徳本峠、霞沢岳 「リハビリ登山は、あのクラシックルート」


- GPS
- 32:05
- 距離
- 36.6km
- 登り
- 3,465m
- 下り
- 2,674m
コースタイム
6月8日 小屋5:00-9:30霞沢岳10:00-13:30徳本峠小屋14:00-15:30上高地BT
天候 | 6月7日:曇り時々小雨 6月8日:曇り時々小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新島々〜島々:バス |
コース状況/ 危険箇所等 |
徳本峠ルート:良く整備されており安全です 霞沢岳ルート:K1手前の雪渓トラバース:急斜面のため要注意 |
写真
感想
2ヶ月間、きつい仕事が続いて、心身共に疲弊した。殆ど体を動かすことも無かったので、体力はかなり落ちている。それ以上にハートもくたびれてしまい。なんとか山へ行く時間を捻出した。
何処へ行こうか、ぼんやりした頭で考えるが、なかなか考えがまとまらない。折悪しく梅雨入り宣言が出て、どこにも晴れ間は期待できそうに無い。昨年の今頃は、大杉谷へ行き、とても良かった記憶があるから、リトライするかとも思うが、ただでさえ雨量の多い場所だけに躊躇する。
上高地あたりでのんびり観光するかと思い、爽やか信州号の予約サイトを見ると関西発は既に満席。なんだよ、梅雨なんだから皆さん止めときなよ、と独りごちながら、上高地入り別ルートを思案していてひらめいた。
「そうだ、徳本峠行こう。」
山仲間に相談すると、やはり以前から気になっていたルートだったとの事で即決定。
山歩きする人なら、皆さんご存知だけど、なかなか歩く機会の無いコース。今回のようなリハビリ目的の山行には最適だべ。これだけで満足すれば良かったのだが、「せっかく徳本峠へ行くのだから、霞沢岳にも行ったら」と囁く山友あり。碌に地図も確認せず、じゃあ行くべと決めてしまった。(これが甘い考えだったと後に思い知らさされる)
6/6(金)夕方移動し松本駅近くで前泊し、翌朝東京から夜行バスでやって来た隊長と合流。新島々までは電車、バスに乗り換えて島々に到着し、7時半出発。
W・ウェストンや小島烏水も歩いた、まさに、ザ・クラシックルートの始まりである。今にも降り出しそうな曇天だが、気分は晴々としてくる。林道ゲートを越え、駐車場を過ぎ、萌黄色に輝く樹林帯を沢音に包まれながら歩く。見事に整備された道だ。この季節、あっという間に雑草に覆い隠されてしまうだろうに、その気配はまったく無い。どなたが手入れされているのか、頭が下がる。
やがて二俣を過ぎ、秀綱奥方碑に(心の中で)手を合わせて進む。しっかりとした橋がいくつも架けられており、渡る都度水面を覗き込む。水量はやや多めなのだろうか。しかし、まったく濁りは見られない。このルートは最後のつづら折れ急登部以外は、常に沢に沿っているので、涼しげな音と樹林の影が登山者に優しい。
やがて斜度が増してくると岩魚留小屋に到着。荒れた小屋を横目で見ながら、せっせと登る。この辺りから沢に段差や淵が随所に見られ、いかにも釣果が期待できそうな雰囲気である(渓流釣りはしたことないけど)。今回は小屋泊まりなので装備は軽いのだが、身体が鈍っており、歩行速度が落ちていく。息が荒くなり太股が熱い。肩にザックが食い込んで痛い。仕事が一段落したら、ダイエットして、早朝ランニングと週末歩荷トレをやるぞと、心の中で呟く(やらないけど)。
何度目かに減量を誓った頃、稜線が近づいて来て小屋が現れた。突然、視界が拡がり、眼前に残雪を纏った山脈が立ちはだかる。あいにく青空ではないが、白い雲を背景に、見た事の無い角度の穂高連峰である。前景に明神、その右後方に前穂が突き上げており、左奥には奥穂、その横にジャン。溜息をつきながら眺めているとやがてガスが濃くなり見えなくなってしまう。もう暫く粘ろうと思うが、喉の渇きに抗えず小屋に入った。
徳本峠小屋は歴史を感じさせる旧館と数年前に新設された新館が隣接している。気持ち良く整理されており、食事も満足行く内容でした。本日は我々の他に、同じルートで先着されていたソロの方がお一人の総勢3名。ゆったり静かに利用させていただきました。
夕食後、お酒を飲みつつ小屋の方達とDVD鑑賞を楽しみ、早々に就寝。深夜、強めの雨音に何度か目覚めた。
4時に隊長の目覚ましで起き上がると、雨は小康状態。昨日の疲れで痛む身体にめげながらゆっくり準備を始める頃、ソロの方は速やかに出発された。同じく霞沢岳を目指すとのこと。ポツポツと雨滴が落ちてくる中、合羽を着込み、不要な装備を小屋にデポさせていただいて出発。
あまり下調べをしないまま臨んだのだが、霞沢岳は思いの他タフな山でした。ジャンクションピークへのいきなりの急坂にやられて、そこからの下降と登り返しの繰り返しに打ちのめされる。残雪がかなり多く、それが緩んでいるため踏む抜きやスリップが体力を削る。K1手前にはいやな雪渓トラバースがあり、かなり緊張した。それほどすごい斜度では無いが、見通しに樹木が無く、滑落すると遥か谷底まで行ってしまいそう。この時期、アイゼン無しかせいぜい軽アイゼンでの登山者が殆どだと思うが、あまり通る人がいないルートだけに、万が一の時は深刻な事になるかもしれないと感じた。この最後のトラバースは斜面に正対してつま先を蹴り込みながら通過した。本当なら10本爪以上が欲しいところである。(でも雪が腐っているから効かないかも・・)
緊張したトラバースの後は、またもや急登である。息を喘がせながら這うように登る。吊り尾根が優美に眺められが景色を愛でる余裕が無い。先行していたソロさんが早くも戻ってきてすれ違う。残り時間が気になり始める頃、ようやくK1に到着。アルファ米に水を入れてデポして再び歩き出す。K2、山頂とアップダウンを繰り返して霞沢岳山頂の看板を見た時には、思わず歓声が出た。しかし、帰りのバスが気になり、休む間もなく戻る。隊長が下方を指差す。すぐ足元に帝国ホテルが見えるのに驚いた。小屋からかなりの距離があることを実感する。徳本峠越えのついでに挑んでしまった考えの甘さに、我ながら呆れた(毎度のことだが)。K1に戻り、頃合い良く出来上がっているピラフを搔き込んだ。
そこからは時間を気にしつつ、事故を起こさないように自戒しつつ、急いで戻った。小屋までは油断のできない道であるが、そこから先はまるで舗装路である。駆けるように下り、カレーパンとビールで一息ついて4時のバスに乗り込むことが出来た。
振り返り
徳本峠ルート:とても良い。時間に余裕のある方にはお奨めします。
霞沢岳:油断禁物
コメント
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リハビリゆうから何かあったんかと
長いコースですね〜 ピストンなら二泊いるんですね
前から興味が・・・
夏はどちら 狙ってはるんでしょう?
はるさん
ご無沙汰してます
ちょっとしんどい仕事にはまって山から遠ざかっていました
良いところでしたよ
でも、はるさんなら楽勝だと思います
夏は、後立山かなぁ 相談中です
また、岩遊びお願いします
久々の山とは思えないルートですね!
さすがはくろさんと隊長さんです!
霞沢岳は上高地のホテルから見ましたが、登れる山には思えませんでしたよ!
いやあ、ホントにお疲れさまでした!
ん?tsureさん?
いやいや、息も絶え絶えでやっとのことで帰り着きました
またご一緒させてくださいね
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