氷ノ山でまさかの上りも下りもラッセルと恐怖のハマり


- GPS
- 09:38
- 距離
- 11.1km
- 登り
- 975m
- 下り
- 979m
コースタイム
- 山行
- 7:57
- 休憩
- 1:41
- 合計
- 9:38
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
親水公園の登山ポストはトイレの建物が冬季閉鎖で出すことが出来なかった。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
まだ根雪が無くハマるところでは深くまでハマるし浅いところでは下の石や木の根に当たるので結構歩きにくくいずれにしても時間がかかる。 根雪になるまでは時間に十分ゆとりを持って入りたい。 |
写真
スノーシューでも常時膝くらいまでのラッセルが氷ノ山越直下まで続いて疲れた上に予定よりだいぶ時間食ってしまった。
この感じだと何人もの方が通ったと思われ、ラッセル続けてきていきなり実は数日前にはだいぶ人が通ったと分かってびっくり。
こんな所に道は無かったはずと思いながら考えたら、踏み跡は新しいからもしかすると自分に先行して地蔵堂過ぎたところで左に、とうろう岩尾根に向かったと思われる方が山頂への直登が雪庇か何かで危なくてこちらにトラバース気味に上がってこられたのかと想像。
ただそのあと山頂避難小屋でもそれらしき方はおられなかったし、少なくとも東尾根方向への踏み跡も無かったから、自分がゆっくり上がってくる間にすでに山頂にも行ってピストンでここから下って行かれた後だったのかも。
そうだとするとほんと強い方だ。
上り最後に2人下ってこられる方とすれ違ったし、おそらくとうろう岩尾根に行かれた方と自分含めたらこの日氷ノ山の北側は少なくとも6人は入ったと思う。
このルートも代表的一般ルートなのでまさかトレースが無いなんて思ってもいなかった。
親水公園からの上りでもラッセルになって時間食ってるのでどうしようか迷ったが、おそらくトレース無くても迷うことはないだろうと進むことに。
下りていけばそのうち雪も浅くトレースも出てくるとは思うもののやはり時間が気になってくる。
しかしこの時点ではまだ16時くらいに東尾根避難小屋着いて飯食べようなどと楽観的に考えてた。
そして左足は先が枝か根っこの下に入ってしまったようで上げようとしてもまったく上がってこなくなってしまった。
ザックを外すことも出来ずにあがきまくって右足はなんとか救出。
トレースの無い状況と時間も考えて一瞬パニックになりかけたが、まずは右足の下を固めてこれ以上沈まないようにする。
左足を持ち上げようにも先は上げられないしましてや外すことなんて不可能。
スノーシューって後ろには進められない仕組みになってるから掘り起こす以外方法は無い。
しかし腰まで雪にハマってザックも下ろせず左足はまったく動かせず、掘り起こすってどうやればいいのかも分からない。
考えたあげく左手でスノーシューの後ろあたりを掘っていってスノーシューのテールを掴んで引きずり上げることに。
身体不自然にねじって必死に何度も雪をかき上げ、やっと掴んだのはヒールリフター。
こんなもの掴んだって雪の抵抗で本体は引っこ抜けないのが、場所は分かったので無理に身体ねじってもっと後ろを掘っていく。
もう腰もおかしくなりそうで半泣きになった頃についにテールを掴む。
一気に引き上げようにも身体が上手く固定出来ないので何度も勢いつけて引っ張ってやっと救出。
長く感じたが実際は10分くらいなのか。
この写真はそれからしばらく動けなくて放心した後立ち上がる前に撮ったものだが、左足は真下に埋まって見えない状態だった。
手袋テムレスでよかった。
このあたりから明らかなトレース痕がずっと分かるようになってくる。
この雪の状態なら普通ならつぼ足かと思ったが、ここまで来たらもう慎重を期そうとアイゼン着けることに。
この季節、山の中は17時には暗くなってしまうし、そのあとスキー場から駐車場までも歩いて下りなければならないのでとても食べてる余裕なんて無し。
中をのぞくことも無く素通りで下りるのを急ぐ。
途中16時に東尾根避難小屋で飯が無理となってもなんとか17時までに登山口まで下りれればそのあたりにある炊事棟で飯食べれるかななどとも考えてたが、写真ではiPhoneが勝手に補正して明るいが実際はもう夕暮れ。
駐車場まであと1時間かかるかもと思うとここで食べてる余裕も無し。
おかげで林道回るよりだいぶ早く下りることが出来た。
この滑走面の雪はまだあまり深くなく、せいぜい2〜30センチか。
そこらじゅう下草ものぞいてる状態だったので営業開始出来ないのも納得。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
アイゼン
スノーシュー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
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感想
先週氷ノ山に登った後、また寒波が来て日本海側は一降りあったとのことなのでもう一度違うコースで氷ノ山周回に。
以前も雪の季節にこの逆回りで来たことがあったが、その時は東尾根の方は人沢山でトレースはっきり、その後氷ノ山越えからの下りもトレース痕ははっきり分かる状態の上途中で山頂小屋泊まりだという方とすれ違い、その後は踏み跡クッキリでほとんどラッセルらしきこともせずに済んだ。
なので今回も少なくとも東尾根にはトレースあるだろうなと楽観的に計画。
ところが予想は完全に外れ、親水公園からの上りでは最初は先行の踏み跡があったものの、一番吹溜まる区間はうっすらトレース痕が分かるか分からないところもあって、スノーシュー履いててもずっと膝前後のラッセル。
スノーシューが雪の中から浮き上がってこないために前に進むのにもろに抵抗受けてこの上りだけで疲れてしまった。
それでも氷ノ山越えまで来ると鳥取側から何人かの通ったトレースがあり、ここから先はもう楽なはずと安心してゆっくり飯にしてから山頂に。
まあ時間も押してるし飯も氷ノ山越えで食べたからと山頂避難小屋では休まず東尾根への道に入ったらまさかまさかのトレース無し。
踏み込んでみれば膝上くらいまで潜る。
それでも道はだいたい分かるし、古生沼あたりは緩い下りで楽なので、この部分は吹溜まっていてもその先まで下りてしまえばおそらくトレース痕も分かるようになるだろうと自分を励まして突入。
しかししばらく行ってこれはトレースの上を少し外したなと進路修正しているところに事件は起こる。
いきなり両足とも腰くらいまでストンと落ちていく。
一瞬焦りで時間をスローモーションのように感じ、左足先が何かの下にすっぽり入ってしまうのも感じたがどうしようもなかった。
状況は写真に書いたが、とにかく冷静を保つためによく考えた。
ザックが浮力や抵抗になってくれてるかもしれないから外さない方が良いかもしれない。
とにかくまだ自分で動かせる右足をこれ以上沈まないうちになんとか引き抜くためにはザックに寄りかかり反り返るしかない。
なんとか引っこ抜いた右足はまた沈まず左足を抜くための足場にするためにも下をよく踏み固める。
左足は先が枝か根っこみたいなものにスリッパ履くようにすっぽり入ってしまってるから後ろに引っ張り出すしかない。
スノーシューは後ろに進むようには出来てないから履いてる左足いくら後ろにやっても上がっては来ない。
左手でテールを掴んで引っこ抜くしかない。
とにかく腰捻って左手をテール当たりに突っ込んで雪を掻き出していくしかない。
スキーはこういう時自動的に外れるようになってるそうだが、スノーシューは外れないように出来てるので一番小さい22インチでもこんなに大変とは思ってもいなかったし、雪も降ったばかりのパウダーでサラサラに崩れるので足場固めるのも左手で掘るのも簡単ではなかった。
自分では2〜30分近く感じた時間も後でチェックすればなんと10分。
まだ根雪も無く積雪量も1メートルくらいというこの時期だからの事件だったし、クリア出来たのもまあ運がよかったというのが一番だろうが、パニックにならずに冷静に対処出来た自分を褒めてやりたい。
去年の年末に武奈ヶ岳でご一緒した者です
もう楽しそうな雪の山行されてますね
氷ノ山行きたいと思っていたので参考にさせて頂きます
また何処かでご一緒したらまたラッセルしましょう
kazu-miさん、ありがとうございます、お久しぶりです。
そうそう、あの時は自分もワカンしか持ってなくて御殿山から武奈までのラッセル躊躇してしまったのもあってしばらくしてついにスノーシュー買い、それ以降雪のあるところ目指して飛び回ってます。
関西では氷ノ山、武奈ヶ岳、大峰あたりが最も雪が多くて楽しめると思いますが、中でも氷ノ山はたいてい一番早く積もりますし、逆に大峰はつい最近冬眠し損なった熊に襲われた人が亡くなっていてちょっと躊躇してしまうところもありで、まずは氷ノ山に。
もうしばらくすれば武奈ヶ岳もラッセル楽しめるくらいになると思いますので、その頃には自分もまた何度かは通いたいものと。
こちらこそ、またお会いしましたらよろしくお願いします。
僕も去年はアイゼンだけでしたがワカン 買ったので雪を楽しみたいです
この冬も去年に続いて結構雪降りそうですので、アイゼンだけに比べてワカンがあれば行きたくなるところ倍増かと思います。
是非気を付けて楽しまれてください。
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