モモンガの宿 山びこ荘泊


- GPS
- 32:00
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 1,502m
- 下り
- 1,483m
コースタイム
- 山行
- 6:05
- 休憩
- 2:15
- 合計
- 8:20
- 山行
- 0:55
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 1:30
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
林道を海ノ口別荘地側から入ると「全面通行止め」の表示があるが、何の支障もなく通過できた。 本沢温泉林道は最低地上高の高い自動車でないと通行困難。 (美濃戸口〜美濃戸の林道より凹凸ギャップ激しい箇所あり) |
その他周辺情報 | 稲子湯は8:30AMでも外来入浴可だった。 |
写真
感想
【プロローグ】
何度も宿泊を試みたが果たせなかった「モモンガの宿」。
今シーズンの小屋閉め前にやっと予約成立した。
現在八ヶ岳の「一人小屋番」の小屋は、権現、キレット、山びこの3つ。
以前、浦野さん(夏沢鉱泉、硫黄岳山荘、根石山荘オーナー)が、「八ヶ岳三大『一人小屋番小屋』は権現、キレット、根石」と言っていたようだが、根石は今は複数小屋番。
一人小屋番の小屋は小屋番の個性が出て面白いことこの上ない。世間で話せないような情報交換ができるのも魅力といえよう。
【アプローチ】
海ノ口にある旧西武別荘地入り口から右折。懐かしい林道に入る。
約20数年ぶりだが、驚いたことに殆どの区間が舗装されていた。
本沢温泉林道入口から四駆専用のGate前駐車場に駐車。ここから林道を歩き出す。
右手に木の間からニュウ〜稲子岳が見える。
約40分で本沢温泉着。すぐ上の露天風呂も数十年ぶりに訪問。全然記憶と違っていた。
九十九折を登って約40分で山びこ荘着。
とりあえずビールを頂く。小屋番の尾形さんは昔赤岳頂上小屋のチーフだったのだが、ちょっと因縁がある。
A「着替えとか置いて荷物軽くして散歩に行って来ますね。」
O「時間早いから軽くしないで行ってもいいですよ。(笑)」
A「赤岳までピストンしてくるか、風が強かったら硫黄からオーレン降りてボルシチ食べて帰ってきますね。」
【稜線散歩】
硫黄の爆裂火口縁沿いに高度を上げていくと、冷たい風が強い。15mぐらい。
ザックを下ろし、ウインドブレーカーになる雨具を重ねる。
硫黄頂上からボルシチ方面に歩を進めるが、正面に見える赤岳山頂を無視することが困難となり、石室方面にベクトル変更。
大ダルミ〜台座の頭は意外に結構標高差がある。
ここから先は「上り下り西東乗り換え」繰り返す横移動の長い横岳。「こんなにウンザリするほど横長だったんだ。」と改めて感じた次第。
昼前に頂上山荘着。キレット小屋閉めた清瀬くんがいた。
K「どうしたんですか!」
A「今日ハ○ヂの尾形さんのとこ泊まるんだけど、山びこに早く着きすぎちゃったのでお散歩。」
K「ウイスキー持ってきました?」
A「いや、小屋でニッカ買えばいいかなと思って。」
K「山びこにはないかもしれませんよ。」
A「確かに尾形氏はウイスキーと言うより日本酒系かもね。」
K「いいえ、焼酎です。」
というわけで、頂上山荘でニッカを購入。
生ビール!とうどんで昼食済ませ、「天の窓」でお昼寝。
小屋は連休で閉めるため冬支度の準備中。
13時前に珈琲ご馳走になり出発。
快晴の天上散歩。今月上旬の僅かな積雪、結氷はすっかり溶けていた。
【モモンガ談義】
山びこ荘ではストーブの前で尾形氏が待っていた。
ビール連チャンののちウイスキーに移行。
尾形氏は紙パック薩摩焼酎!を出してお湯割りでいく。
八ヶ岳のディープな話が尽きない。
50代後半の尾形氏が某山岳会に入っていて、若い方から3番目!であることは事前に知っていた。
O「Aさんも入らない?若手3番目になれるよ。(笑)」
A「えへへへ、あのバリの笹刈しに来るのか〜遠慮しときますよ。(笑)」
20時前に2階で就寝。
夜中の1時頃、1階の餌場付近でガサゴソと音がする。
すわモモンガか?と降りて行ってみるが何もいない。
トイレ後眠れず、3時過ぎに再入眠。5時過ぎに尾形氏起床。ストーブに火を入れ、お茶を頂く。
あのガサゴソ音は「ヒメネズミ」なのだそう。ヒメネズミは壁の板の間を移動しているのだという。
お茶を飲みながら、小屋においてある温泉関係の本を読んでいてふと目を上げると、餌場に小型動物のシルエット。
A「餌場に何かいますね。」
O「時間的にはモモンガでしょう。」キッチンで朝食作りながら尾形氏が語る。
窓に近づいてみると、まさしくモモンガであった。
しばらく見ているともう一頭やってきて計二頭になった。
尾形氏がサッシの窓を片方開けるがモモンガたちは逃げない。
散々小屋からフラッシュ焚かれてきたのだろう、二頭とも小屋にお尻を向けて座っている。
その姿勢でヒマワリの種を食べて、ひとつ食べ終わると瞬間的に横を向いて新しい種をとって元の姿勢に戻る。
やがて満腹になると、餌場の横に設置された水場の水を飲み、木に飛び移っていった。
朝食をいただきながら尾形氏と話す。
A「モモンガはいつ頃から住み着いたんですか?」
O「昭和55年に小屋を改築したんだけれど、荷揚げして余った板2枚を外壁に補強用に打ち付けたんだよ。その後防腐剤塗ろうと思ったら板の間でガサゴソ音がしてね。隙間からこんな大きな目の動物がこっち見てて、オシッコ引っ掛けて逃げてったんですよ。それがモモンガとの出会い。」
A「ちょうど天敵のテンが入ってこられないぐらいの隙間だったんでしょうね。もう何代目なのかなあ?」
O「3年ぐらいしか生きられないだろうから、もう20代ぐらいなんじゃないかなあ。」
今日病院に行くという尾形氏が7時には出たいとのことで、その直前に発つ。
小屋を閉めた冬の間、尾形氏も清瀬くんも本沢温泉で勤務なのだという。
「本沢温泉の内湯の泉質が非常に良い」と尾形氏から聞いていたので、山びこ荘宿泊者用の「露天風呂無料入浴券」をもらってから下る。
差額分200円払うと内湯に変更できるのだ。
【本沢温泉内湯&稲子湯入浴】
内湯は加水なしの100%源泉掛け流し!
檜の蓋をとって入浴。じんわりと体に染みる極楽状態。
石鹸シャンプー禁で、「洗髪するとゴワゴワになる(尾形氏談)」というので洗髪せずに上がる。
体が温まったので、駐車場まで半袖Tシャツで調度良い。
石鹸シャンプーで洗いたかったので稲子湯に電話して、何時から入れるか聞いたところ、
「もう入れますよ。」という信じがたいお返事。さっそく稲子湯に向かって再入浴。
【エピローグ】
体も髪も洗ってサッパリしたところで、唐松の金紅葉の景色を縫って野辺山へ。
車窓からは、昨日歩いた硫黄〜赤の稜線がくっきり見えた。
そして、山上にいてくれる知り合いの顔を、一人ひとり思い出していた。
ももんがかわいいですね
ですよ。
特に背骨にそって折りたたんだシッポが。
テンにシッポを半分食いちぎられたモモンガもいるんだそうです。
おはようございます。
29日は私も赤岳に登っていました。
ALFAROMEOさんの行程表を見ると赤岳頂上山荘に11:35〜13:00まで滞在されていたようですね。
私が県界尾根から登ってきたのがちょうど12時。山荘の入口がいつもの上の方じゃなく下になっていたのは冬支度なのかと思ったものでした。
私はそのまま南峰の方に行ってしまいましたが、なんとその時刻に山荘の中にいらっしゃったよう(昼寝中?)で、ニアミスでした。
もっとも顔を合わせたところでお互い知っている訳じゃなく、気付かずに通り過ぎてしまうんでしょう。これがネットの不思議なところですねえ・・・。
おはようございます。奇遇ですね。
そう、あの時間帯はビール飲んでうどん食べた後、約1時間「天の窓」で昼寝させてもらってました。顔見知りの小屋番さんがいたので図々しくさせてもらいました。混雑していたら無理だったでしょう。
私は人の多い割に立てるところが狭い南峰より北峰の天の窓の方が好みです。ビールもありますし(笑)。ネットで知ってるけれどリアルでは?というのが、ある意味居心地の良い距離感かもしれません。今度はpasocomさんも天の窓でゆっくりしていってください。
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