北海道登山旅行3座目 十勝岳


- GPS
- 08:48
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 1,135m
- 下り
- 1,702m
コースタイム
- 山行
- 7:35
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 8:49
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
時々噴火している火山なので、一応注意が必要か。 |
その他周辺情報 | 白金温泉にある白髭の滝は一見の価値あり。さらに川を下流数キロメートル下ると、青い池という最近話題の観光スポットがある模様。 |
写真
感想
礼文岳登山後、礼文島に一泊し、もう一座どこかに登りたくなった。北海道の最高峰、旭岳にでも行くかと検討したが、雪がかなり積もっているという。アイゼンなどの用意をしていないから、安全策を取ってもう少し低い山にしたい。そこで浮上したのが十勝岳だ。
とにかく現地で決めた山行で、十勝岳のことは何も知らない。しかし、百名山なので登山道は整備されているだろう。天気図を見ながら、晴れそうな26日をターゲットに決めて、カミホロ荘に泊まった。
7時半に出発する。まずは車道歩き。ここで、何台かの車が追い越して行く。当初は、ピストンルートを考えていた。長めに見積もると登り5h、下り4h。終バスの時間までぎりぎりである。そのため、私にしてはかなり急ぎめで登り始めた。しかし、これが悪かった。上富良野岳への分岐を見落とし、富良野岳へのルートに入ってしまった。痛恨のミス。20分ほど時間をロスしてしまった。やはり焦るとろくな事が無い。
ここまで何グループかを追い越して来たが、正しい道に入ると誰にも会わなくなった。ということは、登山客の大半は富良野岳に向かったというわけだ。十勝岳のシーズンは、もう終わりかけということか。
300階段という階段道があり、その後に急登が続く。この辺りから硫黄の臭いが漂い始めた。火山なのか、この山。何しろ事前調査無しだから、そんなことさえ知らなかった。
稜線に出ると、十勝岳山頂が見えてきた。すさまじく強い風が吹いている。息も白い。たまらず、ジャケットを着込む。上富良野岳を過ぎて上ホロカメットク山へ。この辺りで、足下を動く小動物を見た。動きが速く、写真も撮れなかった。リスのように思ったが、何だったのだろうか。
高度を上げるほど、風は強く冷たくなる。山頂付近はもはや台風並みである。まさか使わないだろうと思っていたグローブを、ここで装着する。雪がほとんど無かったのは幸いだったが。
ようやく、山頂に到着する。もうお湯を沸かす気にもならず、旭川で買ってきたパンを食べる。
さて、下山にかかる。山頂にいたグループは、北西方向の斜面に下りていった。地図を見ると、白銀荘方面に行けるようだ。あれ、こちらの方が早く下りられるではないか。登りもこの道にすれば良かったかもしれない。特に危険なルートでもなさそうなので、これを下りることにした。
この選択は正解だった。もう、間違いなく火山と分かる道だ、他に登山客は見当たらず、荒涼とした風景の中を一人で進む。ガスが出ていたら、道をロストしそうだ。黄色ペンキを確認しながら高度を下げる。
道が緩やかになると、思いがけないものが目の前に現れた。噴火口だ。地図には、昭和噴火口と書いてある。十勝岳噴火……記憶にあるようなないような。この日は御嶽山噴火の前日だった。噴火後だったら、もう少し緊張感を持って通過していたかもしれない。
急坂を下りると、美瑛岳からの道と合流する。その道を単独行の人が歩いていて、ちょうど合流地点で出会うことになった。話してみると、この方は2年で百名山制覇を達成したという。それはすごい。そういえば、歩いて百名山を目指している田中陽希という人がいて、今ちょうど富良野にいるらしいという話題を向けたら、挑戦中の彼とは谷川岳と燧ヶ岳で会ったという。ということは、番組にも登場したということか。
さらに話してみると、もう引退しているが同業者だと判明した。私の勤務先にも来たことがあるという。話が弾む中、白銀荘方面への分岐にたどり着く。ここで時刻を見ると、バスが来るまでかなり時間がある。よし、このまま白金温泉まで下ろう。そういうわけで、ここでお別れとなった。
この道もまた、素晴らしい風景だった。望岳台付近は、紅葉の盛りだ。さらにそこからの道は、藪が両側から迫ってきて歩きにくい。ヒグマも出そうだが……出たら戦うしかないか。
白金温泉に着くと、バスが来るまではまだ時間がある。スマホで調べると白髭の滝というのがあるようなので、行ってみた。これが面白い滝だった。名前の通り白髭のような滝で、ちょっとした観光名所になっているようだ。
登山では、事前調査の不足は命取りになりかねない。しかし、十勝岳ではあまり下調べをして行かなかったからこそ、思いがけない風景を楽しむことができた。こんな楽しみ方もあるものなのか。
翌日は富良野や旭川を観光後、東京に帰った。御嶽山噴火のニュースを聞いたのは、旭山動物園の中である。よく思い出してみれば、今回登った3座とも、噴火時期に違いはあるが火山だ。やはり、火山はリスクがあるものだなと感じると共に、噴火する前に登っておきたいという気持ちも正直ある。そういう矛盾点は上手く解決できるわけもなく、解決できないまま何となく山に登り続けるのだろう。御嶽山で被害にあった方の中には、これまでに山で会った人もいたかもしれない。命を落とされた50名強の方々にご冥福を祈りたいと思う。
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