北ア/金木戸川小倉谷


- GPS
- 56:00
- 距離
- 33.0km
- 登り
- 2,994m
- 下り
- 2,519m
天候 | 9/11 晴れ時々曇り(小雨もぱらついた) 9/12 快晴 9/13 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●第一ゲート〜第二ゲート〜入渓点 ひたすら長い。朝方出発したが熊っぽい姿を発見。鈴を鳴らすとか声を出すとかして対策した方が良いかも。 ●入渓点〜プチゴルジュ帯〜1390mBP地 出合の渡渉は増水時はかなり大変そう。今回は下流側から左岸ヘツリで突破した。 プチゴルジュ帯の5m滝はショルダーで突破。フォローはなかなか大変。 1390m右岸に極上物件あります。 ●1390mBP地〜大ゴルジュ帯〜両門の滝〜2090mBP地 大ゴルジュ帯の名もなき3m滝に苦労した。左岸から高巻いたが結構怖かった。 両門の滝は本流の右の滝は登れそうにもないので左の滝を登って尾根を乗越して本流に戻る。 2070mの極上物件は結局見つからず仕舞いで終わりました。 ●2090mBP地〜笠ヶ岳〜笠新道 いちいち面倒な滝が続く。2320m二俣付近で子連れの熊、計3匹を発見。笛を鳴らしたら逃げてくれた。 笠ヶ岳直下に出ようとする詰めはガレガレで結構大変だった。帰りの笠新道は噂通りマゾルートでした。 |
写真
感想
山岳会を辞めて初めてヤマレコを書く。久々で画面もだいぶ変わっていて驚いた。
さて、お盆に予定していた金木戸川小倉谷、リベンジ計画でけーしと向かった。装備は50mロープとステルス。リンクカム1セット。
前夜は19時に登戸を出発し、深山荘の駐車場で前泊。
明くる朝、4時に予約したタクシーを迎え金木戸川の集落を越えゲートへ向かう。まだ暗いゲートを後にして林道を4時間弱、ひたすら歩く。もともと口数の少ないけーし、久しぶりで色々話したが、それでも4時間だから大半は黙々と進む。途中の枝沢の出合で大滝を望んだり、眼下の金木戸川の迫力も楽しめるが、まぁ飽きる。林道終点の取水口で装備を装着、登山道を5分ほど歩くと踏み跡沿いに容易に沢に下降できた。
最初の核心の徒渉。泳ぎは流れもキツそうなので、10mほど下流の浅そうで流れもクツくなさそうな箇所を選んで進んだものの、流芯はなかなかの強さ。体勢が崩れそうになるが、スクラムでこなす。あとは左岸沿いにへつって岸に上がった。
小倉谷に突入。
序盤のゴーロを越えると、ゴルジュ。水量多く、水勢は強い。水線を避けつつ歩を進める。10mトイ状で軽いジャブを受ける。枝沢から流入する滝もイチイチででかく、渓相に感動するというより、その迫力に圧倒される感覚。けーしともその感覚を確認しあう。途中、3m小滝を登れず。空身ショルダーでの突破を試みる。無事這い上がるも、ヌメヌメで後続のけーしが上がれず、2回ほど落ちる。何とかハンマーをひっかけてA0で引き揚げられた。かなり疲れたセクションだった。ゴルジュの最後、2条20mを高巻くと河原に出る。しばらく歩くと極上物件を発見。やや早いが、この後はゴルジュ帯なので、ここで泊まりとする。この日はゆっくり焚火して酒飲んで、ぐっすり寝ることができた。
2日目、凍ってんのか!という感のある冷たい沢装備を纏い、陽が届かない鬱蒼とした碧に足を踏み入れる。初っ端から小滝の巻で懸垂、ルーファイがいまいちなのか。出発から1時間強でゴルジュ帯の突入。気を引き締める。しばらくで大トロ。流れは強くないが、何しろ水が冷たい。ウェット無しのけーしはかなり寒かったろう。泳ぎの後の岩場の乗っ越しは容易。私はザックピストンんで楽させてもらう。
小滝の水線突破に失敗した次のCS?滝でチョイスした左岸巻きでヌメったスタンスを踏み出せずかなり怖いリードとなる。落ちたらヤバイセクションだった。沢床には捨て縄で懸垂して戻った。その後の淵と5m滝は左のバンド伝いから取りつき、容易に越せる。
この後は、美しいナメに癒され、大滝帯?へ。最初の40mは一番美しかったが、高巻きのルーファイに苦労した。行きつ戻りつ、踏み跡に惑わされ、藪と格闘しながら何とか突破。体力とメンタルにきた感じ。
続く奥の二俣では左俣の2段大滝。ナメ滝は当初左から取りつくも想像以上にヌメルため、補助ロープでリードに切り替える。が、当然ランナーも取れず、一歩一歩たわし使いながら、リポD登攀。ファイト一発スリングつないで突破した。2段目は、けーしに交代。やはりぬめりに苦労してなかなか一歩が出ず、大量のシャワー浴びて辛そうだったが、ハーケンぶッ刺して突破。けーしのメンタルの強さを感じた。
その後も10m級の滝、2段35m大滝を越え、最後の?大滝30mを迎える。今日一日、数々の小滝の巻きと、大滝の高巻きを経験し、ようやく小倉谷の規模感に慣れてきた感じだが、何しろ、心身ともにすり減った。慎重に高巻き、ようやく一息。最後は足が重くなり、けーしに甘えつつ、規模の大きいインゼルを越えて、今日の行動を終了した。濡れた木ばかりだったが、簡単に焚火をおこし、わずかな酒を分け合い、けーしと1日を振り返った。この日は相当の疲れからか、なかなか寝付けず、30分から1時間に1回は目が覚める状態だった。
3日目、身体中が痛い。既に筋肉痛と膝痛が始まっていた。そして何しろサムイ。でも、まだまだ800mほど標高をあげないとならず、さっさと行動を開始。最初の15m滝を越えると、あとはロープは1回くらいだったか、技術的に困難な箇所はなく、疲労との戦いとなる。途中、クマに遭遇し冷や汗をかくが、無事に道を開けていただき、歩を進めることができた。最後はピークを目指したルート取りで、浮石だけで構成されたガレ場を詰め、山頂に駆け上がり、けーしと笑顔で握手した。
けーしと2人、沢中2泊、赤木沢は別とすれば、初の北アルプスの沢。昨年の赤石沢と比べると1段レベルが高かった。沢の規模感がこれまでとは比べものにならず、特に高巻きの際のルート取り、感覚がなかなか適応できず苦しんだ。2日目は16時30分に行動終了したが、4人パーティだったら時間的にはシビアだったと思う。
それでも、美しく壮大な谷と全力で向き合うことができて、まぁ何しろ充実の3日間だった。オススメの秀渓だが、それなりの準備と経験は求められると思う。
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