金峰山、瑞牆山、富士見平テン泊ベース(下山時転倒)


- GPS
- 26:09
- 距離
- 23.3km
- 登り
- 2,234m
- 下り
- 2,092m
コースタイム
- 山行
- 3:59
- 休憩
- 2:31
- 合計
- 6:30
- 山行
- 2:04
- 休憩
- 2:32
- 合計
- 4:36
過去天気図(気象庁) | 2024年06月の天気図 |
---|---|
アクセス |
装備
個人装備 |
携帯電話
水3L
炎熱サプリ
ゼリー
ガスター10
ロキソニン
ライト2個
サバイバルブランケット
テーピング用テープ(80cm以上×3cm以上)
携帯トイレ
レインジャケット
レインパンツ
長袖シャツ
帽子
ファーストエイドキット(絆創膏/消毒薬など)
保険証
トレイルランニングシューズ
熊鈴
日焼け止め
ワセリン
現金
ベースレイヤ(ファイントラック)
Tシャツ
パンツ
ソックス
手袋
BUFF
ザック
コンタクトレンズ
サングラス
タオル
目薬
GOPRO
テント(本体・下)
ポール
ペグ
フロアマット
シュラフ
着替え(Tシャツ
パンツ)
食事(夜
朝)
バーナー類一式
チリ紙
ゴミ袋
|
---|
感想
6月に、富士見平小屋から駐車場へ下山する途中で転倒しました。怪我は、股関節の脱臼骨折で、いわゆる重傷の部類にはいります。怪我当時、山梨県警の救助隊のかたに助けられ、救急の方たちも、山奥まで来ていただき、大きな怪我でしたたが、早く対処していただきひと月ほどで退院できました。山梨県警救助隊、救急隊、病院で対応していただいた先生方には、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
怪我の状況ですが、2024年6月6日に怪我、6月13日に手術、6月27日に退院でした。その後、地元の病院でリハビリを続けていましたが、軟骨がなくなっていることもあり、なかなか完治せず、12月に人工股関節の手術を決めました。
今回の事故は、登山における「魔の場所」とも言われる「なんでもない場所」で起こりました。ヤマレコに記録を残そうと思ってはいたのですが、なかなか書く気持ちにならなかったのですが、手術で区切りがついたので、その経験を共有し、皆様への注意喚起としたいと考え、筆をとりました。
<事故の状況>
日時: 2024年6月6日(木) 午前9時頃
場所: 富士見平小屋から駐車場へ向かう下り登山道。林道まで残り約50m、駐車場まで約600mの地点。左側に大きな岩があり、その岩を巻くように登山道が続く場所。木段があったが、段差はそれほど大きくなかったと記憶しています。
怪我: 右股関節脱臼骨折(重傷)
<事故発生から救助まで>
早朝、瑞牆山登頂後、テントを撤収し、午前8時30分頃に富士見平小屋を出発。下山中に水を補給し、午前9時頃に事故が発生しました。
いつもは手袋を装着して下山するのですが、この時は「すぐに駐車場に着くから大丈夫だろう」と油断し、手袋をしていませんでした。
左側の大きな岩を左手で支えた際、岩肌で手を擦りむいてしまい、その傷を舐めて消毒しようとしたまさにその瞬間、体が前に投げ出され、そのまま転倒。左側を下にして倒れましたが、その際、右膝に力が入らないような「何かヤバい感じ」がしました。なんとかザックを体から外し、近くの岩まで移動。出血はなく、同じ体勢でいれば痛みもなかったので、最初は自力で下山できるか探りました。
しかし、しばらく時間を置いて立ち上がろうとしたところ、右股の内側に強い違和感があり、歩行は不可能と判断。転倒から約10分後の午前9時10分頃、110番に救助要請をしました。
午前10時30分頃、山梨県警の救助隊の方と連絡が取れ、現在位置(Googleの位置情報が有効でした)、怪我の状況、水や補給食、衣服の有無などを確認していただきました。約1時間後にはパトカーで林道の登山道入口まで来ていただき、肩を借りての下山を試みましたが、痛みがひどく断念。最終的にはおんぶしていただき、パトカーまで運んでいただきました。当初、隊員の方や救急隊の方からは骨折や出血はないだろう、靭帯損傷ではないかとの見立てでしたが、後に重傷であることが判明します。
<病院での治療と入院>
林道から一番近い病院へ搬送され、精密検査を受けました。
「1日くらいで帰れるだろう」と思っていたのですが、結果はまさかの股関節脱臼骨折という重傷でした。この病院では対処できないとのことで、すぐに山梨県内の大きな救急病院へ搬送。当日中に脱臼の処置をしていただき、1週間後に手術となりました。
登山口に置いてきた車、車内においたザックなどは、家族・兄弟が取りにきてくれ、自宅まで運んでくれました。普段からライングループで登山の景色などを共有していたので、今回このような事故でしたが、色々とスムーズに運びました。家族・兄弟には感謝です。
<事故の原因と学び>
事故の直接的な原因は、左手の傷に気を取られ、足元をよく見ていなかったことによる「油断」だったのかもしれません。しかし、なぜ「なんでもない場所」でこれほどの重傷に至ったのか、いまだに腑に落ちない部分があり、原因がはっきりしない怖さがあります。
「手袋をしていれば」「ポールを使っていれば」「膝に違和感があった時点で山行を中止していれば」など、後から考えると様々な「もしも」が浮かびます。しかし、今はすべてを受け入れ、今回の経験から多くを学ぶ必要があると感じています。怪我が完治したら、もう一度現場に足を運び、何がこれほど重傷化させたのかを検証したいと考えています。
今回の事故は、幸いにも命に別状はありませんでしたが、転倒や滑落は、どれほど注意していても、いつでも、どこでも、誰にでも起こりうると痛感しました。そして、「なんでもない場所」こそ集中力を高める必要があるという、よく言われる教訓を身をもって知ることができました。(実践することは非常に難しいですが…)
今回の事故を通じて、山での安全管理の重要性と、万が一の事態に備える心構えを改めて痛感しました。皆様も、どうぞ安全な山行を心がけてください。
<その後の経過(2025年4月21日追記)>
2024年12月中旬、人工股関節の手術は無事成功し、予定通り1ヶ月の入院を経て2025年1月中旬に無事退院しました。
退院当初は、手術で右足の筋肉(中殿筋)を切開したため、筋力が極端に低下しており、日常生活は問題ないものの、歩行には片方の杖が必須でした。
しかし、その後は順調に回復し、術後4ヶ月が経過した現在(2025年4月21日)、トレラン・登山用のポールを使って歩けるまでに回復しました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する