記録ID: 7179347
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無雪期ピークハント/縦走
東北
只見尾根から登る初夏の浅草岳
2005年06月18日(土) [日帰り]


- GPS
- --:--
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 1,382m
- 下り
- 1,388m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2005年06月の天気図 |
アクセス |
熊谷-田子倉登山口(レンタカー) 田子倉登山口-熊谷(レンタカー) |
写真
“熊の爪跡”を後にして進んで行くと急にまわりが明るくなって樹林の中に陽が差し込んできた。
つづら折りの折り返えし点から空を見上げると、ゆっくりと霧が晴れて青空が覗き始め、遠くに残雪を抱いた山が徐々に姿を見せ始めた。方向からしてあれが目指す浅草岳に違いない。
つづら折りの折り返えし点から空を見上げると、ゆっくりと霧が晴れて青空が覗き始め、遠くに残雪を抱いた山が徐々に姿を見せ始めた。方向からしてあれが目指す浅草岳に違いない。
急激に回復してきた空模様に気を良くしてつづら折りの道をドンドン登って行くうちに頭上が明るくなり、5時55分に不意にまわりが開けた眺めの良い岩尾根に出た。
道の脇に打たれた白い杭には“田子倉眺め”と書かれている。行く手にはこれから辿る尾根の果てに残雪を抱いた浅草岳が高く大きく聳えていた。
道の脇に打たれた白い杭には“田子倉眺め”と書かれている。行く手にはこれから辿る尾根の果てに残雪を抱いた浅草岳が高く大きく聳えていた。
剣ヶ峰からほどなくして6時40分に“鬼ヶ面眺め”に着いた。登山道はそのピークの直下を巻いているためあまり展望はきかないので、切り立った岩をよじ登り、灌木を掻き分けて“鬼ヶ面眺め”のピークと思われるところに立つ。
素晴らしい眺めに満足してピークから下りて少し休憩する。
この鬼ヶ面眺め付近にはサラサドウダンの木が多かった。折しも満開の時期らしく、どの木も鈴生りの可愛い花を咲かせていた。
写真は鈴生りのベニサラサドウダン。
この鬼ヶ面眺め付近にはサラサドウダンの木が多かった。折しも満開の時期らしく、どの木も鈴生りの可愛い花を咲かせていた。
写真は鈴生りのベニサラサドウダン。
7時ちょうどに、これからのきつい登りを覚悟して“鬼ヶ面眺め”を出発する。
平坦な道を少し行くと再びブナの樹林帯に入り、“熊合せ”と書かれた大木の間を通る。木陰の道を歩いていると、まだまだ新緑といってよい樹々の葉を抜けてくる冷たい風が心地よく火照った体にあたる。
平坦な道を少し行くと再びブナの樹林帯に入り、“熊合せ”と書かれた大木の間を通る。木陰の道を歩いていると、まだまだ新緑といってよい樹々の葉を抜けてくる冷たい風が心地よく火照った体にあたる。
やがて道は樹林帯を抜けて小さなつづら折りの急登になる。振り返ると鬼ヶ面眺めが遙か下になり、その左手遠くに田子倉湖が見える。
漸く雲海も切れ始めて南の空も晴れて来てはいるが、全体的に霞がかかっていて遠くの見通しはよくない。
漸く雲海も切れ始めて南の空も晴れて来てはいるが、全体的に霞がかかっていて遠くの見通しはよくない。
厳しい登りも道端に咲く花々の群れに癒されて何とか続けることが出来る。
やがて登りはますます厳しくなり、遙かに見上げていた右手の尾根上のピークもいつの間にか見下ろすようになる。左手の鬼ヶ面山も先ほどまでの威圧感はない。
やがて登りはますます厳しくなり、遙かに見上げていた右手の尾根上のピークもいつの間にか見下ろすようになる。左手の鬼ヶ面山も先ほどまでの威圧感はない。
無事登頂した安堵感からかお腹が空いてきたので買ってきた鉄火巻きを頬張る。食べ終えたところでこれからどうしようかと思い、まわりを見渡すと目の前に雪に覆われた前岳が見えたので、まずそこへ行ってみることにした。
前岳の山頂は灌木に囲まれて狭く見通しもない。この先は鬼ヶ面山方面へと下って行くが、今日の雰囲気ではヒメサユリが咲いている気配はなかったので、ここで引き返してカヘヨノボッチ方面へ行ってみることにした。
写真はその途中で見た鬼ヶ面山の山並み。起伏が多くなかなか厳しそうな稜線だった。
写真はその途中で見た鬼ヶ面山の山並み。起伏が多くなかなか厳しそうな稜線だった。
カヘヨノボッチへの道を下ってゆくとネズモチ平から登ってきたパーティに出会った。花の様子を聞いてみると肝心のヒメサユリはまだとのことだった。仕方がないので引き返して再び浅草岳に向かう。
その途中の前岳との鞍部から守門岳を見るが霞んでいてはっきりしない。
その途中の前岳との鞍部から守門岳を見るが霞んでいてはっきりしない。
浅草岳の頂上に戻ったのは9時30分。まだ時間があるので次は入叶津方面への道を行く。しばらくは眼下に田子倉湖を眺めながら頂上の延長のような稜線を行くが、やがて前方に見える草原のようなところへと下ってゆく。
同じ道を戻って三度目に頂上に着いたのは10時過ぎだった。いよいよ浅草岳とお別れの時が来た。
ヒメサユリは見られなかったが、まずまずの天気に恵まれ、またシラネアオイを始めとした季節の花々も見ることが出来て納得のいく山行だった。
人も多くなってきた頂上にお別れを言って、10時10分に田子倉湖目指して下山の途につく。
ヒメサユリは見られなかったが、まずまずの天気に恵まれ、またシラネアオイを始めとした季節の花々も見ることが出来て納得のいく山行だった。
人も多くなってきた頂上にお別れを言って、10時10分に田子倉湖目指して下山の途につく。
急坂のため下るのは早い。道端の花を見ながらドンドン下り、熊合せを通って鬼ヶ面眺めには11時に着く。
そこでしばらく休憩してムジナ沢カッチを始めとする岩峰群の素晴らしい眺めを見納め、その後剣ヶ峰、田子倉眺めを過ぎて樹林帯に入り、大久保沢には12時に戻る。沢の水で汗まみれの顔を洗い一息つく。
さらに沢沿いに下り、幽ノ倉沢を慎重に渡って登山口には12時40分に帰り着いた。
そこでしばらく休憩してムジナ沢カッチを始めとする岩峰群の素晴らしい眺めを見納め、その後剣ヶ峰、田子倉眺めを過ぎて樹林帯に入り、大久保沢には12時に戻る。沢の水で汗まみれの顔を洗い一息つく。
さらに沢沿いに下り、幽ノ倉沢を慎重に渡って登山口には12時40分に帰り着いた。
感想
浅草岳の名は“天狗の遊び場”などの山頂部に広がる草地が由来となっているようです。6月にはシラネアオイやヒメサユリを始めとした初夏の花々が咲き始め、紅葉の時期と並んでこの山が最も華やぐ季節になります。
登山当日、午前1時50分に田子倉登山口に着いたが、熊谷から6時間、200kmあまりの運転に疲れて横になるとすぐに寝入ってしまった。ふと目が覚めると既にまわりは明るくなっている。時計を見ると4時前だった。気になった空は灰色の雲に覆われている。
しばらく微睡んでから4時過ぎに起きて支度を始めていると地元の山菜取りの方が僕の車の横に来て止まった。どういう意図かは知らないが、この山は初めてかとか、どれくらいの時間で登るつもりかなどと聞かれた。いずれにしても、今日ここからは私が一番乗りのようだった。
曇っていた空も登るにつれて青空が広がり、サラサドウダンやシラネアオイなどを見ながら山頂に達したが、残念ながらヒメサユリの時期には少し早かったようでした。しかし只見尾根からの浅草岳の重量感ある山容や鬼ヶ面山狢沢カッチの急峻な峰々は一見の価値があるもので、遠くから遥々とやってきてよかったと思うのでした。
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