剱岳北方稜線（小窓以南）

2025年10月06日(月) 〜 2025年10月08日(水)

• GPS: 22:16
• 距離: 23.6km
• 登り: 3,302m
• 下り: 2,343m

コースタイム

1日目

• 山行: 7:41
• 休憩: 0:31
• 合計: 8:12

距離 10.9km 登り 1,485m 下り 871m

8:05 黒部ダム
8:25 8:27 ダム下
9:18 9:19 内蔵助谷出合
11:24 11:34 内蔵助平
12:48 12:49 ハシゴ谷乗越
14:17 14:26 二股
15:09 15:16 仙人新道ベンチ
16:04 16:05 仙人峠
16:17 仙人池ヒュッテ

2日目

• 山行: 10:02
• 休憩: 1:47
• 合計: 11:49

距離 9.3km 登り 1,625m 下り 961m

4:43 仙人池ヒュッテ
4:59 5:09 仙人峠
5:54 5:56 池の平小屋
8:27 8:29 小窓（乗越）
10:19 10:45 三ノ窓
11:26 11:40 池ノ谷乗越
12:10 長次郎ノ頭
12:22 12:29 長次郎のコル
12:48 13:05 剱岳
13:39 13:48 平蔵の頭
14:15 14:26 前剱
15:08 15:16 一服剱
15:37 15:38 くろゆりのコル
16:32 剱御前小舎

3日目

• 山行: 2:02
• 休憩: 0:08
• 合計: 2:10

距離 3.4km 登り 192m 下り 512m

6:44 剱御前小舎
7:52 7:58 浄土橋
8:40 8:41 エンマ台
8:45 8:46 みくりが池
8:54 室堂ターミナル

天候

1日目：晴れ
2日目：曇りときどき晴れ
3日目：曇り

アクセス

利用交通機関：

電車 バス

写真

10/6 8:25

黒部ダムの下から出発。

10/6 9:00

下の廊下に通じる道を辿る。今年は下の廊下は不通のままですね。

10/6 9:34

「懐かしの」シリーズその1、「黒部の巨人」こと丸山東壁（真ん中のつるっとした岩壁）。あれを登ったのは2008年7月で、いずれは両脇の右岩稜と左岩稜も登りたいと思っていたものの、ついに果たせませんでした。

10/6 12:59

ハシゴ谷乗越近くから見た剱岳。正面の岩稜が八ツ峰で、その左隣が源次郎尾根、その奥のピークが本峰。乗越近くは獣臭がきつかった。

10/6 13:42

一時流されてしまった橋。きれいに復旧されていました。

10/6 14:02

ヴィアフェラータのようなトラバース。ここも獣臭あり。

10/6 15:12

仙人新道を登る途中から見上げた三ノ窓（左の雪渓の突き当たり）と小窓（右の鞍部）。三ノ窓近くのチンネやクレオパトラニードルのとげとげは、シャモニー針峰群を思い出させる。

10/6 16:00

今宵の宿・仙人池ヒュッテが見えてきた！

10/6 16:44

鏡のような仙人池。

10/6 16:59

いただきます（お酒は先にいただいています）。宿泊客は私を含めて4人。小屋の方々とひとつのテーブルを囲む、ファミリーな感じが好ましい。この小屋は写真が目的の連泊客が多いらしく、4人のうちの1人は（私の記憶が確かなら）連泊11日目・年間では49日目だとおっしゃっていた。

10/6 17:31

食後に夕焼けを見に行くと、これまたきれい。事前の天気予報では山行を中止しようか迷うくらい良くなかったので、これは僥倖です。

10/7 4:42

出発は暗いうちから。お世話になりました。

10/7 5:39

池ノ平小屋に着く頃に夜明けを迎える。

10/7 5:54

八ツ峰に朝日が当たってきれい。

10/7 5:55

眼下には平の池。

10/7 6:29

はい、わかりました（と言いつつ通過する）。

10/7 6:43

小窓雪渓。手前のつるっとしたスラブは大昔に氷に削られた跡？

10/7 6:47

斜面を横断する道の途中にはザレて悪いところもあります。

10/7 6:54

斜面の中段から雪渓へ降りるところは、白ペンキ印を辿ろうとすると厳しそう。この斜面ではなく、向こう側へ回り込むのかな？

10/7 6:58

手前側にピンクテープが付けられているのでそちらを辿る方がむしろ確実ですが、これでも足元が崩れないように慎重に歩く必要あり。沢登ラーならこういうのは慣れているはず。

10/7 7:13

ペツルでかためてみました（笑）。結論から言うと、チェーンスパイクでも問題ないかもしれないが、その場合は滑落時のためにバイルくらいは持った方がいいし、写真のような歯がしっかりしたアイゼンを履くのならむしろストックの方が役に立つという印象。ただし「この日のコンディションでは」という限定つきです。

10/7 7:49

クレバスもあるので、暗いうちに雪渓を登ることはおすすめしません。

10/7 7:59

小窓雪渓の上端はこんな感じでまだしっかりしています。遠くに見えているのは鹿島槍ヶ岳。

10/7 8:28

小窓を振り返った構図。雪渓が通れないときは、池ノ平山に登ってこの斜面を下ってくることになるはず。

10/7 8:51

小窓の王が見えた。まさに王者の風格。

10/7 9:59

この鞍部で小窓の王の東側から西側へまたぎ越す。

10/7 10:00

すると正面にはいかにも険悪な雰囲気の池ノ谷ガリー。あれを登らなければならないのかと思うと気が重い。。

10/7 10:01

「懐かしの」シリーズその2、剱尾根。あれを登ったのは2012年7月で、池ノ谷乗越にベースを張りR10まで下ってから登り返しました。

10/7 10:02

などと感慨にふけっている暇はなく、目の前の斜面を下ります。

10/7 10:16

俗に「発射台」と呼ばれる斜面。見た目ほどには傾斜はきつくなく、上半分はジグザグに踏み跡がついており、下半分は壁際を下ります。

10/7 10:20

「懐かしの」シリーズその3、チンネ左稜線。あれを登ったのは2008年5月で、小窓尾根を登ってきてこの三ノ窓にベースを張り、登攀翌日に本峰から早月尾根を下りました。

10/7 10:25

三ノ窓の残念な光景。まずここは国立公園の特別保護地区なので焚火は禁止です。しかもアルミホイルの焼け残りのようなものがあって見苦しいこと夥しい。銀色のうち大きなものは拾い集めて持ち帰りましたが、とても拾いきれるものではありませんでした。まず、そこが焚火をしていい場所かどうかはあらかじめ調べてほしい。そして（仮にしてもいい場所だったとしても）焚火をしたなら土に還らないものは必ず回収してもらいたい。

10/7 10:46

気を取り直して池ノ谷ガリーの崩れやすい斜面に入ります。上に人がいれば落石に気を遣うところですが、この日は誰もこの周辺を歩いていませんでした。

10/7 11:04

池ノ谷ガリーの途中から振り返った小窓の王と発射台。

10/7 11:26

池ノ谷乗越に到着。登っている間はほとんどガスに覆われていたのですが……。

10/7 11:29

「懐かしの」シリ……え、もういいって？八ツ峰は残雪期の雪稜登りも無雪期のフェースクライミングも楽しみましたが、仙人池から見えていた姿とこうして見下ろすこの姿とを結びつけることは難しいものです。

10/7 11:40

本峰が見えた！しかし、これを最後に周囲は再びガスに覆われるようになってしまいました。

10/7 11:51

本峰までの道。たまにこういうトラバースもありますが、おおむね歩きやすいコースです。ただ目印は意外に少ない（たまにピンクテープあり）しGPSデータはこういうところでは役にたたないので、岩場でのルートファインディングに慣れていないと時間を空費したり危険にさらされることになるでしょう。そういう意味では、むしろ残雪期の方がトレースがあるので楽です。

10/7 12:48

虚無の山頂。

10/7 13:17

下ります。客観的な目で見れば、こういう鎖場の下りも経験が足りない人にはやはり厳しいと思えます。今年は特にSNSの情報を鵜呑みにしたと思われる初心者の事故の問題が取り沙汰されましたが、発信する側にも謙虚に難しいところは難しいと書く責任があると思います。

10/7 14:41

ある程度標高が下がると雲の下の眺めが広がります。登り返した先は一服剱。

10/7 16:06

こちらをガン無視するライチョウ。

10/7 16:32

やっと剱御前小舎に到着。本当は16時までに着かなければならなかったので平謝り。その代わり、自分のうしろ15分くらいの位置にここに宿泊予定だと言っていたインバウンド3人客がいると伝えたら喜ばれました。

10/7 16:58

いただきます。ビールがしみわたる。

10/7 17:26

夕食後に外に出てみたら、ちらっと剱岳本峰が顔を覗かせてくれた。

10/8 6:43

3日目は天気が良ければ奥大日岳から大日岳へ歩いて富山県側へ下山するつもりでしたが、この天候では稜線縦走は意味がないと諦めて、室堂に下山することに。

10/8 7:30

草紅葉を愛でながら下ります。

10/8 7:53

雷鳥平の手前の橋の上から見た奥大日岳方面。縦走中止は正解だったかも。

10/8 8:13

室堂側から振り返った別山乗越方面。

10/8 9:30

下山後の一コマ。タンボ平の紅黄葉。

10/8 10:00

黒部ダムの観光放水。

10/8 12:32

大町温泉郷の薬師の湯でさっぱり。

10/8 13:07

信濃大町で時間があれば必ず訪れる昭和軒。

10/8 13:19

名物ソースがけカツ丼。これで950円はお値打ち。

〔参考〕これが本当の剱岳北方稜線。『日本登山体系』から引用。

撮影機器：

iPhone SE (3rd generation) Apple

感想

juqcho

久しぶりの剱岳。

初日は黒部ダムから仙人池ヒュッテまで。二日目に小窓から剱岳を越えて剱御前小舎。そして三日目は大日岳に足を伸ばすつもりでしたが、天気がイマイチなのでおとなしく室堂に下山しました。
この山行は、仙人池ヒュッテでバイト中の友人の陣中見舞いが主たる目的で、剱岳はついで（むしろまだ登ったことがない大日岳が狙い）です。
もともと天気予報は期間を通してよくなかったのですが、その割にはポイントごとに眺めに恵まれてラッキーでした。

詳細な記録は後日、こちらにアップします。→ https://climb.juqcho.jp/

なお、山行タイトルに「小窓以南」とわざわざ注記しているのは、このコースは本来の「剱岳北方稜線」である剱岳から北へ池ノ平山〜赤谷山〜猫又山〜毛勝山〜駒ヶ岳〜僧ヶ岳をつなぐ長大な尾根のごく一部しかカバーしていないためです。この点については、最後に付した画像を参照してください。