八久和川上流部(ウシ沢下降〜東俣沢遡行)
山形県
yuta19921024
toomy
体力度について
- GPS
- 51:48
- 距離
- 30.9km
- 登り
- 2,765m
- 下り
- 2,771m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 7:26
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 8:01
| 天候 | 1日目晴れ 2日目晴れのち曇時々雨 3日目曇時々晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| その他周辺情報 | 大井川温泉ゆったり館 @300円 渓声庵 山菜そば @1200円 |
写真
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感想
八久和川のことを知ったのは山岳会に入って間もない頃。
会の先輩に潜水艦といわれるとてつもないサイズの岩魚がいること、沢旅系のルートとして最高峰のものだと聞かされた。
それから、数年たって沢のレベルも上がってきたが、下流部からやるのは時間がかかること、天気にかなり恵まれないといけないことなどから、行きたいなとは思いつつも中々実現しない山行だった。
そして、今回の9月三連休にどこに行こうかとなって、今年はあまりガッツリしたところに行くほど仕上がっていないこと、今年は魚釣りの楽しさに目覚めたこと、相方はそこまで強くないことなどを加味して、只見の袖沢御神楽沢に行こうとしていた。
そこで他の代替としていいところないかなと調べていたところ思いついたのが八久和川だった。調べてみると上流部は釣り人もよく入っているようで、ルート次第で難しくないルート取りができるのではないかと考えた。
釣りもしたいが、本流の綺麗な渓相も楽しみたい、ということで決めたルートが、天狗山〜ウシ沢下降〜八久和本流遡行〜東俣沢遡行〜天狗山というルートだった。
ウシ沢は釣り人の下降ルートとして使われており、東俣沢は中俣沢のエスケープとして使われているようだったので、難しそうな中俣沢の登攀をパスしつつ綺麗な沢歩きを楽しみつつ、釣りもしつつ、三連休でまとめられる計画としてちょうどいいかなと考えた。
そしてちょうど天気予報的にも山形は台風の影響を受けず3日間持ちそうな感じだったので、今回は八久和川で憧れの尺岩魚を釣ろう！ということになった。
金曜夜、とにかく車を走らせ、山形県まで移動する。少し前に葛根田まで車で行ったのでなんなら短く感じた。6時間くらいか。
土曜朝、南俣沢出会い登山口から登山を開始し、天狗山を目指す。途中2パーティ程、八久和川に入るパーティと会ったが、どちらも少し下流の登山道から入るパーティだったのでその後は会わなかった
天狗山まではC4.5時間ほどの登りで睡眠不足の体には中々堪える。その先から鞍部に移動し、そこからウシ沢の下降に入る。ほどなくして水が出始め、沢下降らしくなる。
すごく簡単というほどでもないが、ロープがいらないくらいの沢下降が続く。1回だけ残地ロープで懸垂した。
3時間弱くらいで無事本流に降り立ち、降り立ったところにすごくいい感じのBPがあったのでそこで止まることに決める。
そして、念願の釣り開始！
さっそく相方が25�僖�ラスを釣りあげる。自分も負けじと同サイズを釣り上げる。
この川では25�僖�ラスでも小さいくらいのようだ。
その後さらにお互い何匹か釣って、キープしたりリリースしたりしていたが、17時前くらいになってきたので、そろそろ今日は終わりかなーと思っていたところ、相方の竿に大きなアタリが！
大きすぎるせいか最初はなかなか引き寄せられずサイズ感がよくわからなかったが、少しずつ引き寄せたときにサイズを見るとなんじゃこれ！って大きさだった。これは逃げしてはならん！と自分が竿を持って、慎重に引き寄せつつ弱らせて、最後は水際に追い込んでタモ代わりの虫取り網でゲット！
持ってきていたメジャーで測ってみると35センチ！尺どころか尺1寸以上！驚いた！
その日はそれで満足したので、焚火タイムに入り、イワナ寿司や岩魚の塩焼きやイワナ茶漬け、骨酒を楽しんだ。贅沢で幸せな夜だった。
2日目、7時過ぎ出発。呂滝までは特にイベントなく、河原歩きが続く。呂滝では竿を出してみたが、竿が短すぎるのか釣れなかった。その後も歩きつつ、竿を出してみるがアタリはあるもののうまく釣れなかった
滝登りこそほとんどないが、このあたりは渓相が素晴らしくきれいで、呂滝上流はそれまでとは少し渓相が変わり、エメラルドグリーンの水と白い花崗岩のコントラストが素晴らしく、また天気にも恵まれ、本当に楽しい沢歩きだった。
この区間だけでも来てよかったと思えるほどだった
そんな感じで楽しんで進んでいくと、東俣沢の出会いまでたどり着き、中俣沢には入らず、東俣沢へと進んだ。
東俣沢は小滝が連続する感じの沢でしばらくはただただ上っていたが、途中で3連爆の小滝の3つ目を登ろうとしたら意外とヌレヌメで悪く、最初の滝まで戻って巻こうとするとこれがけっこう悪くて、尾根上に巻きあげられてしまった。
まだ滝はいくつも続きそうだし、尾根は稜線の登山道まで続いているようだったので、沢に戻るよりはこのまま藪漕ぎで尾根を上がってしまおうかなと思い、ひたすら藪漕ぎタイムに入る。
これが間違いで、上りはじめよりだんだんと藪漕ぎグレードが上がってきて、かなりパワフルな藪漕ぎとなってしまい、かなり大変で時間を食ってしまった。相方はこんながっつりな藪漕ぎは初めてだったようでかなり辛そうだった
結局4時間強藪漕ぎして、稜線登山道へ出るが、18時前で暗くなり始めており、相方の体力も尽きたので、小屋までたどり着けず稜線上でビバーグする。水不足と疲労困憊だったので少し行動食と水分を取り、あとはひたすら寝る。
3日目、夜明け前、5時前出発。相方の体力も回復し、1.5時間ほどで天狗山に到着。小屋で水を汲んだ後、スタッフさんと談笑し、天狗山頂でたっぷりの水を使って朝ごはんタイムとする。
アルファ米に茄子の肉みそ炒め、凝った食事でもないがめちゃくちゃ旨かった。これで完全に回復したので、あとはゆっくり登山道を下山。11時前には下山完了した。
その後は、近くの大井川温泉でゆっくり入浴して、近くの店でたっぷりの山菜そばを食べて、帰路についた。
今年は、転職、引っ越し、結婚と人生の転機が続き、プライベートの忙しさから思うように山に入ることができなかったが、魚釣りの楽しさがわかるようになり、別ベクトルでの沢登りを楽しむことができ、これはこれで充実したと思う。
このようにグレードだけを追い求めるのではなく、いろんな側面から山を楽しめるようでいたいなと思うし、いろんな引き出しを持っている人間でありたいなと思う。
そして、いくら忙しくてもそう思える程度には自分は山が好きなようで、これからも自分のペースで山を続けていきたいと思う。
それにしても八久和川は最高だった！
エメラルドの深い淵に、かかった魚が走っている。
糸を垂らせばヒットする、八久和川と夕まづめの相乗効果にすっかり良い気分にしてもらっていた時、逃げまどう魚影の横を悠々と泳ぐ魚体が現れた。
遠目でもわかる巨大な体躯と面構え。
尺イワナだ！
釣り上げたのは20cmサイズだったのでリリースしたが、初めて見た尺イワナに興奮しながら、もう一度淵の底にエサを沈める。
グググとあたり、グイグイ引いてくる。
しばらく走らせていると尺イワナが本当に針がかかっているのか疑いたくなるほど慌てる様子なく姿を見せた。
淵が深くかなり重いので引き上げることもできず、イワナのなすがまま。
近くにいたyutaを呼び、交代してもらう。
水面に上げられ、ガフガフ言うイワナ。
空気を吸わせて弱らせるためだそう。ガフガフさせられたまま、虫取り網が届くところまで引き寄せてもらったところ、案外おとなしく網に入っていった。
全国的に台風の影響がある中、山形は奇跡的に3日間持ちそうということで、八久和川へ。
前回の手焼沢ではアタリもなく、腕がないので山深い所まで行かないと釣れないと思っていたが、上流部だけの記録を調べると何だか沢山釣れそうな気がしてきた。
大井川沢からの登山道は結構な急登で、ウェットのタイツが暑い。久しぶりに山登りした感じ。
鞍部から少しの藪漕ぎで牛沢へ下降すると沢の水が気持ちよくて生き返った。
合流する八久和川本流の場所は正確には出合川というのだとか。源流域のわりに沢の幅が広く、沢というより川と感じるほどスケールが大きい。
コマス滝上からすぐの砂地に快適な幕営地があり、テントを張ってすぐに釣りに出かける。
良いポイントが多すぎて広河原まで行かなくても満足の釣果があがった。
夜は焚き火でイワナ料理を満喫する。イワナの刺身は初めてだったが、弾力があって臭みもなく、タイとかスズキみたいな味。
握るのが大変だが寿司は絶品だし、焼き枯らしでつくる骨酒もとても良い香りだった。
翌朝は天狗小屋目指して出発。
天気も良く稜線も見えて単純に歩いていても楽しい。
東俣沢に入ってから沢登りらしくなり、巻きが結構悪い。
途中の滝の巻いたまま沢筋に戻るのも大変そうだったので、そのまま尾根に上がってしまう。
そのままひたすら4時間近くの藪漕ぎで、日が暮れる前に何とか稜線の登山道に出た。
そこから天狗小屋までは2時間だが、脱水症状なのか身体が重く、動悸が収まらないのでビバークすることにした。
あまり食事は取れなかったが、たっぷり寝て翌朝は体調回復。
天狗角力取山の山頂で朝ごはんをたらふく食べると完全復活して気持ちよく下山した。
14時位に帰路について途中少し渋滞してたが家に着いたのは21時過ぎ。
ちょっと山形は遠かったけど充実の竿納め山行だった。
来年もまた八久和川に行きたい。
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