冬季百名山46座目:甲斐駒ヶ岳


- GPS
- 35:35
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 2,488m
- 下り
- 2,489m
コースタイム
- 山行
- 7:35
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 8:18
- 山行
- 10:26
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 11:58
天候 | 曇→晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
【Day.1】
今年一発目の冬山。
甲斐駒ヶ岳黒戸尾根に挑戦!🏔
ここに来るのは初挑戦以来5年ぶり。
過去最高重量の冬装備を背負って
標高差2200mを登り切る・・・
色んな意味でゾクゾクするぜ😇
.
駒ヶ嶽神社に祈りを捧げて入山⛩
標高800m弱は秋山だが
徐々に冬の足音が近づく。
耐えられるか?俺の足!
.
標高1500mから雪山の世界へ突入❄️
八丁登り、刃渡り、屏風岩、垂直梯子。
次々と襲いかかる黒戸尾根の難所は
雪で難易度が増す上に装備重量が乗りペース激減。
バテバテになりながら8時間かけて
七丈小屋までたどり着いた( ꒪﹃ ꒪)
.
テン場からは雪化粧した鳳凰三山の勇姿。
日が暮れると山頂側から轟音の風が聞こえてくる。
・・・明日は登れるのだろうか( ´Д`)
一抹の不安を抱えながら-18℃の夜を耐え抜いた🥶
【Day.2】
運命の山頂アタック朝を迎える。
夜明けの太陽を迎えてからテントを這い出る。
残念ながら上空を吹き荒ぶ轟音は
昨晩から変わっていなかった😭
.
小屋泊の人達が様子見でテン場まで登ってきて
今日は止めると言い撤退していった。
俺もすげー気が進まないけど
挑戦しないで帰るわけにはいかない。
意を決して登り始めた。
.
登り始めてすぐ樹林を抜け尾根歩きに。
標高2400mの朝&深雪により
速攻手足指先の感覚が死亡😇
そして8合目手前では風速25mの爆風が尾根を直撃!
もはや立っていられない( ꒪﹃ ꒪)
立ち止まったら体温を消耗する・・
四つん這いでもいいからとにかく前に進む。
.
死にものぐるいで八合目に辿り着き
石碑の影に座って回復( ´Д`)
過去一の風の強さに心が折れかける。
そして目の前には壁のような急登。
へへっ、面白くなってきやがったぜ。
かかってこいよ、甲斐駒ヶ岳!!( ゜д゜)
.
風を切り裂き尾根を進む。
記憶だとこの先物凄い鎖場があったような・・・
この暴風だと登れない可能性が頭をよぎる。
が、その核心部に近づくと突然風が止んだ。
何が起こった・・・?ハッ!( ゜д゜)
風は西から吹いている。黒戸尾根は東側。
急登がそのまま壁になってくれているのか・・!
.
まさかの無風と照りつける太陽に
熱を感じながら核心部クリア!
振り返れば双剣の先にみゆる鳳凰。
行く先には白を極めた白峰三山。
よし!ここまで来たら絶対山頂取ってやる!( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ
.
花崗岩の乱立する尾根を縫うように歩く。
振り返れば八ヶ岳や奥秩父山塊は眼下に広がり
もはや世界の頂点にいる気分だ。
ここで本日唯一の先行者とすれ違う。
彼が居なかったら強風で諦めてたかもなぁ・・・
感謝と共に勇気を貰い次の一歩を踏み出す。
.
雪に埋もれた駒ヶ岳神社に手を合わせ進む先を見据える。
雲ひとつない青空の元。
標高差2200mの頂点に、手が届いた😭
.
山頂から景色をぐるっと一周。
白き翼の鳳凰三山🕊
山頂到達と共に日没した富士山🗻
次なる目標となるであろう白峰三山🏔
運を味方につけて踏破した塩見岳🌨
ラッセル地獄を味わった仙丈ヶ岳⛄️
甲斐駒と2択で登るか迷った御嶽山🌋
去年最大のチャレンジだった空木岳❄️
死ぬ気しかしない鋸岳への稜線💀
絶景シリセードで遊び尽くした乗鞍岳✨
ひとつ上の山漢にしてくれた八ヶ岳😏
.
全部、、、全部見えるよ。
様々な想い出が溢れてくる。
寒さと暴風で心折れそうになったけど
頑張って良かった。諦めなくて良かった😭
ここで飲む一杯の熱いコーヒーが、
次の山へと想いを走らせるんだ☕️
.
20分程度で山頂撤退。
荒れ狂っていた風も次第に落ち着き
陽光で気温は上がり続ける。
登りの時とは真逆の穏やかな気持ちと
達成感に包まれてテントまで戻ることができた。
.
テン場で翌日アタックする登山者に
登山道の情報や整地エリアを交換。
山から貰った恩は他の登山者に返さないとね🤤
14:00に再び重装備を背負い
七丈小屋から先の樹林をひたすら下る。
溜まった疲労でペースが上がらず日没してしまうが
闇の中突然現れたゲストにも会えたし満足🦌
19時に無事下山し充実の2日間を終えた。
.
やはり装備重量と標高差に馴染んでいない身体には
跳ね返りが大きく全身バキバキになり
2日間はまともに脚が動かなかった😇
.
ほんと冬のアルプスは簡単には登らせてくれなくて
いろんな意味で死にそうになるけど
得るものも大きすぎて振り返れば
挑戦して良かったって思うんだよなぁ。
これからも心・技・体を磨きつつけて
更なる難関峰への挑戦を忘れないようにしたい。
冬季百名山46座目・踏破!
★ルートレビュー★
難易度:B
この時期はまだ雪はそれほど多くなく
積雪路となるのは標高1500m前後から。
初日は七丈小屋の手前の屏風岩越えが急な梯子と鎖場の連続する箇所が難所。
重装備ではバランスを崩すとリカバリーが効かないため
より慎重な行動が求められます。
二日目は7〜8合目の稜線に風が直撃し強風の日は立って歩けないレベルになります。
四つん這いで耐風姿勢を取りながら素早く抜ける必要あり。
最後の難所は二本剣を登る長大な鎖場のルンゼ。
鎖は部分的に埋まっている状態なので掴める時だけ使い
基本はアイゼン&ピッケルで確実に登ったほうが安心。
ここでは丁度山本体が防風壁となるのでクライミングに集中できるのが有難い所。
体力度:A
約18キロの装備を背負い景色のない標高差2200mを登り切るのは
地獄の苦しみでかなり精神が追い込まれます。
食事や音楽などの娯楽を用意し精神を保ちながら
とにかくゆっくり登るのがおすすめ。
二日目は爆風の稜線が体力と体温を奪っていき
実際の距離より頂が遠く感じます。防寒対策はしっかりと!
展望:C
初日の工程では刃渡りで周辺の視界が開けるのと、
七丈小屋のテント場から鳳凰三山&富士山が見えるのみ。
二日目は小屋から30分程度で上がると森林限界。
まず大きく裾野を広げる八ヶ岳&奥秩父山塊が見え、
登るにつれ二本剣の先の鳳凰、白を極めた白根三山も。
山頂からは仙丈ヶ岳、塩見、鋸岳、御嶽、北&中央アルプス。
白と青に包まれた絶景の全てがここまでの苦労を祝福してくれます。
総評:A
ハードな工程となることから装備軽量化した日帰り登山者が多いルート。
なので冬テン泊でこのルートを登れれば
心・技・体に自信がつく金字塔のひとつになると思います。
地獄と天国を同時に味わった経験は一生心に刻まれるはず。
挑戦して良かった!
★ルートレビューリスト(冬季百名山)
https://wp.me/PcUql6-1aj
★Youtube
https://www.youtube.com/channel/UCLUg39_QesgFceFL_ECKLUw
★百名山登山記ブログ
http://furaiki.xsrv.jp/
★Instagram
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