祝瓶山敗退/障子ヶ岳−大朝日岳−北大玉山−五味沢


- GPS
- 128:00
- 距離
- 45.7km
- 登り
- 3,023m
- 下り
- 3,269m
コースタイム
- 山行
- 0:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:10
- 山行
- 10:35
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 12:20
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 9:05
- 山行
- 8:10
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 9:30
- 山行
- 3:40
- 休憩
- 4:00
- 合計
- 7:40
天候 | 晴れ(8/15午後および8/17朝は雨) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
・間沢乗換所〜登山口:タクシー約30分、\8070 (間沢から西川町営バスで大井沢まで行けますが、基本平日運行なので要確認) ・りふれ〜小国駅:小国町営バス、約30分、\520 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山ポスト有り:祝瓶山口、小国駅 ・登山ポスト無し:天狗口、障子口 ・主稜線以外はロープのある急なザレ場・露岩帯が散在、落ちたらアウトな個所も多 |
その他周辺情報 | ・下山後、りふれ泊(日帰り入浴\500) (登山口までの送迎ができるらしい) ・徳網:民宿美和(営業不明)、樋倉:民宿ふもと ・祝瓶山登山口から五味沢バス停まで自販機、店舗、公衆電話はありません(携帯通話範囲未確認、五味沢はOK) |
写真
感想
【8/11】
8/11と8/18の往復の切符をまとめて買おうと7/18にみどりの窓口に行ったら、8/11の下りは軒並み満席。なんとか指定席を確保したが、山形駅到着が12:44から10:06になってしまった。時間があるので、ザックを左沢線のホームに置いて山形市内を散策する。霞城公園、文翔館を見物し、山形駅で昼食後、ホームへ向かうとザックが無い!こんな重量物持ち去る人はいないと思うが駅員に尋ねると、長時間放置されていたので忘れ物扱いになったそうだ。遺失物取扱所でザックを受け出しているうちに予定(13:24)の左沢線は出て行ってしまった。次発で寒河江に向かう。1本余裕を見ておいてよかったぁ〜。寒河江駅で山交バスに乗り、間沢待合所へ到着。電車・バスを使った途中のローカル感は山行の大きな楽しみ。間沢で西川町営バスを確認すると祝日かつお盆なので運休という。しかたが無いのでタクシーで登山口へ向かう(バスは\200、タクシーとの差額\7,870で1hrの林道歩きを省略できた!?)。障子口は通行止めなので、天狗口の駐車場から奥へ入った平坦地でお神輿を据える。
【8/12】
2:30起床、ツェルト内16℃、結露多。天狗駐車場で単独行者に会う。焼峰経由で天狗小屋へ向かうという。分岐へ戻ってから障子口に向かう。数年前の大雨の土砂崩れはまだ復旧中で奥の林道は草が茂り荒れ始めている。車が入らないので障子ヶ岳登山口駐車場に幕営するべきで考えが足りなかったと反省。以降、大クビト前まで値引きの無い急登が続く。樹林帯で暑く、水の消費が激しい。大クビトを過ぎると次第に展望が広がり、紫ナデに到着。灌木帯を下ると障子ヶ岳の大岩壁が迫ってくる。すでに12時になっているが、朝日の当たった岩壁はさぞかし素晴らしいことだろう。障子池から見る障子ヶ岳は南アお花畑から見る上河内岳のようで絵になる。一方、用意した3Lの水は残りわずか200cc。とても粟畑への登りはこなせそうもない。意を決して障子池へ向かう。目視は透明、少量口に含んでみると、ちょっと生ぬるいが、想像していたような変な味はない。一気に1.5L位がぶ飲みする。明日、腹痛になったら、天狗小屋で回復を待って大井沢に下山しよう。一方、水があり周囲は草原で幕営可能、思わず行動終了にしたくなるが、登山口で会った単独行者が天狗小屋に伝えていると思われるので、遭難騒ぎを恐れ、気を取り直し先へ進む。粟畑から天狗小屋が見えるが意外に遠い(経験則:「見える小屋は遠い」)。
小屋への急階段を下りて、ようやく天狗小屋。管理人や同宿者があまりに遅いので心配していてホッとしたようだった(行き倒れたのか?途中でビバークしたのか?夜に捜索かよ!)。行動時間12hr超は初めてで、いやーしんどかった!本日の宿泊者は全3人、管理人氏と宿泊者が車座になって歓談。めったにない楽しいひと時になった。管理人氏によると障子池の水を飲んだのを聞いたのは2人目、実は溜り水ではなく、湧水とのこと(まったく保障しないので自己責任で)。夕食は供出された酒類と持参のレトルト肉じゃがのみ。今晩ペルセウス流星群最大になるが気力なし。本日、ルート上では無人。
【8/13】
2:40起床、晴れ、小屋内22℃。未明に天狗角力山へ行き、小屋に戻って、荷造りして出発(皆様、ありがとうございました!)。狐穴小屋までのCTは5hr弱だが昨日の様子からすると到着は15時を過ぎるだろう。二ツ石山までは灌木帯が続く。ザックの右側がいちいち灌木の枝に引っかかるのには閉口し、悪態をつきながら進む。散在するロープのザレ場のたびに「またかよ!めんどくせーな」とあちこちで悪態。次第にオバラメキの岩壁が迫ってくる。途中で水晶・石英の小さな六角結晶をいくつも拾い、ちょっとうれしいお土産になった。小屋ではすでに夕食の寛ぎに入っている。寝所を確保後、「狐穴風呂(木道約5分の流水)」でさっぱりしてから夕食、疲れのためノザキの袋入りスパム風肉、スープ、ビールのみ。19:30就寝、小屋内20℃、20人位泊(多いけど混雑感なし)、見晴台で1組入山のみ。天狗小屋、狐穴小屋の皆さんに大感謝!
【8/14】
2:00起床、晴れ、小屋内22℃。そっと、装備を外に運び出し朝食を摂りながら、荷造り、外気16℃。「今日から主稜線なので昨日までよりは楽だろう」と思っていたら大誤算であった。初日の経験から出発時4Lの水を担ぎ、一方で疲れのためか食欲がなく食料の消費が予定の1/3以下かつ途中のビール追加で常時30kg超と思われるような状態でさっぱり前に進まない。それでも、寒江山のお花畑を愛で、竜門小屋で水槽のアヒルのおもちゃをつついて(いいね!この小屋の遊び心)、ビールを購入し先へ進む。竜門山を過ぎると次第にゲッソリし、霧も湧いてくる。中岳をやり過ごし、何とか金玉水へ到着。16時頃には大朝日小屋に到着できそうなので、給水は後にして、ビールだけを冷やして小屋へ向かう。小屋到着後、寝所確保・荷物整理後、金玉水でビール回収、給水。金玉水前のビール冷やし用雪渓は例年より低い位置にあるため、長々ガラ場を通るので採取割愛(小屋関係者はバケツで雪を採取に行った)。本日も食欲ないが無理やりアルファ米・副菜をねじ込む。他ハイカーのラーメン、パスタ等がおいしそうに見える。疲れている時は汁気の多いものがよさそうだ。現在、温暖期主力火器はFreeLightのTrinityLigitStove(アルコール燃料、廃版)、お湯は沸かせるが煮炊きはできない。割り切っていたが、来年は装備をすべて考え直そう。今までは、遊び道具をメインにし、衣食住は軽量化を図る一方、「えーいっ、このくらいっ!」と力まかせでこなしていたが、もう通用しないようだ。以前はペンタ67�とレンズ4本、サブにフジGA645Zi、220フィルム100本で幕営してたのにねぇ。19:30就寝、小屋内22℃、靴数約30足、詰め込み感なく1畳1人程度。
【8/15】
1:45起床、晴れ、小屋内22℃。大朝日小屋の1Fは基本自炊所なので、寝者なく、朝食とりながら荷造り。次第にガスが湧いて、風も強まる。とりあえず小屋内で待機。先は長いのでいつまでも小屋で待機するわけにもいかず出発。山頂で風を避けていると次第にガスが晴れてきた。早々に下山した人には残念だったろう。大朝日からガラ場を下り平岩山へ向かうと一抱えほどもある石がまるで墓標のようにニョキニョキ立っている不思議な場所を通る(朝日鉱泉のご主人は強風で引き起こされたらしいと言っていた)。SF大作「ハイペリオン」に出てくる「時間の墓標」を思いつつ進む。平岩山は木の角柱3本と三角点だけの山頂である。行く先に祝瓶山が見ているが大朝日岳からすでに1:40経過していた。前回は1:00で来たのに。もうだめだ、祝瓶山はあきらめ、角楢経由で下山しよう。平岩山の水場はOKとの情報を得ていたので、本日は北大玉山か大玉山泊として出発する。大玉山より北大玉山の方が下山時間が短いので第一候補は北大玉山とするが、平坦地があるかどうか。灌木の切通しだけだったら困るなぁと思っていたら、ちょうど1張り分の平坦地があったので迷わず行動終了。今回、午前で行動終了したのは初となった。濡れ物を乾かしながらのんびりくつろぎたいところであったが13時頃から次第に曇り出し、小雨がぱらついてきた。慌ててツェルトを設営し、中に潜り込むと寝てしまった。18時前に目を覚ますが、相変わらず食欲なくベーコン缶とミネストローネだけの夕食となった。20時前就寝、小雨散発、下山者なし、北大玉山前でトレラン風入山1人。
【8/16】
3:30起床、晴れ、ツェルト内20℃、結露激しい。支度していると霧になる。荷造り終了するころになると次第に晴れてくる。今晩の宿「りふれ」チェックインは16時、これまでの経過から7時前出発としていたが、朝食に最後のビールを飲んだせいか露岩にもたれ掛ったまま寝てしまった。ふと気が付くと8:30になっている。あわてて支度して出発する。うつつに昨日入山したトレランが下山したような気がする。ザックの雨蓋の位置は確実に下がっているが、さっぱりペースが上がらない。大玉山の分岐から角楢小屋へ単調な樹林を急降下する。水に不足はないので蛇引清水は割愛。大玉沢の吊り橋は10cm程の丸太の両脇にワイヤーを沿わせているだけである。揺れ止めワイヤーもなく、手すりワイヤーは頼りなく、強風時の恐怖はいかほどであろうか。以降3本の吊り橋があるが、これらに比べれば畑薙大吊り橋はかなり快適と思う。(うわさに聞く深南部無想吊橋はどうだったろうか?)大玉沢吊り橋以降はほぼ平坦なブナ林の道を進む。角楢小屋(宿泊可)、杣小屋(利用不可)を通りすぎ、ようやく祝瓶山登山口に到着、すでに15時になっている。一休みした後、好天に恵まれ無事下山できたことに感謝し、深々と一礼して出発する。これから長い長い車道歩きが始まる。登山口にもしかしたらタクシーの番号が貼ってある電話ボックスが無いかな〜と期待したが当然ながら電線すらなかった。周囲を見る限り携帯圏外は確実なので黙々と車道を進む。針生平でも電線なく、山菜小屋があるのみであった。徳網の手前から電線が現れ、小集落となる。「民宿美和」があるが小国町の民宿にはリストアップされていない。廃業したのだろうか?ここまで来ると、あと1時間。携帯が通じるとしてタクシーを呼ぶと小国駅から30分以上かかるだろう。金はかかってもタクシーを呼んだ方が身のためだと思うが、「タクシー会社の電話番号がわからない」、「スマホで検索すればわかるはずだ」、「こんなところでスマホが通じるか?」と自問自答しながらとぼとぼ歩く。当時はまったく思いつかなかったが、「そんなものスマホを取り出せば圏外圏内はすぐわかるはず、ものの数分もかからない」ということにまったく気づかなかった、脳が機能しなくなっているのだろうか(「当然なことにまったく気づかない」精神状態は遭難時と同様だろうか?)。18時前五味沢バス停に到着し、予定16時着なので、18時過ぎになるだろうと「りふれ」に電話すると、すでに通り過ぎているので迎えに行くと言ってくれた。下ばかり見ながら歩いていたので五味沢バス停前のりふれ入口を見逃していたのであった。
【8/17】
昨晩の天気予報では本日午前中、台風7号が東北地方通過とのこと。未明から断続的に大雨が続く。朝のニュースでは山形新幹線は午前中運転見合わせ、周囲の在来線は通常通り運行、小国町営バスも通常運行とのことで小国駅へ向かう。米坂線は通常運行で予定通り米沢に到着。ところが山形新幹線・東北新幹線のダイヤが大幅に乱れた上に、都内も人身事故の影響で帰宅時間が5時間近くも遅くなってしまった。今回の山行では今までになかった反省点が顕在化したことを強く実感したのであった(次回に生きるかなぁ、また来年も同じことを言っているような気がする)。とは言え、車中で祝瓶山リベンジを画策しながら帰宅したのであった。
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