雄山で万歳三唱。立山三山。天候に恵まれた3連休、2泊3日のテント泊。


- GPS
- 10:30
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 1,207m
- 下り
- 1,209m
コースタイム
- 山行
- 0:36
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 0:37
- 山行
- 6:38
- 休憩
- 2:13
- 合計
- 8:51
天候 | 晴々 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
とにかく、分かりにくすぎた。
立山。いつかは行ってみたいと思っていたけれど、立山、室堂までの道のりは、なんだか様々な乗り物を乗り継ぎ、また、その運営会社も違い、どの様に連携されていて、どの様に繋がっているのか、一筋縄にいかない感じである。そして、交通費がとても高くつきそう。
何となく、そんな感じだったので、なかなか行ってみたくても、都内からは少し遠いこともあって、なかなか取りつき難いイメージがあった。
2度流れた計画。
立山行きは去年、隊長が2泊3日計画をしていて、その時は天候が芳しくなく、その計画は流れてしまった。そして今年に入って、もう一度チャレンジ!と、早めから色々調べてくれて、言われるがまま予約をしたり、山小屋の予約も根気強く電話をして2箇所、2日分の予約に成功して、全ての準備は整っていて楽しみにしていた。
ところが、先日の編笠山プチ・テント企画の体調不良からの回復が良くなくて、、寝込んでいた。。みたいな状況が続いていた様で、今週末に控えた立山の山歩きはちょっと無理そうだ。。となり、この計画はまたしてもお流れに。
とりあえず、山小屋とアルペンルートの予約もバラす事にした。
3連休。どうしよう。
すでに3連休まで1週間を切っていた。考える時間も計画を組み立てるのにも、それなりに時間がかかる。色々考えたけど、やっぱり乗り掛かった立山。新幹線の予約はまだ残したままだったので、それを足掛かりにルートと計画を変えて、やはり立山へ行くことに決める。
立山への行き方はすっかり隊長にお任せしてしまっていたので、さっぱりその要領を得ていない。まずは急遽、調査することから始める。
さて、室堂へ行くにはどうすれば良いのか、各社のウェブサイトをみても、分かるようで分かりにくい。
北陸新幹線で長野駅はまぁ良いとして、、問題はその先、である。
室堂まではどうやって行くの?
長野駅から扇沢まではアルピコ特急バス(105分)、そして扇沢から黒部ダムは関電トンネル電気バス(16分)。
歩いて(15分)移動して、黒部湖から黒部平は黒部ケーブルカー(5分)、黒部平から大観峰はロープウェイ(7分)。
さらに、大観峰から立山トンネル電気バス(10分)で、いよいよ室堂へ達する。
この手順は特急バス+その他(立山黒部アルペンルート)として、一括して予約と切符が購入できる。
行き方は様々あって。
富山側から入る方が、幾分この手順は減るのだけど、都内から行く場合、北陸新幹線で長野駅からインするか、富山駅からインするかで悩む。
新幹線のかがやきなら、長野駅は1時間20分、富山駅までは2時間5分。さすが日本海にほど近い北アルプス北部は遠い。
いずれにしても気が遠くなって白目を剥いてしまいそうなアクセスルート。理解するのにとても時間がかかり、そして果たして乗り換えはスムーズに行えるのか、という不安が期待と共に入り混じる。1人では心細いのである。
それを思うと、同じ北アルプスの南部に位置する上高地は夜行バスを使えば寝てる間に登山口へ連れて行ってくれる。早朝から歩き始める事が出来ると思うと、バスで寝れる寝れないなど好き嫌いはあるとは思うけど、とても気楽である。
それに比べて電車+バスで行った時はちょっと面倒だったこともあった。
そしてルートは。
立山三山の縦走。雄山(おやま3,003m)、大汝山(おおなんじやま3,015m)、富士ノ折立(ふじのおりたて2,999m)の三つの峰からなる。とあり、雷鳥沢野営場をベースキャンプとして、歩くことが出来そうだったので、立山入門としてこれに決める。
DAY 1
関東甲信もようやく梅雨明けが発表、この3連休もお天気が良さそうな予報。早朝からすでに暑くて、駅へ向かう道中ですでに汗ばむ。
新幹線を乗る前の地下鉄で、座席が空いたので座ると隣のお母様に、今日はどちらの山へ出掛けられるのですか?
と、声を掛けられる。どうやらそのお母様も、今日では無いが普段から山へ登られているそうだった。
下車駅までの少しの間だったけど、お山談議に朝から花が咲く。こんな所でそんなお話しが出来るなんてと、ちょっとおかしかった。
新幹線は大宮駅を出るともう長野までノンストップ。敦賀行だとこんなにすっ飛ばしていくんだと、びっくりする。
ここから、心細くなる。
長野駅に着いて、扇沢行バスの乗り場に駆け出す。釣られて小走りをしたけど、増便が設定されて、補助席も全て使い切ってバスは出発する。これから室堂まで幾度となくこの競争があるかと思うと、ちょっと先が思いやられる。
長野駅から扇沢は105分と、この旅程の中では1番長い。ウトウトして目が覚めてもまだ着いていない。
扇沢に着いて、快晴の青空に山々がくっきりと顔を出している。Webチケットを発券する。
扇沢駅での改札待ちでは、待ち客に対して職員さんの漫談が楽しめた。名物の様である。
黒部の歴史を追う様に。
扇沢から黒部ダム駅までは関電トンネルの電気バスで、車内ではその歴史を紹介する映像が流れていて、今まで見聞きしたことのあった黒部の歴史が今目の前にあると思うと、ちょっと感慨深く、興味は尽きない。
赤沢岳の山頂を過ぎたところで、長野県から富山県へトンネル内で入る。富山県か、、そりゃ遠いわ。。
黒部ダム駅から次のケーブルカーの黒部湖駅までは、黒部ダムを渡る。電気バスを下車しトンネルを抜けると、青空の下、一気に目の前に広がる後ろ立山連峰と立山連峰。その間に鎮座するダムの圧倒的な景色が広がっていた。
トンネルの中は寒すぎるくらいだったのに、あまりの晴れっぷりの陽射しが突き刺す様に熱痛い。
展望台などのスポットはスルー、いそいそと先を目指すのだが、黒部ダムの巨大さや、観光放水が作り出す虹の景色に見惚れてしまい、何度も足を止めて、ケーブルカーを一本逃してしまう。
トンネルの中のケーブルカーが終わると、次はロープウェイ。黒部平駅から見上げると、大観峰まで途中に支柱の無い、ぷらーんと吊り下がった2つのロープウェイが行き来していた。登山客と観光客が入り混じりロープウェイは満員状態で出発した。標高差は約500m。よくこんなの作ったなぁと感心しきりである。
さて、このロープウェイで大観峰へ着いて、また解き放たれる様に最後の乗り継ぎ立山トンネルの電気バスでいよいよ最後の終着駅、室堂ターミナルへ到着するのである。
ついに着いた、室堂。
11時半。標高2431m、室堂に着いた。5時半前に家を出てから乗り換え待ちなども含めて約6時間。なかなか遠いけど、来てみたかった室堂に着いた。本当に遠かった。
今日の宿泊地、雷鳥沢野営場は1時間ほどの予定。
室堂ターミナル駅周辺は観光地化されていて、室堂平は石畳が敷かれ、みくりが池や血の池など名所を巡りやすく道がつけられている。
地獄谷では硫黄臭が立ち込める。ちょっと苦手かも、と硫黄臭を嗅いでいたら思った。
あまりにもお天気が良すぎ。
風は吹くと冷たくて気持ちが良い。それでも陽射しの中にいると汗が滲んでくる。
雷鳥荘を越えると眼下に雷鳥沢野営場が広がり、沢山のテントたちがひしめく様に、寄り添って建っているのが見えた。
わくわくする瞬間。今日はあそこが寝床。こんな時間に着いていてアレだけど、良い場所は空いているかな、と、思いを巡らせる。
最後の険しい階段の下り、ここは最後の帰りで苦労させられそう。ちょっとぱっと見、廃墟の様な姿の雷鳥沢ヒュッテを過ぎる。この雷鳥沢ヒュッテはこの滞在中に何度もお世話になる事になる。そして12時、雷鳥沢野営場に到着。
今回の寝床、雷鳥沢野営場。
先にテントを設営して、その後受付してください。とあり、その通りに空き地を探して、十字道路の少し入ったところに、テントを張る。今回の寝床はこことする。
立山連峰に囲まれた雷鳥沢野営場は素晴らしい眺めで、流石、人気があるのも頷ける。
受付棟へ行くと、受付のお昼の部は13時からという事で、受付表に記入をして少し待った。1泊1000円、2泊分の料金をお支払いし無事に手続きを完了した。北アルプスの1泊の料金としてはとても良心的な料金だった。
今日はこれにて。
ビール。ビールが飲みたい。お腹も減った。雷鳥沢野営場には売店はないので、先程通り掛かった雷鳥沢ヒュッテまで登り返すが、標高が高いとはいえ炎天下を歩くのは辛い。
食事の提供は14時とギリギリ間に合った。何を食べようか少し悩んで、豚生姜焼き丼にする。テラスの席から立山連峰の山々を眺めながらビールを飲む。
ついに来た、ようやく来れた、立山の景色をしみじみと感慨深く眺めながら、生姜焼き丼を頬張った。
ビールを買って、テントへ戻って、ようやく一息、ゆっくりまどろむ。
あ、暑い。小さなテントは熱が籠って風が抜け辛い。それでも朝からの移動と乗り換えのプレッシャーなどで疲れていたのか、テントのドアを開けながらウトウトと少し昼寝をした。
日の入りを逃してはいけないので、アラームをかけて、ようやく涼やかな風になった時間に起きた。日の入りは19時過ぎだった。
テントから眺める眺め。
また、夜ご飯用のビールを買いに雷鳥沢ヒュッテへお邪魔する。ご飯を作りながら日の入りを待つ。ガスが行き交う山肌を眺めながら、ぼーっとする。管理の人がベンチに立ってテントの数を数えていた。今日は500張りくらいいきそうかなぁ、と言う声が聞こえてきた。
日が暮れると急に冷えてきた。
目の前に聳える立山の稜線上にポツンと剱御前小舎が見えた。明日はまずはあそこまで登るのか。。と少し憂鬱になった。高くて遠く感じた。
そして右回りに別山、真砂岳、富士ノ折立、大汝山、そして雄山が見える。右回りで行くか、左回りで行くか論争があるそうで、雷鳥沢野営場から直ぐ目の前から始まる右回りで計画していたが、どうなのだろうか。
あまり焼けなかったけど、夕暮れをひとしきり眺めて、明日の立山三山を歩く準備を整えて、少し着込んで20時には寝た。今日は本当に長い1日だった。
DAY 2
3時に起床。テント内の温度は10℃だった。モンベルの800#3は充分で、寒さで起きることもなく、ぐっすり寝られた。まだ辺りは真っ暗、見上げると沢山の星々が夜空を飾って、視界いっぱいに広がる。今日も良いお天気そう。すでに剱御前小舎の建つ稜線へ向かうヘッドライトの灯りが山肌に少し連なって見えていた。
朝ごはんを食べて、うすら明るくなった中、4時半出発。肌寒いけど、登っていると直ぐに暑くなってくる。汗をかく前にどんどん脱いで、ザックに綴りつけていった。
まずは稜線に乗ろう。
黙々と、登る。起き抜けで身体もなかなか動きづらい。
1時間半くらいで剱御前小舎に到達、風が当たり始める。稜線の向こう側は剱岳が急に現れた。あれが剱岳か!と、初めて目の当たりにする剱岳、何度も観た映画「点の記」に想いを馳せた。
目の当たりにした「剱岳」。
急峻でトゲトゲしていて、孤高の雰囲気を醸し出し、いかにも険しそうな山容だったけど、同じ様な高さのところから見たからなのか、あれ?意外と小ぢんまり?。。なんて生意気にも感じたけど、あそこに沢山のロマンが詰まっているのかと思うと、挑戦してみたい山である事は間違いない。いつかは、、などと思ってしまうのである。
剱岳の向こう側には富山の町並みと能登半島、日本海が見えた。そして、反対側には、富士がいた。雲海にぽっかりと浮かんで富士山が見える。あの映画でも、言っていた、こんな所からも富士山が見えるなんて。日本海を背負って富士山を眺める。
炎天下の稜線歩き。
別山から富士ノ折立を経て大汝山。そこからずっと剱岳を左手に眺めながら稜線を30分ほど歩けば今回最初のピーク、別山(南峰)2875m、そして少し突き出た別山(北峰)2882mに到着。立山三山まずは最初の一座を踏んだ。
頂には社があり、信仰の山らしい佇まい、南峰と北峰の間には日本最高所の池と言われる硯ヶ池があり、広々とした高低差のほとんど無い鞍部で繋がっていて、行き来がし易かった。別山の山頂標は北峰の方にあった。
休憩もそこそこに、次は真砂岳を経由して、富士ノ折立へ向かう。せっかく登ったのにまた下る。当たり前だけど、下った分だけまた登り返さなければいけない。
真砂岳を越えて見えた富士ノ折立へ繋がる道は急勾配で、ちょっと心を折られる。あそこを登っていくのか、、と明け透けに見える登山道を心を無にして、登って行く。別山からは2時間、暑く照りつける太陽の光に体力が奪われる。
今、思い返してもここの登りが1番しんどかった。
そして、ここをやっつければ大汝山の休憩所で一休み出来る。お腹も減った、何か食べられる。という希望にも溢れていた。
富士ノ折立2996m、ようやく山頂に到達。風で飛ばされてしまいそうな山頂標にそっとタッチして、富士ノ折立から10分程先の大汝山休憩所を目指す。
無性にラーメンが食べたくなっていた。でもそれに似たようなモノは、うどんしかなかったが、大汝山休憩所の調理場は注文が殺到していてテンパっており、ここでご飯を食べる事は叶わなかった。小屋の窓から大汝山の山頂を眺めながらビールだけ飲んだ。まだ歩くので小さいのにした。美味かった。
大汝山山頂は休憩所の側にある。少し岩を登って、立山三山のニ座目、大汝山3008mに到着。今年初めての3000m峰。やった、今年もまた踏めた。と、しみじみとなる。
立山の、別山も富士ノ折立も大汝山も山頂標はとても簡素で、片手でヒョイも持てるプラカードの様な山頂標であった。
雄山に登拝、3003mで万歳三唱。
最後の一座、雄山へ向かう途中で、槍の穂先、槍ヶ岳が見えた。近い。槍穂界隈がとても近く、繋がっているんだ、と感じた。
25分程で立山大権現、雄山神社の境内に到着。10時40分頃、鳥居を潜って登拝をするため受付を済ませる。立山頂上、峰本社は鳥居からさらに少し登った足場の狭い本当の山頂に鎮座していた。
総本社は剱岳を背にして建っていて、総本社を拝むと必然的に剱岳を拝むことになる。かつては剱岳は奥の院の様なもので、立山信仰では登ってはいけない地獄の針山、永く禁足の地であったことを、映画「点の記」でも語られていた。
雄山神社、峰本社。
ここは、奥の院とか、奥宮ではなく、御本殿が標高3003mの山頂に祀られる、日本一高い場所にある本社だそうである。一年で夏のこの三ヶ月だけ開かれる。と説明された。とても尊い。と感じた。
説法を頂き、3003mで宮司さんに促されるまま、山頂でみんなと一緒に声を出して、登拝記念の万歳三唱をした。楽しかった。
ここまで御朱印帳を持って上がってきた。目の前で書いて頂いた御朱印は登拝の証、とても嬉しかった。
雄山神社にしかないというバッチも購入して、下山を開始する。
次の目的地は30分ほど下った一の越山荘。
ちょうど12時前だ。お昼を食べよう。ラーメンを食べたい。何故か無性にラーメンを欲していた。
登りと下りはスムーズ。
ここまで来ると、観光客と入り混じる様になる。登りと下りの道が分けられていてとても歩きやすい。割とガレたところを皆んな頑張って登ってくる。続々と登ってくる。ここ雄山は観光地である。一の越山荘を眼下に見据えながらどんどんと下る。ビールもラーメンも近いぞ!
さて、一の越山荘でも、ラーメンはなかった。おでんにした。ビールも大きいのにした。後はもう、石畳の道を歩くだけだ。
雪渓をいくつか渡りながら、室堂界隈がもうそこまで来ていた。
室堂平まで下りて来た。
道中、立山室堂という立山信仰の重要文化財の施設があった。中が資料室となっていて、少し覗いてみた。中は暗くて、太陽の眩しい外の世界から来た者には、なかなか目が慣れずに、あまり良く分からなかった。
江戸時代には立山へ参拝する者の宿泊や建物遥拝のために使用されたものと推定される。とある。
石畳の道を歩いて、13時半、雷鳥沢野営場へ帰ってきた。
約6時間半の山歩きと休憩2時間だった。
汗だくである。お風呂だ、ビールだ、と、まずはお風呂の用意をして、雷鳥沢ヒュッテへ行く。お風呂場はそこそこ広い、内風呂はシャンプーや石鹸、ドライヤーも使える。外風呂はそう言った類のもの使えず、内風呂と外風呂を利用する際は一度服を着て移動しなくてはいけない。
あぁ気持ちいい。。ここは極楽浄土だ。。
立山の山々を眺めながら湯船に浸かる。身も心もさっぱりした。この日は陽射しも強く暑くて、汗みどろで、どうしようもなかったけど、綺麗さっぱり、お風呂上がりに乾燥した風もとても心地良い。
またテラスに座りながら、ビールを飲む。目の前の立山連峰の山々を今一度眺めながら、あそこから登って、あそこを歩いて、、あぁあそこが辛かったところだな、など、しみじみと眺めながら、ゆっくりとビールを飲んだ。
立山三山、無事に完了した。
最後の夜。
また昨晩の様に、テントに戻って少し昼寝をした。同じ場所にテントを張って2泊をするのは初めてだったけど、ゆったりと流れる時間、山に囲まれて、何もしない、ぼーっとしみじみと、ただ過ごす。贅沢な時間である。
今日は午後、雷雨の予報が出ていた。何となく、黒っぽい雲が山肌を、また西の空から行き交って、なんとなく不安を誘う。空模様を眺めていると、何となくそんな雰囲気が無くなっていって、雨雲レーダーを見てもここは逸れて行ったようだ。良かった。安心したら眠たくなって、少し昼寝をする。そしてまた今日も夕焼けを待つ。
夕暮れを待ちながらご飯の用意をして、あっちの空を見たり、こっちの空を見たりしていた。西の空が赤るんできた。立山連峰の山々の先っちょが赤く焼けそう! という所で、終わった。少しだけアーベントロート。
それでも充分だ。全てが全て完璧でなくても良い。明日はもう帰るだけ。今のひと時をビールを飲みながら、しみじみと過ごす。
20時。今日もまた決まった時間に眠くなる。今日もまた昨晩と同じ様に少し着込んで、モゾモゾと寝袋の中に潜り込んだ。明日は帰るだけ。明日は帰るだけ。そう思うと、ちょっと早くお家へ帰りたくなった。
DAY 3
立山も最終日。3時半頃、目が覚める。何となくテント内の荷物を片付けしながら、ゆっくり身体も覚ます。
昨晩は無かったのに、今朝はテントの結露が凄かった。フライシートがびしょびしょに、所々インナーテントにも張り付いていたのが、内側から分かった。
あぁ片付けるの大変そう。と少し憂鬱になる。
テントから顔を出しながら、外でお湯を沸かしてスープパスタの朝食を摂る。徐々に身体を動かして外に出る。今朝もそんなに寒くは無さそう。
空が明るんで来て、少しの朝焼け時間を楽しむ。
周りのテントも皆んな出てきていて、テントのツユ払いをし始めていた。フライシートは表も裏もびしょびしょ。タオルで拭いては絞りを繰り返し、キリがないので、もうそのままジップロックにしまい込む。
荷物を整えて、6時半前、少し早いけど、朝一番の8時15分扇沢行きの電気バスを目指して、室堂バスターミナルへ向けて出発する。
起き抜けの身体には辛い、最後の階段。
水を含んで重たくなったテントがずしりと身体にのし掛かる。すっかり陽は登り、日陰もない階段を登る。暑い。熱い。休み休み登っては振り返り、登っては振り返り、どんどんと小さくなっていく雷鳥沢野営場のテントたちと、立山連峰の山々を惜しむ様に。
ひと汗をかいて、室堂バスターミナルに到着。バスターミナルの展望台からは剱岳が左側から少し顔を覗かせていた。
あぁ、ここからも見えたんだ。さよなら剱岳、さよなら立山、また来る日まで。
帰りの乗り継ぎも不安だらけ。
改札口へ向かうと、切符売り場と改札口にはすでにもう少し列が出来ていた。切符売り場はまだ開店しておらず、帰りの切符は予約出来ないという認識をしていたが、でもすでに改札口にも列が出来ていた。
切符を持っていないのに、改札口へは並べないので、この辺りの要領はよく分からなかったが、事前に切符を購入する事は出来るみたいだ。
帰りも同じ行程と乗り物で扇沢まで下る。乗り継ぎを繰り返して、扇沢駅へ無事到着し、長野駅行きのアルピコバス出発の30分前に列に並ぶ事ができた。
次は帰りの新幹線に間に合う様に、バスが長野駅へ到着するのを祈るばかり。途中少しトラブルもあって到着時間が遅れたが、新幹線予約時間の20分前に無事に長野駅へ到着。
もう少し時間があったら、お蕎麦でも食べたかったが、急いで駅弁とビールを買い込み、12時58分発の新幹線に無事乗る事が出来た。そして15時に帰宅。長かった旅が終わった。
最後に。
晴天に恵まれた3連休。2泊3日の北アルプステント泊。時間や天候などのタイミングでなかなか叶わない、ミーハーな考えなのだけど、やはり憧れの北アルプスの地で過ごした充実感は大きい。
雷雨予報も出ていたが1度も雨に当たることもなく終始晴天だった立山の山歩き。大した日焼け予防もしなかったので、顔が丸焼けになっていて、帰ってきたら遊び過ぎた顔をしていた。
ずっと行ってみたかった立山。地獄と浄土。日本三大霊山。日本百名山。その肩書には枚挙がない。雄山の登拝はとても楽しかった。クタクタになるまで山を歩き、テントで2晩を過ごした。
室堂までの不安で難解な乗り継ぎも特に滞りなく、予定した行程を予定通りに無事終えることが出来た充実感。ラーメンは結局食べられなかったけど。
青空と雪渓の残る山々、自然が作り出す様々な、あまりにも美しい景色がとても愛おしい山歩きでした。
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