笹山北峰2733m(ダイレクト尾根ピストン)
1000leaves
体力度について
- GPS
- 16:41
- 距離
- 15.8km
- 登り
- 2,006m
- 下り
- 2,017m
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標高グラフを拡大コースタイム
14年3月21日 金曜日
※ 02:58 奈良田第二発電所P830m-(1:00)(80%)-
▲ 03:46 送水管上960m-(1:10)(103%)-
▲ 04:58 尾根合流点1344m-(0:00)(%)-
− 05:11 (ワカン装着)-(0:50)(98%)-
▲ 06:00 水場入口1603m-(0:15)(80%)-
− 06:12 (小休止)-(2:15)(176%)-
▲ 10:10 (2256m)-(0:15)(40%)-
− 10:16 (小休止)-(0:15)(127%)-
▲ 10:35 窪地2320-(1:00)(60%)-
− 11:11 (幕営)-(0:00)(%)-
歩数不明
14年3月22日 土曜日
※ 03:45 窪地2320m-(1:15)(72%)-
△ 04:39 (2560m)-(0:35)(114%)-
△ 05:19 笹山南峰2718m-(0:10)(80%)-
◇ 05:27 笹山北峰2733m-(1:00)(80%)-
− 06:15 (大休止)-(0:10)(130%)-
◇ 06:28 笹山南峰2718m-(0:20)(200%)-
▽ 07:08 (2560m)-(0:15)(67%)-
− 07:18 (小休止)-(0:40)(88%)-
▽ 07:53 窪地2320m-(1:00)(105%)-
− 08:56 (幕営撤収)-(1:30)(88%)-
▼ 10:15 水場入口1600m-(0:15)(80%)-
− 10:27 (小休止)-(0:35)(71%)-
▼ 10:52 尾根合流点1344m-(0:45)(78%)-
▼ 11:27 送水管上960m-(0:30)(103%)-
▼ 11:58 奈良田第二発電所P830m-(0:00)(%)-
歩数不明
※ 標準CT 結果CT %CT
▲ 05:30 07:06 129% 負荷22kg 登り
▼ 03:20 02:50 085% 負荷19kg 下り
△ 01:50 01:34 085% 負荷13kg 登り
▽ 01:00 01:15 125% 負荷13kg 下り
◇ 00:20 00:21 105% 負荷13kg 縦走
− 04:00 03:20 083% 休憩その他
※ 16:00 16:26 103% 合計
| 過去天気図（気象庁） | 2014年03月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
写真
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感想
【3月19日（水曜日）】
今年の登山目標3ヵ所のうちの1つ、冬季笹山。
笹山ダイレクト尾根は、延々と続く眺望の無い樹林帯、しかもうんざりするほどの
急坂を登り詰めると、ご褒美として大迫力の南アルプスを望めるスパルタコース。
昨年11月に登ったときに気に入り、厳冬期に再登できないものかと考えた。
1月に訪れた登山用品店の店員によれば、「人気の無いコース、厳冬期ソロは無理。
雪が降ったら帰れなくなる。登るなら残雪期に行け。」とのことだった。
山先輩のアドバイスは素直に聞いて、1〜2月の登山は諦めた。
3月になり、いよいよ残雪期。今週末の3連休は晴れそうだ。チャンス到来。
木曜日が雨なので、金・土より土・日のほうが好条件ではないかと悩んだが、
最終的に、四日後の天気予報はあてにせず、より直近の金・土を選んだ。
日曜日を予備日とする。気がかりなのは、明日木曜日の連続雨量。
テント1泊、フル冬装備。登降コースタイムは冬季割増2倍。
迷わずワカン選択。あの急登でスノーシューは役に立たない。
登山計画書作成。FAX。
【3月20日（木曜日）】
一日中、小雨が降り続く。街の連続雨量は25mm。
帰宅後、すぐに布団に入るものの熟睡できなかった。22：30起床。
// 天気予報、早川町
// 金曜日 曇り／7時〜晴れ 3〜13℃、0時3m/s〜14時7m/s
// 土曜日 晴れ／曇り -2〜13℃
// 日曜日 晴れ／曇り 2〜16℃
// サイポスレーダ、早川町の連続雨量15mm。
明日は風が強くなりそう。積雪も心配だ。
23：17自宅出発。
給油、セブンイレブン富士川バイパス、弁当、FAX（山梨県警）。
【3月21日（金曜日）】
南アルプス公園線に入ると夜間通行止めの電光掲示。
// 湯島地区夜間通行止 19時〜翌7時
// 戸屋地区夜間通行止 22日20時〜翌7時
しまった！道路状況を調べるのを忘れていた・・・。
計画倒れか・・・諦めきれず放心したまま運転し続ける。
雪崩注意の掲示板や片側一車線の信号待ちを多数、通過した。
しばらくすると片側一車線だけ塞がれた鉄パイプゲートを通過。
信号が無いことに違和感を覚え、バックでゲートに戻ると、
やはりここが通行止め区間だった。
閉塞していないかもしれないと思い、行けるところまで進んでみると、
やはり反対側も開いていた。
後ろめたさを感じながらも、ゲートを通り抜けた。
2:29奈良田第二発電所P到着。
朝食弁当、出発準備、ザック計量22.15kg。
2:58奈良田第二発電所P830m出発。
雲間に月、星が見える、予報通り晴れそう。
ダムの灯りを左に見ながら、P正面の長い吊り橋を渡る。渡りきったら発電所方向に
左折して、すこし歩くと短いトンネルを通過。道路で沢を渡ってすぐに右折し、
沢沿いを進むと登山口。前回は道に迷ったが今回はスムーズ。
登山口から汚れた残雪、トレースが有るような無いような。
鉄パイプの手すりを備えた九十九折を登る。すぐに暑くなりベースレイヤー1枚。
3:46送水管上960m。
手すりはここまで。ここから急登。雪が有ったり無かったり。
尾根に達すると針葉樹の大木郡、山の神の祠は倒壊していて気付きにくい。
4:58 尾根合流点1344m。
傾斜が緩くなった。ここから積雪30cmぐらい。トレース無し。
腐れ雪のツボ足に耐えられずワカン装着。
ワカン正解！踏み抜かずに快適に進む。明るくなってきた。
6:00水場入口1603m。
日の出を見ながら休憩。歩き始めて3時間、行動食の納豆巻き。
積雪は50cmくらい。山頂が雲に覆われていて気がかり。
登山道は、はっきりしない。登山道付近と思しきところを勘で登る。
たまに赤テープあるものの連続していない。
基本的に尾根筋を辿るだけ。尾根の北側斜面は急峻、南斜面は緩やか。
尾根上もしくは南斜面、自分の歩きやすいところ、どこを歩いても良い。
コースが怪しくなったら尾根トップへ向けて軌道修正。
時々の広い尾根は好き勝手に登る。
しばらく快調だったが、1930mを越えたあたりから足が重くなってきた
バテないよう意識してゆっくり歩いてきたつもりだが、やはり荷物が重すぎる。
追い討ちをかけるように激急登へ、しかも踏み抜きが多くなってきた。
天候も悪くなる、ガスってきた。どうやら雲の中に入ったらしい。
1980m近辺。クラストが割れると腰まで踏み抜くようになった。
どこが割れるか判らないから、まるで落とし穴。重い荷物に潰される。
ワカンで腰まで踏み抜くと脱出が大変。著しくスローペースになった。
2100m近辺、風の冷たさに耐えかねバラクラバ。アミノバイタルプロ1袋。
この近辺、北側斜面に崩壊地がある。
前回登った時、登山道の内側までクラックが入っていることに気付いた。
雪解けのこの時期、登山道ごと崩れかねない。
崩壊地を回避すべく尾根筋を離れて南斜面へシフトする。
理由は解らないが、樹木の近辺は踏み抜きやすいことが判ってきた。
なるべく樹々の間隔が広いところを選んで、その真ん中を通る。
とはいえ樹林帯、どうしても樹木に行く手を遮られる。
そんなときは四つん這いで進むと踏み抜かないことが判ってきた。
2200mを越えると少し傾斜がゆるくなり、ペースが上がる。
踏み抜きは少なくなり、プチラッセルに変わる。
この間、標高差たった200m、キツかった。
10:10 2256m
歩き始めて7時間強。行動食のイナリ、食欲ないので2個。
10:35窪地2330m。
幕営適地に到着。小雪が降ってきた。
笹山南峰−笹山北峰間のコルに幕営しようなんて、考えが甘かった。
体力的に、ここまでが限界。天候を考えても、これ以上進むのは危険。
テント設営開始する。硬いクラスト面に5cmぐらいの新雪。
平らな場所が多く、この程度の新雪なら整地する必要もない。
設営後、倒れこむようにテント内でぐったり、疲労感でぼーっとしてしまう。
水作り。外に出るのを億劫がって、テントから身を乗り出して採雪していたら、
体をコッフェルに引っ掛けてしまい、お湯をひっくり返してしまった。
お湯の量が少なかったから大惨事は免れた。
中途半端な行動はよして、火を消して、ちゃんと外に出て採雪すべし。
ユーシンの湿雪と違って、乾雪からの水作りには苦労した。
小雪が止むのと引き換えに、風の強さが増してきた。テントの固定を強化する。
14:00日が射してテント内が明るくなった。外を覗くと、雲の合間から青空が
見える。しかし風はますます強くなる一方だ。物凄いスピードで雲が移動している。
積もった乾雪が風に吹き飛ばされて横なぐりの吹雪になっている。
炊飯完了。カレーを作るため、豚肉と野菜を煮る。
ルーを入れる前にスープを味見すると、これがやたらに旨い。このままでも十分
いけるんじゃないかと思った。山に登ると味覚が研ぎ澄まされるのかもしれない。
カレー完成。旨い！一本しかないプレミアムモルツ500ml、旨い！
15:00就寝。#1＋#3＋シェラフカバー。
18:30暴風の轟音で起こされる。とても熟睡できない。外は暗くなった。
窪地は樹林に守られて風が抑えられているが、暴風が樹林帯にぶつかる怒号は、
波のように近づいては遠ざかるを繰り返す。まるで自分を咎めているようだった。
「こんな日に山に登るなんて身の程知らず」そんな風に言われているように感じた。
テン場のように、周りに誰かがいればここまで不安を感じることは無いと思う。
明日の登頂はやめたほうが良いだろう・・・、すっかり意気消沈したまま、
19時のNHKラジオニュースに耳を傾ける。
「西高東低・・・冬型の気圧配置・・・発達した低気圧が・・・北海道で大雪・・・」
「明日は風が止んで快晴・・・絶好の行楽日和となるでしょう・・・」
ええっ！まじでっ！風が止んで快晴！この風止むの？！
俄然やる気が湧いてきた！
【3月22日（土曜日）】
0:00 やはり熟睡できずに起きてしまった。まだ風は吹いている。
シェラフカバーの内側が結露、シェラフの表面が濡れてしまい、不快。
テント内−9℃。水、スポーツドリンク、ご飯、イナリ、海苔巻き・・・凍った。
昨日のカレーと水を温める。ご飯に水を加えて温める。やっぱりカレー旨い。
その他はシェラフに包んで温める。
1:00頃、妙に静かになった。予報通り風が止んだのだろう。
外に出ると周囲の様子に驚かされた。まるで静止画像の世界、何も動いていない。
木々の枝先すらピクリとも動かない。空気がまったく流れていない。音もない。
暴風とのギャップがありすぎて不気味だった。
2:00ザック準備完了後、#3に包まり休んでいるうちに二度寝してしまった。
3:20目を覚ます。やばい、出発10分前、急げ！アイゼン12。ワカンは携帯。
3:45出発。少し予定より遅れた。
快晴無風。星がギラギラ輝いている。月明かりが樹林帯を照らす。
締まった雪にアイゼンが刺さる「キュキュ」という音だけしか聞こえない。
ここからの登山道はますます判りにくい。
無雪期登山道の面影は全くない、まるっきし別の山に見える。
直感を頼りに登山道とは思えない樹林帯を縫うように進む。
怪しくなったら、GPSログと自分の現在地を比較して位置を修正する。
無理してログに併せる必要はない。方向が定まったら適宜歩きやすいところを進む。
夏道なら斜行するであろう急坂も、締まった雪＋アイゼン12で直登できる。
斜面が目の前に迫る程の激急登もあるが、距離が短く高度感が無いので怖くない。
2640m、甲府の夜景と、富士山のシルエットが見えた。
5:19笹山南峰到着、日の出まで時間が無いのでスルーする。
5:27ゴールの笹山北峰到達、−14℃、日の出に間に合った。雲ひとつ無い快晴。
山頂はやはり風がある。ダウンジャケットとハードシェルを着こんで日の出を待つ。
笹山は絶好の南アルプス展望台。目の前に悪沢岳、蝙蝠岳、塩見岳。
南嶺沿いには農鳥岳、北岳、鳳凰三山。もちろん富士山もよく見える。
ご来光前の明るさで、これらの山々は全て見渡せた。
5:39今年最初のご来光。感無量。
もっと滞在したいけれど、もうそろそろ下山しなければ。
ストックからピッケルに切り替え。
6:15 下山スタート。後ろ髪引かれながら何度も笹山北峰を振り返る。
6:28 笹山南峰
無雪期は樹林に遮られて景色のイマイチな南峰だが、冬は結構眺めが良い。
さあ山頂ともお別れ。下りは自分のトレースを辿るだけ。
暗いうちは判らなかったが結構赤テープがある。
ためしに赤テープを追ってみたら、途中で判らなくなった。
やはり自分のトレースを追ったほうがスムーズだった。
雪が締まっていてピッケルよく効く。急坂はピッケル無しでは怖くて降りられない。
カラビナスリング持ってくるのを忘れてしまい左右持ち換えるのが面倒くさい。
6:55暑くなってきたのでハードシェル、ダウンOFF。
7:55窪地到着。幕営撤収。行動食のイナリ2個食す、芯が凍っている。
8:55窪地出発。
踏み抜きが心配だが、とりあえずワカンを着けずにスタート。
昨日のトレースは消えていたので、適当に尾根近辺を下る。
漫然と歩いていると崩壊地の上に出てしまった。逃げるように南斜面へシフト。
南斜面に入ると、陽が当たるところで踏み抜くようになった。
けれども、登りと違って下りの踏み抜きは脱出が楽だ。
樹木が少ないところで尻セードを試したら、めちゃめちゃ楽しい。
崩壊地の回避を終えた辺りから昨日のトレースが残っていた。
トレースは締まっており、歩きやすかった。
昨日は踏み抜いていたところでも、今日は踏み抜かない。
昨晩の氷点下の気温で雪が締まったということだろうか。
1930m地点で自分の万歩計を発見した。
落としたことなど全く気が付いていなかった。
ポケットから地図を出した際に、落としてしまったのだろう。
10:00暑くなってベースレイヤーのみ。
10:19水場入口で休憩。行動食に海苔巻、やはり芯は凍っていた。
1070mでアイゼンOFF。もっと早めに外したほうが良かった。
12:00奈良田第二発電所P到着。15℃。ザック計量19.20kg
沢で道具を洗う。
温泉 湯島の湯 \500
重すぎた荷物から省ける物があったかどうか検討するつもりだが、少なくとも、
ワカン、アイゼン、ピッケル、ストック、スコップなどの道具は必要だった。
自分としての総力戦だった。
給油
ENEOSウイング 富士TS
走行距離 549.5 km
給油量 33.9 L
単価 156 円
支払い 5288 円
燃費 16.2 km/L
�礎渦� 9.7 円/km
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初めまして。
私は無雪期の笹山ダイレクト尾根は往復したことがありますが、雪がある時期はまだです(挑戦したいとは思っていますが)。単独でしかも南峰で日の出、凄いです。いつかやってみたい!
コメントどうもありがとうございます。
無雪期の笹山から南アルプスを眺めると、冬季に登りたくなりますよね！
自分は、二日目の天候と雪質に恵まれて、なんとか登頂することができました。
登山経験が少ないので、自信を持って言えることは何も無いのですが、
なんとなく、放射冷却明けの午前中が好条件のような気がしています。
toradangoさんも是非挑戦してみてください。
はじめまして、takkie001と申します。
私も笹山が気に入って、昨年も5月、7月、11月に登頂しています。
冬季の笹山にも行ってみたいなあと思っていたので、1000leavesの山行記録は大変参考になりました。
笹山からの眺望は最高ですよね！
5月連休までには登ってみたいと思います。
有難うございました。
この山に魅了された方からコメントいただけるのは本当に嬉しいです。
だって、あの登りの辛さと眺望の感動を共有しているわけですから。
山の好みが合う人というのは本当に巡り会わないものですし・・・。
笹山に3回登られているとのこと、思い入れの深さを感じます、
冬季の笹山からの絶景がTakkieさんを待っていますよ。
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