百名山 静かに佇む奥穂高 日帰り



- GPS
- 06:37
- 距離
- 15.2km
- 登り
- 655m
- 下り
- 2,433m
コースタイム
天候 | 小雨から濃霧から晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
石切前後、スノーブリッジ、シュランドなど多数、落石もあり |
その他周辺情報 | ひがくの湯 大人700円 露天風呂から錫丈岳を眺められる 毎分300Lの掛け流しらしい。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
ビーコン
スコップ
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
ヘルメット
ハーネス
カラビナ
スリング
|
---|---|
共同装備 |
ロープ 30m
ツェルト
|
感想
今、赤いザックを目と歩で追いながら、右俣林道を緩やかに上昇している・・・が、心臓の心拍数の上がり方は穏やかではなく、心のゆとり指数は急下降気味・・・。
「こんなペースで進んだら^−¥;△;×@¥@・・・・」
今日の相方は少し広めの歩幅で力強く、しなやかに、でも、ずんずん進む!
今日の目指す山頂は奥穂高。
望いてみたい頂きからの景色は沢山あるけれど、今日はこちらからを。
時刻は4:30分。
まだ暗く、閑散とした駐車場から、小雨にポツポツ打たれながらの歩き。
考える事はお天気。
白出大滝付近でも、雨もしくは視界不良で撤退。
時間が足りなくても撤退。
雪渓が手に負えなくても撤退。
撤退条件はそろい踏み。
そんな中、徐々に辺りの色もはっきりし、雨も上がり、欲言えば晴天を・・・。
を、歩きながら繰り返し考える・・・・息も絶え絶えに・・・。
出合まであと少しの所で、少し天候の変化に気付く・・・。
「・・・・?????・・・ん???雨が落ちてない!!!!・・・よね?」
崩落地点の木々が無い砂防提を通過中、U字も折り返し過ぎてからだ、気付いたのは。
今まで、雨に打たれていたと思っていたら、実は、木の雫に打たれていたらしい。
車を出た時も、登山センターに計画書を提出した時も、確かに雨だったのに、林道を歩くうちに、雨は止み、濃霧の雫が我々に降り注いでいたらしい。ポツポツ、ボタボタと・・・。
一つ、問題が解決。
この先幾つもあるだろう問題を解決できれば、頂きからの景色を拝めるし、そうでなければ・・・・。
6:03分に白出出合に到着、ここでやっと小休止。
足を停めてザックを置き、小休止をこんなに心待ちにしたのは初めてだ。
今日のパートナーは強力だ!!強力すぎだ!!!
内心、おろおろだ。
私の中で、私が撤退条件にかかげられた・・・。
林道に別れをして出合から本格的、登山道へ。
雨は上がっていると確認したものの、今だ、青空なしの中、高度と心拍数は更に上昇中。
濃い霧の中の樹林帯をすすむのは少し、神々しい。
時折、瑞々しく咲いている花もまた、神々しくみえてしまうのはおセンチからか?
こんな状況下では、見えない何かの存在に大きく、優しく包まれている気がしてしまう。
踏み跡はしっかりしているし、今日のパートナーもまた、強力だ。
だから、そんな事を考えられる余裕が生まれるのかも知れない。
しばらく行くと何か所か雪が登山道にあるが、アイゼンなしで問題ない。
雪で横たわった木々を跨いだり、潜ったりして越えてゆく。
そうこうして、左側の方から、遠くで沢の音が聞こえだし、雪で横たわった木々を跨いだり、潜ったりして越えて登山道をゆくと、それらは段々と大きな音となってきた。
当然、水量と音量は比例するから、水量は多い。
必然的に、上の雪の状態も、渡渉も撤退条件だ。
良い条件、悪い条件、どちらも同時に存在する。
その条件下、どの様に判断するかは我々次第。
霧はまだ晴れず、判断の分岐点はまだ先に・・・・まずは、更に先へと進む。
白出沢石切道の看板以降、ガスに巻かれたり、視界が200〜300m広がったり、
判断に困る状態が続く。
何度目かの視界が悪くなった時、気分転換と登れるチャンスを伺いつつ、ザックに座り、水分とエネルギーを補給し、一息。
数分の後、雲の切れ間の小さな蒼空を捉えた。眩しそうな陽の光と共に。
「先に行こう!」
前後の視界は良好、太陽は我々を待ってくれている。そんな気がした瞬間だ。
雪の状態もしっかりしてくずれる心配はなさそうだ。
今、引き返す理由は見当たらない!
右岸の石切道、二つ目のハシゴを登ると、登山道がわかりづらくなが、登山道で行き、さらに対岸の樹林帯へと進む。
このあたりは崩落あり、樹林帯への入り口も見えづらい、沢内は落石等多数あり、慎重な足運びとルート探索が必要だ。
この樹林帯を抜けると最後の荷継。
ここからアイゼン装着及び、不要なギア類デポ、デポ,でぽ。
ロケットなら燃料タンク切り離して、加速するとこだが・・・・加速出来ない自分がいる・・・が、否応なく急登の始まりだ。
相方は容易く高度を上げていく。
しなやかにアイゼンの爪が雪面を捉え、次へのステップの足場を造る。
時々、振り向いて立つ仲間の背後にはまだまだ急勾配が待つ、素知らぬ顔で仲間と共に。
仲間は自分との距離を見つつ、私の背後でモコモコの雲海から頂きを覗かせてくれる笠が岳を見てるのか?不甲斐ない登りを厳しくチェックしているのか??
今の自分に出来る事は立ち止まることなく、足を動かし山小屋にまず行きつく事。
アイゼンの爪を雪面に突き刺すと、雪しぶきが顔に当たる。
暑いくらいの日差しの中、心地よい冷たさだ。
目指す頂きはあと少し!涼しい顔をして振り返る仲間!!
今日、幾度と目にした事か??
何度、奮起させてくれたか??何度、無言のエールをくれたことか?
一歩一歩、確実に行こう!焦る事はない、もう、逃げないのだから・・・。
山行に訪れる度、思う事がある、それぞれの山にそれぞれの山の表情。
人、自分もまた同じ。
今日の山行はある意味とても贅沢な山行だったと思う。色々な山の表情を堪能する事ができ、それらに対する行動をどうしていくか?を考えるのに良い経験をさせてもらえたと思う。
「山に入れば
一瞬一瞬が全て意味を
持ってきます
だから街で何となく過ごす
一日よりはるかに生きていると
いう実感が湧くのです」
本当に、同感です!!
振り返ればず―と昔から、私の周りには私の知らない事を惜しげもなく、教えてくれる仲間がいた。
今回も、そんな仲間だった。
グリセード、シリセード、アイゼン装着時の歩き方、ペース、何をとってもたやすくやり遂げてしまう。
そんな事を目の当たりにする事ができてホントに良かった。
そして、事前に色々な情報をくれた友達に感謝!!
事前に色々考えてくれた仲間達にも感謝!
私もどれだけ大変で、どれほど危険な中に身を置いているかはわからないけれど、穏やかに、そして、静かに迎えてくれた奥穂高に感謝!!
そして、今日もまた、新たな世界の扉が開かれた・・・。
せっかく、開けた大切な扉たちよ!できるなら、そのままに!!
そして、ホントに色々な事をおしえてくれた仲間たちに乾杯!(完敗・・・日々是鍛錬)
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