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アルパインクライミング
大山・蒜山
壁沢登はん〜槍ヶ峰(残雪期)
2025年03月14日(金) [日帰り]


体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 06:02
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,409m
- 下り
- 1,406m
コースタイム
天候 | 晴れ。夜中から早朝にかけて冷えていた。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※残雪期の壁沢は雪崩、落石のリスクが高いです。特にこの日は8時半時を超えてから落石が顕著にではじめました。隣の本沢の方がそれらのリスクは多少低いと思われます。 本沢、壁沢、烏ヶ山蛇谷、三鈷峰北稜、三鈷峰北東面Aルンゼ、滝沢。手帳に書いてあるやりたいルートの中で、この日は壁沢をやることにしていた。直前までは本沢だったが、壁沢基部から写された写真をみて、雪がちゃんと最後までついていたのと、そこからみた槍ヶ峰が手招きしていたので決めた。 コンディション的にもよかったと思う。残雪期で、夜間の冷え込みもあり、数日間目立った降雪はなし。一番の心配は落石だったので、2時に起床した。 3時間睡眠のち、4時すぎに家をでる。山よりも一番の心配はトイレ問題だった。奥大山スキー場は閉鎖しており、トイレが使えず、付近にトイレはなく、車で25分かかる奥大山休暇村までいかないといけない。案の定家で大きな方がでず、途中のコンビニでもでなかった。仕方がないので、携帯トイレを持つ。 5時40分には出発できた。まあまあ。健康の森から入山。トレースがほぼないが、時たま数日前のものと思われるものがでてきたりする。それにしても、はまりこみがほとんどない。手帳を見たら6日間くらい目立った降雪がないみたい。 当初は1405Pを登って壁沢の基部に行こうと思っていたが、よく考えたら1405Pに行く意味ないし、できるだけ体力を温存できるルート取りを模索した。その結果、鳥越峠にもいかず、その少し西の鞍部に到着する。そこからはキリン沢の東尾根を下ったら、ちょうど壁沢の手前にでるのでこれが最短ルート! と勝手に心の中で小踊りをしていたが、適当に歩いてたら2本くらい東の尾根を下ってしまっていた。その後は細かい修正をしながら、トラバースを経て地獄谷へと帰着する。 残雪期の地獄谷はほぼ初めて。そもそも積雪期の大山東壁登はんも初めて。振子沢は東壁に入らないだろう。いくつかルート取りはあるが、一番目に壁沢を選ぶ奴はまーいない。ただ、だからこそやる意味があった。壁沢の基部に入った時点で、心の中では「これが今季最後の大山だ」と決めていたと思う。 すでに左右の斜面の山肌は露出している箇所が目立ち、雪面を茶色に染めている。背中が温かい。東から太陽がではじめている。そういえば背中に温かみを感じる雪山をした経験がほとんどない気がする。冬は北風や西風が強いので、東から登る山というのはあまりないのかもしれない。 8時半を過ぎると、どこからともなく小石が転がってくる。ただ、大量のデブリの中を歩いている間は安全性が高かった。摩擦力やデコボコのおかげで落石が止まる。以後は中盤までデブリに助けられる。デブリが無くなってからは、頭をほとんどの時間上げながら登はんしなくてはならなかった。前方の遠くから、右側からすごい勢いで落石がある。基本的には左端にくっついていた。長い沢なので、アイゼンの前爪だけに頼っていてはふくらはぎの筋肉を酷使してしまい、疲れてしまう。そのため、ジグザグに歩いたり、あえて体勢を変えて、体のいろいろな部位の筋肉を使って登っていく。 終盤にくると、落石の心配はないが、斜度があがってきて前爪に頼らざるを得ない箇所が増えてくる。大きなクラックも開いていたが、この日は足休めの休息場になってくれた。すでに斜度は45度である。このくらいの角度は今期、中ノ沢、三鈷峰γルンゼで経験した。ただ、このあと60度近くまで上がることは知っていたので気は抜けない。右手の60センチのピッケルのピックだけではなく、左手に持ったゴルジュハンマーのピックも活躍する。登はん用のピッケルではないので、手先が直に雪の斜面に触れ、体全体も冷たくなってきた。太陽をあてにしていたので、上はドライウェアと薄手のメリノウールの2枚だけである。斜度が急だが、途中でステップをつくり、カッパを羽織ることにした。来季も雪山をやるなら、登はん用のピッケルを買おうと思う。 背後には甲ヶ山が見え、左には烏ヶ山。東壁からの景色もまあまあいい。何より太陽の暖かさを感じられる雪山は貴重だった。9時42分、槍ヶ峰に到着。車から4時間しか経過してなかった。 |
写真
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