笊ヶ岳
- GPS
- 15:22
- 距離
- 23.6km
- 登り
- 3,557m
- 下り
- 3,605m
コースタイム
- 山行
- 7:51
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 9:13
- 山行
- 5:36
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 6:06
天候 | 11日: 曇り一時晴れ,12日: 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
奥沢谷沿いの道ではガレ押し出しの沢横切りと橋の倒壊で際どいトラバースになった箇所が要注意。タケ沢の吊り橋は揺れやすいのと手摺が信頼できないので揺らさない歩き方を心掛ける。広河原での渡渉は今回は膝まで。尾根道はひたすら急で踏み跡が 細い部分もあったが殆ど迷いはしなかった。 |
その他周辺情報 | ヴィラ雨畑入浴料大人550円 |
写真
感想
笊ヶ岳に行きませんかとAyuhoさんから声がかかった。行ったことのない山域で、南アルプスの主峰ではない若干マイナーな山、きっと富山の毛勝三山と境遇もワイルドさも似ているだろう、面白そうだと行って見ることにした。
前夜の10日、道の駅みのぶ(=富士川クラフトパーク)に集合。富山からは安房トンネル経由で240km、5時間弱かけて日付が代わる少し前に到着した。時刻は打ち合わせてなかったが、東京からの3人も5分も離れず到着して出会うことができた。4人用テント張って皆で寝酒、就寝した。
11日は4時半起床、5時半頃に1台で道の駅を出て小一時間で雨畑湖畔の登山口、老平に到着。ゲートを越えて林道歩きから行動が始まる。今回僕以外の3人は東京K山の会のメンバー、僕含めて男女二人ずつだが、Ayuhoさんは僕より強い健脚者と分かっているし、もう一人S田さんは山の会のトレラン女王、Ayuhoさんと同等以上に強いと言う。男性が女性をサポートするとか、女性にペースを合わせると言う構図が全く当てはまらないことは明白だ。さてどうなることやら。
林道終点から山道に入り、奥沢谷を上流へと向かう。広河原までの中ほどでタケ沢の吊り橋を渡るが、これの固有振動が歩きと同期して揺れやすい。手摺になるワイヤーも緩んでいる所があって頼れないのが怖い。その後に枝沢を越える橋が崩れていて乗れず、少し悪いトラバースを強いられる。その後には広大なガレ場になった沢越え。足元が崩れやすく、落石も要注意だ。その後は普通に歩けて広河原の渡渉箇所に達する。ここまでは体力的には余裕だ。
渡渉は膝の深さで、皆靴を脱ぎ、はだしかサンダル、僕は20数年ぶりに沢登りに使ったフェルト張り地下足袋を使った。さてここから尾根道、本格的に登り始める。水場もこの先ないので一人5リットル以上持ち、荷物がずっしり重くなる。
リーダーのS司さんがここの経験者で、急登だ急登だと聞かされていたので、毛勝山や猫又山にある延々とロープが張ってある攀じ登り斜面を想像していた。そこまでではなく、足だけで登れる道ではあったが、延々と続く急斜面には違いない。
老平から笊ヶ岳までの標高差は2100m、剱岳の早月尾根や甲斐駒の黒戸尾根より100mほど少ないが、布引山から200m近く下りてから登り返すことを勘定に入れるとそれらを上回ることになる。道の歩き易さなどの要素も入って、剱、甲斐駒より大変だと言われている様である。
梅雨は開けてないが中休み的に二日間はまずまずの天気、下界では軒並み30度を越し、35度の猛暑日になるところもあると言う。我々が登っている所では25度位かと思え、凄く暑くはないが湿度が高いのか汗はじゃんじゃんかきズボンまでぐっしょりになる。休憩の度に500mlのボトルを空けてしまうので、これでは山頂までに半分以上水を使ってしまう。元々リーダーの方針として、水を浪費しないように抑えたペースで行くと宣言していた。前半のペースはその方針に反していると意見して後半はペースを落としてもらった。僕にしてはそんな感覚だが、後ろの女性陣は涼しい顔で余裕綽々、終始盛んにおしゃべりしながら歩いているのである。
2021mの桧横手山が近づくと漸く緩くて楽な道になる。しかしその後また、布引山までの標高差約600mを似たような急登で登るのだ。標高が上がった分少しは気温も下がってその点では楽になった。布引山頂直下には布引のガレ場があり、ここで初めて南アの主脈が見渡せる。今日は曇りで聖岳が少し見えたのみ。山頂からは木の間越しに富士山が見える。
2580mの布引山から、2410mのコルまで一旦下りる。ここの下りは緩いが、それだけに延々と、どこまで下るんだという感じがする。そして笊までの200mの登り、これで最後だと頑張るしかない。木が灌木になり、ハイマツとシャクナゲを掻き分けてひょっこりと山頂の直前のテン場に抜けだした。直ぐ先の山頂標識で撮影会、雲って赤石方面などは見えないが、先ずは登頂を喜び、景色は明日に期待。
テン場は北側に5分ほど下りた所にもう一つあり、そこの方が広いと言うが、今日はもう誰も来ないでしょうと山頂のテン場に決定。ここは張れる平地が2ヵ所あるが、若干広い方でも我々の4,5人用テントにはぎりぎり、というよりは無理やり張ってしまった。そして夕餉の宴、就寝。夜中は星が見えたと言うが、僕は暗くなる前に寝てから夜明けが近いよと起こされるまで眠りっぱなしだったのでヘッ電使うこともなく過ごしてしまった。
明け方は圧巻だった。東側はここの名物、小笊と富士山のコンビネーションと雲海、振り向いて西側に赤石と悪沢がドドーンと、聖岳も負けじと威を張り、南にかけて光までの山並み、北へは塩見、千丈、間ノ岳、北岳、鳳凰山と続く。要するに180度のパノラマで南ア全てを眺めているのだ。甲斐駒だけが北岳の後ろに隠れる。そして富士の左手、雲海から日が登った。
朝食も山頂で眺望を愛でながら楽しみ、堪能したところでテントを畳んで下山だ。布引山までの登り返しを一頑張りすれば、後はひたすら下り、下り、下りの連続である。今日は登ってくる人が多い、大概は日帰りだが桧横手でテン泊の人もいた。
僕の不安材料として、先月奥穂高の日帰りでも苦労した右足首の捻挫があった。捻挫してから2ヶ月、穂高山行から1ヶ月経って、それでも完治してないのだが穂高の時よりは良い筈だ。それに下りではザムスの足首サポーターを装着した。下り始めてしばらくは何ともない、大丈夫。ただ着地でスリップしてこらえるような力のかかり方で痛くなる。その内に、足の置き方によっては痛くはないが違和感が出るようになり、主に左を前に出すような歩き方になって、捻挫の場所自体は大丈夫だったが足の疲れは強くなって、また若干のペースダウンと休憩の増加をお願いした。それでも何とか迷惑にならない範囲では下りてこられたかと自分では思っている。
山の神を過ぎれば沢の音が聞こえて来て、一頑張りで広河原に下り立つ。これ以上疲れる箇所はない。大汗かいてからの渡渉は冷たくて気持ちいい。後は幾つかの緊張場所をクリアして老平に戻って来た。ヴィラ雨畑の温泉につかり、僕の車を取りに道の駅に戻って、身延の街でラーメン屋に入り、ここで皆さんとはお別れ、思い出に強く残る山行になるでしょう。有難うございました。
コメント
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Nishidenさん、こんばんは。
めずらしく笊ヶ岳の計画が上がっていると思ったら、Ayuhoさん達とのコラボでしたか。
しかし、女性陣の体力を全く心配しなくていいPTってすごいですね。
Nishidenさんが付いていく方になるとは・・・
冬とは立場逆転ですね
笊ヶ岳はいずれ行ってみたい山のひとつです。
山ヒル怖いけど・・・
リーダーの人は当然女性二人の凄さは知っていて、「私がペースを作る」と宣言して終始先頭を行ったのですが、後からしんどかった、疲れたと言って目一杯だったようでした。後ろからついてくるだけですが決して離されず、涼しい顔でいるもんでついつい頑張っちゃうんでしょうね。
山ヒルは南アの南部、静岡県側には多い様ですね。笊ヶ岳ではどうなんだろう? 熊に注意の看板はあったけどヒルに注意はなかったですね。
ゆっくり読ませてもらいました。
終盤、大汗かいてからの渡渉、想像するだけで清涼感。
登山靴を脱ぐほどの渡渉は未経験。
足が引き締まる冷たさなんでしょうか?(^o^;)
渡渉は山行全体の中では一瞬だけど、登山靴を濡らしてしまうと後々よろしくないので面倒でも脱いだ方が良い。
夏の暑いときは水に浸かるのは気持ち良いけど、寒いときは大変。
春にBCスキーでコット谷から大日岳目指すとき、状況によっては渡渉が要ります。靴を濡らさず冷たくもない良い方法がないかと思いますね。
業務用の分厚いポリ袋をオーバーシューズにした人がいましたが、重さはどれだけか、入手は難しくないのかと思っています。
Nishidenさん こんばんは
足のけがさえなければ疲れもそれほどではなかったんでしょうね。
このあたりの山域はまったくわかりませんが富士山、南アルプスが近くに見えて
いいですね。
トレラン女王、どんな登りか見てみたいです。
トレラン女王さんは、最初ayuhoさんから「須走から富士山を登り3時間切る人」が行くとだけ聞き、女性と知って感心し、会ったら小柄な人で「この人がそんなに強いのか?」と疑い、一緒に歩いて実感するといった次第でした。
山以外にもいろいろ凄い人だとも知りましたが、個人的なことになるのでこのくらいにしておきます。
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