笊ヶ岳 老平からランカン尾根 - 布引山ルートで周回
- GPS
- 11:43
- 距離
- 18.1km
- 登り
- 2,647m
- 下り
- 2,646m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ルート図は手書きなので適当です。実際には小笊からいったん引き返し再度登り返していますが、ルート図には含めていません。 ランカン尾根について: 「山と高原地図」には載っていないいわゆるバリエーションルートですが、一部を除き比較的明瞭な踏み跡がついており赤テープも要所に設置されているので、特に登りではそれほどルートファインディングに苦労することはないと思います。ただし整備された一般登山道ではないため、足場の不安定な急斜面や通過に注意を要するやせ尾根を含み、また一部藪漕ぎの必要な箇所もあるため単純な距離、標高差以上に時間がかかると思われます。日帰りで歩かれる方は余裕をもったスケジュールを組まれることをおすすめします。 ランカン尾根を歩く場合戸屋林道から入るルートが一般的だと思いますが、帰路に布引山経由の一般ルートを取ると車道歩きが長くなります。今回は(2度目ですが)硯の里キャンプ場わきの遊歩道から出ている尾根を経て1400m付近でランカン尾根に合流するルートを選択しました。 硯の里キャンプ場 - ランカン尾根1400m付近: キャンプ場駐車場の左手にある遊歩道のような道を上がっていくとすぐに尾根の取り付きです。最初は急登でも歩きやすいコースですが、しばらく歩くと尾根上の所々に立ちふさがる小木(アセビ等)に進路を妨げられるようになります。それほど密生しているわけではないので藪漕ぎとまでは言えませんが、木を払って進まなければならないため時間をとられます。910m付近の平坦地には伐採された木がそのまま放置されており歩行の障害となっています(2年前からありました)。そこからしばらくゆるい登りが続き、再び急登を経てランカン尾根に合流します。この間赤テープ等はありません。下りの場合はルートファインディングが必要でしょう。 ランカン尾根主脈合流 - p2261: 主脈に合流するとそれまで無かった赤テープが散見されます。ここから先はいくつかの小ピークをはさみ急登と平坦箇所、ちょっとしたアップダウンを繰り返しつつ徐々に標高を上げていきます。踏み跡は比較的明瞭ですが、小ピーク通過時にはルート確認が必要です。要注意はp2125の通過。登りの場合崩落地の右側の尾根を進むのですが、まっすぐ尾根へ向かうのではなく藪漕ぎを避ける迂回路ができています。進行方向から見て右手へ回り込んで行くと比較的はっきりとした踏み跡があり、またルートを示す赤テープが見られます。この踏み跡をたどり、赤テープに忠実に従い斜面をトラバース気味に進んで行くと、左側が崖になっている尾根に出ます。下りの場合は自然に尾根からトラバース路へ導かれるようになっているのですんなり通過できると思われます。ここから先は特に迷うような箇所は無かったと思います。この区間藪漕ぎの必要な箇所はありません。 p2261 - 笊ヶ岳: p2261から下ると程なく鞍部に着き、小笊への登りとなります。一部傾斜のゆるむ箇所もありますが、基本的には山頂まで約400mの一本調子な登りが続きこのコース中最もきついところです。またこの先所々でシラビソの幼木等が道をふさいでおり、倒木も多く通過に苦労します。一応踏み跡は続いているので本格的な藪漕ぎとまではいかず、手で払えば何とかなるレベルですが、ただでさえ急な登りを一段とつらいものにしているのは間違いありません。我慢して小笊まで登りきると笊ヶ岳山頂は目の前です。一見するとハイマツとシャクナゲの中をかきわけて進むのかと思ってしまいますが、踏み跡を忠実にたどるとすぐに尾根上に出るのでたいした藪漕ぎをせずに済みます。一旦鞍部へ下りそこから登り返すと突然目の前に山頂のキャンプ場があらわれます。 笊ヶ岳 - 老平: 一般ルートなので詳細は省きます。全体的にザレ気味の所が多く下りでは滑らないよう注意が必要と思います。 |
写真
感想
このコースは2年前に1度歩いていますが、きつい登りと藪漕ぎの連続にうんざりして「2度目は無いな」と思ったものです。しかし喉元過ぎれば熱さを忘れるのかこの度ふたたび歩くことになりました。
硯の里キャンプ場からランカン尾根へ至る尾根(名前があるのかどうかわかりません)は結構藪がうるさかったという印象でしたが、前回よりもひどくなっていた気がしました。スタートからランカン尾根主脈合流までに900m以上登っているので、これだけで丹沢ならひと山登っているくらいの標高差です。ランカン尾根は小笊手前の登り以外に藪漕ぎが無いので、主脈合流後はむしろそれまでよりも歩きやすい印象です。前回悩んだp2125は今回すんなり通過できました。p2261を過ぎ鞍部に着けばいよいよ小笊への最後の登り。藪漕ぎの覚悟を決めて進みます。シラビソの幼木の中をかきわけ、容赦なく顔を叩く枝を手で振り払い、次々に現れる倒木を越え、急登に耐えてようやく小笊山頂に到着。12時までに笊ヶ岳に着くことを目標にしていましたので余裕だなと思いつつ、行動食を取り出そうとザックを下ろして愕然としました。「ストックが無い」。あの藪漕ぎの最中に落としてしまったことは間違いありませんでした。
とりあえず登ってきたルートを再び下ってストックを探します。この時点では予定を変更してランカン尾根のピストンにするつもりでした。しかしよく考えるとランカン尾根を下りで歩いた経験は無く、迷わずにすんなり下山できるのか自信がありません。万が一途中で日が暮れてしまったらヘッドランプで下山するのは難しそうです。それにストックが見つかる保障はありません。むしろ斜面を落下していった可能性のほうが高いでしょう。それにこんなに天気の良い日にせっかくここまで来て笊ヶ岳の山頂へ立たないのはもったいない話です。
あれこれ考えた末、ストックの回収は諦め笊ヶ岳へ再び向かうことにしました。日没時間も早くなっているので早めに決断して良かったと思います。山頂から眺めた360度の展望はストックを無くしたことなど忘れさせてくれるすばらしいものでした。
コメント
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campさん、こんにちは。
土・日ともピーカンでしたね
土曜日に広河原まで下見に行ったので、もしかしたら
どこかでお目にかかれるかな?なんて思ったりしてい
ました。
これ以上ない展望の山旅ができて良かったですね
お疲れさまでした!
kaiganeさん こんばんは。
コメントいただきありがとうございます。土曜も日曜も今年初めてと言っていいような晴天で良かったですね。
広河原には何時頃に来られたのですか?ストック捜索で無駄にした時間が無ければお会いしていたかもしれませんね。そういえば駐車場へ戻った頃、ちょうどキャンプ場の方から太鼓の音が聞こえていました。何かお祭りでもあったのでしょうか?
camp747さん、こんばんは。
相変わらず修行僧のようなハードな登りですね。
今回の山行が今年初めての晴天とは最高のご褒美ですね。
ここに来て週末の天気が安定しだしたので、
山登りのシーズンがようやく来たような気分です。
ストックを無くしたのは残念でしたが、
気持ちの切り替えと、リスクマネジメントはさすがです。
それにしても青空の下の展望が素晴らしいですね。
特に写真54の富士山が秀逸でした。
ELKさん こんばんは。
今回は晴れようが雨が降ろうが登る前から修行になることがわかっていた珍しい?ケースでした。
このランカン尾根ですが、もともと広河原から布引山経由で登る一般ルートがあまりにもきついので開かれたルートだそうです。今ではなぜか廃道になってしまったそうですが。
私はどちらのルートも登った経験がありますが、現状では間違いなくランカン尾根の方がきついし時間もかかりますね。せめて藪漕ぎが無ければ歩き応えのある周回コースとして需要もありそうですが・・・
たぶんクダリの広河原の手前で抜かされた者です。
途中すれ違ってない方だなと思ったら、登りはランカン尾根からとはスゴイですね。
ホントいい天気でしたね。
ruskmanさん はじめまして。
ちょうどruskmanさんのレコにコメントしようとしていたら、システム不調?で書き込めませんでした。確かに広河原の手前で道をゆずっていただいた方だと思います。ストックの捜索に引き返していなければ、ちょうどruskmanさん達と同じ時間帯に笊ヶ岳の山頂に到着していたのでしょう。笊ヶ岳はどこから登ってもきついですが、あの日の山頂からの展望はその苦しさを補ってあまりあるものでしたね。
こんばんは、campさん(^^)v
笊ヶ岳、とても気になっているお山です。
ワタシは普通に老平からのピストンでチャレンジしてみようとおもっていたのですが、こんなバリエーションルートもあるんですね
登りのこちらのルートもやはり水場は無さそうで、やはりどこから歩いてもタフなルートですねぇ。
我が家に真似できるか微妙ですが(笑)、参考にさせて頂きます
エルクさんもおっしゃってます通り、サスガのリスクマネージメントですね!
長く山を歩いていると、その辺りの判断の差が遭難するかしないかの分かれ道になりそうですね
しかし、こちらもホント快晴のコンディションだったみたいで…
笊ヶ岳からの荒川・赤石・聖は憧れますねぇ!
お疲れ様でしたm(__)m
kamasenninさん こんばんは。
リスクマネジメントなどと大それたものではないので、そのように褒めていただくと心苦しいのですが・・・ あのストックは拾った方に使っていただければいいなと思っております。
このコースですが、これから日が短くなるので日帰りはハードルが高いですね。幕営適地が数箇所あるようなので、テント泊装備で一泊ならまだしばらくは行けそうですが。
行かれる場合は確実に晴れそうな日を選んでください。山頂の景色が拝めないと、和名倉山が可愛く思えてしまうほどの苦行登山になってしまいますので。
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