記録ID: 8577927
全員に公開
沢登り
日高山脈
北日高乗越(ポンチロロ~1967峰~戸蔦別岳~新冠本流~エサオマン入りの沢~エサオマントッタベツ岳~エサオマントッタベツ沢)
2025年08月13日(水) 〜
2025年08月18日(月)


- GPS
- 128:00
- 距離
- 36.7km
- 登り
- 2,957m
- 下り
- 3,016m
コースタイム
1日目
- 山行
- 7:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:10
6:50
430分
スタート地点
14:00
C1
2日目
- 山行
- 11:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:00
6:00
660分
C1
17:00
C2
3日目
- 山行
- 5:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:30
11:30
330分
C2
17:00
C3
4日目
- 山行
- 9:15
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:15
8:30
555分
C3
17:45
C4
5日目
- 山行
- 11:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:00
7:30
660分
C4
18:30
C5
6日目
- 山行
- 8:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:50
7:40
530分
C5
16:30
びれい橋
天候 | 行動記録参照 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
チロロ林道は整備されており駐車場も広い。戸蔦別川は下流にウォールマリアを築いており工事車両が多い。 8/12 前泊 夜に札幌デパしてチロロ林道駐車場へ。途中行動食追加で買う。 8/13 チロロ林道駐車場(0650)-千露呂川Co924二股(0830)-ポンチロロ川Co1116二股(1035)-Co1400=C1(1400) 晴れ。最初しばらく綺麗な林道を歩く。10分ほど歩いたところにあるCo790の取水施設で入渓。所々林道跡あり、途中段差や水深が深い部分をスキップできる。Co924分岐を過ぎてポンチロロ乗ってからは小滝がたまに出るものの基本河原。やや規模大きく直登大変そうな滝もあり見応えある。巻き道は明瞭で迷わない。Co1250小滝右岸とCo1286出合に焚き火跡あるテン場あるが、1250の方はクマ糞まみれだった。Co1300くらいにちょうど2人ぶんのテン場がある。寝心地はそこそこだけど星が綺麗で最高の焚き火。 8/14 C1(0600)-Co1600(0700)-1967峰(0900)-・1856(1130)-北戸蔦別岳(1300)-戸蔦別岳(1520)-七つ沼カール=C2(1700) 晴れのち曇、夏道デイ。だらだら起きてカールを詰める。カール底に行くまでも容易で快適な登り。一つ樋状の滝があるが容易。歩き区間が長くあついので底の手前で水4リットル取る。パートナーは3リットル。崩壊している箇所を右手に見ながら詰めると途中で東にトラバースしている踏み跡があり、それを詰めると藪漕ぎゼロで尾根に行けてしまった。うれしいけどいいんでしょうか? その後は1967、北戸蔦別、戸蔦別と主稜線のハイキング。天気に恵まれたのでいつもはつまらない夏道も今日は気持ちがいい。この稜線を諸先輩方や憧れの岳人が皆歩いたのだ。その場所に自力で来れたことがうれしい。手探りで、3年目になってようやく日高に手を伸ばせるようになった。時間はかかってしまったけれど、訓練に付き合ってくれた先輩方や、外遊びのエッセンスを見せてくれた先輩に感謝。夏に面白いことをやるための下地が身についていると嬉しい。 どこを見ても、あれだけ憧れた日高の山脈が広がっていた。登ってみたいなと思う山の実際の姿は地形図や山谷から想像したのとは違って、どれもより大きく圧倒的な美しさだった。あのピーク、あの谷....これが日高か!でも、みんなこれ一年目の夏にやってんだなと思うと少し悲しくなる。いつだってないものねだりをしてしまう。 喜びも束の間、すぐに飽きがやってくる。アップダウンもそこそこあって削られる。鹿の群れに出会った他、北戸蔦別まではデカい生き物に会わなかった。北戸蔦別あたりからはヒトがそこそこいた。北戸蔦別への道で一部、両手を使う程度の藪漕ぎチックな区間がありイライラした。 1530くらいに戸蔦別から少し降りたところで七つ沼に向かう。七つ沼は水が干上がってて一つ沼だった。途中降りるところの左にある笹藪から山親爺の威嚇音する。澤井涙目。姿こそ見えないがかなりドスドスグルグルされ音がデカくなってきたので肝を冷やした。確かにデカい新鮮ウンチが多いなとは思ったんですよね。駆け降りるように距離を取り一息ついたらタープを張る。親爺のせいで少し時間ロス。炊事しているときつねがナキウサギのようなものを咥えて走っていた。天然記念物は害獣の餌であった。 ココア飲んでまったりしているとコチラにむかって何かを訴えるように叫ぶ鹿の群れが来た。たぶん寝床だったところにタープ張ったもんで、抗議された。しばらく見つめ合うが、説得してお引き取りいただく。 夜はけっこう近くで熊さんが石を転がす音が聞こえて緊張感あった。あれは何を探しているのだろうか。しかし星が綺麗すぎてそんなことは忘れてしまった。次の日は午前中荒れそうなので午後行動開始。 8/15 C2(1130)-新冠川本流・1260二股(1300)-ゴルジュ帯(1400)-Co1100あたりで天気図(1600)-ゴルジュ終わりCo1050=C3(1700) 断続的にヘルメットを叩く雨、傘が壊れる程度の風のち晴。天気が良くないのわかっていたので大睡眠かますつもりが半身が濡れたことで目が覚める。澤井が一言だけ「極い」と言った。風がすごいのでタープが東京ドームみたいになっていた。そのまま飛べそうだった。必死でタープを押さえて焚き火を守るが埒が開かないので昼頃の隙をついて七つ沼から逃げ出す。昨日の件もあってブッシュに熊がいそうな気がしてビクビク。水のない沢型を30分ほど歩くと水出てきて、その後はぐんぐん水量を増していき豪快。巨岩帯の合間に釜持ちの段差が多く、山谷で見るよりもデカいなと思った。函は中をあるいて行けるがけっこうデカい。雨の影響があるかわからないがものすごい水量でバックウォッシュ強烈な釜持ちが多く、容易なものしかないが巻いたりへつる際にすこし緊張する。途中数回abしたものの他は容易で巻道もある。函自体は短いが巻きもへつりも時間かかった。丁寧に降りすぎたかも。函の前後にある河原も規模が大きく空が開けていて、歌いながら石に飛び移るのが爽快だった。 山岳の山レコに記載されていたテン場は落石怖かったので、天気安定するのもあり少し下げた。函を抜けてから少し下り増水微妙な河原で着火。星が今までで一番よく見えた。函を抜けてしまえば泊まれるところは作れそう。 8/16 C3(0830)-新冠二俣(0930)-上二俣(1200)-Co1020F落口(1530)-天気図(1600)-Co1150河原=C4(1745) 快晴。碧い釜を横目に快適な河原歩き。カワガラスに導かれるように歩くと新冠二股。この時点で澤井が少し熱中症のような症状になる。塩分チャージしてエサオマン入りの沢へ。ナメと河原が交互に出てくる。Co920くらいの滝は高巻いたがこれは失敗だった。悪いし復帰まで時間かかったので普通に泳いで取り付いた方がよかった。その後上二俣(神威南面出合)で澤井が体調を崩す。どうも熱中症ではなく、悪寒吐き気と倦怠感。荷分けは断られたので様子を見る。上二俣は荒れていてテン場不適。不調はどうにもならないのでカムエク、札内をカットする方針に。カムエクがなくなると滝の登りがなくなっちゃうけど仕方ない。エサオマン下山を決め、とりあえず今日のテン場を決めに登る。Co1100の滝は高巻き。踏み跡あるみたいな記録もあるけど見当たらず。適当な灌木から斜め気味に懸垂して一段目落口へ。細かく澤井を確保しながらだったのでかなり時間かかる。この巻きで澤井がくじけてしょんぼりしていた。Co1150あたりにギリギリ平なスペースがある。増水耐えられないが逃げられる。夜の間は天気よさそうなのでとりあえずそこで休む。タープと焚き火を準備すると、珍しく澤井が夕食パスタ希望。茹で上がるとおもむろにツナフレークを取り出しパスタに追加してくれた。なんていい子なんでしょうか。 食べ終わってから澤井は辛そう。泣きそうな顔をしていた。元気そうに振る舞ってはいるけどいつもよりちっちゃくなっていた。自分は大丈夫なんだけど、だんだんと明日以降が不安になっていった。夜は焚き火を絶やさずあったかタープでスヤスヤ。 8/17 C4(0730)-Co1370(0815)-エサオマン北カール(0900)-・1807東コル(1200)-エサオマントッタベツ岳(1330)-札内JP(1420)-C5(1800) 晴れのち横殴りの雨。朝、すでに澤井限界のため予備食料を燃やし重いものを僕のザックに移す。依然として体調は悪そう。さらにひどい下痢で内臓がだいぶ疲れているようだった。ものは食べられないが、ラムネと少しのビスケットは受け付けるようなので食べるように促しながら歩く。元気な時よりかなり遅いペースで先行きが不安。色々なことを考えると自分も気が滅入りそうになる。 ゴーロの斜度も上がってくるといよいよカールで、肩ほどの高さの灌木を縫うように這っている沢型を辿る。分岐を数度行き来してできるだけ正しく・1807の横に出ようと歩く。熊が多いと聞いていたのでホイホイ声出していたら、案の定計二匹気付いてガサガサ避けてくれた。ありがたいけど、いた時の音と声に毎回ビビる。その後熊の掘り返しとバイル駆使して両線へ。登りは逆目だが全体的にハイマツ薄めでラッキーだった。「踏み跡ないねー」とか話しつつ歩くとすぐ左手に踏み跡あった。大歓喜。途中ソフトバンク電波入ったので在札ドンパに送迎お願いした。エサオマンまで進めたところで寒冷前線に追いつかれ、冷たい嵐と格闘する。時折踏ん張るくらいの風になったり、結構極い。澤井も冷え始めたので急いで札内JPから下降する。しかし、下降ポイントを間違え降りられないルンゼと尾根にでてしまった。冷えで2人ともアタマ回っておらずトラバースしまくって降りれるポイント探す。探すもどうしたって崖みたいな斜度と貧弱なブッシュのみでどうにもならない。結局埒が開かないので登り返し、本来の下降ラインの横にビバークポイントを作りガスをガンガンに焚いた。寒さから解放された狂乱の2人は文明の炎に熱くなってしまいツェルトに穴を開けた。これだからガスは恐ろしい。 わずかな電波を駆使して天気予報を見る。明日は晴れそう。深夜目が覚めた時、LINEを開き友人にメッセージを送ると瞬時に既読がついた。やっぱり、インターネット中毒のやつはそうでなくっちゃ。 文明によるつながりに安心している自分を恥じながらも、日々の生活に想いを馳せて眠った。住む部屋があること、気の置けない友人たちがいること。こんなに幸せなことはない。同時につよくなりたい、と思った。一人前の山屋になりたいと思った。 8/18 C5(0740)-北東カール(0840)-大休止(~0945)-・1245(1100)-山スキー沢出合(1230)-林道ゲート(1600)-びれい橋(1630) 一番の快晴。朝は水がないので下で食べることにし、軽くネーベンかじって行動開始。気温低く秋の匂いがする。心なしか空も高く、澤井は「うんどうかいの日のあさだーー」としきりに言っていた。体調も気分もすこし良くなったようで一安心だ。食事を受け付けなくなってから丸一日経つので、カールの水が出たところでラーメン作って食べた。澤井も乾物もういい、とか文句を笑いながら言いつつしっかり食べていて嬉しくなった。食べ終わってから少し仮眠して濡れた服を乾かし、1hほどで行動再開。 上流のナメは斜度きつく滑るので左岸の灌木を時折掴んで降りた。ピンテや残置もあって迷わない。巻道にはでっかい熊糞と真新しい食痕が点在していた。ナメも滑りがひどいほかはスタンスはっきりして容易だった。立ってはいるので人によっては怖いかもしれない。時折泥に残っている人の足跡を見て、嬉しいような不満のようなムズムズする気持ちになった。 ・1245の手前で澤井がまた体調崩す。胃腸がやはりダメだったようで先程のラーメンが大暴れ。非常に苦しそう。ペース読めないのでもう一泊を覚悟する。 山スキー出合まで行くと澤井が根性見せてくる。たまに追い抜いてくるようになり、追い抜いたかと思えば先を譲りうしろで苦しんでいた。高校球児のポール間走みたいな歩き方だった。僕も重荷と暑さですこしイライラしてきた。でも色々不満を感じても後ろから申し訳なさそうに「なみがきた」と言われて立ち止まるうちにだんだん笑えてきた。本人は苦しんでいるんだけど、安全圏に近付いているのもあって愛おしく思えてきた。 河原は広く所々ゴーロとナメ。難所はない。水位深いところもあるが少し探せば大方濡れずに渡れる。 林道では自然とうたを口ずさんでいた。校歌のペースは歩くのにピッタリで、よくできているなと思った。林道は時折足元が隠れるが踏み跡明瞭。熊跡も本流林道よりは少なかった。 びれい橋までは快適林道で、橋には岡が来てくれていた。おにぎりとお菓子をくれた。澤井はおにぎりを頬張り涙目になっていた。岡は、僕らの匂いを気にしていつもより一歩遠かった。 |
その他周辺情報 | 芽室ケンヨシ |
写真
撮影機器:
装備
個人装備 |
ツェルト
シュラカバ
マット
着替え
保温着×2
レイン上下
漬物袋
てぬぐい
ラテルネ
ブキ
コッヘル
ネーベン
非常食
地形図
携帯
予備バッテリー
レスキューパック
焚火セット
ハーケン×3
バイル
ランナー×2
ATC
スリング×2
|
---|---|
共同装備 |
ハーフロープ30m×2
タープ
焚火缶
非常用ガス
天気セット
竿
食糧
予備食糧
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