宮之浦岳(荒川口→高塚小屋泊→淀川口) 〜山の神様が見せてくれた天上の楽園
- GPS
- 14:20
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 1,984m
- 下り
- 1,082m
コースタイム
屋久島空港−タクシー−荒川登山口
10:45 荒川登山口入山
11:45 小杉谷集落跡
12:10 楠川分かれ
13:20 大株歩道入口
13:50 ウイルソン杉
14:40 大王杉
15:15〜15:45 縄文杉
15:55 高塚小屋 泊
6月15日
5:15 高塚小屋出発
6:20 新高塚小屋
6:45 第1展望台
7:13 第2展望台
8:15 平石岩屋
8:30 平石展望台
8:55 焼野分岐
9:15〜10:05 宮之浦岳山頂
11:35 投石岳水場
12:35〜12:50 花之江河
13:20 高盤岳展望台
14:15〜15:05 淀川小屋
15:45 淀川登山口下山
淀川登山口−タクシー−安房地区ホテル
天候 | 6/14 曇り時々晴れ 6/15 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
飛行機
自宅−中部国際空港−ANA−鹿児島空港−鹿児島市内泊 6/14 鹿児島中央駅−バス−鹿児島空港−JAC−屋久島空港 空港−予約タクシー−荒川登山口(¥6,470) 6/15 淀川登山口−予約タクシ−−安房地区ホテル(¥6,150) 6/16 ホテル−レンタカー−島内観光(白谷雲水峡・屋久杉自然館・千尋の滝)−空港 屋久島空港−JAC−鹿児島空港−ANA−中部国際空港−自宅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道は整備され道標も完備されています。 携帯電話が使用可能な地点には道標に表示があります。 ガス缶 飛行機の場合、持ってくることが出来ないため島で調達となります。 レンタルショップに事前に電話し取り置きをしてもらいました。 空港売店にはイワタニプリムスのOD缶しかありませんでした。 |
写真
感想
●プロローグ
6/13(金)に出張で鹿児島に行くことになった。
ふ〜ん。鹿児島ねぇ〜・・・。
フッフッフッ、これを逃す手はないっしょ。
昨年は連日の雨なれど霧島と開聞岳に登頂。
鹿児島にはひとつお楽しみが残っているんだよね〜。
1ヶ月に35日雨が降るという島の山。
いーじゃない。どこ行っても梅雨まっただ中だし。
降られて当たり前・・
そう!最南端の日本百名山。屋久島・宮之浦岳へGO!!
プランニング
今回は金曜に出張で鹿児島入りして翌日土曜からの山行。
本土の山と違い、まずは屋久島に渡らなくてはならない。
鹿児島朝出発で屋久島へ最速でわたれるのは
1 屋久島空港9:30着 鹿児島空港発 日本エアコミュータ便
2 宮之浦港 9:45着 鹿児島港発 高速船
のどちらか。<2014年6月ダイヤ>
今回の目的地、縄文杉も宮之浦岳も各々日帰りは可能だが、早朝に登山口出発が前提で、そのために島で前泊が必要になる。それに2日連続でのピストン山行は自分の体力を考えるとまず不可能と考え、山中避難小屋1泊の縦走を決断した。
縦走も3つの登山口(荒川口、白谷雲水峡、淀川口)のルート組み合わせがあり迷いに迷った。
入山時刻が11:00ごろになってしまうことからコースタイムに余裕を加え
6/14 荒川口→縄文杉・高塚小屋泊
6/15 高塚小屋→宮之浦岳→淀川口
とした。
白谷雲水峡を通るルートも最後まで考えていたが梅雨の増水期はリスクがあるとの経験者のアドバイスもあり断念した。
荒川口入山、淀川口の下山時刻に適当なバス便が無く往復タクシーを使うことになったのは正直痛かった。
●6/14の山行
鹿児島からリムジンバス、プロペラ機を乗り継いで定刻に屋久島空港に到着。
曇りなれど雨が降る気配は無く一安心。
タクシーで荒川登山口へ向かう。
途中、後泊ホテルに泊まり荷物を預け、山道具レンタル屋でガスカートリッジを購入。
タクシー運転手の観光案内を聞きながら車は山道を駆け上がり荒川登山口に10:30到着。
縄文杉へのメインゲートもこの時間は入山バス便は無く登山者は私一人きり。
10:45静かすぎる山旅の始まり〜。
小杉谷集落跡、楠川分かれなどポイントはあるがトロッコレールをただひたすら歩く。ただひたすら・・
下山者と初めてすれ違ったのが出発から1時間15分後の正午だった。
木漏れ日が時折トロッコ道を照らす。
大株歩道入口でトロッコ道が終わり本格的な登山道に。
ここからが屋久杉の巨木の森。
平坦なトロッコ道から急登に身体が堪えます。
切り株の空洞から上を見上げるとハートの形をしていることで有名なウイルソン株に到着。
もちろんハートの空、見ました。
動力機械も無い時代、人力で切り倒された事を思えば人間の欲深さの象徴かもしれません。
下山者とのすれ違いはこのあたりまで。
巨木の森は続き、再び登山道は人気が消え静寂に包まれます。
縄文杉の発見前は屋久島最大の杉と称されていた大王杉。
看板と木道デッキに気を取られ別の木と勘違いしましたが名に相応しい貫禄の巨木です。
大王杉から程なくして周回コースの案内看板で縄文杉が近いことが分かる。
水場へと下がる登山道の階段から見覚えのある幹が見えた。
いよいよ縄文杉とご対面。
展望デッキに立つ。
周囲に人間は自分ただ一人。
縄文杉ひとりじめ
何という贅沢。
この巨木にいったいどれ程の時間が流れたのか。
太古の昔からの記憶に今日という本当にちっぽけな出来事を加えようとしている。
縄文杉から今夜泊まる高塚小屋まで10分ほどで到着。
2013年に立て替えられた小屋は外観も清々しい3階建て。
重いドアを開ける。てっきり誰もいないかと思ったら既に1階に4人、2階に2人休んでおられた。
1階はグループの様なので2階の男性2人に加えてもらう。
この夜、小屋に泊まったのは私の後に到着したカップルを加えて計8人でした。
同じフロアに泊まった男性2人はいずれも山のベテラン。
Nさんは埼玉から。淀川口から白谷雲水峡を目指して縦走中。
もう一人は八ヶ岳赤岳鉱泉のベテランスタッフKさん。
(って帰宅してWEBで調べたら支配人とかアイスキャンディ職人らしい・・)
夏山で忙しくなる直前、この時期に屋久島に長期滞在しているそう。
八ヶ岳のいろいろな話しを聞かせてくれました。
シーズンになったら遊びに行かなくちゃ。
夕食を済ませ就寝前のひととき。
19:30過ぎ、夏至直前、西国の遅い日の入り。
日が沈み雲がオレンジ色に染まる。
明日も良い天気が期待できそうだ。
●6/15の山行
4:00少し前、起床。
同じ階の二人は遅立ちらしくまだお休みだ。ヘッ電ビームを向けないように気を遣っていたらパッキングに手間取り予定より少し遅れ5:15出発。
深い森の中に朝日が差し込む。梅雨の最中、何という幸運。
1時間少々で新高塚小屋。こちらはテン泊の数も多く高塚より賑わっている。小さな女の子もいた。
新高塚から先、また一人旅が長く続く。
登山道は明瞭な主稜線伝いにかわり所々巨岩が展望台になっていて宮之浦岳山頂が捉えられる。
時折、山頂を雲がかすめていくが覆われてしまうことは無い。
高層の薄曇りが日差しを適度に遮り稜線歩きは快適。
森林限界を超えいよいよシャクナゲが多くなってくる。
十数年ぶりの当たり年らしく1週間前のヤマレコではちょうど満開の記録がある。が、平石から宮之浦岳への斜面ではもう既に花期は過ぎ、落花してしまっている株がほとんど。少し遅かったようだ。
永田岳への分岐を過ぎ宮之浦岳本体の最後の急登。
花崗岩の巨岩を回り込むと宮之浦岳山頂到着。
山頂から伸びる稜線は幾重にもピークを連ね、果てしなく彼方へ続いている。
霞で海の水平線ははっきりしないが、ここが離島とは到底思えない山深さ。
梅雨のまっ最中の屋久島でここまで1滴も雨に降られなかったのも山並みを眺望出来るのも奇跡。
早朝に淀川口から登って来たという青年が一人。お互いにカメラを撮り合った。
いつまでも山頂に居たいところですが、まだまだ先が長いので淀川口へ向けて下山開始。
淀川へ向かう主稜線にはシャクナゲが谷を埋め尽くす様なところもあり開花が少し遅かったのかまだ花盛りの株も多く残っている。
正午を過ぎると前日の疲れも加わりちょっとした小ピークの登りでも足が上がらなくなる。
花之江河に着く頃にはもう歩きを楽しむ余裕は無かった。
余裕を見て16:00に下山口にタクシーを予約して正解だった。
焦って歩いてろくな事は起きないから。
淀川小屋に14:30到着。
ここから淀川口までは30分。
タクシーの予約時間には余裕ありすぎです。
時間調整を兼ね小屋裏の川で汲んだめっちゃ天然水のコーヒーブレイクとします。
小屋泊をしようとする人も皆無で静寂そのもの。
昨日からの山行をしみじみと振り返ります。
30分の休憩の後、下山口へ最後の1ピッチを踏み出します。
水平道かと思っていたらわずかなアップダウンがあり疲れ果てた足にきます。
最後に一気に高度を落として車道が見えたらそこがゴール。
淀川口到着です。
駐車場に既にタクシーが待っていました。昨日と同じ運転手さん。帰りも観光案内マシンガントーク炸裂です。動く乗り物では眠れない私にはありがたく、翌日のレンタカー観光のアドバイスを頂きました。ありがとうございます。
山麓安房のホテルへと送ってもらいました。
梅雨の真っ最中、連日の雨を覚悟しての山行でしたが、結局1滴も雨に降られることもなく縦走することが出来ました。山の神様に感謝感謝の山旅でした。
高塚小屋でご一緒させていただいたNです。
当日はおかげさまで楽しい時間を過ごすことができました、ありがとうございます。
ホントに天気に恵まれた山行になりましたね、2日後の今日は台風ですから驚きです。
また山でお会いできる日を楽しみに・・八ヶ岳にも行かないとですね!
高塚小屋ではお世話になりました。
あの日は孤独な一人旅でまさか小屋に人がいるとは思わず、Nさん、Kさんとお会い出来、またいろいろなお話を聞かせて頂き楽しいひとときでした。
翌朝はお休みのところご迷惑をおかけしました。
天気にも恵まれ本当に良い山行になりました。
夏にはkさんの働きっぷりを見に赤岳鉱泉に行きたいですね。
Nさんもお気を付けてこれからも楽しい山旅をお続け下さい。
またお会いしましょう。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する