迷岳(八知山林道から)


- GPS
- 03:56
- 距離
- 7.1km
- 登り
- 521m
- 下り
- 525m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道 |
その他周辺情報 | 国道422沿いに店舗 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
先週、先々週と兵庫県内の沢を上り、その前の二週間は大山南面に出かけた。暑さは相変わらず続いていて、沢と高所の魅力は大きい。一方、懸案となっている三重県奥地の山々で、次に目指すは迷岳である。秋遅くに狩猟解禁後、ジビエ堪能を兼ねて行くというアイデアがあったが、一方で間もなく車を買い替えることが決まっているので、その前に迷岳を、との思いもある。そのココロは、というと、自分の年齢を考えて安全第一で車を選ぶことにして、DELICAとはお別れなので、悪路に強いDELICAのうちに迷岳に行きたい、となる。迷岳へのらくちんルートは八知山林道で尾根直下の900m地点まで上がってしまうというものだが、この林道はほぼ全線ダートで、「ひやひやした」「もう二度と行かない」といった記録に溢れている。北の塩ヶ瀬からの登山路は険しき難路と聞くが、多くの人がそちらを選択しているのも、大方恐怖の林道を回避しているためと推察するのである。自分としては、楽に登れるルートあれば迷わずそれを選択、を信条としている。ということで八知山林道から行くことになるが、それでも行くか行かざるか迷うだけで今日になった迷岳。林道がどんなだかわからないし、そもそもこの地は遠いので、日長の長い夏、DELICAのあるうちにということで、ついに決行だ。もっとも、DELICAだから安心というわけではない。大体、去年、一昨年の2年間に3回もパンクを経験しており、そのうちの一回は新タイヤに交換した翌日、金糞岳の1000mの舗装林道でパンクしているのだ。かつてPAJEROに乗っていた時はオフロードタイヤだったわけで、その時のダート走行とはわけが違う。
既に何度か走っている高見峠越えの国道166で飯高町に入り、そこから国道422へ。この道は離合困難区間が多数ある山越えの道だが、走っているのはたいてい地元車だから、相手が要領を心得ているのでさして困難はない。山越えして大台町栗谷地区へ。路肩のトイレを借り、宮川の上流方向へと車を走らせる。道路沿いには友アユを売る店などが点々とあり、元気な集落が奥まで続いている。目前にトンネルの入口が迫ってきたところから、八知山林道は分岐していた。それは意外にも舗装林道であった。あれっ、と思ったがありがたいことなので道なりに進む。やがてダートにかわった。母イノシシが3頭の子を連れて林道を走り去った。路面には落石や倒木、朽ち木のかけらなどが落ちているので、そのテの障害物を避けるように注意深く走行する。3か所ほど、下車してどける場面もあったが、車幅が狭い車ならその必要もなかっただろう。時々メリメリっと木を砕いたり、ドスンと段差を落ちたりしてヒヤッとしたが、パンクの憂き目を見ずに駐車場近くまで上がって行った。人によって25分とか30分とか走行時間が記録ごとにまちまちなのだったが、「時速10kmで50分」という記載が一番スローだったのでこれを信じてやってきた我々の実績はその記録を踏襲することとなった。実際、慎重に走ると10km/h程度となり、速く走れるところでも20km/hには達せず、所用時間は林道入口から駐車場まで50分であった。我々の経験に照らして、ダートとしては路面は安定しており、走行しやすい林道と思った。ただし、雪の季節を経た春先や土砂流出の危険のある台風後は、どうなるかわからない。
広大な駐車場に車をとめ、ざっとタイヤを点検してから山行開始だ。まずは林道をさらに先に進む。右手の道標に従って林道を離れ、幅1メートルはある作業道に入る。もともと傾斜の緩い山腹に大きなジグザグでつけられた道である。無理なく緩やかに登っていく。あいにく尾根にさえぎられて風は届かないが、終始若い広葉樹林に包まれて日陰となり、この季節の熱気を遮ってくれる。しばし登ると再び道標があり、ここで作業道と分かれて山道に入る。すぐに開けたガレに出てこれを適当に登ると稜線上に出る。広々とした眺望が得られ、三角形をした古ヶ丸山がアクセントを添えている。単子葉の草と点在する岩、温帯広葉樹の組み合わせは、台高山地の山に来たなあ、と実感させる特徴的な風景を作り出している。バイケイソウは早くも立ち枯れ化している。稜線上は北からの風が吹き抜け、次第に成樹が支配的となって日陰をつくり、涼しい。口迷岳にはすぐに到達する。林下に下生えは乏しく、シカの食圧が歴然としている。間もなく広々とした地形にブナの大木が生える鞍部に出る。地元山岳会による「桃ノ木平」の標識が立つ。山行中に使用するヤマレコのダウンロード地図では、「桃ノ木平」は迷岳直下の鞍部に位置付けられているが、その場所は全く「平」とは縁のないむしろ傾斜の強い地点であり、「桃ノ木平」とは考えられない。また、ヤマレコのonline map(例えばこの記録に掲載の地図)では、1185mピークに「桃ノ木平」の名が付されている。これも妥当性を疑う。やはり地元山岳会の「桃ノ木平」標識の地点こそ、本当の桃ノ木平だろう。
稜線は痩せた部分を経て再び広がりを持った二重山稜的な地形となる。道はよく踏まれていてわからなくなることはないが、積雪後などは悩ましい地形であり、こんなところが迷岳の名の由来なのかもしれない。再び傾斜が増し、これを一気に登ると、横に長く広がった山頂に出た。ここで昼食とする。カラスアゲハが蝶道をつくって何頭となく飛来しては消えていく。だんだん帰りの林道走行が気になり始めて、下山開始とする。結局、だれにも出会うことなく、また盛夏にもかかわらず涼しく山歩きを終えた。今度はゾクッと涼しい林道走行だ。少し慣れたせいか、行きよりも楽な走行となる。今度は林道にシカがあらわれたが、事故なく無事、国道に降り立つことができた。今日眺めた古ヶ丸山をはじめ、香肌イレブンの山々の謎に、次第に興味の広がる我々であった。
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