新穂高から双六岳(ピストン)


- GPS
- 19:05
- 距離
- 31.6km
- 登り
- 2,123m
- 下り
- 2,107m
コースタイム
- 山行
- 6:59
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 8:08
- 山行
- 6:20
- 休憩
- 4:25
- 合計
- 10:45
天候 | 1日目晴れのち曇り時々雨。2日目晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
良好 |
その他周辺情報 | 中崎山荘日帰り入浴900円。 |
写真
感想
数年前に訪れた双六岳方面。
日本の山岳史にその名が刻まれる双六岳登山は、登山口である新穂高温泉までに向かう道中に見る渓谷美から始まり、神通川水系、双六谷の源頭に見る、冒険的要素を感じさせる深い自然、そして誰もがその目に焼き付ける、槍ヶ岳を始めとする、日本が誇る峰々が連なる北アルプスの圧倒的な大パノラマと、登山者を興奮させる要素を多分に含んでいる。
緩やかに標高を上げ、小池新道からは急勾配の道を登っていく本ルートは、北アルプス全体のルートとしては安全度の高いものであるものの、初日の終点である双六小屋までは、1日の行動時間の目安である8時間を要する体力が求められる。沢沿いではキンキンに冷えた水と冷気に浸っていたが、沢から離れれば猛暑の洗礼を日差しと共にガンガンに浴びることとなる。山行した期間は下界でも外出を控えたくなる猛暑日。北アルプスといえども汗が吹き出てくる。
そんな中、鏡平山荘から聞こえる「かき氷お待たせしましたぁ」の声は、ハニートラップにかかる甘い誘惑にも似た囁きに聞こえ、気がつけば財布の紐を緩めたくなる。食べたい気持ちをグッと堪える。
双六小屋でテント泊は、広々とした敷地に稜線上から見る満点の星空と、文句なしのロケーション。北アルプス縦走の要所である双六小屋での1泊は、山岳史に浸れるという贅が味わえ、個人的には久しぶりに稜線上でのテント泊ということで有意義な時間となった。雨と風が吹いていたが、モンベルのU.Lドームシェルターは十分な住環境を提供してくれた。
翌日は最高の天気の中で双六岳を登頂。翌日以降の天気は悪かったので苦渋の下山となったが、生きてこその登山と思うと、この下山は次の登山に続いていく。頂上で見た北アルプスの山々に登る計画は、下山を始めたその時から始まっているのだと、どこかの著名人に受け売りの様な事を真剣に考えながら、プルプル震えた足で歩きながら新穂高温泉に辿り着いた。
計画はこの一年3回くらいしたのだが、全部悪天候が予想され、別の山へ行くことにしていた。今回は念願叶い北アルプスへ。一応計画は、双六小屋・雲ノ平山荘・双六小屋のテント泊3泊4日。
諸事情により、少々遅れての新穂高スタート。歩き始めてすぐに、想像以上に暑いことに先が思いやられた。小池新道までは若干のぼってるかな、という程度の林道歩き。わさび平小屋の前の沢は冷たくて身体を冷やすのにちょうど良い。
ちなみに、わさび平小屋のテント泊はクマを頻繁に(?)見かけるため、休止中だった。
小池新道入口から標高を上げていく。カンカン照りの中、樹林帯の中を登る。道は整備されていて歩きやすい。樹林帯だが日差しを浴びるため、非常に暑く、登るのはきつい。所々、沢の近くなのかなんなのかわからないが、涼しい箇所がある。秩父沢出会は少し涼しいが、日陰はほぼない。シシウドヶ原も日を避ける場所はない。日焼け止め必須。首筋は特に焼ける。
鏡池には正面に見える槍穂高連峰が写るのか(?)雲しか写っていなかった。鏡池山荘は賑わっていて、机と椅子は全て埋まっていた。かき氷、フロート、ラーメンなど拡声器で山小屋のスタッフが次々と番号を呼んでいた。
鏡平山荘からは山頂付近は雲がかかっていたが槍穂高連峰が自然と意識され、弓折乗越までのトラバースでは横目に見ながら歩く。弓折乗越に着くと、槍穂高連峰の方は雲が厚くなってきていて、こちらも雨が降りそうだなと感じられた。少し休憩し稜線に上がると、その反対の岐阜県側、黒部五郎岳の方は雲はあるものの晴れていた。まだ天気は保ちそうだと判断できた。アップダウンを繰り返し背の低い樹林の中、稜線を歩いて行く。花見平には雪が残っていて、首筋と手を冷やす。名前の通り、もちろん花も咲きほこっていた。稜線の中程を過ぎると、踏み跡・木道が続く先、左右の山の落ち込んだ部分に池、カラフルな数々のテント、双六小屋、そのまた向こうにも抜けがよくて山が見える。奥地まで来たんだ、と感じさせる圧巻の風景。ただ、それが見えてからがすごく長く感じられる、疲れもあるからだろうが。
14時過ぎに双六小屋のテント場に到着。着いた時は30帳くらいだったが、自分達の後に増えたのでこの日は40帳くらいだったのか。
双六小屋前のテーブルは賑わっていて、面食らった。テント場方面からは小屋の状況が全然わからず、こんなに人がいたんだ、と。外トイレ前からは、しっかりと鷲羽岳が見える。双六小屋から見える鷲羽岳山頂への登りは険しそうだなと感じさせる。
テント前で飯を準備してると雲行きが怪しくなり、ぱらっと雨が降ってきて、テント内に避難。
30分くらいで止む。ヤマテンで明日と明後日の天気予報を確認し、明後日(3日)の天気がやはり悪くその場で、明日下山へすることに計画を変更した。その後、多分1時間くらいだろうか、雨が降り続いた。
2日目は、3時に起床しリゾッタ・味噌汁・コーヒー。4時過ぎに、アタックザックを背負って双六岳へ。まだ、夜は明けきっていなくてヘッドランプを使い、少し肌寒くソフトシェル・手袋をつける。
一気に登り、広い稜線に出ると、あー山に来たなとテンションが上がる。後ろを振り返ると槍穂高連峰が朝日の関係で黒っぽく見える。雲がほぼなく、昨日とは違いしっかりと峰々の存在を感じられる。
双六岳山頂からは笠ヶ岳・黒部五郎岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳などを見渡せる。三俣蓮華岳・黒部五郎岳の緑の稜線を歩いてみたいが、今回はお預け。秘境奥地のその深さを感じてみたい。
また、ここから見ると、やはり槍穂高連峰の存在感は異様だ。剥き出しの岩稜でギザギザして、なによりも辺りよりも高く、その稜線が長い。登ってみたくはなるが、こう見て考えると少々恐ろしい。
双六岳から下山していくと、先程歩いた広い稜線に踏み跡が続き、その向こうに槍穂高連峰が聳えている。この風景を見て、pepeさんが、外国のようだ、と。
テント場に戻って、また飯を食べ、自分らが1番最後の撤収だったかも。残っているテントは10帳満たないくらい。連泊なのかな。
昨日来た道を引き返す。日差しが暑過ぎる。槍穂高連峰を間近に感じながらひたすら歩き、下っていく。皮膚が焼ける。鏡平山荘は少し時間が早いためか、昨日よりは人が少ないが、賑わっている。鏡池は少し風があり、あまりきれいに写っていなかった。小池新道を下っていくと、下から上がってくる登山者にさっきクマを見かけたから気をつけて、と言われる。自分の見える範囲に人がいない場合は、トレッキングポールを叩き音を出して下っていく。秩父沢出会で遅れていたpepeさんを待っていて、若干遅いなと思っていたら、ついさっきクマらしいガサガサする音を聞き、少し遅れた、と言っていた。うーん、恐ろしい。
小池新道入口まで下山すれば後は林道を歩いて行く。駐車場まで戻り、中崎山荘で温泉に浸かる。
今回は、事前の天気予報で3日目が怪しい、と分かっていた。なので、2日目に登ってきた道を下山のプランも頭に入れていた。無事下山するためにはこの決断は正解だったと思う。今後もこのように無事に帰れるような判断を山行前・山行中に行えるようにしていきたい。
来月にソロで雲ノ平に行きたい、という気持ちは高まってしまった。ソロは気をつけるべきことが多くなるが、安全を第一に入念に準備していきたい。
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