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Yamareco

記録ID: 6069141
全員に公開
ハイキング
北陸

南魚沼市 裏巻機渓谷から登る巻機山はハードでデンジャラス

2023年10月18日(水) 〜 2023年10月19日(木)
 - 拍手
体力度
8
2〜3泊以上が適当
GPS
15:39
距離
20.4km
登り
2,759m
下り
2,773m
歩くペース
とても速い
0.60.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
8:11
休憩
0:54
合計
9:05
6:56
68
10:48
11:18
238
15:16
15:18
23
15:41
15:42
19
2日目
山行
5:37
休憩
0:54
合計
6:31
6:26
6:26
14
6:40
6:40
20
7:00
7:00
66
9:45
10:07
54
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2023年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
五十沢キャンプ場 (025-774-2142)をターゲットする。 
http://www.ikazawa-camp.jp/
関越自動車道 六日町I.Cから約11km、約30分。 

裏巻機渓谷へ入山するには、五十沢キャンプ場の入り口にある “森のきりん館” で受付をする。 環境保全協力費(入場料:400円)
五十沢キャンプ場から遊歩道スタート地点 “みやて小屋” までは車でアクセスできる(約10分)

しかし、ゲートのOPENは 8:00〜17:00 なので、その前に入る場合は、事前にキャンプ場に連絡して施錠を解除してもらう必要がある。 

駐車場:みやて小屋前に約20台。 公衆トイレ有り
コース状況/
危険箇所等
新道を登って、旧道を下降しました。

【渡渉ポイント】
地図に「増水時渡渉不可」と書いてあるほど水位が勝敗のKeyです。
今年は暑かったので水量が少ないかと思いきや、10月中旬なのに増水していました。
新道の渡渉(大窪沢)は少し上流に廻って、なんとか濡れずに渡渉できました。
旧道の渡渉(永松沢)は飛び石できる流れではなく、諦めて登山靴のままジャブジャブ渡渉しました。
取水口はジャンプが怖くてできず。でも、下流は激流でシャワークライムになる可能性が大だったので、クサリを取水口に回して取水口の溝に下半身浸かって、反対側の側壁を必死で攀じ登りました。かなり流れが強く(それは予想していたが、誤算だったのは取水溝の床が滑ること滑ること・・)危険でした。💦
ジャンプが苦手な方は、渇水時に行くことをお勧めします。

【旧道の核心部:3合目前後の魔のトラバース】
150m登って、濡れたスラブや草付きの悪いトラバースして、また200mの急下降で取水口へ。
クサリやフィックスロープが連打されていますが、ルートを読む目が必要です。
ところどころロープが無かったり、ブッシュを掴んでトラバースを余儀なくされます。
近い将来、旧道は廃道になるらしいですが、ここをメンテナンスする人も命がけだと思います。なので、廃道も致し方ないのかな〜・・・

【新道・旧道の尾根】
とにかく、ずっと急勾配が続きます。急斜面や岩場にはクサリやフィックスロープがベタ張りになっています。
新潟の山特有の粘土質の滑りやすい斜面なので、下降では何度か尻もちをつきました。
とにかく体力と持久力が必要です。
健脚ハイカーは1Dayで周回する人もいるようですが、暗い時間からのトライとなるようです。 私は避難小屋に1泊しての計画にしました。
1Dayの場合は、南側へ井戸尾根などのルートで清水集落(桜坂パーキング)方面へ下降する場合が多いようです。

アプローチの裏巻機渓谷の遊歩道の様子(6月)はこちらから→ https://hikingbird.exblog.jp/33290709/
みやて小屋からスタート
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みやて小屋からスタート
1時間ほど裏巻機渓谷の遊歩道を歩きます。
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1時間ほど裏巻機渓谷の遊歩道を歩きます。
この時期は、遊歩道には ダイモンジソウ が至る所に咲いています。
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この時期は、遊歩道には ダイモンジソウ が至る所に咲いています。
この花の名は? オニシオガマ??
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この花の名は? オニシオガマ??
まだ咲いていた イワショウブ
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まだ咲いていた イワショウブ
こんなところ? うっかり見落としてしまいそうな新道の入口
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こんなところ? うっかり見落としてしまいそうな新道の入口
遊歩道を取水口まで行く途中には 夫婦滝 が紅葉に映えています。
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遊歩道を取水口まで行く途中には 夫婦滝 が紅葉に映えています。
支流の滝も ナナカマド の実とコラボしています。
2023年10月21日 22:56撮影
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10/21 22:56
支流の滝も ナナカマド の実とコラボしています。
取水口に着きましたが・・・けっこう水量あるじゃん!
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取水口に着きましたが・・・けっこう水量あるじゃん!
エメラルドグリーンの水をたたえる上流
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エメラルドグリーンの水をたたえる上流
6月には雪渓が残っていた下流には ポットホール という岩のくぼみ(甌穴)が見られます。
2023年10月21日 22:56撮影
10/21 22:56
6月には雪渓が残っていた下流には ポットホール という岩のくぼみ(甌穴)が見られます。
OMG! 取水口の下流は激流になっています。
これでは、クサリで下降中に全身ずぶ濡れになってしまいます。💦
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OMG! 取水口の下流は激流になっています。
これでは、クサリで下降中に全身ずぶ濡れになってしまいます。💦
新道の入口に戻り登山開始。いきなりの急登です💦
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新道の入口に戻り登山開始。いきなりの急登です💦
フィックスロープがベタ張りです
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フィックスロープがベタ張りです
南魚沼市が眼下に見えてきました
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南魚沼市が眼下に見えてきました
新道・四合目 大窪沢の渡渉点 
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新道・四合目 大窪沢の渡渉点 
そして、再び急登です💦
本当に ふくらはぎ が痛くなる急登は続きます。
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そして、再び急登です💦
本当に ふくらはぎ が痛くなる急登は続きます。
だんだんと視界が開けてきます。
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だんだんと視界が開けてきます。
新道・五合目
2023年10月21日 23:08撮影
10/21 23:08
新道・五合目
モミジの紅葉が見事です。
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モミジの紅葉が見事です。
落ち葉の中のキノコ
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落ち葉の中のキノコ
ブナの白い幹が綺麗です。
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ブナの白い幹が綺麗です。
新道・六合目
古木に赤字で 6 と書いてあります。
新道・六合目
古木に赤字で 6 と書いてあります。
六合目を過ぎると、もう紅葉の山。
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六合目を過ぎると、もう紅葉の山。
越後三山(左から八海山・中ノ岳・駒ヶ岳)の展望
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越後三山(左から八海山・中ノ岳・駒ヶ岳)の展望
ザレ場にもフックスロープがセットされています
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ザレ場にもフックスロープがセットされています
新道・七合目
紅葉の先には、巻機山らしい草原が広がっています。
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紅葉の先には、巻機山らしい草原が広がっています。
牛ヶ岳の壮大なササ原
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牛ヶ岳の壮大なササ原
眼下に紅葉とササ原のコントラスト
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眼下に紅葉とササ原のコントラスト
新道のゴール、割引岳への登り
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新道のゴール、割引岳への登り
割引(われめき)岳ピーク
わりびき だと思っていた。(笑)
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割引(われめき)岳ピーク
わりびき だと思っていた。(笑)
山名柱、三角点、石祠の三点セットの立つ割引岳ピーク
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山名柱、三角点、石祠の三点セットの立つ割引岳ピーク
東へのびる稜線に進む。
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東へのびる稜線に進む。
井戸尾根コース分岐(御機屋)から避難小屋へ下降します。
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井戸尾根コース分岐(御機屋)から避難小屋へ下降します。
避難小屋付近の池塘
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避難小屋付近の池塘
今夜の宿、巻機山避難小屋
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今夜の宿、巻機山避難小屋
南には、朝陽に照らされている 前巻機山 と、一夜を過ごした巻機山避難小屋。
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南には、朝陽に照らされている 前巻機山 と、一夜を過ごした巻機山避難小屋。
北には、前日に登ってきた 割引岳 が紅く染まっています。
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北には、前日に登ってきた 割引岳 が紅く染まっています。
避難小屋近くの池塘
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避難小屋近くの池塘
稜線に登り上げれば、燃えるような草紅葉です。
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稜線に登り上げれば、燃えるような草紅葉です。
ハロウィンなので、笑う池塘! 草紅葉はパンプキン色(笑)
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ハロウィンなので、笑う池塘! 草紅葉はパンプキン色(笑)
池塘がいっぱい。
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池塘がいっぱい。
朝日岳への分岐。
昔、縦走した記憶がよみがえります。けっこう藪漕ぎもあったような・・
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朝日岳への分岐。
昔、縦走した記憶がよみがえります。けっこう藪漕ぎもあったような・・
牛ヶ岳への緩やかな登り
牛ヶ岳への緩やかな登り
4つ目のピーク 牛ヶ岳
4つ目のピーク 牛ヶ岳
さて、ここから旧道へGO!
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さて、ここから旧道へGO!
草原を一気に下降して 旧道・九合目
草原を一気に下降して 旧道・九合目
さらにササ原を一気に下降して 旧道・八合目
さらにササ原を一気に下降して 旧道・八合目
草原に代わり紅葉
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草原に代わり紅葉
草紅葉とナナカマドの紅葉が見事です。
2023年10月22日 00:32撮影
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10/22 0:32
草紅葉とナナカマドの紅葉が見事です。
旧道・七合目 の中ノ滝沢の渡渉
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旧道・七合目 の中ノ滝沢の渡渉
樹林帯に入れば、ブナやモミジの黄葉、紅葉に感激です
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樹林帯に入れば、ブナやモミジの黄葉、紅葉に感激です
旧道・六合目 
ブナ林が素晴らしい!
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旧道・六合目 
ブナ林が素晴らしい!
紅葉のトンネルです。
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紅葉のトンネルです。
青空とモミジはやっぱり文句なしの秋模様です。
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青空とモミジはやっぱり文句なしの秋模様です。
小兜山 と 大兜山 の間に 八海山 が見えます。
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小兜山 と 大兜山 の間に 八海山 が見えます。
マツの木の枝ぶりが素敵!
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マツの木の枝ぶりが素敵!
紅葉と大兜山
黄葉と小兜山
ザレたヤセ尾根の下降は登りより怖い💦
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ザレたヤセ尾根の下降は登りより怖い💦
ずっと、この2つの山(小兜山・大兜山)を眼前に見ながらの下降となります。
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ずっと、この2つの山(小兜山・大兜山)を眼前に見ながらの下降となります。
旧道・五合目
何故か草刈り機の刃が置いてあります。
旧道・五合目
何故か草刈り機の刃が置いてあります。
ようやく 旧道・四合目
永松渓谷の渡渉点(下り舟)に着きました。
増水していて飛び石では渡れず、諦めて登山靴のまま渡渉しました。💦
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ようやく 旧道・四合目
永松渓谷の渡渉点(下り舟)に着きました。
増水していて飛び石では渡れず、諦めて登山靴のまま渡渉しました。💦
永松渓谷の紅葉
渡渉してから、再度150mほどの激登りです。
クサリやフィックスロープの連登になります。
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渡渉してから、再度150mほどの激登りです。
クサリやフィックスロープの連登になります。
そして、悪い岩壁トラバースのセクションに突入!
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そして、悪い岩壁トラバースのセクションに突入!
フィックスロープの無いトラバースもあるので、ルートファインディング能力が要求されます。
ササの生え際に沿って、ササを掴んでトラバースします。
間違ってもスラブ帯に行かないように!
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フィックスロープの無いトラバースもあるので、ルートファインディング能力が要求されます。
ササの生え際に沿って、ササを掴んでトラバースします。
間違ってもスラブ帯に行かないように!
この松の木の下に 旧道・三合目 の印があります。
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この松の木の下に 旧道・三合目 の印があります。
え! こんな岩壁を下降するの!? 結構ビビリました💦
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え! こんな岩壁を下降するの!? 結構ビビリました💦
対岸にも、見事なスラブ岩壁が見えます。
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対岸にも、見事なスラブ岩壁が見えます。
200mの急下降で、ようやく取水口に到着!
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200mの急下降で、ようやく取水口に到着!
そして、最後の取水口突破。 
ジャンプして渡る人もいるようですが・・怖くて無理!💦
クサリで溝に降りたけど、こっちも激流で悪いです。真似しないでね。💦
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そして、最後の取水口突破。 
ジャンプして渡る人もいるようですが・・怖くて無理!💦
クサリで溝に降りたけど、こっちも激流で悪いです。真似しないでね。💦
遊歩道にでて、やれやれです。
後は、花や滝を見ながら、のんびりと みやて小屋まで戻ります。
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遊歩道にでて、やれやれです。
後は、花や滝を見ながら、のんびりと みやて小屋まで戻ります。
久しぶりに綺麗に咲いている リンドウ を見ました。
今年の夏は暑すぎて、花がちゃんと咲く前に枯れているのばかりでしたから。
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久しぶりに綺麗に咲いている リンドウ を見ました。
今年の夏は暑すぎて、花がちゃんと咲く前に枯れているのばかりでしたから。

感想

私にとって巻機山は、過去に清水集落からはもとより、谷川の朝日岳から縦走したり、沢登りで有名な米子沢から何度も登っていて、谷川岳同様に過去の山という思いがあり、あまり興味の対象ではありませんでした。
が、しかし最近になって裏巻機渓谷からのコースを知り、チャレンジしてみたくなりました。
特に旧道が廃道になるかもしれないと聞いてからは、がぜん興味が湧いてきました。

とにかく、半端な気持ちでは取りつけないな〜ということで、6月に裏巻機渓谷の遊歩道から、土地の概念を掴むべく下見をしました。
渇水期の秋なら行けるだろうと思ったのですが、甘かった! 渡渉が大変でした!

また、単独だったので、核心部の岩壁のトラバースはフィックスロープに助けられました。 
フィックスが無ければ、ロープなど登攀装備必携のルートです。廃道になれば、まさに藪岩好きなパーティー登山の対象になる?ことでしょう。

久しぶりにアドレナリンのでる登山ができました。
先日登った、再開通後の伊藤新道なんかよりも格段に難しいルートだと思います。
健脚だけではない、体力、技術、ルートファインディング能力のある上級者ハイカーというか、熟達者向けの渋いルートです。

ちなみに、紅葉は6合目〜7合目(標高1200m〜1600mくらい?)が見頃でした。


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コメント

お疲れさまでした。
貸切の紅葉 素晴らしい景色ですね。
しかし、ソロとはさすがです。

裏巻は下ノ滝沢を狙ってますが、今回のルートも行ってみたくなりました。
2023/10/22 12:47
sawaya-kaさん

コメントありがとうございます。
裏巻機渓谷からの新旧周回コースは、sawaya‐kaさんのような沢登りやアルパインの経験値の高い方なら問題ないですが、整備されたトレイルしか歩いたことがない普通のハイカーには、かなりリスキーなルートだと思います。

牛ヶ岳のピークに下ノ滝沢で亡くなられた方のレリーフがありました。
下ノ滝沢は手ごわそうな沢のようですね。くれぐれもお気をつけて楽しんでください。
2023/10/24 9:30
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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