旭岳東稜(滑落敗退)


- GPS
- 14:02
- 距離
- 8.7km
- 登り
- 706m
- 下り
- 1,086m
コースタイム
- 山行
- 12:25
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 14:05
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 前日は地獄谷本谷 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6540942.html |
写真
出発。旭岳東稜の末端から取り付く。末端あたりは急な雪面で、雪が薄くて岩や地面が出てきてしまうので、わかんだと登りづらかった。
ペースは上がらないが体調は問題になるほどでは無さそうなのでそのまま継続することに
TAKA10project パーティが五段ノ宮取り付きまで登ってきており、絡んだロープをほどいたり、雪稜上に戻るためのビレイをしていただいた。また、痛み止めも頂いた。
都立大パーティは草付きが悪く敗退とのことで、2パーティに付き添っていただき出合小屋まで戻る。都立大パーティには私達の一部装備を持っていただいた。
左膝を痛めているが、歩くことはでき無事に出合小屋に到着し、ここで2パーティとは別れる
いろいろと助けて頂いた都立大パーティとTAKA10project パーティには本当に感謝
感想
TAKA10projectパーティと都立大パーティには、事故の際には絡んだロープの処理や取り付きに戻るための確保をしていただいたり、下山時には荷物を一部持っていただいたり付き添っていただいたりと、大変感謝しています。おかげさまで、二人とも怪我の状態は大事には至らず、無事に下山することができました。
事故の原因と今後の事故防止について私なりにまとめてみました。
【事故の原因】
■アックスが外れてフォールしてしまったこと
そもそもアルパインクライミングでフォールしてはいけませんが、今回フォールしてしまいました。
・アックスが外れた原因
アックスが外れた原因は分かりません。アックスを引っ掛けてから何度か軽くテストはしてみたものの、かかりが甘すぎたのかもしれません。右手は甘く、支点もプアだったことは分かっていたので、もっと慎重にアックスが効いていることを確認すべきだったと思います。
・アックスの選択
アックスの選択も最適では無かったかもしれません。今回、前日のアイスクライミングでパートナーに貸すために CASSIN X-LIGHT とノミックを両方持って来ていました。旭岳東稜では歩きが長いので CASSIN X-LIGHT を選択しましたが、五段ノ宮では乗っ越しのポイントで草付きにピックを差すような使い方をしたので、ノミックを選択した方が安定してアックスを効かせることができたかもしれません。
・三点支持ができていないこと
今回のルートで三点支持ができたかは不明ですが、上手い人なら三点支持で安定して登れるのかもしれません。私のクライミング能力不足ということかと思います。(実力以上のルートを選択してしまった)
■ビレイ支点が崩壊したこと
残置ハーケン2枚を利用して流動分散で支点構築しました。
・支点の確認不足
残置ハーケンが簡単に動いてしまったりガタついていないことまでは分かっていましたが、それ以上の状態を確認していませんでした。ただし、フォローのテンション(静荷重)には耐えていたので、いずれにせよテストでは分からなかった可能性があります。
・固定分散にしなかったこと
ハーケンは非常にプアな支点であるため、固定分散にするべきでした。また、途中で固定分散にした方が良いと思っていたにも関わらず、そのまま流動分散のまま2P目のリードを開始してしまいました。ここは完全に安全に対する意識が欠如していたと思います。
ただし、支点をしっかりテストしようが固定分散にしようが、プアな支点なので落ちないことが第一かと思います。
・支点を足さなかったこと
カム(C#0.3〜C#2)を持ってきていたので、ハーケンのすぐ隣のクラックにC#2を効かせることができたかもしれません。C#2だと小さすぎるだろうなと思い試すこともしませんでした。
【事故の防止】
今回のケースで事故防止に特に重要な点は以下かと考えています。
・草付きなどの不安定な箇所にアックスを効かせる場合は、より慎重に効いているか確認すること
・ルートにあった適切な装備(例えばアックス)を選択すること
・実力に合ったルート選択をすること(実力以上と感じたら撤退を選択すること)
・プアな支点の場合は支点を強化すること(十分だと判断できる支点が取れない場合は撤退を選択すること)
以下は当たり前のことであり当然実施しなければいけないことですが、これらを実施してもプアな支点であることは変わらないので、これだけでは事故防止としては十分ではないかと考えています。
・支点の強度を確認すること(特にハーケンやリングボルトなど)
・プアな支点の場合は固定分散とすること
【怪我・体調の状態】
・左膝が捻挫したような痛み(整形外科で左膝を診てもらったが骨や靭帯には異常は見られないとのこと)
・右腿が打撲のような痛み
・左手親指を突き指したような痛み
・左足首に多少の違和感
・上の前歯の1本が少し欠けた
あの滑落でこの程度の怪我で済んだのは不幸中の幸いだったと思います。
また、発熱についてはコロナでもインフルエンザでも無かったため、ただの風邪かと思います。
コメント
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出合小屋から駐車場までの下山も地味に長くてつらかっただろうと思いますが、とにかくご無事で何よりでした。
しっかり傷を癒して、来年再挑戦されることを期待しています。
コメントありがとうございます。いつも記録拝見しております。
はい、ちゃんとトレーニングなり段階を踏んで、また再挑戦したいと考えています!
我々も天狗尾根は途中撤退しました。明日は我が身と思って慎重に、丁寧に、落ちないよう今後も登攀したいと思います。
無事で何よりです。
コメントありがとうございます。出合小屋では暖炉の火起こしなどありがとうございました。
この週末はラッセル結構ありましたね。こちらも核心までのアプローチに時間がかかりました。
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