白馬大雪渓〜白馬岳〜栂池

2010年07月23日(金) 〜 2010年07月24日(土)

• GPS: 32:00
• 距離: 21.0km
• 登り: 1,899m
• 下り: 2,309m

天候

<1日目>晴れ
<2日目>晴れ

アクセス

利用交通機関：

タクシー 自家用車 ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）

<1日目>
マイカー利用、長野自動車道の豊科ICから白馬村へ。
八方第5駐車場(無料)に車を停め、八方停留所よりタクシー利用で猿倉へ。
料金は2500円か2800円くらいだったかと思います。
<2日目>
栂池ロープウェイを降りてからタクシーで八方第5駐車場へ。
料金はたぶん3000円ほどだったような気がする?

コース状況／危険箇所等

猿倉から白馬尻まで、特に問題なし。
猿倉から雪渓取り付きまでの山道には、ところどころ若干残雪がありました(アイゼンは必要ありません)。
今年は昨年に比べて雪が多く残っていたため、雪渓中央をほぼまっすぐ葱平まで歩くことができ、ルート距離が短くとれるため雪渓通過タイムも短くてすみました。
雪渓末端は白馬尻小屋あたりでした。

雪渓上はあちこちに大小の石が転がっていて、いつ落石があってもおかしくない状態でした。
杓子岳直下の天狗菱からは終始カラカラと落石の音が聞こえ、いつ崩落するかもわからないとドキドキしました。
昨年崩落した谷のあたりは、雪渓上にかなり大きな石が点在していました。
雪渓上は、速やかに通過するのが良いかとおもいます。

葱平でも、前日に落石事故でひとり亡くなった方がいると聞き、注意しながら登りました。
このあたりの落石は、むしろ人工落石が多いとも聞きますので、くれぐれも乱暴に歩いたりせず、人為的に石を落とさないようにしたいものです。

小雪渓はかなりの高さの残雪でしたが、ステップが切ってあるのでアイゼン無しでも通過できました。
大雪渓を抜けてから葱平でストックの先端にゴムキャップをつけてしまいましたが、小雪渓通過時は、再度キャップを外してしっかり雪にストックの先端をかませた方が良いです。

小雪渓〜避難小屋〜お花畑〜山頂山荘までは特に問題ありません。


白馬岳頂上〜白馬大池は、尾根からの斜面にまだ雪田が残っている箇所もありましたが、登山道は残雪はなく問題ありません。
白馬大池〜天狗平の途中にある小雪渓は、ステップが切ってあり、アイゼン無しでも渡れました。
その先の斜面にも残雪があり、ロープ利用で踏み跡を辿ればアイゼン無しでも下ることができました。
ロープ利用時はグローブをしていたほうが良いと思います。

残雪の斜面の先は、岩の上を渡ってゆくようなルートで、残雪が多く歩きづらかったです。
雪の踏み抜きに注意。

天狗平から栂池までの登山道は特に問題ありませんでした。

写真

7/23 9:11

昨年は雨で泥の濁流だった沢。。。
今年はいつもの穏やかで清廉な翡翠色の流れを見せてくれました(^^)

7/23 9:43

小屋までの登りも、今年は難なく良いコンディション。
昨年の様子をまざまざと思い出しつつ登ります。

7/23 9:47

昨年はこの川と道がいっしょくたになって、ひとつの沢になっていました。
おだやかな山道も、雨の日はあんなにも危険なートになるのですね。

7/23 9:52

雪渓が見えてきました。
今年は残雪が多いみたい?

7/23 10:28

白馬尻小屋前まで、厚い雪渓が迫っています。
こんなに雪が深く残った雪渓は初めて見ました。

7/23 10:31

雨のなか滝と化して、この短な距離すら渡ることが出来なかったこの場所も、いつもの様相。

7/23 10:31

登山道と同じ高さまで雪渓が。
昨年は木の橋が滝になって渡れず、雨の中、この大岩の下まで降りてトラバースしました。
下の方の沢で急な流れに足をとられ全身泥水に浸かり、このまま流されて死ぬんだと思いました。
小屋の方がロープを渡してくれていなかったら、人生が終わっていたかもしれません。

7/23 10:35

登山道にも残雪が。。。。

7/23 10:36

雪渓が登山道をまたいでいます。
昨年と同じ時期だというのに、まったく違う様相ですね。

7/23 10:37

雪渓が深いということは、登りやすいということかな。
山が頂上までの道を開いてくれてる。。。。今年こそ、悲願達成かも。

7/23 10:57

落石は平年並みに多いようですね。。。昨年の二の舞にならないよう、気を付けなければ。

7/23 11:19

二号雪渓、三号雪渓も深くまで雪渓が。
登るほどに空の青さが尋常じゃないくらい深くなります。
これはもう、大気圏越しに宇宙を見ているといった感じ。

7/23 11:51

青い空と雪渓。
この景色に魅了されて、何度も何度も雪渓登山にトライしてきました。
今日こそ、頂上まで登らせてください(>_<)

7/23 12:10

一歩一歩。
踏みしめながら。

7/23 12:10

杓子岳と天狗菱。
このあたりから落石が多く見られますね。
大きな石がゴロゴロ。。。。
左の谷では、ひっきりなしに落石の音がします。
葱平が見えるのに、酸素も薄くなってるせいか一歩が出なくなってきました。
シンドイ(+_+)

7/23 12:57

やっと葱平。
雪渓を登りきった!
感動ひとしお。

7/23 12:57

あいかわらず、落石の音が聞こえてきます。
まだ登ってくる人がたくさん。。。。どうか登山道まで落ちていきませんように。

7/23 12:58

ここから見下ろす大雪渓は何年ぶりだろうか。

よかった。
ここまで来れて。

7/23 13:00

アイゼンを外してひとやすみ。
お昼ごはんのおにぎりを食べました(^^)

7/23 13:32

ニッコウキスゲに似たユリの花。

7/23 13:39

岩室跡まで来ました。
こんなだったけ?
前に来たのがあまりに昔で、記憶がおぼろげ。

7/23 13:46

上から見下ろす岩室跡。
雪渓は、最後の登りがかなり傾斜がキツかったのだと気が付いた(^^;

7/23 13:46

小雪渓に沿ってガレた登山道を登ります。

7/23 13:51

小雪渓の雪解け水がちいさな沢になって流れてくる中を登ります。

7/23 14:02

沢を横切りながら登ります。
けっこう傾斜がキツイ。。。

7/23 14:02

小雪渓のトラバースが見えてきた!
青い空に雪渓のトラバースがまっすぐに映え、その上を歩く登山者はまるで雲上を散歩するよう。
なんて綺麗な風景なんだろう。。。。。。しばし見とれてしまいました。

7/23 14:05

雪渓のトラバースルートを一生懸命整備してる方が。
山荘の方でしょうか。
スコップひとつで、とても重労働です。

7/23 14:08

こんなに歩きやすくしてくださってました。
ありがとうございます。
m(_ _)m

7/23 14:12

雪の深さがわかりますね。
アイゼンは不要でしたが、ストックはゴムキャップをはずした方が良いです。
グローブをしていたので、雪かきをして下さってた方がゴムキャップを外してくれました。
重ねて感謝です。

7/23 14:12

下を見ると。。。。
うひゃー(>_<)
滑落したら下までまっさかさまです。

7/23 14:20

渡りきった!
休憩やお昼寝してる方が数名いました(笑)

7/23 14:22

ルートを見上げると、そこはまさに「アルプス」。
日本にもこんな場所があるんだよ!

7/23 14:23

避難小屋到着。
雪崩かなにかで潰されてしまったのを、昨年か一昨年に改築したのだそうで。
とても綺麗でした。
ボランティアのパトロールの方が駐留していて、登山道の様子などアドバイスをくださいました(^^)

7/23 14:23

避難小屋の横には大岩、その下には涼をとるのにちょうど良い沢の水が流れています。
※ここのお水は飲めないそうです

7/23 14:28

いよいよお花畑へ!

7/23 14:57

緑茂る斜面と雪田。
不思議な、美しい光景。

高山病に掛かりかけてるのか、あくびがすごくて弱い頭痛も。
頭痛薬を飲んで30分ほど休憩し、気圧に体を慣らしました。

7/23 14:58

黄色い高山植物がいっぱい咲いていました(^^)
登山道の先に村営山荘の屋根が見えました。

7/23 15:29

氷河遺跡。
お花畑に横たわる大きな大きな岩が不思議。

7/23 15:29

望遠で見ると、はっきりと氷河が滑り落ちた傷跡が見えました。

7/23 15:47

ここから上は、初めて行く場所です。
やっと、頂上まで行ける?

7/23 15:47

何処を見ても美しい景色。
溜息が出ます(*´・`)

7/23 16:00

村営山荘まで跡もう少し!
でも、酸素が薄いせいか、一歩登るのがとてもシンドイ。
ちょっと登っては足を止め、なかなか前に進みません。

7/23 16:11

ウルップソウだ!
生まれて初めて見ました。
この時期まで咲いてるだなんて。
すごく嬉しい(　*´∀`*)

7/23 16:12

オダマキに似た青い花。
青が好きだから、青い花ばかり目がいってしまう(笑)
高山植物に青い花が多いのはなぜかしら?

7/23 16:15

雪田越しに白馬山荘が見えました。
あともう少しだ!

7/23 16:15

村営山荘横を通過。

7/23 16:19

ウルップソウが群生してました。
うわぁ〜♪

7/23 16:25

旭岳との分岐。

7/23 16:25

不帰を越えて唐松へ繋がる道。
いつか、必ず、この道を縦走したい。

7/23 16:26

白馬岳と白馬山荘。
まるで絵葉書のような風景。

7/23 16:27

旭岳。
雪がいっぱい残っています。

7/23 16:27

こんな高い山の上でも、交差点があるのね(^^)
なんだか不思議。

7/23 16:27

今登ってきた大雪渓からの道。

7/23 17:58

やっとの思いで山荘に辿り着き、チェックイン。
疲労で頭がボンヤリして、なんだか要領を得なかった(^^;
山荘正面には剣・立山連峰が望めました。
すごいなぁ。。。。勇壮な眺めです。

7/23 17:58

夕食は、ラウンジのディナーを予約済み。
カツカレーにしました(^^)
かなりのボリュームだけど、食べきれるかなぁ。

7/23 17:59

雲海と山々を見ながらの食事。
なんて贅沢な。
二度とこれないかもしれないと思って、フンパツしちゃった(笑)

7/23 18:14

剱岳を見ながらの食事。
このうえない贅沢ですね。

7/23 18:38

そして、いちばんの目的はコレ。
山々を見ながらのケーキセット。
こんな山の上とは思えない美味しいお紅茶でした。
満足(　*´∀`*)

7/23 19:00

遊戯に染まる杓子岳。なんて美しいんだろう。。。。

7/23 19:00

旭岳に夕陽が沈みます。

7/23 19:01

ここまで登って初めて、杓子岳のホントのカタチを知りました。
見る方向でまったく違った形になる山。。。いろいろと奥深いものを感じます。

7/23 19:12

月が昇ってきました。
満月かな?
なんとも幻想的です。

7/23 19:14

夕陽が沈んだあとも、いつまでも明るい。
とても不思議な空間。

7/24 4:58

早朝から白馬岳へ。
日の出の時刻はガスっていたので、少し時間をずらして登りました。

7/24 5:01

頂上に近付くと、徐々にガスが晴れてきました!

7/24 5:16

山頂に到着。
何年にもわたる悲願をやっと達成。

感無量です(>_<。)

7/24 5:18

山頂から見る大雪渓。
こんなところを登ってきたのね。。。

7/24 5:19

清々しい朝日。
乳白色の景色が綺麗。

7/24 5:37

ブロッケン現象〜♪
楽しくて30分くらい遊んでました(笑)

7/24 5:51

さぁ、いよいよ縦走開始。

7/24 5:56

雪田があちこちに。

7/24 5:59

なだらかで歩きやすい稜線の道。
アルペンラインとはよく言ったものです。

7/24 6:03

すこしガレた道も。

7/24 6:03

なんて気持ちの良い道なんだろう。
朝のすがすがしさとあいまって、心まで洗い流されていくような感じです(^^*)

7/24 6:07

今来た道を振り返ります。
青空がなんとも綺麗。

7/24 6:19

三国境。
あっというまに到着です。

7/24 6:21

休憩がてら、あさごはんのパンを頂きました。
美味しい!

7/24 6:24

分岐点の標識。
雪倉岳にも、いつか行ってみたいなぁ。

7/24 6:31

小蓮華に向かって出発!
稜線の道が続きます。

7/24 6:36

とても歩きやすく、また本当に気持ちよい道ですね。。。

7/24 6:41

登山道の脇にコマクサが!
初めて見る「高山植物の女王」に感動。
踏まれないようにと、石で囲んでありました(´ー`)

7/24 6:43

白馬岳を振り返る。
頂上はまた雲の中に。。。
山頂に居る時にガスが晴れてよかった。

7/24 6:50

まだまだ続く稜線の道。
サイコーの気分です!!

7/24 7:05

小蓮華山到着。

7/24 7:07

山頂は崩壊しているため、立ち入り禁止となっていました。
地蔵の祠や鉄剣は、どうなったのかな??

7/24 7:10

稜線に沿って、道は続きます。

7/24 7:22

ちょっとガレた道に。
稜線づたいに進んでいくと、山の地質が異なる場所があったりしてとても面白いです。

7/24 7:26

穏やかな山稜。
晴れ渡った空と澄んだ空気。
いつまでもこの道を歩き続けたい。。。。

7/24 7:26

白馬岳方面は、完全に雲に隠れてしまいました。

7/24 7:32

チングルマ?

7/24 7:45

美しい稜線と登山道。

7/24 7:56

なんどもなんども振り返りながら。

7/24 8:19

白馬大池が見えてきました。

7/24 8:53

雷鳥坂の上から。
青い空を映して紺碧の水鏡ですね。

7/24 8:53

下ってきた雷鳥坂を振り返る。
なだらかな坂ですが、けっこう下ってきたのですね。

7/24 9:09

大池の周辺もまだ雪が残っています。

7/24 9:16

白馬大池山荘までの途中にも雪が。
フチのほうは踏み抜きそうでキケン(>_<)

7/24 9:18

蓮華温泉への分岐。
こちらからの往復だったら、雪渓の痩せた秋でも気持ちよく白馬岳に登れそう。

7/24 9:18

蓮華温泉へは、穏やかな登山道のようですが。。。?

7/24 9:29

大池山荘でお昼ごはん。
白馬山荘のお弁当です♪
味付けやおかずのセレクトが絶妙でした。
疲れた体が欲しがってる味ばかりだった。

7/24 10:06

大池を間近に望む。
雪解けの水はとても透明度が高いです。

7/24 10:12

大池を回りこんで乗鞍岳へ。
大きな岩を渡り歩く感じの道。

7/24 10:12

ここにも雪が。
だいぶ溶け始めていて、踏み抜いたあともありました。
踏み抜いて池に落ちたら大変なので、慎重に。

7/24 10:23

乗鞍へは歩きづらい岩のゴロゴロした道。
なだらかなのぼりなのに、疲れます。

7/24 10:30

途中、大池を振り返ってみる。
山々をバックに紺碧の水面が映えます。

7/24 10:30

乗鞍山頂までゴロゴロの道を上り続けます。
とにかく、歩きづらい(T_T)

7/24 10:52

やっと山頂。
といっても、なだらかな山なので、野原の真ん中にポツンとある感じ。
栂池からの登山者がたくさん休んでいたので、休憩せずに下り続けることに。

7/24 11:05

枯れ枝と高山植物。
まるでオブジェのようでした。

7/24 11:06

雪田をトラバース。

7/24 11:09

ベンガラでルートが示されてます。

7/24 11:14

ロープも張ってありました。
踏み跡が付いているので、アイゼンは要らなかったです。

7/24 11:25

雪田を渡ると、さきほどの比じゃない大きさの岩を伝って下るルートに。
雨の日は濡れた岩で足を滑らせそうですね。。。

7/24 11:31

下りの途中にも雪田が。
ロープを伝っていけば大丈夫だったので、アイゼンは不要でした。

7/24 11:41

下からみると、かなりの傾斜だったのがわかります。

7/24 11:44

天狗原までの道も、ゴロゴロ。
とにかく歩きづらいのです(涙)

7/24 12:04

ゴロゴロ岩のところどころにも、雪が。
雪の上を歩くところが何箇所も在りました。

7/24 12:06

こんな岩の上の道も。
想像よりもたいへんですね、このルート(^^;

7/24 12:13

天狗原到着〜。
岩の道を降りてきたので、木道にホッとします。

7/24 12:16

湿地帯をしばらく木道が続きます。

7/24 12:18

見上げるとトラバースした雪田が見えました。
だいぶガスってきましたね。

7/24 12:34

栂池まではこんな道が続きます。
案の定、指先が痛くなってきて泣きそうに(>_<。)
途中で靴下を脱いでバンソウコウで手当てしました。

7/24 13:42

あともう少し。。。かな?

7/24 13:43

栂池ヒュッテが見えました〜

7/24 13:50

痛む足を引きずりながら、やっと到着。

7/24 14:17

ストックを収納。
あとはロープウェイだ!
とりあえずソフトクリーム食べよう(笑)

7/24 14:36

ロープウェイから今日歩いてきた山を見上げます。
またいつか来るよ!

9/17 13:49

ただいま〜(´∀`)ノ

無事、愛車の待つ駐車場に戻って来れました。

撮影機器：

EXILIM ZOOM EX-Z75 カシオ

感想

Sei

10代の時からの念願、やっと果たしました(>_<。)

昨年、同行者が落石事故に遭い、やっぱり大雪渓は私に道を開いてくれないのかも。。。。って思ってしまった。
でも、10年、20年とかかっても、諦めず地道に努力して機会を待てば、夢は必ず叶うんだ。

危険なルートとはいえ、レベルで言えばたかが初級〜中級程度の登山だけど、
大雪渓とシロウマにこだわり続けた自分にとっては「人生で思い残すこと」がひとつ減ったくらい大きな出来事でした(^^)
実は、富士登山も未だ頂上まで登れてないのだけど、それよりも大雪渓経由で白馬岳に登頂する方が、自分の中では大事だった(笑)
きっと今年は、山が「登っていいよ(^^)」って道を開いてくれたのかな(^-^)

とても感慨深い山行となりました。