会津朝日岳スノトレ(赤倉沢口in/out) ※本年22回目



- GPS
- 08:42
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,730m
- 下り
- 1,715m
コースタイム
- 山行
- 7:08
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 8:42
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
<登山口〜人見ノ松> まず、登山口横の赤倉沢を越えるための橋が架けられていません。自分たちは20m位上流を岩跳びして渡渉しましたが、雪解け水の影響で流れが早く、水量も多く、危険を伴います。不安な場合は、靴を脱いで渡渉するほうがよいかも。 基本は、赤倉沢沿いに進み、途中からは残雪の赤倉沢を遡上していきますが、今年は少雪のため雪解けが早く、雪が薄いため、随所に踏み抜きのリスクが潜み、危険箇所が数多。私は一度スノーブリッジを踏み抜き、左足が雪下の沢に水没し、カメラ1台故障、タブレット指紋センサー故障と相成りましたが、自分自身とヤマトモは大事に至らず、よかったです。 往路では夏道を見つけられず、沢に沿った急斜面(バリルート)をアイゼン+ピッケルに命を預けて直登。復路は途中から夏道を見つけ、太宗は夏道で安全に下れたが、下部は雪が道を覆うため、雪の付き具合、雪下の沢音の大きさを頼りに、己の目と耳による現地判断で、最適なルート探しが必要。赤倉沢本流を離れて以降はピンクテープは一切見つけられませんでした。残雪期に登る場合は、「中の上」か「上の下」位の難易度かと思います。 <人見ノ松〜叶の高手〜避難小屋〜会津朝日岳> 稜線歩き。ほぼ雪がつながっており、安全に歩けます。避難小屋も利用可能。 山頂直下は急斜面の直登・直下降を強いられるため、アイゼン+ピッケルが必須。 |
その他周辺情報 | 金山町の大塩温泉(共同浴場、300円)で日帰り入浴。(シャンプーの類はなく)石鹸しかありません。 |
写真
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=5171242&pid=1ef70d563cd5996b1bb3d15ed87160df
感想
GW10連休は、ソロで残雪の二王子岳(4/28)、御神楽岳(4/29)に登った後に一旦帰京し、4/30晩に埼玉でヤマトモと落ち合い、再び福島・新潟方面へ北上し、中盤戦スタート♪。
GW3座目は、東京から遠く、行きづらく、ソロで残雪期に登るのは若干の不安がある会津朝日岳へ。山開きは毎年6月第2日曜のようで、直近レポは皆無。それどころか、GW残雪期のレポも過去10年で数件しかあがらず、あまり参考になる情報もなく、己の目・足で現地判断するしかない上級コースとなります。
4/30夜に埼玉県某所で落ち合い、そこから東北道(西那須野塩原IC)経由で4時間かけて「いわなの里」へ。そこから登山口までの数百mの間に雪崩れた雪が道を塞ぎ、登山口まで乗り付けることはできず、いわなの里で車中泊。
日の出と共にスタートし、登山口まで歩くと、登山口前の流れが早く水量が多い赤倉沢に架けられた橋がありません。。。私は靴を脱いでの渡渉を覚悟し始めた所、ヤマトモが上流部に岩跳びできそうな渡渉ポイントを見つけて、事なきを得ました。トレッキングポールなしでの渡渉は難しいかもしれません。いきなりの先制パンチを喰らいます。
その後30分ほど沢沿いの夏道を歩くと、雪崩れた雪が夏道を塞いでいる箇所があり、ここで早くもアイゼンを装着します。その後、交互に現れる夏道と冬道(雪下は沢)を行き来しつつ標高を上げていきますが、標高730m辺りで先行する私が薄いスノーブリッジを踏み抜き、左足が雪下を流れる赤倉沢にドボン。サコッシュ下部も水没し、カメラ1台とタブレット指紋センサーが故障します(カメラは翌日朝に復活)。復路はより上流部の分厚い雪が連なる箇所を高巻きして通過しましたが、往路ではそこまでの判断ができず、痛い目にあいました。おかげさまで、雪山経験値が少し上がったと思います。
標高840m辺りからはGPSログを見ればわかるように、腕時計のヤマレコMapで方角を頻繁に確認しつつ、バリエーションルートを右往左往しながら、でも着実に高度を上げて行きます。かなりの急斜面で、途中からたまらずピッケルへ装換しました。ソロだったら、ここら辺で撤退していた可能性もあります。自分の力量としては、かなりのハイリスク登山となりました。
標高1290mほどの人見ノ松で、ようやく夏道に再合流します。結局、赤倉沢本流を離れる標高840m辺りから人見ノ松までの標高差450mを、迷いながら登った往路(登り)は80分、夏道主体に下った復路(下り)は40分を要しました。いかに往路が大変だったかを物語る実績数値となります。
人見ノ松からは、青空の下、おととい(4/29)登った御神楽岳をはじめ、浅草岳や粟ヶ岳、日光連山などが見えてて、バリルートを登ってきたご褒美を頂いた感じです。ここからは山頂までほぼ雪がつながっていて、夏道に沿った雪稜歩きとなるため、安全度が飛躍的に向上します。
叶の高手(小ピーク)以降は、会津朝日岳本峰が大体見えてて、徐々に近づいていく達成感が得られます。熊ノ平を越えると程なく青い屋根の避難小屋です。避難小屋の中は整理整頓され、カビ臭さもなく、装備さえあれば一夜を越せそうです。
避難小屋から再び雪の急登が始まり、どこがそこなのか不明ですが、バイウチの高手、小幽沢ノカッチなるスポットを越えていきます。最後100m超の急斜面直登が不可避で、アイゼン前爪を蹴り込み、ピッケルを刺し込み、少しずつ這い上がっていきます。登りきって山頂稜線に達すると、あとは安全な稜線を歩き、入山から4時間ほどで、会津朝日岳へ登頂となります。
会津朝日岳は二百名山77座目(+百名山100座)となりますが、実は百名山77座目は会津駒ヶ岳でした。ダブルセブンがいずれも会津の名峰と重なり、何らかのご縁を感じます。山頂からはおととい(4/29)登った御神楽岳をはじめ、3月に登った浅草岳や守門岳、そして越後駒〜中ノ岳〜荒沢岳〜平ヶ岳〜至仏山&景鶴山〜丸山岳〜会津駒ヶ岳といった雪壁がドーンと見えました。ほとんどが既登の山ですが、この時点で未踏だった白銀の中ノ岳へは、翌日同じヤマトモと初登頂を果たしました!
山頂に1時間ほど滞在した後に下山を開始しますが、下山はほぼ登り返しはなく、下り一辺倒となります。まずは山頂直下の急勾配を今度は下りとなるため、勢い余って転倒・滑落しないよう、一歩一歩着実に、往路に付けた己のトレースを辿って慎重に下ります。避難小屋まで下りてくると、ひと安心です。
避難小屋から熊ノ平を越えて、叶の高手へ向かう途上、重たい荷を背負ったソロ男性とスライドします。聞くと、本日が縦走3日目で、明日には会津駒へ向かう、とのこと。会津朝日〜会津駒間は、積雪期限定で縦走可能と知ってはいるものの、実際にそれをやり遂げるには重たい荷を背負い、緻密な計画の下、天気の力も借り、かなりの雪山スキルがないとできない芸当なので、すごい猛者だとわかります。お互いの安全登山にエールを送ってお別れです。
叶の高手を越え、人見ノ松まで戻ると、いよいよココからは本日の登山の核心部です。往路は右往左往しながらバリルートを直登してきましたが、復路は谷筋を見つけ、ジグを切りながら高度を下げていきます。すると、標高1110m辺りで往路には見つけられなかった待望の夏道を見つけ、そこからは安全に高度を下げていきます。標高900m辺りで夏道が雪に閉ざされ、再びわからなくなりますが、あとは雪の分厚さ、雪下を流れる沢音の大きさを現地判断で確認しながら、下りれそうな雪の斜面を方角だけ確かめながら下りていきます。標高840m辺りで赤倉沢本流と合流し、そこからは基本的に往路と同じ残雪の沢上を下っていきます。
往路でスノーブリッジを踏み抜いた標高770m辺りは、復路も通過が不可欠な場所となり、復路ではより上流部の分厚い雪がつながった沢上を高巻きして通過しました。その後も、沢音が大きく聞こえる薄そうなスノーブリッジがいくつかあるため、慎重にルートファインディングしつつ、少しでも安全に思える雪上歩行を心がけました。
登山口が近づき、雪が途切れる地点でアイゼンを外し、即時に沢で洗浄します。その後、往路同様、登山口前の赤倉沢は岩跳びで渡渉し、会津朝日岳から3時間半、入山から7時間半ほどでいわなの里まで往復ピストンしてきました。
この後、翌日から1泊2日かけて登る越後三山のシンガリ、中ノ岳へ向かうため、只見の山並みを反時計回りに迂回する形で、再び4時間半のロングドライブへ。全行程を運転してくださるヤマトモに感謝です。道中、偶然見つけた、福島県金山町の水場ならぬ炭酸場なる場所で、(三ツ矢サイダー的な)天然の炭酸水をがぶ飲みし、同じく炭酸泉の源泉かけ流しという物珍しい大塩温泉へ立ち寄ります。
そして、本日はハード登山の疲れをしっかりと取るため、新潟県南魚沼市六日町にある双子キャビンへ素泊まり。お値段、なんと2,500円/人の破格値(ソロだと2,900円)。しっかりと休息を取り、翌日の中ノ岳へ備えます。
GW4座目:中ノ岳へ続く!)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5475113.html
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