東西両平野谷尾根周回と鍋蓋山
- GPS
- 05:51
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 620m
- 下り
- 623m
コースタイム
- 山行
- 6:22
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 6:32
天候 | 曇一時晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
平野谷東尾根とりつき部分不明瞭で且つ滑落要注意。二本松林道手前まで道標は皆無。マーキングも稀。 |
その他周辺情報 | 湊山温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
---|
感想
金曜日は弱い雨がずっと降って土曜日の朝にかけては警報級の大雨になる可能性もあるとのことだった。実際にはそれほどの大雨ではなかったが、土曜日の朝まですっきりとはせず、8時半ごろになってやっと雨が上がった。こんな時は遠出は出来ないので、「裏山」の六甲となる。それでも、できるなら未踏のコースを入れ込んだ行程にしたい。これまで手薄だったのが神戸市街地の背後にある山域で、今日はそのうち平野谷の東尾根と西尾根とを一挙に踏破し、ついでに眺めの良い鍋蓋山に寄ってみることにした。
娘に北野の西、楠谷町まで車でおくってもらったので、JR元町からとりつきまで歩くところが省略出来て、出発の遅れは相殺できた。橋の少し東の路地を山側に入り、住宅が終わって山に入ると右手に「立ち入り禁止」の看板が立っている。この看板の後ろには縄を張られた古いセメント階段が急峻な尾根に向かってつけられている。どうやらここが平野谷東尾根の末端らしい。縄をくぐって階段を上るが、段差は落葉で完全に埋め尽くされている。階段はすぐに終わり、と同時に踏み跡もはっきりしなくなる。構わず尾根のトップを目指して登り続ける。が、さっきまで降っていた雨で足もとの土は泥と化し、そこに積もった枯葉ともどもずるずると剥げ落ちる。ここは神戸背稜の尾根末端に共通の激急傾斜、滑ったならお陀仏である。常緑樹の暗い林の下を慎重に木の幹に頼って登る。尾根に乗ると打って変わって明るく穏やかな雰囲気が支配している。しかも、尾根末端方向に向かって踏み跡は続いているので、「立ち入り禁止」看板のちょっと先まで行っていたら、別の登り口があったのかもしれない。
天気は相変わらず不安な雲に覆われてはいるが、雨滴は落ちてこず、周囲はクヌギを主体とする雑木に変わる。木々の隙間からは神戸の市街と瀬戸内海が臨まれるが、海は空を映して鉛色のままだ。それでも稜線上は随所でモチツツジが競うように花を咲かせ、華やかな初夏を演出する。やがて周囲には落葉広葉樹に代わって常緑広葉樹の大木が立ち並ぶようになり、少し熱帯風の雰囲気を醸成する。大きな尾根に乗ったところでルートは90度、左に曲がる。尾根を下ってきたときには注意を要するところだ。特にこの尾根にはマーキングがほとんどないので、ルートファインディングには慎重を期する。尾根をさらに辿ると、今日初めての指導標が目に入る。が、そこには「行き止まり→」としか書かれていない。どなたかがマジックで、「林道左」を追記されたので、ここは左(感覚的には直進)にいくのだな、とわかるのだった。たぶん、進路を誤って入ってきた登山者に、この先ルートにあらず、と知らしめるための標識なのだろう。実際、尾根はこの標柱の右方向へと伸びていて、その上には巡視路がついているため、これがなければ何の疑いも持たずに巡視路へと入っていってしまうことだろう。
「左」に進路をとり、滑りやすい斜面を下るとすぐに二本松林道に飛び出す。ここにはハイキングコースを示す道標が立つ。林道を渡ったところで反対側の山に取り付く。尾根に沿って篠地となった明るい道である。モミの木がちょっと山深さを感じさせてくれる。小さなアップダウンを繰り返して進むと、正面の視界が開けて鍋蓋山の山頂が目に飛び込んでくる。少し進み、ゼンマイの茂る急坂を下ると、峠らしからぬ七三峠に出る。ここから鍋蓋山へは今日一番の登りとなるわけだが、道はジグザクに切られていて正規のルートでもあり、淡々と無理なく高度を上げることができる。気が付けば北鈴蘭台からの水平路に出ている。ここから左にわずかに進めば、鍋蓋山の山頂だ。今朝は鉛色に沈んでいた瀬戸内海も、今では明るさを取り戻して、六甲の中でもひときわワイドな眺望に満足感が湧いてくる。右前方には明石大橋と淡路島、左方向にはポートアイランドの全容が見渡せる。
いつもながら今日もハイカーで賑わう鍋蓋山の山頂を辞して、我々は来た道を七三峠のちょっと先まで戻り、途中の道標のところで来た道と分かれ、平野谷西尾根方向へと進路をとる。この道標にもマジックで、東西平野谷それぞれが左右に分かれてゆくことを追記してあった。東尾根とは違って西尾根への道はよく踏まれていて快適に進む。途中、林道に出るが、登山道はすぐに左の稜線上へと別れる。しかし眼の前のピーク一つを越すと再び林道と合する。そしてまたすぐに登山道は林道を離れ、左の尾根へと向かっている。ここは左に登山道を辿る必要がある。というのは、登山道のみが通過する次のピークで、ルートは左へと下ってゆき、林道とはお別れだからだ。登山道に沿って気持ちの良い道をどんどん進めば、別の林道へと導かれる。ここに標識がある。そして正面には、西尾根への道に入らぬように促す大きな看板がある。我々はこの看板の後ろに続く道を西尾根へと向かうのだ。確かに途中何本もの側路があって惑わされやすい。尾根の分かれ目では行くべき方角をよく確かめて進む必要がある。やがて何本かの高圧線鉄塔が現れる。街が間近になるにつれ、有馬街道の車の騒音も大きくなる。末端近くは再び激急斜面となる。降り立ったところには廃屋跡地があり、まっすぐ下ると真新しいアパートの裏の柵にぶち当たるが、ちょい左に回り込むと柵の切れ間からあちら側のアパート前に出ることが可能だ。どうやら、廃屋跡から左にトラバースする踏み跡もあったらしい。たぶん、そちらを辿ると、少し海側に寄った地点に立つ電力施設脇に出ると思われる。あとはひたすら海の方向へ旧有馬街道の静かな舗装道路を下っていく。祇園神社の鳥居横に水準点を確認し、大倉山のへりをかすめて神戸駅まではあとわずかの距離である。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する