記録ID: 4678185
全員に公開
アルパインクライミング
甲斐駒・北岳
北岳 バットレス第4尾根主稜
2022年09月11日(日) 〜
2022年09月12日(月)
山梨県
JetUpper
その他1人
体力度
4
1泊以上が適当
体力度について
- GPS
- 32:40
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 1,332m
- 下り
- 1,894m
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標高グラフを拡大コースタイム
1日目
- 山行
- 5:26
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 5:32
距離 3.4km
登り 996m
下り 185m
2日目
- 山行
- 6:31
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 6:57
距離 6.1km
登り 341m
下り 1,706m
17:43
ゴール地点
| 天候 | 両日快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス 自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
■下部岩壁 5尾根支稜 1ピッチ目 15m フリー 取りつき点から見える顕著なバンドをトラバース。 トラバース後に岩をまわりこんだところに支点あり。 2〜3ピッチ目 25m Jet リード フェース〜リッジ。序盤のクラックがやや難しいが、ハーケン豊富で安心して登れる。 4ピッチ目 50m ルンゼ コンテ ルンゼ。支点は3箇所あり。ロープ不要と感じたため、要所で肩がらみビレイしながら登る。 5ピッチ目 15m 横断バンド〜cガリー 50m jetフォロー〜コンテ ルンゼからバンド歩き。ザレでやや外傾気味の狭いスタンス。滑落注意。 バンドを抜けると浮石・落石注意のガリー登り。50m程のところに「4」の赤ペンキあり。 6ピッチ目 20m スラブ（ヒドゥンスラブ） コンテ 苔生した階段状のスラブ 始点および終了点の2箇所に支点あり。 苔や滲みだしあり、スリップ要注意。 終了点からは急な灌木帯を一登りすると4尾根取り付きテラスへ至る。 ■4尾根 1ピッチ目 40m ��⁺ jetリード クラック〜スラブ 出だしのクラックが核心。カム＃3使用 2ピッチ目 40m �掘�jetリード フェースを直上。容易 3ピッチ目 40m �掘�jetフォロー 強傾斜の白岩のクラック。クラック左のフェースにもピンがあるが、 やや難易度が上がる。 4ピッチ目 45m ��⁺ jetフォロー 小垂壁のクラック（��⁺）〜リッジ〜マッチ箱 クラック沿いにハーケンが連打されている。スタンスは細かいが、確実に拾えれば 落ちる心配はない。クラック沿いより右のカンテから回り込めば容易。 5ピッチ目 20m マッチ箱から左下のフェースに向かって20mの懸垂下降。懸垂支点2個所あり。 真直ぐ下降したところに松の木テラスへ続くフェースのテラスがある。 ビレイ点あり。 6ピッチ目 60m ��⁺ jetリード 出だしはフェースからカンテのラインを登り、左のルンゼへ入り直上する。 今回使用したロープ長が50mだったため、松の木テラスまで伸ばせず、10m直下の 岩を支点にやむなくピッチを切った。浮石のため、大きな荷重はかけられず慎重にビレイした。その後はかつての松の木テラス（実際はテラスではなく岩の割れ目に挟まった枯れた松の木を足場にビレイ）までの歩き。 7ピッチ目 40m jetフォロー 出だしリッジは支点後部のリッジを登り、分離したリッジのギャップを跨ぐが、慎重に。城塞ハング岩場のチムニー直下までリッジを縁に手を掛けながらトラバースする。チムニー直下のテラスには錆びたリングボルト×2、ハーケン×1あり。 8ピッチ目（最終ピッチ） ��⁺〜V 30m jetリード 核心の城塞ハング。チムニー登り。カム＃0.5、#1を使用。 ビレイ点のテラスは外傾しており、リードのビレイはややハンギングビレイとなる。 チムニー要所に残置ハーケンがあるが、最も欲しい箇所に打ってあるハーケンがグラついていたため、カムを使用。 チムニー核心部を抜け、一旦難易度が大きく下がるが、ハイ松帯への上部抜け口がやや難（�検法�ハイ松でフォローをビレイ。 10年以上前の崩落前には、岩場右から辿る容易なルートがあったとのこと。 以後はアプローチシューズに履き替え、山頂へ向かう踏み跡を辿れば一般道に合流する。 |
写真
土砂崩れでの通行止めが解除された初日となる本日、芦安第一駐車場にて6：30のバスを待つ
快晴の広河原、吊り橋より北岳を望む。久しぶりのマトモな登山、否が応にも高揚します
1ピッチ目リード 立ったフェイスからリッジへ。途中のクラックは18�圓離競奪�を背負っての突破にやや難儀しました
3ピッチ目フォロー。傾斜は強いが手足はしっかりあるので容易だが、念のためそのままロープを延ばす
ガレガレで容易に落石を引き起こすため、慎重に足を捌きながら上部を詰めていきます
側壁に「4」のペイント。こちらの苔生したスラブ「ヒドゥンスラブ」を直上（��⁺）します
容易ですが、苔や滲みだしでのスリップのリスクがあるため、念のため、後続をコンテで確保します
4尾根取付きに到着。小広いテラスになっている。1テン×4程度のスペースあり。
1ピッチ目の核心部をクリア。クラックの抜け口付近に残置カムがありました。
城塞ハング jetリード チムニー下部でカム＃0.5、1を使う。残置ハーケンが打たれているが、中間点のものはグラつきあり。全装重荷のザックで狭いチムニーのムーブは拷問でした。薄被りのチムニーを抜けホッとしたのも束の間、ハイマツ帯手前の抜け口がやや嫌らしい。終了点はハイ松帯。そこから山頂手前の一般道まで踏み跡の付いた急登を登る。
3
城塞ハング jetリード チムニー下部でカム＃0.5、1を使う。残置ハーケンが打たれているが、中間点のものはグラつきあり。全装重荷のザックで狭いチムニーのムーブは拷問でした。薄被りのチムニーを抜けホッとしたのも束の間、ハイマツ帯手前の抜け口がやや嫌らしい。終了点はハイ松帯。そこから山頂手前の一般道まで踏み跡の付いた急登を登る。
装備
| 共同装備 |
キャメロット＃0.4
＃0.5
#0.75
#1
#2
#3<br />ダブルロープ50m<br />クイックドロー×7
アルパインヌンチャク×6<br />テント（1名用）
|
|---|
感想
正直、バットレスのことは、ゲレンデ化したアルパインルートという誤った先入観があり、これまで興味が向かず、なんとなくいずれは登ることになるのかな、と夢想の程度でした。
1週間ほど前、たまたま今回のパートナーからバットレスに行きたいと打診があり、休暇調整していた日月に好天の予報となって初めて大雑把に予備知識を入れ、バタバタと前日になって準備を始め、慌ただしい出発となりました。
今回、4尾根取り付きでテン泊としたのは体力や足の揃わないパーティのため、快適性を犠牲にしてでも二日での確実な完登を優先した故ですが、実際に重装備でやってみるとまあ苦行のような登攀になってしまいました。
一方で実際に行ってみるとルーファイの楽しさ、フェース、チムニー、クラックなど多彩なルート展開に、終始高揚感と充実感をもって楽しむことが出来たのは大きな収穫であり、食わず嫌いは良くないと改めて認識できた山行になりました。
また到着して判明したことですが、落石での通行止めが解除された初日であったこと、天候不順続きだったなか、二日間晴天に恵まれたこと等、偶然とはいえ良いタイミングを掴めたことは僥倖でした。
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Alps1018 さん
ご参考までですが、Dガリー側から横断バンドを歩いた場合は、Cガリーに出る少し手前に上へ向かう湿った凹角があり、これを使うと樹林の中をより安全に4尾根取付まで登ることができます。
また、29枚目の写真の上から斜めに降りてきているバンドはピラミッドフェースへの登路ですね。こちらも面白いので、次はぜひ。
バットレスのCガリー寄りは昔から着実に崩壊が進んでおり、私が初めて登った2000年には既にマッチ箱の下のテラスは過去のものでしたし、事実上の終了点だった枯れ木テラスも2010年の崩壊で長居するのも恐ろしい場所になってしまいました。いずれマッチ箱自体もCガリーに倒壊するかもしれません。
そうなる前に、私ももう一度くらいはバットレスを登ってみたいと思っているところです。その際は、あらためてこちらの記録を参照させていただきたいと思います。
横断バンドから取付きまで直接繫ぐ登路があったのですね。気づきませんでした。
しかもガリーから巻くより安全にとは、使わない手はないですね。
抜け口は取付きの正面、テラスから一段下がったところでしょうか。
だとすれば、相方が適地とばかりに、そこで雉打ちをしたのは不味かったですね。
次回からは気を付けます。
余談が過ぎましたが、
ピラミッドフェースへの登路も情報を持たずに向かっては気づけませんでしたが、
実際に歩いた後に、このような情報を得ると、たいへんイメージがし易いですね。
いずれ機会を作ってチャレンジしたいと思います。
マッチ箱付近はいつ倒壊崩落してもおかしくないと感じました。
実際はテラスは消滅していますが、通称枯れ木テラスも、枯木が岩の割れ目を塞いでくれているお陰で
ビレイの足場として大いに役に立っていましたが、ビレイ点周辺が崩落すれば、ルートの難易度を
大きく左右することは間違いないですね。
ルートは不変ではなく、変化するものですが、アルパインルートは特に通過不可能になる恐れも大いにありますから行ける時に行っておきたいですね。
貴重な情報ありがとうございます。
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