記録ID: 6901497
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アルパインクライミング
谷川・武尊
一ノ倉沢衝立岩中央稜（北稜下降）
2024年06月08日(土) [日帰り]
群馬県
yy0419
その他1人
体力度
4
1泊以上が適当
体力度について
- GPS
- 13:04
- 距離
- 12.8km
- 登り
- 1,550m
- 下り
- 1,549m
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日帰り
- 山行
- 12:09
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 12:52
距離 12.8km
登り 1,550m
下り 1,549m
16:39
ゴール地点
クライミング中のログはあちこちに飛んでいます。
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2024年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
備忘録を兼ねてやや詳細に記しておきます。 1．一ノ倉本谷雪渓の状態 出合付近の残雪は皆無。しばらくゴーロ状を歩き、右岸の巻き道に入る。一の沢出合手前で巻き道から再び本谷に出たところからは十分な大きさの雪渓があり、しばらくの間はテールリッジまで雪渓経由で問題なく取り付けます。テールリッジ取付部のシュルンドも問題なし。ただし巻き道出口付近は一部崩落が始まっているところあり、今後広がっていくと思われます。 2．テールリッジ 充分乾いておりまったく問題なし。 3．中央稜 1P目40m�� トポでは�元蕕箸覆辰討い泙垢�、�掘楪�度。日当たり風当たり良く乾いていて登りやすいのでアップにぴったり。 2P目25m�� 1P目終了点から1歩下がって右に回り込む。ルンゼというかじめじめした凹状の歩きピッチのようなところ。右へのトラバースが始まる手前に終了点あり。（先行Pは終了点を通過して左上してしまい、後から懸垂してコース復帰していました。） 3P目20m�� 出だしのトラバースとトラバース後の直上が核心。 4P目20m�掘� トポの核心手前にハンガーボルトと新しめのハーケンの立派な終了点があり、ロープの流れも考慮してピッチを切りました。つなげると50mで届くのか疑問。 5P目25m�后� ルート中の核心。右に回り込んでチムニーに入ります。チムニーを抜けるところが核心。出だしで右に回り込まず、フェースを直上することも出来そうですが、やや脆いように思われます。 6P目40m�掘� ここから上はあちこちに終了点らしきものがありますので、ロープ半分以上を登ってから次に出てくる適当な終了点で切るように進みました。じめじめした凹状の壁を登りきったところで切りましたが、トポのルンゼまで進んだと思います。最後の壁が脆く立っているので、動くホールドに注意。 7P目35m�� トポでのルンゼと上のルンゼの間と思われる、カンテ状の気持ちいいピッチ。体感�元蘢�度はあるかと。 8P目40m�� この辺りは正直はっきり覚えていませんが、リッジを基本に登っていくイメージ。最後はあえてリッジ上の辛めのルート取りをして終了点へ。体感�� 9P目25m�� リッジがドンづまる感じのところまで。ここも何だかんだ�靴呂△覽い�します。中央稜の後半は草付で面白くないとよく言われますが、言われているよりリッジ登攀が多く、むしろ南稜より楽しめると思います。 10P目35m�� 9P目終了点から右に下っていく踏み跡をたどって出た涸れ沢を詰めて北稜の稜線まで。途中ランニング0ですが、歩きピッチなので問題ありません。終了点はありますが、スリングがヤバいです。 4．北稜からの下降路 懸垂1P目：中央稜終了点から少し北稜を下ると立派な懸垂支点があり、ズドンと壁になって落ちています。素直に降りるだけなのである意味簡単。 2P目：立ち木にロープが巻いてあり、ゲートの開くビナが3枚付いています。1P目より草が生えてきますが、十分明瞭。ここもまっすぐ降りられるのでロープを投げました。 3P目：40m降りた後に上から見て左にトラバースがあります。まっすぐ降りるとダイレクトカンテ方向に行ってしまうとありましたが、懸垂ルートは踏み跡のようになっているので迷うことはないと思います。ただし、次の支点までは50mロープでは届かず、すっぽ抜け等に注意が必要です。（次の支点まで歩けます） 4P目：20m降りた後、20m程トラバースした上で、さらに15m程下降します。懸垂では一番わかりにくいところで、なおかつロープがスタックしやすいところです。我々もスタックしてやや登り返ししました。最後の下降の前半部には残置のロープがありますので、トラバースが終わったあたりで一度ロープを回収し、残置ロープで懸垂するのもアリかもしれません。 5P目：空中懸垂で40m降りた後で、スラブを15m程歩きます。次の支点まで50mでギリギリ届かないくらいですが、支点まで歩くのに安全なところまでは降りられます。 6P目：20m垂直に懸垂した後、衝立スラブをピナクル鞍部まで歩きます。衝立スラブは確保無しに歩くのはやや危なっかしいので、ロープを抜かずにピナクルまで下った方がベター。ただし、振られやすいので転ぶとスラブの中心側に転がる可能性が高いので要注意。ここでいったん懸垂から解放されます。 ピナクルから衝立前沢：ピナクルからはスラブ脇についている踏み跡をたどれば自然と略奪点に辿り着きます。1つ目の沢（今回は雪渓になっていました）を下らず、やや登り返して2つ目の小さな沢に入っていけば、これが衝立前沢です。衝立前沢の下りは微妙なところもありますが、どうにかクライムダウンできるような程度の下りです。一ノ倉本谷手前の滝のみ20m懸垂してまもなく一ノ倉沢に出ます。今回は衝立前沢の出合に雪渓が残っていて、左岸からやや微妙な感じで雪渓上に乗りましたが、状況によっては雪渓への上陸等が困難となる場合がある可能性があります。 |
写真
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マチガ沢出合
まだそれなりに雪渓が残っています。東尾根に行くにはまだ早いようです。
まだそれなりに雪渓が残っています。東尾根に行くにはまだ早いようです。
巻き道出口から雪渓の大きさは十分あります。ここからチェンスパ着けて雪渓に乗りました。右岸には穴が開き始めているところがありましたので、今後崩落注意。
6/8 5:03
巻き道出口から
雪渓の大きさは十分あります。ここからチェンスパ着けて雪渓に乗りました。右岸には穴が開き始めているところがありましたので、今後崩落注意。
雪渓の大きさは十分あります。ここからチェンスパ着けて雪渓に乗りました。右岸には穴が開き始めているところがありましたので、今後崩落注意。
テールリッジ取付の様子��
シュルンドは大したことなく、難なく取くけました。
シュルンドは大したことなく、難なく取くけました。
テールリッジから見る衝立岩
ピラミッドのようにそそり立っています。
ピラミッドのようにそそり立っています。
トラバースが終わったら直上しますが、高度感もありやや難しいところです。
4P目
3P目終了点から。ここからだと核心のチムニーまで届かないか、届いても流れが悪くなるので、このフェース上で切りました。
3P目終了点から。ここからだと核心のチムニーまで届かないか、届いても流れが悪くなるので、このフェース上で切りました。
5P目
右へ回り込んでチムニーに入ります。本ルートの核心。まっすぐフェースを直上もできるようです。
右へ回り込んでチムニーに入ります。本ルートの核心。まっすぐフェースを直上もできるようです。
雪渓とスラブをバックに快適なリッジをクライミング
これぞ一ノ倉といった風景です。
これぞ一ノ倉といった風景です。
5P目終了点からの振り返り
核心のチムニー出口は見えませんが、テールリッジと烏帽子・衝立両スラブが望めます。
核心のチムニー出口は見えませんが、テールリッジと烏帽子・衝立両スラブが望めます。
6P目
ここからは時短も兼ねてなるべく伸ばしてピッチを切っていきます。
ここからは時短も兼ねてなるべく伸ばしてピッチを切っていきます。
6P目終了点
湿った壁を登り切り、リッジに出たところのピナクルにあります。
湿った壁を登り切り、リッジに出たところのピナクルにあります。
終了点から6P目を振り返ったもの
この辺りが脆く、大きなホールドが動きますので要注意です。
この辺りが脆く、大きなホールドが動きますので要注意です。
10P目
9P目終了点から踏み跡を右に降りていくとこんな沢に出ます。易しい登りで稜線まで。ランニングはありません。
9P目終了点から踏み跡を右に降りていくとこんな沢に出ます。易しい登りで稜線まで。ランニングはありません。
衝立の頭付近からの烏帽子岩
せっかくなので衝立の頭に行ってみました。（正直どこが衝立の頭なのかよくわかりませんが…）
せっかくなので衝立の頭に行ってみました。（正直どこが衝立の頭なのかよくわかりませんが…）
これが衝立の頭か？
残置ロープがあります。ただし表皮が破れている状態なので手を添える程度に！？
残置ロープがあります。ただし表皮が破れている状態なので手を添える程度に！？
4つ目の懸垂支点崖のすぐ手前の支点を使います。これも3回目の懸垂では届きませんし、3回目を延ばし過ぎるとロープ回収が困難になります。
6/8 13:18
4つ目の懸垂支点
崖のすぐ手前の支点を使います。これも3回目の懸垂では届きませんし、3回目を延ばし過ぎるとロープ回収が困難になります。
崖のすぐ手前の支点を使います。これも3回目の懸垂では届きませんし、3回目を延ばし過ぎるとロープ回収が困難になります。
5回目の懸垂を振り返る
ピナクルまでロープを抜かずに上していくと、ロープはこんな軌道を描きます。
ピナクルまでロープを抜かずに上していくと、ロープはこんな軌道を描きます。
略奪点の先にあった雪渓で水汲み
満水にするには日が暮れてしまいそう？！
満水にするには日が暮れてしまいそう？！
徐々に広がってきます。流れが出てきたら濡れている岩に注意して下ります。
衝立前沢の滝の懸垂支点
20m程度なので50mロープ1本で下ります。
20m程度なので50mロープ1本で下ります。
最後の難関雪渓上陸
左岸から上陸しましたが、見た目よりやや厄介でした。
左岸から上陸しましたが、見た目よりやや厄介でした。
上陸後に振り返った衝立前沢
先端が沢に接していればなんてことないのですが。
先端が沢に接していればなんてことないのですが。
感想
久々に一ノ倉衝立岩の中央稜を踏破することと、北稜からの下降路を辿ってみることを目的に行ってきました。当日は烏帽子岩南稜に10名程度、衝立岩中央稜に6人3Pが取付いていました。条件も良く、思っていたより順調に中央稜登攀を終え、北稜からの下降も悪いところはありましたが、想像していたほどには不明瞭ではなかったので、経験者であれば迷わず下れるルートではないかと思います。所要時間としては登りと大して変わらないほど要してしまいましたので、次回はより短縮を目指したいところです。1日で総合力を求められる好ルートで、アルパインの実力を測るにはもってこいと思われます。
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