強清水〜富士見台高原〜南沢山☆念願の霧氷の高原へ
- GPS
- 06:57
- 距離
- 17.1km
- 登り
- 1,154m
- 下り
- 1,149m
コースタイム
天候 | 一日目;曇り、二日目;晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
良好に整備された一般登山道 |
その他周辺情報 | 近くに中津川温泉クアリゾート湯舟沢 https://www.nakatsugawaonsen.com |
写真
感想
24日から25日の朝にかけては冬型の気圧配置となり、東北から北陸にかけては荒天の予報となる。25日の朝はかなり冷え込むようであるが、場所によっては霧氷を見る機会だろう。
以前より恵那山から北に伸びる稜線にある富士見台高原は笹原の中に点在する樹林の霧氷の美しさで知られるところである。前々から霧氷の季節に訪れてみたいと思っていたが、京都からは遠いこともあり、機会を得られずにいたのだった。24日が休みだったので、泊まりがけで富士見台高原に出かけることにする。
中津川のインターを降りると恵那山から富士見台高原のあたりは暗い雲に覆われており、山の上の方は雨が降っているようだ。山裾では紅葉がまさに見頃であるが、標高が上がるうちに途端に紅葉の樹々がほとんど見られなくなる。強清水が近づくと小雨が降り始める。
車で神坂峠まで上がることも考えたが、神坂峠から本日の宿泊を予定している避難小屋まではあまりにも距離が短い。また昔の東山道の名残を残す峠越えの道を歩くのも悪くないと思うので、強清水から歩くことを考える。強清水で水を汲み、準備をしているうちに雨は上がってくれる。
西の空が明るいのでおそらく天気は快復に向かってくれるだろう。
登山道は最初は檜の植林の中を緩やかに上がってゆく。頻繁に林道と交差することになる。
峠が近づくと植林を出て自然林に入ってゆくが、雲の中に入ったのだろう、登山道には霧が立ち込めるようになる。
神坂峠からは稜線の西側をトラバースすることになる。ca1710mのピークを回り込むと突如として樹林を抜け出し、広々とした笹原を歩くことになる。途端に風が強く感じられるので、小屋まではわずかな距離ではあるが、リュックに仕舞い込んでいたアウターを取り出す。おそらくは稜線に広がる笹原も強風による風衝草原なのだろう。
小屋は裏手にトイレを備えた清潔感のある作りであるが、残念なことに、全てに鍵が掛けられている。小屋の窓の外には11月〜4月は使用禁止とある。小屋の入口近くの板張りの上にはアイゼンの痕跡が数多く見られることからは、冬季にも多く使用されているのだろう。今更、引き返すわけにはいかないのでこの日はここで宿泊させて頂くことにする。
この日は自宅から携行した砂肝とレバーをキノコと共に赤ワインとトマトで煮込んだものやロースト・ビーフ、焼肉をあてに白と赤ワインを楽しむ。18時前には早々に眠りに就くことになった。夜中に目が覚めると小屋の周りは相変わらず濃い霧が立ち込めているが、空がかなり明るい。稜線にかかる雲を月が照らしているからなのだろう。つまりは上空の雲が薄いことを意味している。朝には雲が晴れることが期待できそうだ。
朝6時に起床するが、あたりはすっかり明るくなっていた。上空には雲ひとつない晴天が広がっている。晴れ間が広がることは期待していたが、ここまでの快晴になるとは望外であった。そして小屋の周囲の樹々は期待通り、霧氷で真っ白に化粧を施されている。小屋の南側に聳える恵那山に向かう稜線も霧氷で覆われているようだ。小屋の中で朝のコーヒーを淹れると、南沢山に向かって出発する。
富士見台に向かって笹原の稜線を登ってゆく。標高1739mの富士見台は山の名称こそないが、今回のコースにおける最高地点となる。遮るもののないピークからは360度の展望が広がる。西には冠雪した御嶽山、乗鞍岳、北には中央アルプスの山々、東側には伊那盆地を挟んで南アルプスの山々のほぼ全てを俯瞰することが出来る。
そして稜線の北に位置する横川山に向かってたおやかな笹原の稜線が伸びている。笹原の中に点在する霧氷を纏った樹々がなんとも美しい。緑の笹原と同時にこのような霧氷を眺める機会はなかなかないだろう。霧氷を纏う落葉松やトウヒと思われる針葉樹の樹々は関西ではまず見られない光景だ。鞍部に向かって笹原の斜面を下ってゆく。
気温は既に暖かく、風もほとんどない。富士見台から一度県境稜線を離れて北東に伸びる尾根を降り、横川山への鞍部に向かって西に向かってほぼ水平にトラバースすることになる。再び県境稜線に至る手前で小さな谷を横切るのだが、登山道の下から水音が聞こえる。なんと登山道のすぐ脇の苔むした樹の下から滾々と水が湧き出ているのであった。
横川山の登りに差し掛かると早速にも降りてくる単独行の男性とすれ違う。ふるさと自然園を早朝に出発されて来られたとのことであった。「南沢山にかけて泥濘がひどい箇所があるのでお気をつけ下さい。」と教えて下さる。横川山のピークにかけてはダケカンバの霧氷を見上げながら笹原を登ってゆく。
横川山のピークを超えると南沢山にかけて笹原の稜線が続いている。南沢山は平坦な台地状の山で、どこが山頂なのか遠目には分かりにくい。鞍部を過ぎて平坦な山頂部に差し掛かると確かに登山道には泥濘が連続する。富士見台のあたりでも登山道には泥濘があったのだが、早朝で凍っていたのだった。南沢山の標高は1564mと富士見台からは200m近く低い。そのせいか霧氷も少し薄くなったような気がする。
南沢山の山頂には単独行の女性が景色を楽しんでおられるようだった。ご挨拶すると「景色があまりにも美し過ぎて」と感動しておられる。これから富士見台に行かれるそうなので「ここからはもっと綺麗ですよ」とお伝えしたのは余計だったかもしれない。
南沢山から少し東に進んでみるが途端に霧氷は消えるようだった。引き返して富士見台への復路につく。相変わらず風はなく、急速にう気温が上昇していくようだ。横川山を過ぎて後を振り返ると朝に通過した時に比べると霧氷が少し薄くなったようだった。
富士見台に戻ると多くのハイカーが休憩されておられる。神坂小屋に戻り、ほうじ茶と共に羊羹で休憩する。小屋をあとに神坂峠に向かうと、昨日は雲の中で視界がまったく無かったが、中津川方面の展望が広がる。濃尾平野の彼方には鈴鹿山脈を挟んで伊吹山地が見えているようだ。稜線の西側斜面には霧氷がびっしりついている。
神坂峠の駐車場には車が10台ほど停められていた。峠からは強清水に向かって、霧氷の樹林の中を降り始めると、バラバラと霧氷が落下する音が激しい雨音のようだ。峠からわずかに降ると霧氷も途端になくなり、あとは植林の中を黙々と下降し、強清水に帰還する。
強清水から車で山裾に降ると、林道沿いの紅葉の透過光が美しい。神坂峠を振り返ると、紅葉した樹々の上で霧氷のついた稜線が日差しを浴びて白銀に輝いているのが目に入る。
山麓の県道沿いにある大規模な温泉施設クアリゾート湯舟沢に立ち寄る。アルカリ性のぬるっとした温泉は塩素臭もきつくはなく、いい湯であった。湯上がりには中津川駅の近くの蕎麦の「ふじむら」で十割のざる蕎麦を頂く。当然ながら美味ではあるが、ざるそばが一皿¥1300で、大盛りは¥400増しというのはランチにしては些か高級であった。駅前の仁科酒店で「鯨波」を求めると京都への長い帰途につくのだった。
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確かに同時に見ることが出来る機会はあまりないでしょうね。
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