【奥多摩】川苔谷[川乗谷]本流〜火打石谷、桂谷遡行


- GPS
- 10:59
- 距離
- 7.5km
- 登り
- 1,191m
- 下り
- 707m
コースタイム
天候 | 曇り一時小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
・登山道から百尋ノ滝の上に直接降りる部分はあまり歩きやすくない。 ・沢については遡行図と記録参照 ・キャニオニングツアーが行われていることが多いようなので留意。確かに快適に滝滑りが出来そうな滝が結構あるし、下降用残置支点も多い。 |
その他周辺情報 | 【他の記録】 ○川苔谷本流:多くの記録があるが、なぜか竜王橋〜細倉橋間の遡行記録は未確認。三段の滝の上段を直登した記録は未確認。 ○火打石谷:記録多数だが、核心ゴルジュの上から2番目の6m滝を直登した記録は未確認。 ○桂谷:記録少。「奥多摩の尾根と沢」及び下記のみを確認。 https://blog.goo.ne.jp/tanuki_senbei/e/49760012dd0514afa615b23b6603686a |
写真
装備
備考 | ・ロープは30mで十分 ・フェルトソール+クライミングシューズが良い |
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感想
【計画の経緯】
天気予報がいまいちかつ不安定ということで、天気が大丈夫そうなエリアの日帰りの沢の中で、行きたいと思っていた川苔谷へ。聖滝までは以前登っていたので、夫婦滝から先と、火打石谷、さらに桂谷も繋げるという欲張りルートを計画。
【記録】
○川苔谷本流遡行
車を1台上に置きに行く途中、悪路で進むのを断念したタイミングで、後続車が2台も来ているという面倒が発生したが、バックしてもらって事なきを得る。
人気の逆川入渓点へ続く踏み跡のあるカーブにもう1台を駐車し、いざ入渓。しばらくゴーロを進むと夫婦滝。右にも結構な量の水が流れていて、大変そう。とりあえずtamoshimaリードで泳いで取りつき、1段登ると滝裏にハーケンが連打されているものの、オブザベした感じでは右側の方が登りやすそうに見えたので、右のクラックへカムをきめてムーヴをおこそうとするが、足がつるつるで無理。結局そのカムにあぶみをかけて乗り込み、1段上のテラスへ。しかしここからが厳しかった。フリーでも行けそうだが結構悪くて踏ん切りがつかないし、かかっている残置スリングは位置が悪く、使おうとしても足が振られる。ハーケンが決められれば安心してエイド出来るが突っ張っているので両手を離すことができず、ハーケンは決められない。細いクラックに小さいエイリアンをきめようとするが、足をかけると抜ける。そんなこんなで20分近く滝に打たれ続けて体は冷えるが、降りることもできない。結局、何度か細いクラックにエイリアンを決めなおすうちにうまくはまり、あぶみをかけてエイド。さらに登りながらもう1つカムをきめてA0し、核心終了。無事一発で登れて良かった。
大岩にスリングをかけて終了点とし、2番手のkaiseiを待つが、なかなかうまくいかない。そうかと思っていたらフォローなのに敗退して戻っていった。次にdeepblueがフォロー。kaiseiが登りやすいようにロープの流れを残置ハーケン連打の滝裏に変更し、一方、tamoshimaは滝上に石を積み上げて登るラインに流れる水を減らすことに成功。これで問題なく2人とも登ってきた。
夫婦滝が終わるとすぐに3段19m滝。1段目は吹き飛ばされそうな水流をうまくくぐって左を登り、2段目は適当に登って、問題の3段目。とりあえず近づいて見ようと1段登ると、核心部もクライミングシューズなら何とかなりそうに見える。ということで履き替えてトライ。ハーケンを1枚決めてフリーで登ろうと頑張ったが、細かいスタンスへのハイステップの覚悟ができず、諦めて、カチにクリフハンガーを引っ掛けてあぶみを付け、A1。その先も悪めの1手をフリーでこなせば、傾斜が緩んであとは簡単。フォローはゴボウであっさりと。ここは、フリークライミングの上手い人であればエイドせずに登れるのではないかと思う。
これで川苔谷本流の核心は終了だが、この先もフリーソロで登れる滝や簡単に巻ける小滝が多く、渓相も綺麗なのでなかなか良い。3段滝で脱渓する記録が多いが、時間があれば遡行を継続するのがお薦めである。途中、5mスライダー状滝上流の3m岩間滝は、簡単に巻けるが直登しようとすると難しく、エイドクライミングの良い練習になった。
○火打石谷遡行
出合の4m滝を登って火打石谷に入ると、程なくしてゴルジュの連瀑。最初の2つの滝は問題なく登れるが、その先の6m滝が困難そう。とりあえず近づいて見ると、エイドを交えれば何とか登れそうに見えたので、トライ。が、見た目よりは厳しく、一段上がったところで足場を安定させるためにあぶみ使用。これで安心してハーケンが決められるかと思いきや、岩質が悪くうまくいかない。結局甘効きの2本にタイオフして中間支点とし、登ろうと思うが、微妙に悪い。結局もう1つきめたカムにあぶみをかけてエイドし、もう1段上がるが終わりではない。最後の1手も良くないのでもう1本ハーケンをきめようと思うが、相変わらず決まらない岩で、諦めて気合で突破。小さい割に大変な滝だった。
苦労して6m滝を登ったが、残念ながらゴルジュ最後の10m滝は登れそうにない。しかしここからでも左岸巻きは可能そうなので、とりあえず2人がゴボウしてフォロー。ここまで登ってしまうと巻きも悪い。ロープをしまわず、ハーケンを1枚だけ決めてトラバース気味に登っていくと、信頼できる根が見つかり、あとは簡単。小尾根上の立木まで進んでピッチを切る。 小尾根上は獣道になっていて、意外に歩きやすい。古そうな残置ロープに導かれると、うまく10m滝の上に降りられた。
沢に戻ると、側壁は高いままだが、概ね平凡な沢。次第に側壁も低くなり、炭焼き窯跡も出てきて平易な様相。飽きてきた頃に横ヶ谷出合となり、左に入ると登れない滝が出てきて、これを左から巻けばすぐに登山道だった。
○川苔谷本流上部〜桂谷遡行
登山道をさっさと歩き、鞍部の切通しを抜け、落石に気を付けながら急峻な植林地を下ると、百尋ノ滝の上流に降り立つ。折角なので落ち口まで行ってみると、下に滝見客がいたので、手を振り合ってみた。落ち口に下降用の残置支点はあるが、登攀は困難そうな立派な滝である。
綺麗ながら概ね平凡な谷を遡行していくと、橋の下で多段10m滝。結構厳しそうに見えたが、泳いで取りついてみると案外容易で、快適フリーソロ。程なくして桂谷・塩地谷の出合。
桂谷に入ると、すぐにゴルジュ。滝は大したことないが、側壁が立派でなかなかの見応え。2段8m滝は登れず右から巻いたが、沢に戻るクライムダウンがやや厄介。以降は大したものはなく、木橋をくぐって堰堤を登り、平流を歩くと左岸に獣道が出てきたので、これで林道へ。
林道に上がると釣り後のキャンパーがいて、少し話してから林道を下る。車を回しておいたおかげですぐに車に着いた。
【総評】
川苔谷本流は、都心からのアクセスが非常に良い上、厳しめの滝登攀や泳ぎを交えた夏らしい沢登りが楽しめる良渓である。中上級者であれば聖滝下流から火打石谷の連瀑帯まで、初級者であれば川乗橋から聖滝下流までと、夫婦滝上流から百尋ノ滝までの遡行がお薦めである。
桂谷はわざわざ行くような沢ではないが、入渓も脱渓も林道が近く便利なので、時間が余れば行ってみても損はない。
【感想】
川苔谷流域の気になっていた部分3区間を一挙に遡行でき、殆ど登られていない3段19m滝上段も登れたので、とても満足した。
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