恐怖のホワイトアウト!白馬岳での出来事


- GPS
- 09:31
- 距離
- 12.7km
- 登り
- 1,841m
- 下り
- 1,765m
コースタイム
5:10 白馬尻山荘〜5:16
8:20 白馬 - 根石線に合流
9:11 頂上宿舎上の分岐
9:25 白馬山荘〜9:42
9:58 白馬岳〜10:10
10:20 白馬山荘〜10:30
10:38 頂上宿舎上の分岐
10:43 頂上宿舎〜11:12
11:45 避難小屋
12:00 葱平
12:56 白馬尻山荘〜13:03
13:48 猿倉荘
天候 | 朝のうちは曇り、 時間の経過というよりは、標高を上げていくにつれて濃霧に包まれました。 小雨なのか霧なのか程度の雨が時折舞ったので、カッパは着たり脱いだりしていました。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
道の駅白馬から、だいたい15kmほどです。 この時は全部で10台くらいしかなかったので、山荘のすぐ下に停める事が出来ました。 24時間使用可能な水場とトイレあり、チップ制。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
適期に行った事がないので比べようがありませんが、 この時期はまだまだ雪が多く、軽アイゼンではとてもじゃないけれど無理でした。 大雪渓を小一時間進んだら、そこから先は真っ直ぐになど歩けず、 大きくジグザグして進みました。 ホワイトアウトしてしまった時は、全くどの方向に進んでいいかわかりませんでした。 |
写真
感想
もともと4日間で「猿倉〜扇沢」を計画していただけあって、縦走後の1日も空いていました。
せっかくこのエリアにいるという事と、
翌日に帰るとおそらく最後の「ETC土日5割引」が適用されるという事で、
では白馬に大雪渓からピストンしようではないか♪
天気予報は「一日中曇り、夜から雨」と、大展望の期待は出来ない事はわかりきっていたのですが、
この山はきっと何度か訪れる、展望はその時でもいいさ♪という考えから、大雪渓を歩く事を優先させました。
ですが、大雪渓とはどういったコースなのかよく下調べをしていなかった甘さが、
本当に危険極まりない山行になってしまいました。
このことは大反省し、以降の山行に活かしていきたいと思います。
ヘッドライトを灯し、朝の4:15に出発。
白馬尻山荘に着く頃にはとっくにお日様も登り、ライトはしまっていました。
アイゼンを履き、いよいよ大雪渓に挑みます。
全体の1/3くらいまでは緩やかな傾斜なのですが、その先は目に見えて急な坂道に変わります。
真っ直ぐなどとてもじゃないが歩けず、左右いっぱいに使ってジグザグに登ります。
途中、雪渓のど真ん中辺りにあると思われる、雪上から陸上に登り上げる箇所に気づくことが出来ず、
通り過ぎてしまいました。
これは、ここで登らなければいけない事を知らなかったのもありますが、
途中で話した方は、知っていたけど全然分からずに通り過ぎてしまったとの事でした。
葱平あたりを右手に見て、自分は乗り損ねた陸地の左側を延々と雪渓歩きしてしまいました。
雪渓が切れたところで、まるで進めない蟻地獄の様なガレ場にたどり着きます。
こんな場所を行列が通るわけがない!と、ルートを誤ったことに気がつきました。
ぐーーっと下って戻るのがベストだったのでしょうけれど、
その時の心理は、もちろん高度を下げたくない!状態だったことは言うまでもありません。
なんとかその場から無理やり北に移動することが出来そうだったので、平行移動。
無事に向こう側の雪渓に降り立つことが出来ました。
しかし結果として、その雪渓自体、また本筋とは違った場所でした。
人が歩いた気配を微塵も感じない広大な雪の中、そしてこの辺で完全にホワイトアウトしてしまいました。
地図とコンパスを取り出し、じっくりと考えました。
「この方向に歩けば、自分が今どこにいるにせよ「大雪渓 - 頂上宿舎間」か「杓子岳 - 白馬岳間」に出るであろう」
その結論を出し、今まで歩いたことのない急斜面を、一歩一歩歯を食い込ませながら登りあげました。
最後の岩場を強引に登ると、とうとう左右に伸びる登山道に合流!
この時のホッとした感は半端なかったです!!
どちらの登山道に出たにせよ、右に進めば白馬山頂方面ということもわかっているので、
アイゼンを外し、ひたすら歩きます。
アップダウンを繰り返すこと50分、ようやく頂上宿舎上の十字路分岐点に到着。
となると、もう間もなく杓子岳ってとこまで歩いて行ってしまってたんですね…恐ろしい…
しかしそこから先は安心して進める登山道♪
かなり真っ白でしたが、無事に山頂を往復し、白馬山荘、頂上宿舎と歩けました。
頂上宿舎にて、この先大雪渓までの様子を確認。
すると、なんと小屋の方も本日「ちょっと下の避難小屋の様子を見に行って、ホワイトアウトで迷った」と言うのです。
どうすればいいか聞いても、どうしようもないの返答のみ。
それでも、どれくらいの距離感で避難小屋があるのかとか、ロープがあるのかとか、
可能な限り詳しく教えていただきながら、気持ちを落ち着かせるために温かいうどんを食べました。
小屋を出るととても寒く、行く先もまるで見えず、不安でいっぱいでした。
言われた通りに歩いて行くも、なかなかたどり着かない避難小屋。
どうしようか迷っていたところに「ザクッ…ザクッ…」とアイゼンの音が!
「誰かいますかーーー!!??」と大声で問うと、遠くから女性の声が帰ってきました!
喜んで近づき、状況を教えてもらえました。そしてもう間もなく小屋もあることも確認。
小屋が見えたらこっちの方向に歩いて、こう進んでください、とまるで天の声を聞いているようでした。
もちろんこちらも頂上宿舎へ向かうにはもう少し右へ軌道修正したほうがよい事を伝えお別れ。
避難小屋、目の前の目の前まで行かぬ限り存在を確認できないほどの濃霧の中、ようやく発見。
そしてその直後にも2組3人の方が相次いで登ってきたので、お互いの情報交換を時間を惜しまず行いました。
やっとこ大雪渓に辿り着き、眼下に広がる光景を目にしました。
尻山荘までの間に、途中で引き返した合計3名の方と話しながら、その決断力を褒め称えました。
山荘でアイゼンやカッパ類を外し、最後の1時間はのんびりとトレッキング。
車に着いた時は、今度は脱力感が襲って来た事は言うまでもありません。
人が多く歩く登山道でも、状況次第ではこのような恐ろしい事態が発生する。
それを勉強でき、無事に生還することが出来て本当によかったです。
いつになるかはわかりませんが、白馬三山や雪倉岳の方からのリベンジをしよう!
PS
白馬駅から猿倉に向かう途中に見かけた看板で超ビックリ!!
「ペンションクヌルプこの先→」でテンションがものすごく上がりました。
なんのことかと言うと、高校生の頃にはまった「かまいたちの夜」と言うゲームの撮影に使われた現場なのです。
思い返せばエンディングで「長野県白馬村」って書いてあった気がするな〜
で、大好きなゲームのその現場前を通れることに興奮したわけですが、
さらに言うと、偶然にもこの日車で聞いてきたCDがまさにそのゲームのサントラだったのです!!
帰りにサクッと写真を撮っただけですが、なんだか嬉しい出来事でした♪
白馬岳大雪渓のホワイトアウト、怖ろしい目に遭いましたね。私達も数年前の6月に、槍に向かう途中の大曲付近で雪渓で道迷いして谷筋に入り込み、九死に一生を得た事があります。nosterさんの地図のトレースを見ると白馬から杓子の尾根の最低鞍部に辿りついたようですね。貴重な経験できて、今後の山行に役立つと思います。
時間帯的におそらくそうだと思います。
避難小屋の下の方で、誰かいますか?と大声で声をかけてくれた方ですよね?
あの真っ白さは今まで体験したことがなく、同じルートを歩いたことがある私達でさえさっぱりわからなくなってしまいました。
その先の道筋を教えていただいたおかげで無事に避難小屋とその先の山荘まで進むことが出来ました。
本当にありがとうございました。
一歩間違うと、どころか…
自分の中では「他人に迷惑をかけてこそいないが」遭難した位置づけの山行です。
事前にルートを確認しなかった甘さ、ホワイトアウトした時点で撤退出来なかった判断力。
結果としては山頂を踏む事が出来、無事に下山する事が出来ているので、
大事に感じられないかもしれないですが、
完全に山をなめていた結果です。
これこそ今後の山行に大きく役立てなければいけない大切な経験。
同じ過ちは繰り返さないことを誓います。
紫の上着を着ていた方ですよね!?!?!?
避難小屋から小雪渓の間ほどで、大雪渓までの道のりを教えて頂いた!
こちらこそ!おかげで無事に帰り着くことが出来ました。
本当にありがとうございました。
実はあのあと、もう一度よくわからなくなってしまい、
その後に来た方にも教えてもらって葱平までたどり着けました。
お互い無事に下山出来て本当によかったです♪
でもねっ!!nosterさん、
記録を拝読させてもらい、いい経験だったのではと思います。
しかし一歩間違えば、いい経験でしたねでは済みませんからね。
この経験をこれからの山行に生かしてください。
雪渓歩行は12本爪アイゼンで正解でした〜♬
結果は問題なかったので「いい経験だった」で済みましたが、
次もこのように幸運が続くとは限らないですもんね!
撤退する勇気を必ず持参して、笑顔で山歩きを続けることを誓います!
アイゼンも、ハイシーズンは軽でいいみたいですけど、
この時期はとてもじゃないけど前爪必要でしたね、あぶねーあぶねー。
この記事に今朝気づいたんです。
後立山縦走のあとにこんなことがあったのね〜。
びっくりです。
ほんとにー、無事だから良かったよぉ?ヾ(。`Д´。)ノ彡☆ぷんぷん
生き別れの姉か妹として今回は怒ってあげます。
拍手も「本当に無事でよかった」という意味で送ります。
次回は素晴らしい白馬の記憶に塗りかえましょう!!
そうだったのです!そんな出来事があったんですよねーさん!!
無事に帰還したので、許してやってください(>_<)
青い空の下に広がる大雪渓、この次はそんな最高の景色を楽しみにしてます♪
ああ、でもきっと次は大雪渓じゃないな。
不帰キレットからかな〜
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