飯豊連峰 オンベ松尾根〜大日岳〜主稜線〜大石ダム


- GPS
- 80:00
- 距離
- 60.0km
- 登り
- 3,891m
- 下り
- 3,897m
コースタイム
- 山行
- 4:31
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 4:59
- 山行
- 8:49
- 休憩
- 1:37
- 合計
- 10:26
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 2:06
- 合計
- 10:11
天候 | 6/12 曇りのち雨 /13 晴れのち曇り /14 曇り /15 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
/12 七日町 8:55(会津鉄道)8:58 会津若松 9:48(磐越西線)11:12 日出谷 【復路】6/15 大石入口 11:59(バス)12:13 下関営業所 14:35(米坂線)14:48 坂町 15:26(羽越本線)16:22 新潟 22:35(高速バス)5:40 バスタ新宿 ※大石入口のバスは1日3本、米坂線の接続悪く、下関営業所から本数少ないが坂町行きのバスもでている。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【日出谷〜湯ノ島小屋】 ひたすらロード。実川林道は旧五十嵐家から上がダートで路肩工事実施中。ゲートはしまってます。エアリアコースタイムよりも1時間少なかったような…トンネルは15分くらい歩く。照明なくヘッデンお忘れなく。内部道路中央に幅15センチくらいの流水溝があるので注意。コウモリも結構飛んでます。小屋周りの森はブナに囲まれ最高のロケーション 【オンベ松尾根】 アシ沢渡渉点はロープついているが、飛び石で渡っても絶対靴の中まで濡れる。登山道は全体的に刈り払いが行き届いている。飯豊の自然を守る会の方々、どうもありがとうございます。飯豊の登りはどこからでもつらい。月心清水は小沢の源頭、まだブリッジがかかっていた。流れに降りるところはグズグズでぬかっており、降りても上がるのが大変かも。ルート上部は雪の浸食で道が崩れて片斜面になっているところ多い。早川突上げ直下は要アイゼン、直上は雪壁になってしまうので注意。クラックもでかい。大日岳直下岩稜手前も結構傾斜がきつくアイゼンはいた。このあたりの水マークは確認できなかった。 【主稜線】 御西〜北股岳まで夏道が雪の下のところ多く、雪渓上を歩いた方が早くて足に優しい。この時期のいつも通り8割は雪上歩行だった。 その先はほぼ夏道、鉾立峰は死んだ…水場は梅花皮小屋はいつも通り、頼母木小屋は管理人が上がってきていてポンプアップ済み。キンキンに冷えた水がありがたい。 【朳差岳〜大石】 特に危険個所なし。エアリア記載のタイムより少し短め。ただ、林道終点からダムまではその1.5〜2倍かかる。ふざけんなって感じ。アメリカシロヒトリが多数飛んでいる、さすがに消毒しきれないか…ダムからバス停はトンネルを越え、オートキャンプ場の交差点を過ぎて少しで左に斜めに分岐する道がある。この入口に錆びて古びたバス停方面への案内板あり。集落に出てメイン通りを右折、次のさらに大きい通りを渡ったところに大石入口のバス停あり。丸太を横にしたような腰掛がある。 |
その他周辺情報 | 道の駅 下関に『ゆーむ』という温泉施設あるが、月1回の定休日が毎月第3水曜日 ドンピシャで当たってしまった。 上関共同浴場は石鹸類なしとのことで、高瀬温泉まで歩いた。 花みちる宿ニュー萬力 ¥500 かけ流しで結構熱いですが、すっきり系の泉質でした。 下関で風呂を済ますのではなく、村上(坂町から2駅)まで出て、瀬波温泉でもいいと思いました。深夜バスまで時間があったので、そうすればよかったと後悔しています。 |
写真
感想
この時期恒例の東北山巡り。やっぱり飯豊がいいなぁ…でもいつもと違うルートから登りたい。大日杉コースのブナも見たいし、久々に弥平からも登ってみたい。でもどれもアプローチがネックだ。その不便なアプローチがあっても気になるルートがある。廃道の胎内尾根、現在林道通行止めのオウインノ尾根…気になる気になる。もう一本忘れてならないルート、オンベ松尾根…ずっと昔から気になってた。古い地図では破線ルートのうえ下山後の長い林道歩き、下山時に温泉がない、ピストン嫌い等このルートを選択するのに不向きな条件ばかり。でも最近は年齢のせいなんだろうか。林道歩きがそれほど苦ではなくなってきている。実川も見てみたい、あまりひと気のない橅林を見たいなどの諸条件が重なり、ようやくこのルートに取り付いてみようということになった。
もう夜行ムーンライトえちごも走っていない。前日に高速バスで会津若松まで入りゲストハウスに泊まることで、結構安めに費用を上げることができるのが発覚。夕方近くの高速バスでゆったりスタートとなった。宿は七日町駅にあり、見つけるのが少し大変だったが、夕飯の居酒屋に電話してくれたり、空いていたからか若松駅裏の温泉まで送迎してくれたりとサービス満点。まさか駅のすぐ裏にかけ流しのあんないい温泉があったなんて…宿に戻りもう一人の旅行者と3人で夜遅くまでいろいろ話しこみ、これが最終日なら最高だったと思ったのは言うまでもない。
6/12
磐越西線で日出谷駅を目指す。今山行中の天気は悪い方の予報、列車内でも曇天模様で宿に戻っちゃおうかなんてことも頭によぎった。日出谷は無人駅、にもかかわらず普通の旅行風の5人家族が下車。聞けばSLに乗ってまた若松まで戻るとのこと。自分もSLを待ってから出発した。動くSLというのはすごい迫力だ。
駅前に集会所のようなものがあり、ここで準備していると雨が降ってくる。駅から30分ほどで実川林道、舗装された林道で途中数台の車が上流へ向かった。集落は1か所だけなので運が良ければ拾ってもらえるかも…なんてことはなく、旧五十嵐家の看板が出てからもなお着かず、発電所をふたつ越え、やっと道路右手には依存が出てきた先で五十嵐家住宅に着いた。少々見学などをしているとメシアが現れる。『先まで行くから乗っていけ』とおっしゃってくれたので当然のように乗せていただく。ここからはダートで1キロ強でゲートとなりそこで降ろしてもらった。どうもありがとうございました。実川ダムまでダート、右手の川の流れが素晴らしい。雨は降ったりやんだりでも森がうっそうとしているため、天然の傘となって大して濡れることはなかった。
地図上でどこがゲートかわからず、いったいどのあたり悪いているやら。するとトンネル入口が突然現れる。このトンネルは事前情報通り照明なし。ゴールが見えてきた感があるので頑張れる。トンネル内はコウモリが飛んでいたり、団子状態で固まっているところもある。トンネル通過後やや傾斜が上がり、保護地域の看板の少し先で左に入る道があった。林道沿いにあると思っていた小屋は、この踏跡の奥の森の中に小屋を発見!この踏跡に気づかなかったら通り過ぎていた。湯ノ島小屋はブナに囲まれ最高のロケーション、中は暗いがきれいな小屋、とてもよく管理されている。水場は小屋裏でジャンジャン出ているが、時期的なものかうっすら黄色かった。頑張って歩いてきた甲斐がある小屋で快適な一夜を過ごした。
6/13
林道に戻ってわずかで取水堰。その左脇の踏跡をたどるとすぐに写真で見たアシ沢渡渉点。ロープが渡してあるも、どうやっても靴の中まで濡れる水深だったので裸足で渡渉する。激しく冷たい。水場の水は濁っていたのでここで汲みなおす。実川の合流はすぐそこで、本流は雪代なのか激流となっていた。
渡渉するや否や急登開始、飯豊だから仕方ないが結構すごい。少し登ると斜度が安定してくる。割とやせた尾根状たどるとブナ林の登りに変わる。素晴らしい森の中をどんどん登る。すると何か聞いたこともない鳴き声が…小熊?なんだ?こちらも声で応戦、これがしばらく続いた。目の前に出てきたらどうしたろうか?
たまにみえるアシ沢上部は雪渓だった。道理で冷たすぎるわけだ。ブナもだんだん細くなり高度計994mで急に休憩向きの平坦地、ここが月心清水。足場の良くないトラバースで沢に出るが雪が解けたばかりで足元もゆるく、降りるところを考えてしまう。量は充分、今回は汲まない。天気は予報で言っていた通り、湿った空気の影響か雲が多め。
すぐにロープ付き急斜面、本当にすごい登りだ。やがてヤセ尾根から雪で削られ砂礫がむき出しのところが増える。ルートに灌木が生える場所では、足の踏み場もないほどのカタクリが咲いている。一服平は開けた平坦地で小さな遭難碑が建っている。
正面にどんどん早川の突上げが近き、ルートを確認すると雪渓を歩くしかない感じ。雪壁に取り付く1680m付近でアイゼン装着、直近で見ても尾根筋をたどるより雪壁を登った方が楽だと判断するも、上部はそれなりに急で緊張する。ウィペットがあったらいいなぁ。下から2つ目のクラックにトラばって、そこから斜登行し雪壁を終えたと思ったら、登り上げた場所が深く幅広のクラックだらけで、慎重にさらに一段上がった後、右にトラばって夏道に復帰し大休止した。
この先、大日岳までは余裕かななんて思っていたら、100m程先のルート上にクマが現れこちらに向かって歩いてきた。大声でこちらに気付かせ、間合いを取って待機する。しばらくしてクマは藪に消えてゆき、灌木の揺れが下の方まで移動したのを確認して出パ。彼らの住処で遊ばせてもらっている以上、彼らの時間経過に合わせるしかない。ちょっとしたアップダウンののち、大日岳本体の登りとなる。
牛ケ首までは1時間くらい、ルートが雪で崩壊し首の裏側?にまわりこむところからアイゼン再装着する。結構傾斜が強く、落ちれば御西沢のツユと化すところだ。左手にブッシュを見ながら登ると、岩稜帯手前で夏道に出た。エアリアで危険マークがついていたけれど、風化した花崗岩は脆く本当に危ない。岩稜は左から巻くように越え、ラストの雪田はキックステップでこなすと久々の大日岳Pに到着した。飯豊は隔年で来ているが、意外に大日を省略してしまっている。よく考えれば山の会の合宿以来かもしれない。雲も途切れ、北部稜線の眺めがよかった。やはり初ルートというのは新鮮でいいなぁ。何より貸し切りなのがいい。
御西への下りは残雪の下部が急だったので再度アイゼン装着、その後はハクサンイチゲが大量満開の登山道を北股バックにくさい写真を撮りながら御西へ向かう。大日南側の水場はわからなかったので、御西への登りルート上を流れるきれいな融雪水を汲む。梅花皮まで行けば水は考えなくていいが、気合も入らず御西小屋でやめることにした。ガスも多くなったことから本山の往復もしなかった。小屋にはもう一人宿泊しており、世間話をしつつ、お互いにワンフロアずつ占有して過ごした。明日は午前中勝負かな。
/14
同宿の方と別れ北へ向かう。天気はまずまず、いつものことながら夏道は残雪の下、今日はアイゼンを履いてゆく。結果、夏道は天狗の庭付近と御手洗池のみ、その他は雪上を歩いたけれど、クラックが大きいところが多く、ガス時は結構面倒くさいかもしれない。振り返ると大日稜線に筋状の滝雲が発生中、これはどっち天気の傾向なんだろうか?烏帽子岳で360度の大展望となる。
本日は梅花皮小屋は給水のみで通過、北股岳の登りは夏道が雪の下、こんなところでケガしても仕方ないと思いアイゼン装着し北股岳Pに到着。日本海のナイスビュー、振り返れば本山方面稜線が雲にのまれ始めた。日帰りで来た方としばし話し込む。この先は飯豊連峰のいいところ、羽虫が増えたなだらか稜線をハクサンイチゲメインに写真撮りながら進み、梶川尾根分岐の雪田上が涼しかったので休憩する。
丸森尾根越えてから、足ノ松尾根からの日帰り往復者が多い。稜線は上越国境風になる。ハクサンイチゲがピークな感じですごい量咲いていた。頼母木小屋は上から見ていて結構な数の人が休憩していた。小屋に着けば小屋番が入って水も出ていた。ここの水はいつ来てもおいしい。エブリの小屋用に大量に給水して出発。
大石山に向かうまでにヒメサユリのつぼみが多数あり、もう10日遅ければ咲いていたんだろうな。標高が下がり地面が土に変化してくると登山道は炎熱地獄の変わる。雪渓を渡ってくる東側の谷筋からの風で何とか涼をとりつつ、急登にやられながらも鉾立峰に到着。ここまで天気が持ってくれたことに感謝、風は強くなってきている。残り1時間、日本海を見ながら朳差小屋に到着。当然のごとく水場は雪渓の下、風は強いもとりあえず頂上へ向かう。薄曇りでも日本海の大展望が素晴らしかった。
小屋にいったん戻って夕飯後に再び頂上へ。頂上からの眺めはなんと最高なんだろう。夕暮れ一歩前で街に明かりがつき始め、海岸線がくっきり浮かび、強風の中、夕焼けに空が染まっていくのをしばらく見ていた。今日、北陸が梅雨入りしたのをラジオで知った。
/15
夜景最高!19時くらいには風も止んでいた。再び夜中からかぜがでてきたが、起床時は視界良好。下山まで雨が降らなければいいと願いつつ出パ。前エブリまでは30分くらい、ちょうどいい休憩場として千本峰を考えていたが、気づけばプレートを見落とし、岩稜帯を越えて権内ノ峰についていたのでびっくりした。1200mくらいから橅林、登山道脇に小さいもののヒメサユリも出てきた。
カモス峰の下りは『The飯豊』という感じの下り。何回か登ったことあるけどこんなんだったっけ?カモス峰の水場は入り口の木はわかったけれど、以前よりヤブっぽくなった感じで確認はしなかった。ものすごい下りを終えてやや緩やかになると東俣の橋、渡った先トラバースしながらルートは緩く登り返している。これがかなり効いた。気持ちが切れかかったときにちょうど小尾根に乗ったところで休憩した。
小尾根を下り、途中天場にしている広い平坦地を通過、森の雰囲気は最高の極みだ。30分ほどで第1鉄橋、渡った先で河原に降りて長い休憩をする。さっきの所で休まなければよかった。水は冷たかったけれど全身で浸かりたいくらいオーバーヒートしていた。あとは林道を行くのだけれど、距離と記載のコースタイムがまるであってない。大石ダムまで2:00かかった。ダムから先、だれか拾ってくれないかな〜なんて思いながら下り始めたものの、結果そうならなかった。
メイン通りから左へ斜めに分かれる分岐に、錆び錆のバス停への案内看板があり、それどおり進むと集落に出る。すぐにバス停があると思っていたがよくわからず、畑仕事をしている人に聞くと、来たT字路を右、そしてその先の大きな通りを渡ったところにあるとのこと。大通りに出る交差点の左側に芝生の三角地形の公園があり、通り斜め向かいにバス停があった。バス到着までの1時間、何か時間が止まったかのような空気の中で、のどかな景色を楽しんだ。
バスはローカル路線だけあって内装がなかなかの懐かしさで、降車ボタンの表示がレトロで味がありすぎた。越後下関に着くと、あてにしていた温泉施設の「ゆーむ」がなんと月1回の定休日…定期清掃に来ていた女性に聞くと、胎内の温泉を紹介してくれたが、それは遠すぎ。電車の時間まで何とかなりそうだったので高瀬温泉の『萬力』まで歩き、なかなかに熱いお湯に浸かって戻ってきたが、キレのあるさっぱりしたお湯がよかった。
温泉までの距離は、今まで歩いてきた距離に比べれば大した距離ではないけれど、地元では歩かない距離らしい。新潟発の夜行バスで帰宅するけれど、結構時間が空きすぎていた。今考えれば瀬波温泉まで行ってランチ後、新潟でも全然余裕があったなぁ。結果、新潟で夜に雨にやられたけれど、山ではほとんど降られず天気に恵まれたのはラッキーだったな。何度行っても飯豊はいいでぇ…
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する