苦痛の林道歩き40�劼罰泪�岳
岐阜県
orochi
- GPS
- 49:00
- 距離
- 59.1km
- 登り
- 3,626m
- 下り
- 3,626m
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17:00中山口バス停‐18:20第一ゲート-19:40第二ゲート‐20:40池の尾発電所‐21:10標高1070m付近（途中計30分程度休憩）
8月12日（火）
5:25幕営地‐6:10双六川ダム（入渓準備）6:30‐7:00入渓（巻き道を見たりするが殆ど進めず撤退）9:00‐12:30第一ゲート‐14:40中山口バス停（途中計1時間程度休憩、この後バスで奥飛騨リバーサイドキャンプ場へ）
8月13日（水）
（幕営地からタクシーで移動）6:30槍見館‐10:30雷鳥岩‐12:20笠ヶ岳‐12:35笠ヶ岳山荘（幕営地使用料支払い等）13:05‐13:10テント場（途中計40分ほど休憩）
8月14日（木）
4:45幕営地‐5:25笠新道分岐‐6:10杓子平‐7:55右俣林道‐8:35新穂高温泉バス停‐9:10中尾温泉高原口（途中計40分程度休憩）
| 天候 | 8月11日：曇り時々晴れ 8月12日：雨のち晴れ 8月13日：晴れのち曇り 8月14日：曇りのち雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス タクシー
http://www.nouhibus.co.jp/new/2013-0401k-toyama.pdf アルピコ交通・濃飛バス共同運行 新穂高温泉〜平湯温泉〜松本バスターミナル： http://www.alpico.co.jp/access/express/matsumoto_takayama/ |
| コース状況／ 危険箇所等 |
※標高グラフでは前半と後半のルート間がつながっていますが、実際にはバス等で移動しています。 金木戸林道：双六川ダムまで工事用車両が入るので何も問題ありません。打込谷に行く場合森林軌道跡に入る必要がありますが、そのまま真っ直ぐ踏み跡を進むと小倉谷出合の先で実質的に行き止まりになります。 クリヤ谷コース：基本的に整備されており問題ありませんが、数か所渡渉する必要があり、特にやや上流の1箇所については増水時は通行不可になると思われます。雷鳥岩付近が森林限界です。 笠ヶ岳〜笠新道：抜戸岳までは気持ちの良い稜線歩きです。笠新道は杓子平以外ひたすら急斜につけられたジグザグの道を進みますが、危険個所はありません。上部はやや岩っぽい感じです。森林限界は杓子平です。 |
| その他周辺情報 | ○登山ポスト クリヤ谷コースの入り口に設置されています。また、笠新道の場合は新穂高温泉バス停の近くの登山指導センターで提出できるようです。 ○温泉情報 新穂高の湯：蒲田川にかかる橋を左岸へ渡り河原へ降りたところにある小さな公共露天風呂です（無料＆混浴）。Yahooの画像検索で大量に出ます。 ひがくの湯：新穂高の湯よりも数100m上流側にある日帰り温泉施設です。風呂は露天風呂のみ（大人700円）。食事場所あり。 |
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感想
まず、なぜこのような二つに分断されたルートになったかですが…。
本来は金木戸川支流打込谷を遡行して笠ヶ岳に詰めあげた後、あわよくば槍ヶ岳方面に縦走しようと考えていました。…が、悪天やルートファインディングミスが重なり、沢登りを断念して登山道から再入山することにしたためです。
なかなか思い通りにはいかないものですね。
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8月11日（月）
久々に青春18きっぷでアプローチ。東京から中央本線→大糸線→北陸本線と乗り継ぎ、さらに富山駅からバスに乗り換え神岡営業所経由で中山口バス停へ向かう。歩き始めるまでに10時間以上を要する長いアプローチだ。
大糸線の南小谷駅で暫く時間があったので一旦降りたが、沿線の姫川が台風の影響か濁流と化しており、見ているだけで恐怖を感じるレベルた。双六川がこの状態なら遡行は不可能である。
中山口バス停に着き双六川を眺めると、濁ってはいるものの姫川のような状態ではない。ギリギリ行けるか？
まずは車道を金木戸発電所先の第一ゲート（標高610m）まで歩く。
ここまでは車で入れるので、通常はここから歩き始めるが、今回は公共交通機関利用のため1時間半のプラスだ。途中の尻高集落で「ここを歩く登山者はほとんど見かけないけれどどこに行くのか」ということで声をかけられ、10分ほどこれからのルートなどについて立ち話。
第一ゲートには明るいうちに到着。赤い車が一台停まっていた。
さて、ここから徐々に暗くなる。夜の林道歩きは慣れてはいるものの、全体的にジメジメしており途中無数にある岩をくり抜いて造られたトンネルを通るたびに水が滴ってきて、あまり気分が良いものではない。
50分歩いて10分休憩のペースで進む。
50mザイルや登攀具、5日分の幕営装備などで荷物は25kg程度はありそう（計ってないけど）。登山靴と相性の悪い舗装路ということもあり、足への負担は少なくない。
第二ゲート（標高850m付近）を通過し急峻な斜面をトラバースするようにつけられた林道を黙々と進むと、オレンジ色の照明を受けて鈍く輝く金木戸ダムが見えてくる。
北ノ俣/広河原の分岐を広河原方面に進むが流石に疲れてきたので、ある程度道幅が広くなるべくジメジメしていないところにツェルトを張り就寝。
8月12日（火）
ほぼ日の出とともに出られるよう準備するが、ツェルトをたたみ終わるか終らないかのタイミングでポツリポツリと雨が降り出す。天気予報を聞く限りあまり良くなる見込みがないためこの時点で敗退の2文字がよぎるが、とりあえず入渓点付近までは行って様子を見ることにする。
昨日は真っ暗で気付きようがなかったが、巨岩が織り成す渓谷に流れる水はエメラルドグリーンで噂に違えず美しい。空が曇っていてもこの色なのが何とも不思議だ。
ほどなく双六川ダムに到着するが雨はだんだんと強くなる。
さて、この時は気付かなかったのだが、ここで重大なミスを犯してしまった。
打込谷に入渓するには双六川ダム周辺から右岸につけられた森林軌道を辿る必要があるが、ダムから真っ直ぐ伸びる踏み跡をこれと勘違いし、周囲をよく確認せずにそのまま進んでしまったのである。
小倉谷出合を過ぎ5分ほど進むと監視カメラ（？）のようなものが枝の先に括り付けられており、ここから急に踏み跡が不明瞭になる。だが、もともと途中から軌道が不明瞭になるという情報があったため、このまま進むのだろうと思いこみ、さらに進んでいくが踏み跡はほとんど藪と化してしまう。
「おかしいなぁ」と思いながら進むと踏み跡は金木戸川本流へ下っていく。
これはまずいと思い、強引に左の急斜面をトラバースしていくが、藪はひどくなり途中でほぼ崖のようになってしまったので、引き返す。
しょうがないので、さきほどの踏み跡を使い金木戸川本流に下り、右岸を進み始めるが、20m足らずで前方の激流になすすべなく撤退…。
ならばと、今度はギリギリ渡渉できそうな浅瀬を使って左岸に渡るが、こちらも深く早い流れが行く手を阻む。結局ほとんど水には入らず露岩を何度か強引に巻きながら進むが、やがて20mほどの垂壁が出現。懸垂で降りるとその先で詰まった場合完全に閉じ込められるのは目に見えている。
雨足も弱くなる気配が無いので、これ以上この周辺にいるのは危険すぎると判断し、撤退決定。打込谷に入渓すらしておらず、自分史上最速の敗退である。
ダム周辺で1日待ったところで水量などの状況が大きく変わるとは思えなかったので引き返すことにするが、この先に待っているのは片道約20�劼領啼察�。。足がもつだろうか。。。
雨はさらに強くなり、昨日寝たところは濡れてぐちゃぐちゃになっていた。。
金木戸ダムの先でパワーショベルが忙しくアームを動かしていた。やはりこのような林道を常時通行可能な状態に保つのは並大抵ではないのだろう。
途中で何台か車とすれ違った。一般車は通行止めなのでダム関係の車両と思われる。
第一ゲート付近で雨がおさまってくるが、天気はすっきりしない。
ゲートからは本格的に足が痛くなり、30分進んでは10分休むようなノロノロペースで行く。なんども道端にザックを下ろしながら進み、へろへろになりながら中山口バス停にたどり着いた。本山行の核心はこの車道でした。
ま・っ・た・く・何・を・し・に・き・た・か・分・か・り・ま・せ・ん
さて、北アルプスまで来てジメジメした林道の往復だけで終わるのは悲しすぎるので、今日はとりあえずどこかに泊まり、明日以降の予定は今晩考えることにする。
昭文社の地図を開くと、栃尾温泉のあたりにある「奥飛騨リバーサイドキャンプ」が目に留まったので、電話をかけて泊まれることを確認してからバスでキャンプ場に向かう。
キャンプ場はには、何組かのキャンパーがいたがスペースは十分あり、木と木の間にチロリアンブリッジでザイルを張り、ツェルトを設営。
本山行で唯一ザイルと登攀具が役に立ちました(笑)
さて、明日の予定であるが、笠ヶ岳への登路であるクリヤ谷ルートと笠新道はどちらもエスケープルートにとっておいたので、これらのルートを利用して1泊2日で笠ヶ岳に登ることにする。登り口である中尾高原口までは少々距離があるがめちゃくちゃ長いわけでもないので、タクシーを利用することに決める。
これまた昭文社の地図に載っていた「宝タクシー」に電話をかけて、明日朝6時に奥飛騨リバーサイドキャンプ場のそばの橋の国道側に来てもらうことにした。明日はわりと天気が良いらしい。
8月13日（水）
起床して空を見ると幸い雲一つない青空。
予約した時間に橋の袂で待っていたが、ギリギリになってもタクシーが来ない。
するとタクシー会社から電話があり、よく聞いてみると、場所を平湯のキャンプ場と勘違いしたとのこと。正確に名称を伝えたはずなのだが…（「キャンプ場」しか伝わってないじゃん。。。）
タクシーは槍見館まで入れるのでここから登山開始。昨日足にできた水ぶくれが痛い。
ザイルと登攀具、沢足袋などはこうなっては邪魔でしかないので、登山口付近に書置きとともにデポしておく。盗られて困るものではあるが、だれかが盗って得するものではないので大丈夫だろう(笑)
お盆のアルプスといえど、槍穂ほどメジャーでないため人は少ない。
山頂までは5パーティほどを追い抜いたのみで、下山してくる人には誰も会わなかった。
クリヤ谷の大滝を過ぎると一か所目の渡渉点。通過の際に足首くらいまで水に浸かった。
標高1400mあたりで錫杖岳の見事な岩壁が頭上に展開する。
しばらくは沢沿いの道で数回渡渉を行うが、最後の渡渉のみ靴を脱いで通過する必要があった。本格的に増水している場合渡渉不可だろう。
中腹は笹原が続く。やや単調だ。
だんだんと傾斜がきつくなり、徐々に岩っぽいところも出てくるようになる。
クリヤの頭からは笹原からハイマツ帯へと変化し、雷鳥岩までくると急に視界が開けて笠ヶ岳の山頂まで一望できるようになる。しばらく休憩。
雷鳥岩の先で、ハイマツの中から「クッ、クッ、クッ」と声がするので振り返ると、
本物の雷鳥が（特にこちらを気にする様子も無く）歩き回っていた。
この先、登山道は緩やかに標高を上げ、右手には槍穂の岩稜も姿を現す。
斜面はチングルマなどの高山植物が彩っており、久々のアルプスを実感する。
山頂に立つと、テント場にたくさんのテントが張られているのが見えた。
笠新道から来ている人が多いのかな？
山頂は北アルプスの宝石「小倉谷」を詰めあげた地点でもある。谷を下流へ追うと、昨日敗退した地点も眺めることが出来た。もともと登山道から登る予定だったのなら何の問題もないけれど、沢を遡行する計画を立てておいて登山道から登ると、どうもロープウェーを使って登ったようなインチキくさい感じがしてしまう(^^;
山荘で幕営の申し込みをして、5分ほどガレ場を下ったところにあるテン場に向かう。水場はテン場の脇の雪渓下から汲めるが、トイレが山荘にしかないため、若干面倒だ。
早めの時間に幕営したため結構空きがあったが、次々にパティーが到着してスペースはみるみる埋まっていった。
どうも天候が安定せず、周囲の山は見えたり隠れたり。
夜のはじめ頃は北斗七星が綺麗に見えていた時もあったが、その後若干風が出て、何度か通り雨もあった。
8月14日（木）
今日は笠新道から下山する。
天気が崩れるとのことなので、日の出前に出発する。
上空は厚い層雲が覆っているため暗い。
抜戸岳の分岐で笠新道に入る。杓子平から振り返ると、さきほどいた稜線はすでに白いガスに覆われていた。
杓子平が森林限界で、そのあとはひたすら樹林帯の急坂を下っていく。
上部はやや岩っぽいが全く危険は無い。時々登山道脇の高山植物が目を楽しませてくれる。
下部は樹林帯となり歩きやすいので、ほとんど駆け下るようにして下る（自然にスピードが出てしまうんです(^^;)） 林道に近づくほど、多くの登山者とすれ違うようになった。
3時間強で林道着！
あとはだらだらと林道を下っていくが、この間も多くの登山者とすれ違った。
通常は新穂高温泉バス停で終了となるが、デポを回収する必要があるため、さらに中尾高原口バス停まで歩く。本当にアスファルト歩きの多い山行だ。
バス停に着き無事にデポを回収。
さて、温泉でもと思ったところ、日帰りの入浴施設「新穂高の湯」がすぐそばにあるということなので、さっと入って汗を流す。
なお、予備知識ゼロで新穂高の湯に行ったが、蒲田川右岸の河原の巨岩を利用して造られた簡易な入浴施設で、無料、男女混浴、上の橋からは入浴風景を好きなだけ「見学」できるWILDな温泉だった。
さて、温泉から上がった途端雨が降り出したので、しばらくバス停脇の砂防資料館を見学がてら雨宿り。早めに下山して良かった!(^^)!
そのうち、濃飛バスとアルピコ交通の共同運行する松本行きのバスがやってきたので、乗り込んで帰途についた。
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天候はどうにもなりませんが、入渓点の情報はしっかり把握しておかなければならないことを痛感しました。今回バックアップで南アルプスの沢を計画していたのですが、大き目の企画を2本並行して立てていたことでそれぞれの計画が若干疎かになっていた感は否めません。
水はとても美しく、またいつかトライしたいところですが、第一ゲートまでは車で入る計画にしようと思います(笑)
なお、3000m近い稜線におけるツェルトでの幕営は初めてでしたが、本格的に風が強くなるとツェルトでは限界がありそうなので、沢登りでも場合によってはテントを持参した方が良いかと感じました。
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