日高幌別川トヨニ岳北峰南西面直登沢


- GPS
- 32:00
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 1,907m
- 下り
- 2,019m
過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
7.18
曇時々小雨、22℃±
トヨニ川左股林道(6:20)→トヨニ南峰南東面(トヨニ川左股沢)出合い(6:40)→トヨニ南峰(10:45〜11:00)→日高幌別川Co620 C1(13:30)
国道から分岐する林道を車で入ることができるのは、左股沢出合の二股より約1km下流のCo460地点まで。トヨニ川左股は、予想通りCo800手前から雪渓が出てきた。Co800の10m滝は、雪渓がからんでおり沢身まで降りられないので、雪渓から直接滝の中段、左岸側カンテに乗り移り、落ち口めがけてトラバース。落ちるとまずいので、補助ザイル15mを出す。続くCo860付近の15m滝は、右岸から取り付き、流心を直登する。ちょっと強引だった。通常なら左岸側から捲き気味に行くべきだろう。
その後、Co1000付近まで断続的に雪渓。ほとんどのるか、側壁を小さく捲いて通過する。30分ほど薮をこぎ、頂上東側の稜線に出る。不明瞭な踏み跡を辿り、南峰の頂上へ。
ネッチョリとしたガスの中、日高側からの冷風にさらされて震え上がる。視界の利かない中、若干稜線を南へ辿り、日高幌別川へ降りる。急な斜面にぶち当たりながら右往左往しつつ、ガレた沢身まで。視界の無いときは慎重に。
南峰からの下りの沢は、岩盤とガレが交互に出てきて、Co900を過ぎたあたりからべっとりと雪渓。それほど急でもないが、巨大デブリの跡らしく、右岸側支尾根の木々を根こそぎ剥ぎ取って、集木場の様相だ。雪渓の上にはアイヌ葱の群落が土壌ごと乗っている。今夜のおかずに沢山摘んだ。巨大雪渓はさらに続き、なんとトヨニ北峰南西面直登沢の出合いまで続いていた。雪渓の切れた620m付近でC1。
7.19
曇時々小雨、20℃±
4:45出発→トヨニ北峰頂上10:45〜11:00→トヨニ川右股下山17:30
夜半パラパラと雨に降られるが、心配していたほどの降りにはならず、朝まで焚き火は燃え続けた。マタギスタイルでゴロ寝を貫いた勝亦のおかげ。トヨニ北峰南西面出合いへは、前日の打ち合わせどおり、雪渓から空身でクライムダウンして降り立つ。出合いからすぐに小滝が連続し、3つ4つすべて直登できる。その後、釜付き10m滝。直登不能なので、右岸側ザイル20m出して登り、立ち木から落ち口へ向かって斜め懸垂で抜ける。次の10m釜滝は、左岸ザイルを出して登る。続くのっぺりとした3m釜滝は、流木にしがみついて取り付き、細かいホールドを利用してシャワークライム。それが終わると雪渓がCo850付近までべっとり。
Co850の「4段大滝」は、1段目(10m)右岸直登、2段目(10m)ザイル出して流心を横切り直登。みそぎのように滝の水流を浴びながら斜上する刺激的なライン。3段目(5m)左岸草付きを登るが、易しい。4段目(15m)ナメ滝は直登。さらにその上は小滝、ナメ滝が連続するが、ほとんどが直登できる。薮漕ぎも無く北峰のピークへ。1張分のテン場あり。
このトヨニ北峰南西面直登沢、スケールこそ日高1級の直登沢に劣るが、滝登りの面白い沢だった。
北峰からトヨニ右股川へ降りる。上部に急な雪渓あり。ピックを立てながら尻すべりの格好でズリズリと。Co1000二股から先は岩盤が出てきて、小滝と函滝の連続。
つっぱりクライムダウンを駆使する。南峰カールへの沢出合付近にある大滝は、左岸ブッシュを捲いて降りる。出合いからしばらく小滝と函が断続的に現れ、岩盤のきれいな沢だ。
過去の記憶ではこのまま下流まで岩盤のきれいな沢が続くはずだったが、中流部は雪渓と多量の流木が詰まって無残な姿になっていた。これも春先の巨大なだれによるものだろうか。これから数年、流木ダムの目立つ鬱陶しい部分が増えるだろう。これらの雪渓や流木の処理、メンバーにとって慣れないクライムダウンが続き、下降は思った以上に時間がかかった。函状の滝や段差は飛び込みを駆使し、できるだけスピーディに下降していったが、1箇所10〜15m程のトイ状斜滝で事故につながる一件あり。
結論から言うと、先頭のリーダーの突っ込みすぎ。メンバーが滑って釜に着水した付近に流木が掛かっていて、その流木にメンバーのハーネスが引っかかり、水圧で身動きがとれなくなった。自力脱出が不可能なため、先に下りたリーダーが泳いで戻って救出に行く。ナイフで腰の部分のハーネスを切断し、脱出させた。着水付近に流木を認めた時点で、後続には懸垂下降を指示すべきであったと反省。
Co500付近から左岸の旧ブル道にのった。荒れ放題なので、河原を歩くのと大した時間の差は無いと思う。
(※下降の事故未遂は、この後、山岳部例会で詳しく分析された。現役の皆さんの真摯な姿勢に感銘を受けた私です)
コメント
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春別川は保護水面ですよ。
http://www.town.urakawa.hokkaido.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC020000&Cc=7d46050f0a34186
げげっそんな決め事があるとは、、、
教えて頂いてありがとうございます。
SAITO
この内容なら、二年目には満腹御礼でしょう。愉快そうです。
そうなんだ〜。
確かに事故も多いな。
気をつけます。
昔は必要な時だけオシメするだけだったけど、最近は、ハーネスやらシュリンゲやらを腰につけたまま沢行動するのですか?
僕が現役の時はシュリンゲを2本腰に捲いて行くのが標準でした。
飯島さん(懐かしい!)が冷水沢で滝から落ちて飲まれたとき、
腰に衝撃が大きくて、しばらくぎっくり腰になったという記憶があります。
でも、当時でもワンゲルは、岩登りと同じハーネスをつけて登っていたような気がします。
僕の見解としては、登攀系の沢(積極的にザイルを出して滝のぼりをする沢)は、ハーネスがあったほうがいいです。
下りはその人の嗜好にも寄りますが、水線沿いに泳いだり飛び込んだりが好きな人は、外しちゃったほうがいいと思います。
今回のように引っかかると怖いので。
腰がらみ、オシメ、、沢登りでは現在でも有効な基礎技術だと思います。
SAITO
これってメインの準山なのかしら?
L-sが二人ともOBってのがどうも違和感ありです。
なんか学生野球で、先発も4番も社会人のOBが出てきているようなもんで、あんまり美しくない。
学生部が受理しているならそれも問題あるだろうし・・・。
山岳部とは無関係の小山行なのかな。
よくよく見るとカドのあるコンパスやホイッスル、装備品もいろいろ変化してますね。コンパスはカド無しの方が安全かと思います。
いろいろあるとは思いますが、現役が自覚するしかないですね。
今夏は1年班の沢と本州の岩の夏メインの計画を出す予定です。
L-s不足とスケジュールの関係で2年目を二年班の沢に連れて行けないということで
斎藤さんの計画に2年目を送り込む形で小山行として連れて行っていただいた次第です。
今の2、3年目は岩の趣向が強いです。
コンパスの角ってやすりで削ったりして丸くしていたんですか?
角はMの地図読みを見る時に現在地を指す時などで使っています。
シャウエッセン君
まずは膝の完治だね。先は長いのであせらずに。
以前僕も似たような膝故障を経験しているので、
自分流の予防法を確立した(つもり)。なんなら今度伝授します。
僕はこの間、L-S不足やルームの事情など知っているから言わないけど、いはらの言っていることは正論でもあるので参考にして下さい。僕も今後気をつけます。
コンパスは、
現役のときから丸いやつを周辺あぶって使っていた。
でかい角張ったコンパスは安全性というより、
冬にビンビラの状態で方向きったり地図読みするとき、
霜や雪がくっついて不快調じゃない?
ちなみにホイッスルは、
沢登りのとき、瀑布の上下など、コールじゃ聞こえにくいような場所で意思の疎通に便利です。
これは今回私がメンバーにお願いして持たせたもので、普段現役はもっていないと思います。
ホイッスルは声が出ないとき、コール届かない場所用です。手が使えないときはもちろんコールです。
今のルームでは標準装備でいつも持っていっています。
>iharaさん
勝手に勘繰ったことを確認もせず皮肉まじりに言うのはやめたほうがいいのでは。
言われたほうは不愉快ですよ。
どうも語弊があったみたいですが、ルームとして2年目をOBの方につれてってもらおうという決定ではないです。
あくまで2年目個人の希望でルームが許可したという形です。
岩の話ですが、岩ばかりやってたら山の力がつかない、それは山岳部じゃないということですか?自分はそう思います。
OBのL-sの話、そんなに気にすることでしょうか。現役には家族との意思疎通を図っておくよう言ってあります。
下の年目としてはつれてってもらえるL-sが捕まらない、OBの方から小山行の誘いがあった、なら乗ってしまおうということでした。
これは情けない事ですか?
ルームとしてOBに全面委任なら情けないことでしょう。やはり先に述べたように語弊がありましたか。
OBの山行を大学として課外活動を受理するのかという問題はわかります。学生部が遭対を置く意味、考えが足りていませんでした。
ルームの縛りのない社会人にルームの山行を出させる危険性があります。そのあたりはOBの方には自覚していただいていると思っていますが・・・
人数少ないとルームの考えにどうしても偏りが出ます。検討力不足に直結しています。
あまり大っぴらに書くべきことではないですかね。
>saitoさん
医者行った所ランナー膝なら完治していると言われました。一応もう少し静養します。
予防法の伝授、ぜひお願いします。長期山行への恐怖が・・・
冬のコンパスの霜ですか。そんなに感じたことないですねえ。素材の質変わったんでしょうか。
tanakashoくん、こんにちは。
今の現役が何したいのかは、俺の知ったこっちゃないが、岩をやりたいなら札幌登攀倶楽部とかあるわけだし、それぞれが自分で考えてやれば良いんじゃない?
北大体育会山岳部でやれることは、昔から制約や限界があります。どこの部も同じだと思うけど。
学生部に届け出をして北大山岳部で行く場合、遭難事故が起きた際には、学生部あたりが遭難対策本部を設置したと思います。学生を管理?する立場にあるからね。
で、よくよく調べてみたら、LもALも部外者で、山行中の判断や決定権が学生になかったと分かったらどーなるでしょうか?
現役部員の親御さんだって、基本的に学生山岳部としての活動なら納得するかも知れませんが、社会人のバリバリ登っている人に連れていかれて、殺されたとあっちゃあ黙っていないでしょう。
昔は、学内OBもけっこういたけれど、基本的には現役でなんとかしてました。
ケイテキ寮もそうだけど、自寮自治とか、学生ってそんなもんだったと思います。
仕送りもらって、授業さぼって、OBに山連れってもらっているんだとしてら、なんとも情けなさ過ぎですね
過去の遭難記録読んだりいろいろ勉強して下さい。
自分で探せよ。
と言いたいところですが、
新入部員の時に、キンタさんが教えてくれました。
「カドのあるコンパスもあるけど、ちゃんと丸いの探して買ってこい。」
「で、この丸いヤツ、行動中に分解しちゃうから、ライターで炙って溶接しておくよーに。」
中には、間違えてカド有りコンパス買って、買い直しさせられている奴もいたと思います。
僕も後輩に教えたような・・・。
なんか、口頭伝承のアイヌユーカラみたいだな。
ホイッスルは落っことしたり、腕折った時は使えないので、コールの練習も欠かさずに
もっとも、装備や登り方は、時代によって変わるのが当然なので、自分らで好きなようにやってください。
・ホイッスルは標準装備だったのですね。芦別に一緒に行ったとき、身に着けていた記憶が無かったので。おそらくザックの中にしまっていたのでしょう。
・コンパスは今度角張ったのも使ってみることにします。
・今回の山行で、年と技量の離れたOBが現役メンバーを教育的配慮もしながら見ていくことの大変さを実感しています。
もともとメインとなって2年目メンバーを連れて行くつもりはなかったのですが、途中からメンバーの情熱に動かされてしまいました
たとえ小山行にしても、2人しかいない2年目をまるまる預かることになるのだから、その時点でルームを運営する上級生ともっと意見を交わし、内・外的に考え方をはっきりさせておくべきだったと思います。
・次のピリカを最後に、今後メインとなって関わることはしないでしょう。労力的にできないといってもいい。現役は現役で今の人員不足や検討力不足の中で、とことん考え抜き、議論し、ぎりぎりできる範囲で4年サイクルの計画を遂行して下さい。そこに面白みがあると僕は思っています。
さあ、気合を入れてピリカに行こう。
晴れるといいな。
tanakashoくん
勘ぐったりして申し訳ない。
僕らよりずっと立派にやってます。
とはいえコメントありがとう。
岩のぼり存分に楽しんできて下さい。
錫杖ってのは楽しそうですね。
さいとーさん
良い仲間がたくさんいますね。
けど「むちゃはよそーぜ、さいとー」
って人がそばにいない時はくれぐれも気をつけて
iharaさん
こちらこそありがとうございました。
OBの方からの助言はありがたいです。
今回も一つ意識していなかった問題点がわかりました。
今後もお気付きのことがありましたらコメントよろしくお願いします。
saitoさん
店先で少し話が過ぎました。申し訳ないです。
L-sの件は夏休み明けの初例会での議題とします。
ピリカお気をつけて。2年目を頼みます。
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