呂川の吊り橋を渡る。野呂川の谷底は日が当たらなくて寒く、トンネルを3つ越えるとあるき沢橋が見えてきた。ようやく本当の登山口だ。池山御池小屋までは延々と急登が続く。途中で雪が増えてきたのでアイゼンを装着して急登を頑張り傾斜が緩んでくると池山御池小屋が 見えてきた。体力に余裕があればもう少し上までとも思ったがそんな余裕はなく、小屋を覗くと一張分のスペースがあるのでここをベースとしました。明日は長い1日になるので早々に夕飯をすませ午後6時には就寝。翌日は朝5時過ぎに出発、ヘッドランプをつけてゆっくり登る。6時を過ぎると明るくなってきた。結構登ったところにテントがたくさん張ってありました。木々が低くなってきた辺りが砂払でやっとボーコン沢の頭が見えました。森林限界を越えボーコン沢の頭まで来ると初めて北岳がドカーンと姿を現します。なんと圧倒的な存在感。カッコ良すぎます。しかしあんなところまで行けるのだろうか!?見とれてる場合じゃないので先を急ぎます。この先には八本歯のギャップもあるし!八本歯の頭まで1.3km、ほぼ平に見えますが何気にアップダウンがあり景色には癒されますが疲れます。わずかに登って八本歯の頭に着くとだいぶ北岳が近づきましたが、八本歯のコルまでは緊張する下りです。でもお助けロープが出てるので大丈夫!それでも気をつけて下り、いよいよ最後の登りに入ります。残すところ高度差約300メートル。タイムリミットは12時としたが果たして行けるだろうか!多少過ぎてももうここまで来たら行くしかない。大腿四頭筋に鞭を打ってひたすら登る。頂上稜線までルートは2つ。直登ルートが短いので直登ルートを行く。しかし雪が固くてアイゼンが深く刺さらずシビアだ。落ちるわけにはいかない!どうにかこうにか稜線に上がると風が叩きつける。晴れていた空も怪しい雲が出始めた。しかし頂上は目の前。標識が見えてきた、ビクトリーロードだ。ついについに来てしまった、厳冬期の第2の高峰北岳に。感無量であります。時間はジャスト12時。うーん、頑張った俺の脚。でも喜んでばかりもいられない。帰りの道のりも長いのだ。でも感激にも浸りたい。5〜10分くらい山頂にいたかな。さあ気をつけて下りよう。直登ルートは危険なのでやめ夏道ルートを下り分岐に向かうがトレースを追ってたら1本西の尾根に入ってしまった。まだ正規ルートが見えたので良かったが危ない危ない!危険は無さそうなのでトラバースで復帰し先を急ぐ。八本歯の登りは疲れた身体に堪えるがロープを頼りに頑張る。行きよりも明らかに烈風が吹き荒れている。八本歯の頭からはまた1.3キロの平な道だ。しかし吹き始めた風にトレースが消されルートを外して雪にはまり体力の消耗が激しい。もうこの時間になると周りに登山者は誰もいない。心細くなってきた。小屋に戻る体力が続くのか?それでもどうにかボーコン沢の頭まで来た。この先もう踏み抜きは無いだろうがまだ長い。標高差も800mある。お腹も痛くなってきた。何でだろう、古いおにぎりを食べたせいか。はたまた飲み物が凍って飲みずらくなったので雪を食べたせいか!それともただ単に疲れたからか!いずれにしても漏らす訳にはいかないので用を足すことにする。寒いが仕方がない。しかしこれが功を奏しその後快調に長い下りをこなし午後4時過ぎに池山御池小屋に着きました。しかし物語はこれで終わらない。疲れ過ぎて食欲が無いのだ。お酒も1.2リットル持ってきたのにまだ900ミリも余っている。この日の小屋内は先輩とおぼしき紳士が2人。この方たち、関西から来たらしいが予定外の悪天候で1泊余計に泊まっている。お酒が足りないんじゃないかと思い“お酒要りませんか”と声をかけると何故か一緒に飲むことになり山の話をしながらの宴会が始まった。聞くと大学の山岳部から始まりバリバリのクライマーだ。でもこんなど素人でも相手にしてくれてとても楽しいひと時だった。宴会をお開きにしてテントに戻ると疲れがいくらか和らいで少し鍋を作って食べてから寝袋にくるまった。翌日は下山日だ。冬型が強まるとのことだったが風もなく天気も良い。奈良田に向かう2人を見送り私は夜叉神峠に向けて出発だ。あるき沢橋からの急登も下山は楽だ。あっと言う間にあるき沢橋に到着した。少々林道を歩き吊り橋を渡るとこの山行のフィナーレを飾る400メートルの登り返しだ。もう疲れて脚が上がらない。でもゴールは
目前だ!400メートルなんて大したことない、などと自分を震い立たせてようやく南アルプス林道に出た。これで帰れる。大小取り混ぜ12個のトンネルを越え最後に1.2キロの夜叉神トンネルを抜けて最後のゲートを越えた。
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