鋸岳(第一高点)〜釜無川ルート・ビバークで1泊2日〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 30.5km
- 登り
- 2,580m
- 下り
- 2,587m
コースタイム
【6/15】8:15三角点ピーク-9:17第一高点(山頂標識)9:40-10:24三角点ピーク-11:22横岳峠-11:47富士川水源11:52-12:51悪沢出会-14:02駐車スペース
天候 | 晴れ(6/14)〜快晴(6/15) 風はほぼ無風〜5m程度 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
山頂、特に第一高点は絶景です。しかし、天気が悪いと苦労の割に…という感想を持ってしまうかもしれません。釜無川(富士川)増水時のリスクもあり、好天時に登ることを計画された方が良いと思います。まともな小屋がほぼ無いので、ツェルトは必携です。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドライト 2 BD リボルト(110ルーメン)・モンベルコンパクトライト(25ルーメン)
予備電池 1 単3リチウムx4(GPS用)、単4アルカリx3(ヘッドライト用)
GPS 1 Garmin eTrex20
GPS・高度計 1 SUUNTO AMBIT
保険証・免許証 1 ミニジップウォレットに入る
飲料 4.3L ハイドレーション3.4L、テルモス0.6L、ジェル0.3L
エイドキット 1 清浄綿から痛み止めまで一式
お財布 1 ホグロフス・2つ折財布
携帯電話 1 Docomo iPhone 5s
携帯USBバッテリ 1 2回フル充電できる容量のもの
レインウェア 1 ストームクルーザー上下
ウィンド 1 ノースフェイス・フライトシリーズウィンドベスト
スパッツ 2 保温用・CW-X
手袋 2 岩登り用・MHWエピック
ビニール袋 5 ゴミ入れ
行動食(固形) 3 しっとりケーキバー・パワーバー
行動食(ジェル) 4 ウィダーエネイドゼリー3、パワーバージェル1、
食事(ごはん) 4 カップヌードルミニ、アルファ米五目ご飯、ベビースターラーメン4、カシューナッツ
ビバークシュラフ 1 SOL エスケイプヴィヴィ
ツェルト 1 モンベル・ライトツェルト
細引き 1 6mm x 5m 自在金具つき
レジャーシート 1 2M x 1.5M
ウェットティシュ 1 アルコールタイプ2
タオル 1
ダウンベスト 1 フィルパワー800
地図 2 山と高原地図(甲斐駒)紙とデータ版
ストック(ツェルトポール) 1 手持ちで最も軽いもの
マット 1 銀マット 0.6x2.0M
ストーブ・コッヘル 1 エスビットコンロ・400MLシェラカップ
燃料 2 固形燃料 25分x2個
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感想
自分のホームグラウンド、愛鷹山の「鋸岳」。これと同じ名前を持ち、その中でも一番有名な赤石山脈の「鋸岳」に以前から登りたいと思っていました。金曜、残業して仕事を片付けてから支度をして山梨に乗り込みました。
途中仮眠をとったこともあり、登山開始は10時。すでに先客が6〜7台いたため、ゲートから2〜300mほど手前の道幅が広くなっているスペースに駐車。早朝ならゲート付近のスペースも空いているのではないかと思われます。登山道まではゲートから10キロほど工事用道路・林道を歩くことに。砂利道(一部舗装)で歩きやすい道です。あちこち法面工事が行われており、また、崖崩れの跡がちょいちょい見られることから一般車の通行止めはやむないのでしょう。行き帰りとも駐輪中のMTBを目撃しました。帰ってきてから調べると、このルートではメジャーな移動手段のようです。傾斜もゆるいため、登山道までの距離を考えると賢い選択ではないでしょうか。
工事用道路の終点(第6ダム飯場跡)からは自転車の進入ができない道になります。川沿いに遡上をはじめ、釜無川(富士川)の水源を通過します。日本三大急流の源流だけあり、上流にしては水量があります。両岸にそれぞれ道が付いていますが、途中切れたりとやや不明瞭。山と高原地図の注釈にもあるように増水で付け換わることが少なくないのでしょう。今回は(上流から下流に見て)左岸の道のほうが明瞭でした。とはいえ、目印テープも水に浸かった跡が見られたため、増水時は臨機応変に対応したほうがよさそうです(できれば違うルートを選んだほうが良いかも)。富士川水源付近に水場あり。非常に綺麗な水で、十分そのまま飲めそうです(今回は携行水量が多かったので利用せず)。
水源付近は渓流釣りのポイントでもあるようで、何人か釣り糸を垂らしていました。また、途中通過したログハウスにもテントを張っているフィッシャーがいたり、駐車時に測量作業の方に「何が釣れますか?」と聞かれたりと、このルートは登山者より釣り人のほうが多いのかもしれません。
しばらく登ると横岳峠に出ます。展望良いとなっていますが、この時期は草木が伸びているせいかあまりその感はありません。そこそこ広く平らなので宿営適地ですが、虫が多いため蚊帳のないツェルトやタープでは厳しそう。なお、次のポイントの三角点ピークまで、登る一方で高度がサクサク稼げるためモチベーションの維持に悪くないコースです。ただ、途中伐採によって道が複数分かれているところがあり、外れすぎると迷うなとも感じました。目印テープもあるのですが、木の皮がはがれていて(もしくはそういう木?)紛れて判別付きにくい箇所があります。やや注意。途中にいくつか展望ポイントがありますが、ピークの景色が良いので特に立ち止まらなくても良いと思います(登ってから気づくのですが…^^;)。
今回、三角点ピークについた時点で、時刻は15時を回りました。このポイントから最も近い宿泊可能な小屋は甲斐駒との間にある六合目石室(10人程度泊まれる無人小屋)ですが、ルートタイムで5時間以上かかります。日が長い6月とはいえ、さすがにこの時間の岩場のトラバースは危険と判断。2時間ほど下れば「大岩下ノ岩小屋」がありますが、ここは「小屋」とはいうものの張り出した大岩の下にスペースがあるのみで、実際に小屋があるわけではありません。水場もあるので普段なら魅力的ですが、今回は4L以上を携行している…。どうしようか考えているときに、三角点ピーク付近にツェルトなら1張りだけ張れそうなスペースを発見し、この日はここにビバークすることにしました。
所持していたのはモンベル・ライトツェルト、銀マット、エスケイプヴィヴィ。
下界(富士見町)の予報気温が高かった(最高25℃、最低13℃)ので、これで何とかなるかと思っていたんですが、少し甘かったです。ビバーク地点はほぼ標高2600メートル。富士見町の標高を900メートルとしても、0.6x17=10.2℃差があるわけで、深夜3時ごろにはそのとおり温度計が3℃を切っていました。ツェルトの口を絞り、ウィンドベスト・ダウンベスト・レインウェアを着こんでうつ伏せになってやっと寝れました(靴下は一年中冬山用を使っていますが、それでも寒かった)。大岩下ノ岩小屋なら600メートル近く標高を落とせるため、この点も考慮すべきだったと思います。
翌日はポケットストーブで湯を沸かし食事をとり、跡を残さないよう綺麗に片つけて出発。角兵衛沢の頭は見た目よりはかなり渡りやすく、マップタイムの時間で十分渡れます。ただ、景色に見とれて足元をおろそかにしないように。最後の第一高点への登りはそこそこ角度ありますが、クサリ等はありません。最後なのでここはガッツですね。三点支持がしっかりできていればそう簡単には滑らないと思います。ちなみに、岩に付いたアイゼンの跡もあったりして、上には上がいるんだなあ…と思わせてくれます。今のところ、自分はここを冬に登る勇気はありません。
途中の景色も良いのですが、第一高点は天気がよければ360度の眺めが楽しめます。ピークが狭いこともあって、そのスケールは半端なものではありません!八ヶ岳・甲斐駒・仙丈ケ岳・中央アルプス…名だたる山々をこれだけの迫力を持って見られるピークはそうそうないでしょう。今回は雲ひとつ無い奇跡的な好天で、一生ものの感動でした!
満足して少し下り始めたところで登ってくる人を発見!水源の釣り人以来…約20時間ぶりに人に会えたのがうれしくて、もう一度一緒に登り返して写真を撮ってもらいました。ちなみにその方は角兵衛沢から登ってきて刃渡りするとのこと。無事を祈って山頂で別れました。どうやら大丈夫だったようで、良かったです。
帰りはピストンなので詳細は省きます。第一高点からの下りがやや急で滑りやすいので注意。少し油断していたら、軽く滑って1本しかないCW-Xに穴を開けてしまい、ショックに打ちひしがれました(笑。あと、帰りの工事用道路は長いかな…。歩きやすくはあるんですが…。次来るときはMTB持参か、ピストンせず縦走すると思います。
【おまけ・ホームグラウンドの愛鷹山鋸岳との比較】
今回の行程は第一高点まででしたが、そこかしこ愛鷹山の鋸岳に似ていると感じました。サイズこそ違いますが、三角点ピークが蓬莱山、第一・第二高点が各ルンゼに相当する感じです。登山道の雰囲気もなんとなく似ていて、同じ名を持つ山だけあるなあ、と。愛鷹山の鋸が好きな人は、この赤石の鋸もお勧めできると思います。楽しいです!
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