朝日連峰 石見堂岳/赤見堂岳/大桧原山/障子ヶ岳/ヨウザ峰(積雪期限定周回)ホワイトアウトを耐えて絶景稜線縦走!


- GPS
- 14:41
- 距離
- 28.9km
- 登り
- 2,164m
- 下り
- 2,172m
コースタイム
天候 | 取り付き〜石見堂岳:小雪、時折強く降る 石見堂岳〜赤見堂岳〜P1327:ホワイトアウトで一時停滞 P1327〜大桧原山:徐々にガスが取れて行き漸く視界が見え始める 大桧原山〜紫ナデ〜障子ヶ岳:ド快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年04月の天気図 |
アクセス |
■アクセス R112⇔県道27号大井沢方面⇔取り付き駐車場(小桧原川から約400m程北) ■駐車場 石見堂岳、赤見堂岳への取り付き一番近くの駐車場に3台 今年は雪が多くギチギチに寄せないと3台停められません。協力し合いましょう。 付近にも停められる箇所あるが多雪の為例年よりは少な目。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト なし。Compassにて提出。 ■ルート状況(2025/4/5時点) ルートはヤマレコで手書き作成。 主な装備:冬靴、スノーシュー、ピッケル、12本アイゼン、ハードシェル、ポール、スノーショベル(スノーショベルは使用せず) 取り付き〜P951の先までアイゼン+ポール P951〜稜線〜紫ナデまでスノーシュー+ポール 紫ナデ〜障子ヶ岳〜大クビトまでアイゼン+ピッケル+ストック 大クビト〜下山までスノーシュー+ポール 〇取り付き〜石見堂岳〜赤見堂岳 駐車場からすぐに取り付き。序盤から雪が繋がっています。古めのトレースありました。細尾根伝いに上がりEL500を越えたあたりで明瞭な尾根歩きとなります。雪の状態によって尾根を避けて登る箇所あり。EL800辺りの細尾根上には藪が出ていますが尾根を避けて歩くとまだ雪が繋がっています。P951を過ぎたあたりでアイゼンからスノーシューに換装。EL1000付近はやや急登。EL1150辺りはとても開けておりどこでも歩けます。そこからひと登りすると石見堂岳。石見堂岳からは一旦降ってからP1355→赤見堂岳へと登ります。この日は石見堂岳からガスでP1355への登りで完全ホワイトアウトで30分以上停滞。停滞後ガスの切れ間と植生を見極めながら登りましたがトレースは右往左往していますので参考にしないで下さい…。赤見堂岳直下は深いクラック、ヒデュンクラックがありますので気を付けて下さい。またホワイトアウト時も要注意です。 〇赤見堂岳〜枯松山〜大桧原山〜紫ナデ(積雪期限定の稜線) 赤見堂岳からは進路を南へ。緩やかに稜線を降ります。P1327は周回時のピークでここから降るルートもお勧め。枯松山方面へも緩やかに降ります。1箇所やや急斜面の降りに見えづらいクラックあります。枯松山へ向かう稜線からは周回で降りるヨウザ峰のルートが良く見えます。枯松山からはP1400へ向けた登りは三段の登り。登りの途中には雪庇や既に割れ始めている箇所があります。P1400直下にも大きな雪庇があり更に距離は短いが急登が待っています。P1400から大桧原山は緩やか。途中やや藪もありますが気になるほどではありません。大桧原山まで来ると障子ヶ岳がだいぶ近くに感じます。大桧原山からP1320、紫ナデ間は張り出した雪庇区間です。特にP1320〜紫ナデ間は大きく降って登り返す核心部。鞍部は雪庇を避けて樹林帯を歩く必要があります。登り返し部も10m越える雪庇とクラックがありますので注意です。登り返しを頑張ると紫ナデで障子ヶ岳と朝日連峰の大展望が待っています。 〇紫ナデ〜障子ヶ岳〜大クビト〜ヨウザ峰〜下山 紫ナデからは緩く降ります。初めは雪が締まっており歩き易い。子障子は巻きます。他は基本的には尾根沿いですが雪庇やクラックある箇所もあるので注意。山頂手前のピークの急登が核心部。アイゼンだったので雪庇上は踏み抜きが多い為、西斜面よりを登りました。アイゼンが効いて登り易かったです。ただし西側は急斜面なのでお気を付けて。ピークに登り切ると山頂は目の前。距離は少しですが踏み抜きが多く、深いと腰まで踏み抜きました。下山は紫ナデから大クビト方面へ。トレースが沢山あって助かりました。大クビトまでは急斜面を降ります。夏道は大クビトから南俣沢ですが積雪期はヨウザ峰方面へ。ここからP1196→P1165→P1111→ヨウザ峰(P1037)と標高をあまり落とさず細かいアップダウンが続きます。左手には歩いて来た稜線、右手には朝日連峰、振り返ると障子ヶ岳、正面には月山と素晴らしい景色を尾根歩きです。ヨウザ峰からは2回程小さい登り返りがありますがほぼ降り。P743の先は細尾根上の雪が解けている箇所がありますがまだ丈夫な雪庇上を歩ける箇所があります。取り付き直ぐの尾根は雪が切れているとの情報を頂いたので少し上から沢を降って大桧原川の林道へ早めに出て林道から県道へ出ました。ここから駐車場までは1kmちょっと。 去年も同時期に反対方向で周回しました。参考レコ↓ https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6624516.html |
その他周辺情報 | ■温泉 大井沢ゆったり館 \350 |
写真
感想
去年同時期に歩いた障子ヶ岳〜赤見堂岳の稜線が忘れられず今年もトライ出来る天気を密かに伺っていたところ予報の良い週末が訪れた。SCWで雲の動きを見ると朝方に雲が抜けるのに少し時間が掛かりそうな予報で少し不安もあったが昼以降は晴れそうだったのでいざトライ。目的地に行く途中雨が降っていたが駐車場に着くころには止んでいた。1台先行車があり2台目に滑り込んだが雪壁ギリギリに寄せればもう1台停められそうな雰囲気だったので限界まで寄せる。法面から取り付いた方が楽かなと思って駐車場から少し歩いたが雪壁が高すぎて登れずまた戻っていつものピンテのある柵から取り付く。序盤は雪が切れている場所もあると思っていたが細尾根上もしっかり雪があってかつ古めだがトレースもあって順調に高度を稼いでいく。EL800付近の細根はやはり今年も雪が切れていたが雪庇と反対側の尾根にはしっかり雪が残っており尾根を避けて雪を繋いで歩く事が出来た。登り始めてすぐにちらついていた小雪はたまに風で吹き付けて来る。最近降雪もあったようで標高を上げるとすっかりトレースもなくなっていた。P951の急登を登り切った先で休憩しながらアイゼンからスノーシューに換装。そこからひと登りすれば石見堂岳直下の広い雪原に出る。そのピーク付近で視線を感じたので目を向けたら大きなカモシカがいた。ここまでの至近距離でみたのは初めて。寝ていたかもしれず起こしちゃってごめんなさい。暗い雪原を歩き石見堂岳への登りを登り切り登頂する事には辺りはガスに包まれていた。この辺は植生が沢山あるので地図を見ながら歩くが暗闇とガスでなかなか思い通りの方向へ進めず右往左往し始める。一旦降ったあとP1355への登り返しに入った辺りで植生がすっかりなくなり進む先が完全にホワイトアウトになってしまった。試しに5m程進んでみたが上下左右が全く分からなくなりこのままでは進めないと感じすぐに戻る。停滞して様子を見ようとエマージェンシーシートを初めてエマージェンシーな時に風よけとして使ってみる。幸い常時吹き付ける風ではなかったのは良かったが体を動かさないと一気に寒くなってくる。40分以上停滞しても状況好転せずそろそろ体の限界でいい加減ガスが晴れて欲しいので、太陽でろー!ガス取れろー!を何度も一人で叫んでいたら一瞬太陽が現す。そしてP1355への斜面がうっすら見えたり見えなかったりで視界が良くなり始めた。これは行ける!となり再出発開始。P1355の次は赤見堂岳だが思うように進まずそのまま西側の斜面へ降りそうになりすぐに修正。一瞬顔を覗かせた赤見堂岳に向かって最後の登りを歩くがこの辺は記憶で雪庇やクラックがあったところと思い出しよく見るとヒデュンクラックがあったりした。そして一時停滞はあったもののなんとか赤見堂岳へ登頂。今シーズンは雪が多く気温も低く、ホワイトアウトを除けばとても良いコンディションで登頂出来た。遠くの景色は全く望めなかったが頂きに立てただけで満足。少しの休憩後まだまだガスと太陽がせめぎ合っている中、今度は障子ヶ岳へ向けて稜線を歩き出す。視界がクリアじゃないので良いルート取りが全然出来ないが緩やかに降り周回のP1327付近まで来たところでようやく標高の低い所からガスが取れ始めた。EL1400より上は依然としてガスだがやっと歩く分には問題ない環境になった。枯松山へは広々とした稜線を緩やかに下り少し登ると登頂。この手前辺りからでヨウザ峰から紫ナデへと続く尾根も見え始める。枯松山から先はP1400へと続く三段構えのキツイ登り。ここは雪庇やクラックが入っていたり急登だったりなかなか気が抜けない。二段目のピークには大きなクラックと見え辛い雪庇、P1400手前には大きな雪庇が2か所とクラックがあるので要注意。P1400へ着くころにはまた少しガスが上に上がったがまだ快晴とはならず。ただ周辺の山々は少しずつ見え始め、陽の光が当たる山もあるのでこれからどんどん好転していくのだろうという感じがしてくる。P1400から大桧原山はとてもなだらか。ミネザクラだろうか、背の低い植生がある地帯を抜ける必要があるがそこを抜ければすぐに大桧原山に登頂。大桧原山まで来るとまだ山頂はガスの中だが障子ヶ岳や西には以東岳のどっしりとした山頂が目に入る。そして手前のP1320とその先の紫ナデもだいぶ近くに感じる。次のピークのP1320から紫ナデ間もなかなか大変。一旦大きく降ってから大きく登り返す。鞍部は雪庇が崩れており樹林帯を通過、登りもかなり大きな雪庇が発達しており至る所にクラックが入っており近づくのは危険。ヘロヘロになりながら紫ナデの登りを登りきると目の前にドーンと障子ヶ岳。そしてその奥には白く輝く朝日連峰が。疲れが吹き飛ぶ絶景に感動。去年同時期よりも雪を多く讃える山塊が見事でした。紫ナデに着くころにはすっかりド快晴で今朝の天気はどこへやら。風も心地よい程度に吹いてくれて丁度いい。紫ナデでガッツリ休憩を取り稜線の最後のピークの障子ヶ岳へ。紫ナデからはお一人のトレースがあり先に歩いている姿が見える。アイゼン+ピッケル+ストックに換装し歩き始める。雪はまずまず締まっていたが細い稜線や植生によっては多少踏み抜きがある。もうここまで来たら日没までには降りられるだろうから時間は気にせずゆっくり進む。巻けるピークは巻いて最後の急登部で西斜面をアイゼンを効かせながら登っていると先行者が降りてきて挨拶するとヨウザ峰から障子ヶ岳ピストン中のitoさんでした。船形山以来かな?久しぶりの再会に会話して写真撮って別れを告げて一人山頂へ。長い長い稜線を歩いてようやく登頂した障子ヶ岳の山頂からは朝日連峰が端から端まで一望!今年は何回この稜線を歩く事が出来るか、そしてなるべくならこの白く輝く稜線のうちに歩けたらと妄想を膨らませながら絶景を記録と記憶に収める。振り返っても遠く月山から繋がり、石見堂岳、赤見堂岳から歩いてきた稜線もすっかり見渡せた。一時停滞していた時は寒すぎてこのまま降りようと何度も考えたがその後ガスが切れ始めて再び歩みを進めて徐々に天気が快方へ向かい今ではドピーカン。本当に帰らずに歩いてきて良かったとしみじみ。後は降るだけと言っても紫ナデへの登り返しや途中の踏み抜きにもなかなか難儀。再び紫ナデで大休止して大クビトからヨウザ峰方面へ。降り始めて振り返ると赤見堂岳方面から稜線を歩いてきた方が二人居て手を振ってみる。その後なかなかの急傾斜を降って大クビトで再びスノーシューに換装。ここからヨウザ峰までが長い長い。登り返しも何度かありもうヘトヘト。だが左を向くと歩いてきた稜線、振り返ると障子ヶ岳、右を向くと朝日連峰が見えるロケーションは最高。歩いては止まって絶景を眺めながらゆっくり歩いてヨウザ峰へ。ヨウザ峰には去年は見られなかった大きな雪庇が出来ており下から登ってくるには大きく左から回りこむ必要あり。そこからはほぼほぼ降りのみとなる。P743から降った所の細尾根の雪庇は去年は危うかったが今年はしっかり残っていた。取り付きの尾根付近は少し雪が切れているとの話しを聞いていたので最後は尾根を避けて沢を降って林道を歩いてやっとロードへ。ロードへ出ると下山された方々が片付けしており会話すると秋田のkenさんとふくさんで一昨年秋の前神室山以来の久しぶりの再会。色々お話し出来て楽しかったです。そこからロードを歩いて駐車場に到着。ちょうどほぼ同じタイミングで3台の車で来た人達が下山してきて会話しながら片付け。そして私が紫ナデから降りる時に稜線を歩いているのを見かけて手を振ったのがひろっちさんだと知る。登る山が似ているのでそのうち会いそうと思っていたがこのタイミングでとはビックリ。色々な出来事や出会いがあり去年に引き続きとても印象に残る山行となりました。今回も長々とお付き合い頂きありがとうございます。
コメント
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石見堂〜赤見堂での視界不良大変でした、我々なら往路トレース頼りのピストン下山必至の状況で、ノートレースの稜線を周回できる総合力に改めて感服いたしました
aohachさんの昨年ヨウザ峰レコのおかげで楽しい山行ができました、ありがとうございます!
またどこかの山でお会いできるのを楽しみにしております
トレードマークで直ぐに分かりましたよ😁
視界不良に耐えて歩いた甲斐があって絶景稜線堪能出来ました🏔?去年のレコ参考になったなら良かったです!kenさんのホームの鳥海山へもそのうちお邪魔しま〜す😁
またお会い出来るの楽しみにしてます‼?
先日の再会、とても嬉しかったです✨
昨年のルートの逆周回、厚いガスがぬける瞬間は本当に感動でいっぱいだったことと思います!
いつか繋いでみたいルートですが、自分の体力ギリギリ、まだ時期尚早、もっと経験を積んでかなあと🤭
朝日の稜線は最高に素晴らしいですね❗
またどこかでお会いできますように…
お疲れさまでした🍀
徐々にガスが抜けて現れる絶景の稜線は本当に最高でした🏔️✨
行く先には朝日連峰と障子ヶ岳、振り返れば赤見堂岳、月山。ロケーション最高の縦走路に終始ニンマリでしたよ😁
紫ナデから障子ヶ岳のトレースありがとうございます‼️🙇
障子ヶ岳からの真っ白な朝日連峰の景色も今でも鮮明に蘇ります✨
是非来年は障子ヶ岳から赤見堂岳を繋いでみて下さい🙆
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