北岳・仙丈ヶ岳(仙塩尾根経由日帰り):タイムリミット9時間半への挑戦
- GPS
- 08:40
- 距離
- 24.7km
- 登り
- 3,335m
- 下り
- 2,785m
コースタイム
5:57 広河原出発 → 6:57 白根御池小屋 → 8:07 肩の小屋 → 8:29 北岳山頂 → 8:41 両俣小屋方面分岐
→ 10:17 両俣小屋 → 10:48 野呂川越 → 11:53 伊那荒倉岳 → 13:16 大仙丈ヶ岳 → 13:32 仙丈ヶ岳
→ 13:55 小仙丈ヶ岳 → 14:35 北沢峠到着
備考:両俣小屋での5分弱の小休憩以外は主だった休憩なし。
途中ストップは写真撮影と脚ストレッチのみ。制限時間考慮し補給食は歩きながら。
天候 | 快晴 午後より甲斐駒・鳳凰三山(表銀座エリア?)で高雲発生するものの夕方まで北岳・仙丈ヶ岳には影響なし。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
芦安からはジャンボタクシーで広河原まで移動。復路は北沢峠から広河原まで最終便バスで移動、 広河原から芦安へはジャンボタクシーを利用。 ジャンボタクシーはバスと異なり人数(定員9人)揃った時点で効率良く走ってくれるので往路は必須、復路も早めの撤収にもってこいです。 (今回北沢峠発15:30のバスに乗りましたが1時間後の16:30には芦安からマイカー撤収完了していました) |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所特になし。 今回、北岳・両俣小屋を中継する左俣コースを下りましたが、このルートは北岳大樺沢コース同様、 台風12号の影響で通行止めであることを後になって両俣小屋で知りました。 (実際、左俣コース上部樹林帯では余分な倒木・ゴロ岩多く道も荒れており、登山道も明瞭な様でなかなか不明瞭な状況でした。 また、下部の河原歩きも倒木多く橋も流されており毎回大きな岩伝いにピョンピョン飛び越えて先に進む感じでした) 実際、コース状態は悪く通行はオススメできません。自粛ください。 野呂川越から仙丈ヶ岳の間の仙塩尾根は、印象としてはアップダウンが少なく距離も短い早川尾根という感じでした。 高度の低い南側は樹林帯となり、後半2,600m辺りからハイマツが増え展望が開けます。 アップダウンこそ少ないものの両俣小屋から仙丈ヶ岳までは1,000mの登り返しですので決して平坦な道のりではありません。 ジリジリ高度を詰めていく形で進んでいきます。体力との根くらべとなります。 尚、三連休の中日でしたが仙塩尾根で通過した登山者は10名足らずでした。北岳や仙丈ヶ岳と比べるととてもひっそりとしたエリアです。 コース上の給水ポイントは、白根御池小屋、両俣小屋、北沢峠となります。 既に秋を迎え気温も山頂付近では未明から早朝は確実に零下です。 北岳山頂直下では微弱な風ですら寒さを感じるので十分な防寒装備が必要です。 【このコースを将来的に日帰り帰宅でトライされる方に】 このコースは時間制限が厳しくアドベンチャーレースかの如くスピードが要求されます。 一番の問題は仙塩尾根をいかに早く片付けられるかに掛かっていると思います。 特に仙塩尾根前半は樹林帯で展望もないため、多分な休憩は後半のタイムロスにつながります。 また、北岳への上りも理想では大樺沢から八本歯に上がるのが最短で時間短縮につながります。 タイム的には、途中の両俣小屋が中間ポイントと考えて良いと思います。 尚、15:30の北沢峠最終バスに乗り遅れると山間部に閉じ込められビバーグを余儀なくされますのでくれぐれも注意ください。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
今週末はとても天気に恵まれてます。
久しぶりに南アルプスに出かけるべく計画を練り始めました。
以前、Patagonianさんからあるトレイルランナーの話を聞いてました。
その人は広河原から北岳に上がり、その後仙塩尾根を経由して仙丈ヶ岳を日帰りでこなしてしまうという事でした。
このコース自体は特に気になるものでは無かったのですが、問題は下山時刻です。
知っての通り北沢峠は南アルプス北部では、かなり奥深い所に位置してます。
そのアクセスの問題から、芦安へのバスは午後3時が最終便です。
言い換えれば、広河原から北岳に登り、そこから仙塩尾根を経由して仙丈ヶ岳頂上を踏んで
北沢峠に下るとした場合、9時間という時間制限がネックとなってきます。
一日の行動時間としては十分ですが、このコースを最後までトレースするには決して十分と言える時間ではありません。
実は、北沢峠からの芦安行きバス最終便は昨年より午後3時から午後3時半に延びました。
結果、制限時間が30分延びました。
この事も今回このコースにチャレンジするきっかけにはなりましたが、それでも今の自分の実力では
タイム的に非常に厳しいものであり、本心15:30の北沢峠発最終バスに間に合わないだろうと考えてました。
そんな中、今週末を迎えました。
好天の三連休に刺激を受け「やってみようかな」という気持ちになりました。
今回日曜日の行動でしたが、仮に失敗しても北沢峠で夜ビバーグし月曜日に帰宅すれば何とかなるという楽観的な考えも生まれてました。
とにかく大きな課題なので、早めにやっつけておかなければなかなか手が出せなくなるだろうという焦りの気持ちの方が強かったのかもしれません。
こうして準備が始まります。
持参したのは、12リットルのザックとボトルホルダー。
万が一の北沢峠でのビバーグに備えダウンの上下と毛のインナー、ヘッドランプを準備しました。
最悪の最悪は、北沢峠で一泊ビバーグする覚悟です。
一方で食料はクラッカーやチョコレート等かなり軽く抑えました。
その他、GPSロガー、予備電池、応急セット、ニット帽、手袋など。水は1リットル弱。
行動開始後は、何よりも制限時間を最優先しました。
経験測から、まづ標準コースタイムの1/2で行動すべく目標設定しました。
要所要所にチェックポイントを設け、通過時間を管理しながら行動しました。
一番見えなかった仙塩尾根の所要時間ですが、これについてはコースマップ上の所要時間が5時間50分と
なってたので、まづは3時間で設定し自分なりに追い込みを掛ける事としました。
ただ、それでも標準タイムが20時間越であり、制限時間の9時間30分で仕上げることは難しく
その分は広河原から北岳山頂までの上りと仙丈ヶ岳からの下りで脚を残しつつ収拾つける覚悟で臨みました。
仙丈ヶ岳には、どんなに遅くとも午後2時前には到着していなければなりません。
それがなかなか読めず、絶えず不安に駆られながらの展開となりました。
イメージとしては、設定タイムで行動している架空の自分に絶えず後ろから追い込みを掛けられている感じです。
それくらい時間設定が過密だったので、小休憩も上り途中での脚休め程度、食料も歩きながら摂りました。
仙塩尾根(野呂川越)に上がった当初、目標時間に対し15分程度の余裕がありました。
その後も背後から追い込みを掛けてくる見えない自分からプレッシャーを受けながら、
何とかガンバで休まず行動し設定時間より30分早い午後1時半に仙丈ヶ岳山頂に到着しました。
その時、はじめて今日初めてのスマイルがこぼれ、思わず「やったぁ〜、これで帰れるぞ!」と声を上げてしまいました。
山頂ではたまたま居合わせた若い男女パーティーにガッツポーズの写真を撮ってもらいかなりハイテンションになってしまいました。
長い上り尾根で脚が疲れ切った感がありましたが、仙丈ヶ岳での至福のひと時でまた元気を取り戻しました。
ルンルン気分ならぬランラン気分で、元気一杯北沢峠までの下山を快調ペースでこなせました。
最終的には、目標設定時間を50分繰り上げた午後2時40分に北沢峠に下り着くことができました。
今回、これまでになく時間に追われたギリギリの行動でしたが、何とか設定時間内で仕上げることができました。
時間にして50分繰り上げた形でゴールできたものの、うち半分は計画に対する誤差にすぎないと考えてます。
実質、ガンバで稼ぎ出したのは残る半分、つまり25分程度ではないでしょうか。いづれにしても間一髪です。
体力的にはまだ残ってましたが、精神的・時間的には今年春に走った道志村トレイルレースに近いくらい追い込まれた気がします。
これでまた今年の目標がひとつ片付きました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
こんばんは!
大仙丈ヶ岳山頂で会ったものです
すごいタイムですね〜
この日は天気もよくて、登山日和でしたね
お疲れ様でした!
びっくりです。大仙丈ヶ岳山頂でヤマレコメンバーに会っていたなんて思いもしませんでした。
(山頂でお会いしたお二人さんですよね?)
山頂では、自分が写真を撮ろうとした時に場所をあけていただいたので良く覚えてます。
あの時、こちらはバタバタ先を急いでいたのと、場所を空けていただいたのに申し訳なく
そそくさと山頂を立ち去ってしまったような感じだったと思います。
ちょっとぶっきらぼうだったかも(笑)。
(気が付けば山頂では自分自身の写真しか撮らずそのまま去ってしまってました、とほほ)
山頂では、いつもああやって手持ちで自分の写真を撮っています。
あの日は本当に天気が良かったですね。
azu2525さんの様に仙丈ヶ岳主峰だけでなく大仙丈にも足を運んで下さる方がもっと増えて欲しいなと思います。
こんばんは
実は同じ日に仙丈ケ岳に日帰り山行しました。
帰りに次は北岳に行こうと決めていたのですが
一日で両方をハントするとは・・・・
驚きです。
お疲れさまでした。
バスを使ってそれぞれ北岳と仙丈ヶ岳を日帰りで走破することはできそうでいて難しいですね。
バス時間の制約がひとつネックです。
それもあり、思い切って仙塩尾根を経由してこのふたつのピークを狙いました。
(北沢峠から甲斐駒と仙丈ヶ岳を日帰りで狙うのもなかなか時間がかかりますよね)
あの朝は、駐車場は混んでましたがこちらも第二駐車場に止める事ができましたよ。
とても良く晴れた一日でしたね。
ainuさん、こんにちは。
この時間で行けるものなんですね もちろん行ける人はそんなに多くは無いでしょうが。。。
ご飯、食べなくても腹は減らないのですか?前からトレランの人の軽装には、疑問におもっていたのですが。。。僕など、エネルギーが取れたとしても、お腹が空くと力が出ないので、その点が前から不思議でした。
今回の食料はどれだけですか?
ちなみにビバークの備えは不要だと思います。先頭のタクシーの人に、事情を説明してお金は同じだけ払う事で、夜叉神峠の駐車場から乗る事ができます。
北沢峠から夜叉神峠までは、林道で25キロ程、歩いても5時間程なので、北沢峠でビバークする位なら、夜叉神峠まで戻った方が安全ですから。ainuさんなら走れるのでもっとかからないでしょうし。
まあ間に合ってしまったので、その必要も無かったのですが。。。
今週末は雨ですね。こんな週末は久しぶりかもしれません。
実はエネルギー切れについては実はとても気を使っています。
自分の場合、早起きだと思いのほか寝不足なのか力抜け(ハンガーノック)に掛かる可能性が高いというのが経験であります。
ですので、まづ芦安の駐車場に向かう運転中からブドウ糖を摂取し始めます。
そして、同時に運転中にバナナなんかを食べます。
あわせて、出発前にその気が無くても起きたてにガッツリ食事を取ります。
(行動開始前には満腹感が過ぎない様に前々から詰め込んでおくというイメージです)
とにかく、行動前には無理してでも嫌と言うほど食べるようにしてます。
幸い、今回は大会ではないので、ペースもある程度抑えて行動しました。
行動食として持参したのは¥100ショップでいうと300-400円分くらいでしょうか。
それでも、終わってみると余り消費できていないので、帰路バスの中でおやつとして食べたりしました。
どちらかというと、量よりもこまめに少量ずつ摂取しながら行動し、中間地点などでは
計画的にブドウ糖粉末を摂取しながら絶えずある程度のエネルギーを確保しつつ行動するという感じです。
(この「量」についても、体力の限界を引き上げつつ持久力を養うことで落とすことができると思います)
空腹で力抜けする手前を維持すべく、最低量を計画的に定量をこまめに摂取し行動してます。
とにかくハンガーノックが怖く、その時のクスリとしてブドウ糖は余分に携帯、時間を決めて摂取するようにしてます。
北沢峠から夜叉神峠までは林道で25キロですか。
実際問題として考えると確かに5時間掛けて歩いた方がいいですね。
北沢峠も標高2,000m越なので、この時期夜は氷点下ですしね。
そう言えば、確かに夜叉神峠から芦安のタクシーも事前に連絡をいれておけば迎えに来てくれるシステムでしたね。
。。。でも、Futaroさん、そうなると最終的に延べ50kmも行動することになりますよ。
さすがにそういった持久戦の発想に関してはFutaroさんには頭上がりませんね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する